注意!

 

# 17 崩壊の序曲

脚本:根元歳三/コンテ:青木康直/演出:佐藤照雄/作画監督:佐久間信一

 色々と詰め込まれ、削られ、再構成されていた回。

 ストーリーを追うだけで精一杯な感じです。多分、視聴者も製作者も。

 

 以下は重箱の隅ツッコミです。読みたい方だけどうぞ。





 アバンは今回も本編のはみ出し。

 前回、推測だけで強引に押し進めてあった部分のフォローが行われていました。

#夜。ベルケンドの医療施設。病室のベッドで眠っているティア。
#他の仲間たちは音機関研究所の一室らしき場所に集まっている

ナタリア「今は落ち着いていますわ」
アニス「よかったー……」
ルーク「本当にティアを連れて行くのか」
ジェイド「大陸を安全に降下させるには、パッセージリングを起動させなければなりません。そのためには、恐らくティアが必要でしょう」
#アニス、傍らのイオンに向かい
アニス「どうしてですか?」
イオン「リングを、我々だけで起動させることは不可能です。ローレライとシンクロすることができた、彼女なら、あるいは」←14話でも思いましたが、アニメ版のイオンはすんごい博識と言うか、ジェイドに次ぐパーティの知恵袋になっちゃってますよね。
ナタリア「では、やはり……」
ガイ「連れていくしかないってのか」
ルーク「………」
#暗い顔で黙り込んでいるルーク。
#黙って目を伏せて両腕を組んでいたジェイドが、鋭い目をあげてドアを見やる

ジェイド「――覗き見とは、趣味が悪いですね」
#ドアを開けて、老人がおずおずと顔を出す
ルーク「お前は、スピノザ!」

 フォロー、なんだけど。やっぱり強引。ティアがパッセージリングを起動させるたびに体調を崩すという前振りがなく、一度だけリング起動の際に具合が悪そうになっただけなのに、ティアだけがリングを起動できると決めつけている。そんな薄い根拠で、命に危険があってもティアを作戦に参加させると、ティアがいない場所で勝手に決めてますし…。

 せめて、ティアがユリアの子孫であることを原作どおり外殻大地編で明かしておけば、もう少し強い根拠になったような。

 

 Aパートは、スピノザの懺悔から開始。

 原作でスピノザが懺悔をするのは、まだ少し先なんですが、前倒しの上に圧縮されています。

 

 ちなみに原作のこの辺りのストーリーの流れは以下のような感じ。

  1. 地核から戻って精密検査を受け、ティアが障気に侵されていると分かる
    • ティアは外殻降下をやめないと宣言
    • じゃあ、後ろ向いてる」「……ばか
  2. メジオラ高原のセフィロトへ。リグレットがティアを説得しようと出現
    • ガイが、幼い頃にホドで、ヴァンに第七譜石を見せてもらったことがあると思い出し、地核で見たのはそれだったと気付く。(第七譜石は今は地核にある)
    • ヴァンは第七譜石の預言を知っているらしい。自分たちの行為はもしや間違っている…? と、不安に駆られる
    • リグレットは、ワイヨン鏡窟でしか採れないエンシェント鏡石を落として立ち去り、ティアはそれを拾う
    • アッシュは怒ってると思うけど、俺、マジ感謝してる。ジェイドがフォミクリーを考えてくれなきゃ俺は生まれてねーから。……ホントは生まれてちゃ駄目なんだろうけどよ
    • ガイ、セフィロト内部の創世暦時代の音機関に大はしゃぎ。はぁ〜ん。
  3. セフィロトで整備用ロボットのメンテフォニゴから部品を奪い、故障していたパッセージリングへの昇降機を動かす。
    ティアがリング起動、ルークが超振動でリング操作
    • ジェイドはティアに血中音素フォニムの計測器を装着させ、本当にリング起動で汚染音素が流れ込むのか検査。間違いないと判る
    • ジェイドは、リングはユリアの遺伝情報に反応しているのだろうと推測。それを聞いたティアは、ヴァンも障気に侵されているのではと密かに心配し始める
    • ジェイドは、地核が汚染されていて、そこから障気が発生しているのではないかと推測。外殻一斉降下による障気封印を思いつくが、この時点では確証を持てないので詳しくは語らなかった
  4. 帰還途中、アルビオール3号機の試験飛行をしていたというアストンと再会。
    直後にスピノザが現れたが、ルークたちに見つかると逃げ出し、アルビオール3号機を奪って飛び去る。ルークたちは2号機で追跡。スピノザを捕らえ、ベルケンド知事邸に拘束して尋問
  5. スピノザの懺悔。謝罪するために来たが、いざとなると怖くなって逃げてしまったと語る。ルークは彼に過去の自分自身を見て、許す。
    物理学者としてのスピノザの頭脳に目を付けたジェイドは、障気封印計画の検証を依頼
  6. スピノザが検証している間に、ダアトのザレッホ火山のセフィロトへ。
    アニスの言動がそわそわして、おかしくなる。スパイイベントの伏線
    • 教会でモースと出会うが、妨害されない。モースの目的は預言どおり戦争を起こすことなので、外殻が降下しようと崩落しようとどうでもいいから
  7. ベルケンドへ戻り、スピノザから障気封印計画に太鼓判をもらう。
    ロニール雪山のセフィロトへ向かう前にベルケンドに一泊。ところが、翌朝になってティアの出奔が明らかに。スピノザを訪ねてきたアッシュと共に、フォニミン採取隊に同行してワイヨン鏡窟へ向かったとのこと。ルークたちも追う
  8. ワイヨン鏡窟の入口近くで、縛られているフォニミン採取隊と、撤収中のリグレット率いる神託の盾騎士団と出会う。
    最奥のフォミクリー施設にて、ヴァンと対峙するティアと、ヴァンに斬られたアッシュを発見。ヴァンはレプリカ大地計画について語り、アッシュに誘いの声をかけて、アブソーブゲートで待つと告げて立ち去る
    • アッシュは、檻の中の黄色い実験チーグル(スター)を見て、自分はもうすぐレプリカに存在を食われて消えると勘違いする
  9. シェリダンへ行って休憩。ティアは仲間たちに謝罪し、もう一度だけ兄を説得しようと思った、もう迷わずに戦うと述べる
    • スターをアストンに預ける
  10. ロニール雪山へ向かうためにケテルブルクへ。
    ディストをマルクト帝国軍に引き渡す
    • 飛行譜石の一件以降、ずっとケテルブルク広場でジェイドを待っていたディストが凍えて倒れ、ネフリーの采配でホテルに収容されていた。
      ジェイドはディストを拷問して、雪崩が起き易くなっていることと魔物が凶暴化していることを聞き出し、マルクト軍に引き渡した
  11. ロニール雪山で、待ちうけていたリグレット、ラルゴ、アリエッタと戦うが、戦闘の結果、雪崩が発生。恐らく六神将は谷に落ちて死んだのだろうと結論
    • ティアが怪談嫌いであることが、仲間たちにバレる
  12. ルークはロニール雪山のリングを操作。
    ところが、ヴァンが全リングが連結すると同時にアブソーブゲートからエネルギーを逆流させ、地核が活性化するようにプログラムを組んでいたため、リングに一気に負荷がかかり、全外殻崩落が間近に迫ってしまう
    • ダアト式封咒の解咒を続けたイオンは、疲労が積み重なって本格的に体調を崩してしまう

 

 さて、アニメ版の話に戻ります。

 アニメのスピノザは自らルークたちに謝罪に来て、逃げませんでした。会話は原作のエッセンスを採りつつ、オリジナルになっています。

(アニメ版)
スピノザ「気付いたんじゃ。自分の過ちに」
アニス「過ち?」
スピノザ「ヴァン様に協力すれば、望みどおりの研究ができる。そのことしか考えていなかった」
#スピノザを見つめるルーク
スピノザ「そのためにヘンケンたちが……」
#アニス、スピノザの傍に駆け寄って、憤った様子で
アニス「なーに言ってんの! 今更そんなこと! 信用できるわけないじゃん!」
スピノザ「……」
#黙って項垂れるスピノザ。ルークが一歩前に出て口を開く
ルーク「……俺、この人のこと信じられると思う」
#ぎょっとしたようにルークを見るガイ。アニス、非難するように
アニス「ルーク!」
ルーク「この人は、俺と同じなんだ。アクゼリュスを消滅させた、あの時の俺と……」
アニス「……ぶー」
#頬をふくらませて子供っぽくふてくされるアニス
ジェイド「あなたの決心が本当なら、やってもらいたいことがあります」
#顔を上げるスピノザ。場面暗転。

#場面切り替わり、音機関研究所(?)から出ていくルークたち。アニスが最後尾から呼びとめる
アニス「大佐……」
#立ち止まり、振り向くジェイド。他の仲間たちも同様にする
アニス「スピノザのこと、いいんですか?」
ジェイド「許した訳ではありません。しかし、外殻大地を下ろし、魔界クリフォトの障気を封じることが可能かどうか、専門家に検証してもらう必要がありますからね」
アニス「だけど! 裏切り者だよ!」
ルーク「俺は信じる!」
イオン「彼の目は真剣でした」
ガイ「見張りもつけるし、おかしなことは出来ないさ」
ナタリア「今は信じるしかありませんわね」
#悔しげに俯くアニス
アニス(なんでみんな、そんなに簡単に信じちゃうの? (そっぽを向いて)馬鹿みたいだよ……)

 元になったと思われる原作のエピソードは以下の二つ。

(原作・メインシナリオ)
アストン「わしらの話を立ち聞きしてどうするつもりだったんじゃ!!」
ルーク「またヴァン師匠せんせいたちに密告でもするつもりか!?」
スピノザ「ち……違う……」
イオン「まあ、待って下さい。相手を怯えさせるだけでは何もわかりませんよ。(スピノザに向かって)あなたは何をしにメジオラ高原へ来たのですか?」
スピノザ「わ、わしは……皆の墓参りをしたくてシェリダンへ行ったんじゃ。その時アストンがメジオラ高原に行くと聞いて……。まずアストンに謝ろうと……」
アストン「なら逃げることはないじゃろが!」
スピノザ「こ、怖かったんじゃ! いざとなると何を言っていいのか……それで……」
#「……」と、何か思う様子のルーク
アニス「そんなの信じらんないよ! だいたい、アンタがチクったから総長にバレたんじゃん!」
スピノザ「……確かにわしは二度もヘンケンたちを裏切った。二人が止めるのを無視して禁忌に手を出し、その上 二人をヴァン様に売った……。もう取り返しがつかないことはわかっとる。じゃが皆が殺されて、わしは初めて気付いたんじゃ。わしの研究は仲間を殺してまでやる価値のあったものなんじゃろうかと」
ルーク「……俺、この人の言ってること信じられると思う」
#少し驚いた様子のティア
ティア「ルーク……」
ルーク「俺、アクゼリュスを消滅させたこと認めるのが辛かった。認めたら今度は何かしなくちゃ償わなくちゃって……。この人はあの時の俺なんだよ」
#ジェイド、スピノザに向かい
ジェイド「もしもあなたの決心が本当なら、あなたにやってもらいたいことがあります」
スピノザ「な、なんじゃ?」
ジェイド「障気の中和、いえ、隔離の為の研究です。これにはあなたが専門にしている物理学が必要になる」
アニス「大佐! こんな奴信じるの!?」
ジェイド「人間性はさておき、彼の頭脳は必要なんですよ」
スピノザ「やらせてくれ。わしにできるのは研究しかない」
ティア「……あなたは兄の――ヴァンの研究者でしょう。そんなことをすれば殺されるかもしれないわ」
スピノザ「……それでもやるんじゃ。やらせてくれ」
アストン「なぁ、みんな。……今一度、この馬鹿を信じてやってくれんか?」
アニス「だけど……裏切り者だよ……」
ジェイド「この人に24時間監視をつけてはどうですか? それで研究に合流させればいい」
ビリジアン知事「私の一存では……」
ナタリア「……では、私が命じましょう。ジェイドの言う通りに計らって下さい」
ビリジアン知事「御意にございます」
スピノザ「この研究、粉骨砕身で協力する。本当にありがとう……」
#ガイ、少し皮肉に
ガイ「まあ、ここまで言って裏切ったら、大した役者だな」
ジェイド「私の障気隔離案については、走り書きですが、ここに纏めておきました。検証してみて下さい」
#ジェイド、スピノザに書類を渡す
ビリジアン知事「ではスピノザは第一音機関施設へ連れて行きましょう」
アストン「わしはアルビオール三号機を修理して帰る。がんばれよ、スピノザ」
#兵士がスピノザを連れていき、アストンも立ち去る
ビリジアン知事「そうそう。研究員たちから皆さんに伝言を承っています。もう一つのセフィロトはダアトの教会付近にあるそうです」
イオン「教会に!? 初耳です」
ルーク「あそこ広いもんな。とにかく行って、探してみるか」
#ルークたち、知事邸を出ていく。しかしアニスは最後までその場に立ち止まったまま呟く
アニス「なんでそんな簡単に信じちゃうの? みんな、馬鹿みたいだよ……」

(原作・フェイスチャット『スピノザの贖罪』)
アニス「ホントにあの爺さん、大丈夫なのかなぁ」
ティア「まだ気になるの?」
アニス「そりゃそーだよ……。信じられる訳なーいじゃん」
イオン「彼の目は真剣でした。完全に信じることが出来なくても罪を償おうとしている姿勢は認めてあげても良いとおもいますよ」
ティア「監視もついているし、きっと大丈夫よ」
アニス「てゆっか、もう信じるしかないじゃん。任せちゃったんだから……」
イオン「そうですね。今は信じてあげてください」
アニス「む〜」

 

 アニメ版、スピノザへの不信をぶちまけるアニスに向かい、ルークが実にきっぱりと「俺は信じる!」と言い切っています。第14話で、「信じる! 俺は、ガイを信じる!」と言い切ってたのを思い出すなぁ……と思ったらば、脚本が同じ人でした。うーん。この脚本家さんにとっては、ルークはこういう、揺らぎのない、男気溢れた強いキャラなんですね。そっか。…第8話の、原作よりキツい(繊細さを排除してた感じの)親善大使様の脚本もこの人なのか。

 

 場面はティアの病室に移ります。目を覚ましたティアがベッドに腰かけていると、ルークが見舞いにやってくる。夜で、前のシーンの直後かと思われます。

 えーと。つまりアニメ版では音機関研究所と医療施設は別棟にあるのかな?

 原作だとジェイドやガイがティアの所へ行け意味が分からないのか鈍いな分からないならそれでもいいからと、やたらと強制してくるのが個人的に嫌だったんですけど、アニメ版にそんな描写はなく、ちゃんとルークが自主的にティアの様子を見にきたみたいでホッとしました。

 

 ティアの顔を見るなり「腹減ってないか? なんか飲み物でも……」と言うルーク。

 お坊ちゃまのルークがそんな気遣いを出来るようになってたとは、成長したなぁと感動。そういえば第14話(今回と同じ脚本家さんの回)でも、ティアがリング起動後に体調崩してうずくまってたら「腹でも減ったのか?」と言ってたよーな。アニメルーク的には、《具合が悪い》=《お腹が空いてる》が基本認識デフォルトなのかなぁ。

 

 ティアとルークの会話は、結構ルークの台詞がカットされていたものの、流れ的には原作どおり。映像も《間》も文句なしでした。トキメキです。

 

 ここから暫く、設定消化作業に入ります。

 第14話(今回と同じ脚本家さんの以下略)で、イオンが秘預言クローズドスコアを詠むことでセフィロトの位置を調べるという謎行動をしていましたが、この時 全てのセフィロトの位置を確認していたそうで、彼の案内で、アルビオールで一気に残りのセフィロトを巡る。

 にしても、アニメ版は秘預言をどう定義しているのかなと、改めて不思議に思いました。少なくとも原作では、《あらゆる知識の詰まった万能の書》なんてものじゃないです。どうして秘預言を詠むとセフィロトの位置が判るなんてキテレツな展開を選んだんでしょうか。

 

 まずはメジオラ高原。次にザオ遺跡。相変わらず制御板がなく、ティアが近付くとリング起動、ティア倒れる、ルーク心配する、の繰り返し。

 原作では、セフィロトの入口を閉ざすダアト式封咒をイオンが解かねばならず、その度に真っ青になって倒れ、ルークもまた、超振動でリングにプログラムを書き込み、終わるとハアハアと息を荒げて苦しそうにしている。一発勝負なのに書き込み失敗をしてはならないという重い責任もある。勿論、命の危険の差し迫ったティアが一番苦しいんですけど、彼女だけが頑張ってるんじゃない。

 でも簡略化されたアニメ版では、ティアだけが身を犠牲にして頑張っているという描き方で、なんとなくやるせないです。

 主人公のはずのルークが、後ろでボーっと見守るだけってのもなァ…。

 

 この二つのセフィロトのエピソードが終わると、野営場面になって、残るセフィロトはあと一つですねとイオンが言う。この後の展開から見るに、最後のセフィロトとはロニール雪山のことらしいです。

 ……ザレッホ火山は? それに、アブソーブゲートとラジエイトゲートだって残ってるのに。

 

 原作では、セフィロトは十箇所。

 特に重要なのがプラネットストームの起点と終点でもある第一セフィロトのラジエイトゲートと第二セフィロトのアブソーブゲート。第八セフィロトのホドと第五セフィロトのアクゼリュスはアルバート式封咒で全セフィロトの操作を封鎖していましたが、共に崩落消滅。その他、第三セフィロトのシュレーの丘、第四セフィロトのザオ遺跡、第六セフィロトのタタル渓谷、番号は不明ですが、メジオラ高原、ザレッホ火山、ロニール雪山があります。

 でもアニメ版は現在のところ、ザレッホ火山のセフィロトが言葉ですらも出ていません。そして、何故かアブソーブゲートとラジエイトゲートを、セフィロトとはみなしていない論調です。

 んじゃ、アニメ版のセフィロトは七つしかないのでしょうか?

 でも、パッセージリングを起動させる時に浮かぶセフィロト図は原作ママで、セフィロトを示す円が十個描かれているのでした。

 

 そして。メジオラ高原のパッセージリングを起動させると、ジェイドは言うのです。

「無事、降下を始めたようです」

 え…。いつどんな風に降下操作をしたと言うのでしょうか。ティアが起動させただけで降下を始めたと?

 それに、降下は全てのリングを起動・連結させてから、一気に行うのではないのでしょうか。全外殻を蓋にして障気を封印するという計画じゃなかったのかな。個別に降下させてちゃマズいんじゃないですか。原作でザオ遺跡のリングを操作してルグニカ大陸降下させた時とは目的も状況も全く違うのに。

 

 野営の場所はどこなのか分かりません。アルビオールの前に焚き火をして、それを囲んでいました。

 唐突にガイがホドで第七譜石を見たことを思い出し、ティアがユリアの子孫であると明かされます。

アニス「でも総長、ローレライが実在するってことも知ってたよね」
#イオン、ティアに向かって
イオン「まるで、第七譜石を詠んだことがあるような口ぶりでした」
ティア「兄が第七譜石を見つけたと?」
ガイ「――まさか!」
ジェイド「どうしました?」
ガイ「ガキの頃……まだホドが沈む前だ。ヴァンに連れられて、ある場所に行ったことがある。ヴァンはフェンデ家の秘密の場所だと言っていた。そこで……」
#回想イメージ。閉ざされた暗い空間の中で、巨大な譜石を見上げている幼いガイとヴァン
ガイ「ひょっとしてあれが、第七譜石だったんじゃ」
ジェイド「ホドに? 初耳ですね」
ガイ「フェンデ家は、ユリアに仕える七賢人の一人で……」
ティア「ユリアとの間に生まれた子供が代々、彼女の譜歌と能力を守り続けてきた。兄がよく話してくれたわ。ただの伝説かと思っていたけど……」
アニス「でもティアは、ユリアの譜歌を詠えるじゃん。確か総長もだよね」
ナタリア「では、やはりティアは本当に……」
#瞳を揺らすティア
ティア「私が……ユリアの子孫……?」
ルーク「ってことは、師匠せんせいは第七譜石を詠んでるってことなのか?」
ジェイド「ええ。ユリアの預言スコアが示した未来を知っている、ということでしょうね」
ルーク「一体どんな未来なんだ……」
#ルーク、苛立ったように拳を自分の掌に打ち付ける。同時に、バチッと焚木が火の中で音を立てる。
#焚火を見つめ、何事か考え込んでいる様子のティア

 イオンが「まるで、第七譜石を詠んだことがあるような口ぶりでした」と言うんですが。…え? ヴァンってそんなこと言ってましたっけ?

預言スコアに狂わされたこの世界を、生まれ変わらせる」「預言通りにしか生きられぬ人類などただの人形。全てを無に帰し、新しい世界を創るべきなのだ。レプリカでな」「それでこそ、世界はユリアの預言スコアから解放され、新たな道を歩み始めるのだ」

としか言ってない。これって《第七譜石を詠んだかのような発言》でしょうか? 一般的には、第七譜石には繁栄の預言スコアが詠まれていると言われているんですよ。だからルークは、ユリアの預言に自分の存在が詠まれていないと知ったとき、今起こっている災いは自分が預言を歪ませたせいではないかと不安になったんですし。なのにアニメイオンのこの言い方だと、第七譜石に星の滅亡……消滅預言ラストジャッジメントスコアが詠まれていることを、彼自身が知っている、想定しているかのようです。

 ヴァンが第七譜石の預言の内容を知っていて、それを回避するべく活動しているのは事実です。しかし、現時点でヴァン自身がそれが判る発言をしたことはありません。勿論、イオンが第七譜石の内容を知っていることもないはずです。

 うーん……モヤモヤするなぁ。

 第14話の、秘預言クローズドスコアを詠んでセフィロトの位置を探るなど、トンチンカンな辻褄でどんどん進む展開にも感じましたが、再構成したエピソードの繋ぎ方が、いささか強引だと思います。

 

 ちなみに原作では、ティアを説得しに現れたリグレットが、どうして今のままの世界ではいけないのかと問われて

「それでは結局、ユリアの預言スコアという呪縛から逃れることは出来ない」
「おまえたちもいずれわかる。ユリアの預言スコアがどこまでも正確だということを。多少の歪みなどものともせず、歴史は第七譜石の預言スコア通りに進むだろう」

と言ったので、ヴァンは第七譜石の預言を知っていて、どういう理由でかは不明ながら、それを回避しようとしているのではないかとルークたちが気付くんですけどね。

 今回、このように《ヴァンは第七譜石の内容を知っている》という展開にするなら、前回のヴァンが己の計画を話すシーンに、前述のリグレットの台詞に準じたものを追加して欲しかったです、視聴者としては。さもなければ、今回のヴァンとティアの密会の後に第七譜石の話題を出すか。

 

 関連して。原作では、ヴァンは第七譜石の内容を知っているのではと思い当たったルークやナタリアが、「じゃあ師匠せんせいは、ユリアの預言スコアが示した未来を知ってる? まさか、俺たちのしてることはヤバいことなのか?」「第七譜石にはどんな未来が詠まれてるんだろう。師匠せんせいたちの言うように、よくない未来が詠まれてるのかな……」 「……ヴァンはその預言スコアを知っていたから、オリジナルを滅ぼして、新しい世界を作ろうとしているのですか?」と少し不安がり、ガイに諌められる描写がありますが、アニメ版ではカットですね。ヴァンの行動にも理があるのかもしれない、自分たちの行動にも間違いがあるのかもしれないという、原作特有の価値観の揺さぶりは避けてあります。

 

 そして。やっとティアがユリアの子孫だと語られました。

 原作だと外殻大地編前半の時点で明かされることなのに、よくもまあこんな遅くまで我慢して引っ張ったなぁと思います。

 以前の感想で、メジオラ高原辺りで明かすつもりなのかもと予想を書きましたが、ドンピシャでした! だから何だって程度のことなんだけど、当たるとなんか嬉しいですね。(^_^)

 原作ティアは、「本当かどうかは知りません」と誤魔化しながらも、兄の言葉を否定していなかった…自分がユリアの血をひくことを肯定していたようですが、アニメティアさんは兄に何度聞かされても頭から信じていなかった模様。

 アニメのティアさんは、自分や兄だけがユリアの譜歌を詠える事実を、どう考えていたんでしょうか。一子相伝みたいなものなのに。暢気な人だなぁ。

 ティアがユリアの子孫であることは明かされましたが、大譜歌の設定はまだ語ってないですよね。ラスボス戦直前とかまでお預けなのかなぁ。

 

 時は進み、夜中になります。時間経過を月の位置を動かすことでさり気に表現していたのは、とても良かったです。

 アルビオールが傍に停まっているのに、何故か野外で地べたに転がって眠っているルークたち。食事は野外で火を焚いてするのがいいと思うけど、寝るのは艇内に入った方が絶対いいと思うんですが……。しかも、女性陣とイオンには毛布があるのに、ジェイド、ルーク、ガイはそのまま寝てました。意味の分からないことをする人たちです。何かの我慢大会でしょうか。ルークはぽんぽん丸出しで寝てるから絶対お腹壊すよ。

 そういえば、今回のガイの寝相は普通でした(笑)。

 あと、アニスが同じ毛布でミュウときちんと並んで眠っていたのが、すんごくすんごく可愛かったですっ。あぁあああ…♥ ティアは崖の上から(かわいい…♥)と思いつつ見つめていたに違いないよ。

 

 そんな仲間たちを遥か遠く見下ろす崖の上に、一人佇んでいるティア。どこか辛そうに仲間たちを見つめていましたが、気配に気付いてハッと振り返る。すぐ後ろにヴァンが現れていました。

 ここ、ティアの行動が唐突で、説明も不足しているためよく分からないのですが、原作のエピソードを参照して考えるに、ヴァンを説得するために仲間たちの元を離れようとしたということみたいです。

 

 原作のティアの出奔は、前々からそこへ至るまでの伏線が張られています。

 メジオラ高原でリグレットが説得に現れ、何故かエンシェント鏡石を落としていく。それを拾ったティアは考え込んでぼんやりする。それからリングを起動させたとき、間違いなくリングから汚染第七音素セブンスフォニムが流れ込んでいる、リングはユリアの遺伝情報に反応しているのだろうとジェイドに聞かされて、再び浮かない顔で考え込む。次にザレッホ火山のセフィロトに入るためダアトの教会へ行き、ヴァンが行方不明だとモースに聞くと、「……まさか」と呟く。その後ベルケンドで、エンシェント鏡石を採掘に行くフォニミン採取隊にルークたちに黙って同行してしまいます。

 が、アニメにはこうした丁寧な前振りがありません。ですからティアの行動は唐突ですし、また、かなり身勝手に感じられました。

 原作のティアは、様子がおかしくなってから出奔するまでの期間が長いので、我慢に我慢を重ねて耐えきれなくなってなりふり構わず飛び出して行ったように感じられ、同情できましたが、アニメのティアは落ち着いた様子でスッと出ていく。ほんの少し前のシーンでは、我が身を犠牲にしてでも外殻降下を行うと健気に言い切っていたというのに、その作業を残したまま、静かな表情で黙って消える。

 何なのこの人。と思ってしまいました。思わず。

 原作のティアは、兄はワイヨン鏡窟で待っているのだろうと踏んで出ていく。でもアニメのティアさんは、何の当てもなくふらっと出ていくのです。外殻崩落の迫ったこの時期に、兄を探して世界中を旅するつもりだったんでしょうか?

 いや。ヴァンが現れたとき殆ど動揺していませんでしたので、描写されていないだけで、呼び出されてあの場へ行ったのでしょうか。

 これもまた、エピソードの繋ぎ方が強引だと思いました。

 

 現れたヴァンは、原作ワイヨン鏡窟での台詞に、原作メジオラ高原でのリグレットの台詞を混ぜて喋っていました。

ヴァン「これ以上、無駄なことはやめろ」
ティア「無駄なこと…?」
ヴァン「お前の体のことは分かっている」
ティア「! 兄さんもパッセージリングを操作していた。兄さんの体も!?」
ヴァン「些細なことだ。私の体など。この世界が預言スコアから解放されるのなら」
ティア「どうしてそこまで!」
ヴァン「お前も知ったはずだ。ホド消滅の真実を。預言スコアに踊らされ、預言を利用する為政者たちのことを」
#視線を険しくするティア
ティア「……」
ヴァン「この世界に、その身を犠牲にするほどの価値があるのか? 今からでも遅くない。私のもとへ来るのだ。メシュティアリカ」
#ティア、目を伏せる
ティア「兄さんの言う通りかもしれない。けど……!」

#回想シーン。
#偽姫事件でバチカル脱出した際、庇ってくれたバチカル市民と漆黒の翼の姿。
#イオンとナタリアをダアトに救いに行ったとき、褒められて嬉しそうなミュウ。
#カースロット事件の際のガイとジェイドの会話、笑ってルークを許すガイ。
#バチカル脱出後、ナタリアを慰めるガイに呆れるアニスとルークと、女性恐怖症でコミカルにナタリアから逃げるガイ。
#回想終わり

#伏せていた目を上げてティアが物思いから戻ると同時、アッシュが抜き身の剣を持って雄叫びながら駆け込んでくる

 

 長々と入れられた回想シーン、私は意味を量りかねて「???」と思ってしまったんですが、皆さんはどうでしたでしょうか。

 シーンのチョイス自体も意味不明ですし、また、コミカルな場面ばかりでしたので、折角のシリアスな雰囲気が断ち切られてしまってもいました。マジに、なんなんだこれ?

 無理に解釈してみるなら、こんな感じでしょうか?

  1. バチカル脱出を助けてくれた市民と漆黒の翼
    • 為政者たちは酷いけれど、市民たちは優しいのよ!
  2. 褒められて嬉しそうなミュウ
    • 可愛いものは正義なのよ!
  3. カースロット時のガイとジェイド、ルーク
    • 兄さんと同じようにホド崩落で人生を歪められたガイだって、ルークを許したのよ!
  4. ナタリアを慰めるガイに呆れるアニスとルーク
    • あの時のアニスとルークは可愛かったわ……じゃなくて、キムラスカ王国に人生を歪められたガイは、それでも為政者側にいたナタリアを励ます優しさを持っているのよ!
  5. 女性恐怖症でコミカルにナタリアから離れるガイ
    • ホド崩落が原因でこんな心の障害を抱えても、ガイは強く生きているのよ!

 ひたすらガイを称賛しつつ、合間に可愛いもののチェックを怠らないティアであった……。

 

 っつーか、《この世界には価値がある》という意図で回想をチョイスしなければならないと思うんですが、ホド崩落の同じ痛みを抱えているとはいえガイの映像ばかり。もしもその意味でガイの映像にしたのなら、第15話の平和条約締結後の、「どんな事情があれ、ヴァンのやり方は間違ってる。止めなくちゃいけないんだ。俺たちの手で!」と宣言するシーンなどを選んだほうが良かったんじゃ……。どうしてまた、コミカルな女性恐怖症シーンを選んだんでしょうか。この回を作ってた時まだ15話が完成してなかったってことかもしれないけど、それならそれで他にも相応しいシーンがあるような…。

 って言うか。ガイを中心にするんじゃなく、失敗しても前に進もうとしているルーク…断髪シーンの映像をメインに回想を組んだ方が良かったんじゃないのかなぁ……。ルークが主人公で、ルークを中心にしてティアも仲間たちも自分を変えていく話なんですから。

 今回の回想、合間に可愛いミュウのカットが入っていたのは、ティアにとって可愛いものは我が身を犠牲にして守りたいほど価値があるんですヨと言いたいんでしょうけど。このシリアスな場面で、しかもルークをメインにした回想がないのに、世界を守る理由として挙げるのはしっくりこなかったです。ギャグみたい。

 第8話ラスト近くの、自分がレプリカだと知ったルークが、何故かデオ峠でのリグレットの台詞を回想するのと同じ。意図を量りかねてどうにも戸惑ってしまう、意味不明のシーンだと思いました。

 ……って。第8話は今回と同じ脚本家さんと演出家さんなんですね。

 何にしても、TVA『アビス』は回想シーンのチョイスセンスが時々凄く変だという思いが、今新たに。

 実際、どの感想ブログを拝見しても、皆さん、この回想シーンには首を傾げてらっしゃいました。

 

 雄叫びと共に、抜き身の剣を構えて唐突に駆け込んでくるアッシュ。

 原作アッシュは、別件でベルケンドを訪れた際にヴァンに会いに行こうとしているティアと会い、鏡窟に同行し、しばらくティアと共にヴァンと会話してから、交渉決裂でキレてヴァンに襲いかかったらしく思われるのですが、アニメ版ではいきなり喚きながら襲ってくる。

 この繋ぎ方が一番シンプルにまとまるから仕方ないですが、アッシュがちょっとアレな感じになっちゃいましたね。(^_^;)

 

 ヴァンとアッシュが激しい剣の戦いを始めた頃、ルークは仲間たちに起こされ、ティアがいなくなったことを知らされる。

 ミュウが懸命にルークを揺り動かして起こそうとし、けれどルークが「うっせぇブタザルぅ……」と寝返りをうって下敷きになっちゃうのは可愛かったです♥ それに、久しぶりに(アニメ版では断髪後初めて?)ルークのブタザル呼びが聞けましたね。

 

 アッシュの剣の猛襲を剣で軽く受け続けるヴァン。ここでティアが「やめて! 兄さんの体は、もう!」と、アッシュに向かって言うのが印象的でした。原作では「兄さん、やめて!」と、兄に向かって言うんですが。

 そこに、非常に都合よく全員そろって駆けつけるルークたち。同時に、アッシュが嗤うヴァンに斬られて地面に転がされる。「アッシュ!」とナタリアが悲鳴を上げたところでAパート終了です。

 

 Bパート。倒れたアッシュに呼びかけながら、ナタリアが駆け寄る。

 一方ルークは「師匠せんせい」とヴァンに呼びかけますが、ヴァンは無視してアッシュに語りかけます。

#冷然とアッシュを見下ろして
ヴァン「何故私に逆らう?」
アッシュ「……っ」
#アッシュ、苦しそうに半身を起こしてヴァンを睨みつける
ヴァン「お前を捨てた世界だぞ。預言スコアに従い、そのためならどんな犠牲もいとわない。お前も、この世界に失望しているのではなかったのか?」
アッシュ「……ああ、そうさ。預言も、この世界も、ぶっ潰してやりたい!」
#アッシュを支えながら、目を見開くナタリア
ナタリア「そんな……!」
アッシュ「だが。だがな! ――ぐあっ」
#激痛が走ったように苦悶の顔で胸を押さえる
ナタリア「あ……!」
#ナタリア、急いでアッシュを支える力を強める。傷を押さえるアッシュの手を包むように重ねられる、ナタリアの手
アッシュ「あんたにも……大切な者が……守りたい者が……いるんじゃないのかよ!」
ナタリア「――アッシュ!」
#驚きと様々な痛みの入り混じった顔で瞳を揺らし、アッシュを見つめて呟くナタリア。ここのナタリアの表情、最高でした。
#ナタリア、アッシュの手を包む自分の手に、少し力を込める。
#支えるナタリアに寄り掛かっているアッシュ。寄り添うような二人を、厳しい瞳で見つめるティア。
#一方、離れた場所から傍観するしかないルークたち

ヴァン「冷静になれ。私には、お前が必要なのだ。出来損ないではない。アッシュ。本物のおまえがな」
ルーク「……」
#独り、辛そうに俯くルーク。その様子に気付いたのはイオンだけ。
#ヴァン、ティアを返り見て

ヴァン「メシュティアリカ」
#じっと見つめる。表情を鋭くするティア
ティア「――兄さんはレプリカの世界を作ろうとしているんでしょう?」
#不愉快そうに目元を歪めるヴァン
ティア「なら私を殺して、私のレプリカを作ればいい!」←アブソープゲート決戦時の台詞を、前倒してここで使用
#驚くルークたち。
#睨みあう兄妹。やがてヴァンは目を伏せてフッと苦笑し

ヴァン「……お前とは、戦いたくなかったが」
#剣を腰の鞘に収める
ヴァン「アッシュ。アブソーブゲートで待つ!」
#身をひるがえし、身軽に駆け去るヴァン
アッシュ「くそっ! 待て! ――ぐあぁっ」
#よろめきながら立ち上がるアッシュ。しかし苦鳴をあげて再びうずくまってしまう
ナタリア「無茶ですわ! 今すぐ手当てを」
#ナタリア、アッシュの前に回り、傷に両手をかざして治癒術を使おうとしたが、アッシュはその手を激しく払いのけた。
#アッシュ、地に突き立てた剣を支えにして立ちあがると、苦しそうに

アッシュ「俺には……時間がないんだ」
#剣を地面から抜き、ヴァンを追って走っていく
ナタリア「アッシュ!」
#取り残されたナタリア。不安そうに彼の消えた方向を見つめている。下からアオった不安定な構図で、ナタリアの心境をよく表していました。
#そんな彼女の姿を、どこか痛ましげな瞳で見つめているティア

 原作より深く、ティア、ナタリアの感情、アッシュの動機が描きこまれていました。

 預言のため幼き日に居場所を奪われた、その痛みはヴァンとアッシュが共通して持っているもの。だからアッシュも一時期は、預言を廃した世界を作るというヴァンの理想を信じていた。でも、ヴァンは今の世界を消すことでそれを行い、最後には自分も愛する人たちも一緒に死んで、それによって苦しみから逃れようとしている。対してアッシュは、世界の理不尽を憎んではいても、祖国やナタリアを消すことなんて、絶対に許容することが出来ない。うんうん。そうですよね。

 そしてティアが、寄り添うアッシュとナタリアを厳しい瞳でじっと見つめてましたけど。これってどういう意味なんでしょう。同じように世界を憎んでも、アッシュはナタリアへの愛ゆえに踏みとどまった。けれど、兄は自分への愛のためには踏みとどまってくれなかった。そんなことを考えていたんでしょうか。

 アッシュがヴァンを追って手負いのまま立ち去った後、ナタリアが彼の去った方をじっと見ている描写は原作にもあるんですが、台詞もないし画面の端でごく目立たない。それをアニメはかなり大きく膨らませ、アッシュの抱える《ナタリアをこの上なく愛しながらも拒絶》という二律背反を視聴者に印象付けています。次の野営のシーンでも、アッシュに払われた手をじっと見つめているナタリアのシーンが追加されていました。

 

 それはそうと、やっと《ヴァンにアッシュと比較され、劣化品よと存在否定されて心折れるルーク》の描写が出ましたが、希薄に感じました。また、「私には、お前が必要なのだ」と言われたアッシュの反応もまるで描きませんでした。この言葉を聞いたアッシュは内心で相当に葛藤していたはずなんですが。原作の中核テーマなのに、アニメ版では優先度が低目の要素ってことなのかな。

 

 それから。ヴァンの方から訪ねてきてしまったので、ワイヨン鏡窟フォミクリー施設へ行くことがなくなりました。黄色い実験チーグル・スターの存在は、これで抹消確定ということでしょうか。大爆発ビッグ・バンの説明はどんな感じになっていくんでしょう。

 

 野営場所に戻り、再び火を焚いて会話。

(アニメ版)
#焚き火の傍に座り、アッシュに払われた自分の手をじっと見つめているナタリア。
#ノエルが温かい飲み物が入っているらしきマグカップを渡してくれる。
#ちなみに、座っているのはティアとナタリアだけで、他の仲間たちは皆、どこか落ち着かなげに立ったまま

ティア「……ごめんなさい。私、まだ迷っていた。兄さんと戦うことを」
ガイ「仕方ないさ」
アニス「そうだよ」
ティア「兄さんを説得できないかって、ずっと考えていた。でも」
ルーク「本当に、いいのか」
#ティア、決然と顔を上げる。非常に美しい横顔でした
ティア「ええ。もう迷わない。私は、私は最後まで兄さんと戦う!」
#何がしかの感銘を受けた様子のナタリア
ナタリア「ティア……」
#それぞれティアを見つめる仲間たち
ジェイド「ティアにその覚悟があると言うのなら、いいでしょう」
#ティア、毅然とした表情のまま正面に立つルークに無言で頷き、ルークもそれを受けて頷く
ルーク「次はどこに行くんだ? イオン」
イオン「最後のパッセージリングがある場所。ロニール雪山です」

 ティアが男前と言うか、強くて綺麗な宿命の女戦士で、非の打ちどころがないです。お見事。

 原作だと、声優さんの演技もあって、もう少し痛々しげでしたが。ヴァンが立ち去る時も、最後の最後まで説得を諦めきれずに引き止めていましたからね。

(原作・シェリダンの集会所)
#ヴァンとそれを追うアッシュがワイヨン鏡窟を立ち去り、ルークたちは近場の都市・シェリダンへ休憩に向かう
ルーク「ティア、訳を聞かせてくれ」
#ティア、泣き枯れた果てのような、どこか憑きものが落ちたような声音で
ティア「……ごめんなさい。
 私の体に障気が蓄積されているなら、パッセージリングを使っていた兄さんも同じだと思ったの」
ルーク「それで心配になったのか?」
ティア(僅かに驚いたように)心配……。(考えて)そうね、そうだったのかも知れない。
 リグレット教官がワイヨン鏡窟の鉱石を落としたのを見て、私を呼んでいると思ったわ。だからもう一度だけ、一人で兄さんを説得してみようと思った」
ガイ「やっぱり兄妹なんだなぁ」
ティア「……でも、それももうおしまい。
 いつも思っていたわ。兄さんがこんな馬鹿げたことをやめてくれないかって。でも……もう私と兄さんは進むべき道をたがえてしまったのよ」
ルーク「いいのか? ヴァン師匠せんせいと戦うことになっても」
ティア「……忘れたの? 私はそのために外殻へ来たのよ。(声音を強めて)もう迷わないわ」
#ジェイドはいつもの調子を崩さない。ひょうひょうと
ジェイド「そこまで言うなら、いいでしょう。では次のパッセージリングへ向かいましょうか」
アニス「次って、ロニール雪山でしょ。おっかない魔物がたくさんいるっていう」
ナタリア「……リグレットたちもそこで待ち伏せているのでしょうね」
ティア「……教官……」
イオン「危険な場所ですが、そこには確かにパッセージリングがあります」
ルーク「……ティアも、いいな?」
ティア「……ええ。もちろんよ」
ルーク「よし、それならロニール雪山へ向かおう」

 ティアの決断に全く揺らぎがない。つまり、アブソーブゲート決戦前夜、ルークだけに「本当は戦いたくない」と本音を漏らすエピソードは、アニメ版には存在しないってことなのかな。

 

 ロニール雪山へ向かう前に、近くのケテルブルクに立ち寄ります。原作では、ジェイドが現在のロニール雪山の様子についてネフリーに訊いておきたいと言ったからなんですが、アニメ版では違う理由が付けられていました。

#前シーンまでのカッコ良く盛り上がる音楽から一転、ルークの汗タラ系ギャグ顔アップと、ギャグっぽい効果音
ルーク「――で。なんでケテルブルクに?」
#全員でケテルブルクの街を歩きながら
イオン「ロニール雪山に行くには、ここを通らないといけないんです」
ガイ「雪崩が起き易いらしくてな。アルビオールを着陸させるのは無理だそうだ」
ルーク「ふーん。ところで、師匠せんせいが言ってたアブソーブゲートって何だ?」
ガイ「前に、プラネットストームについて説明したよな」
ルーク「あー。この星の周りをぐるぐるエネルギーが回ってるって、あれだろ?」
ガイ「そのエネルギーの起点、発生している地点のことをラジエイトゲート。エネルギーの終点、収束していく地点のことをアブソーブゲートって言うんだ」

 やっぱりアニメ版では、アブソーブゲートとラジエイトゲートが最も重要なセフィロトだという設定を、無いことにしてる? 前のシーンでイオンが、ロニール雪山が最後のパッセージリングだと断言してましたし。

 

 街を歩いていると、ディストがギャアギャアと怒り喚いている声が聞こえてきます。

 原作では、和平会議前にディストからケテルブルク広場に呼び出されたのを無視していて、今回ケテルブルクを訪れると、待ちぼうけの彼が凍ってホテルに運び込まれたとネフリーに聞かされるのですが、アニメディストは作戦でロニール雪山に行こうとしていて、他の六神将たちに置いていかれてしまったらしい。スッキリして無理がなく、いいまとめ方だと思いました。

 ディストの声を聞いても、ジェイドが最初は「さぁ〜空耳でしょう」とそらとぼけたり、アニスに「た〜いさ〜、出番ですよ〜♥」とポンポン叩かれて仕方なく出て行ったり、ジェイドに「あちらで、少しお話でもしましょう」と言われたディストが無邪気に嬉しそうにしたり。コミカルで、らしい感じで良かったです♥

 ただ、ディストを覗き込んで歯をむき出してにひっと笑うジェイドの表情は、原作ジェイドが割と麗人系キャラ〜女性感性的なのに対し、男性感性的でしたね。ディストを路地に引きずり込んで、騒音と共にガラクタがぽんぽん飛び出してくる演出は、ちょっと古い漫画か海外アニメみたいで懐かしかった。

 

 ディストから、六神将がロニール雪山に集結していると聞き出し、それでも怯まずに雪山へ。

 ちなみに、原作でディストから聞き出したのは《外殻崩落が近いため地震が頻発し、雪崩も起き易くなっている》《強力な魔物が奥地に住み着いたため、魔物が凶暴化している》ということでした。六神将の待ち伏せは、山に入って、風の中で切れ切れに声を聞くまで知らなかったです。

 第6話のザオ砂漠のシーンで、日除けくらい着せてほしかったロニール雪山の際は防寒着を着ているといいなぁと感想を書きましたが、今回はマントのみながら全員がちゃんと防寒着を着ていたので、感激しました。ありがとうございますっ!

 ルークのマントのみ、剣を外側に出すべく真後ろに深いスリットが入ってるのが、芸が細かいですね。ルークが自分で切ったのかなぁ、得意げに着てみた後で「背中がさみー」とか騒いでそう、なんて妄想しました。

 戦闘が始まると、マントはサッと脱ぎ捨てられてましたが。何かを思い出すと思ったらアレだ。次郎長ものの任侠時代劇とかで、戦いが始まると一斉に、一家全員が合羽と笠を投げ捨てる奴。日本の様式美。

 

 原作アブソーブゲート決戦前夜のイオンとルークの会話を、雪山を歩くシーンに持ってきていました。ヴァンから自立すればルーク自身の道が見えるはず、と。そっか。このためにヴァンに「出来損ない」と言われて傷つくルークに《イオンだけが》気付く、というオリジナル描写を入れてたんですね。

 それはそうと、原作では二人きりの場での会話でしたが、アニメ版ではみんなの先頭で大声で会話してます(笑)。

 

 会話にひと段落ついた途端、リグレットが銃弾を撃ち込んできて、ルークたちは一斉に散開する。今回のイオン様保護役はジェイドでした。

 原作で待ち受けていたのはリグレット、ラルゴ、アリエッタの三人のみでしたが、アニメ版では十数人の神託の盾オラクル兵を従えてます。

 

 イオンが、自分がレプリカであることをアリエッタに告白しようとすると、アニスが「イオン様! アリエッタなんかに話す必要ないですよぅ!」と止める。原作では続けて小声で「知らなくていいことだって、あるんだから」と言っていましたが、アニメ版にその台詞は無く、完全に憎々しげな様子でした。

 リグレットに向けたティアの台詞は簡略化。兄を止めようとしないあなたを軽蔑すると言いません。

 

 戦闘開始。

 アリエッタの、抱えたヌイグルミを前に差し出す動作パターンが、多分アニメ版で初めて再現されました。……ええっ!? アリエッタの指揮で飛び出したライガが、まっ直ぐイオンを狙ってましたけど。アリエッタはイオンを殺す気? トクナガに乗ったアニスが飛び出して、ギリギリでライガを殴り飛ばして防ぎました。

 ナタリアはラルゴと対峙。互いの戦闘演出が派手に、ラルゴの台詞が微修正されてましたが、概ね原作ママ。

 前回のシンク戦とは異なり、原作の戦闘中会話は採られていませんでした。

 ルークはもはや躊躇なく神託の盾兵たちを斬り捨てています。噴き出る血は、透過光ではなく彩度を落とす方の処理。同じように斬っていたガイは、隙を見て撃ち込まれたリグレットの銃弾を抜け目なく刃で弾き、大きく跳躍して彼女に斬りかかる。相変わらず、ガイは動きが素早くて大きくてカッコイイです。忍者みたいにヒュンヒュンバク転して遠ざかりつつ、銃弾を避けてました。

 

 ジェイドも槍でズバズバ兵士を斬っていましたが、僅かに苛立ったように「キリがありませんね。こんなことをしている場合では」と言うと、ハッとしたように崖の一点を見上げる。ニヤッと笑って譜を唱え、崖に譜術・サンダーブレードを放って、意図的に雪崩を起こしてのけたのでした。

 ……ええええええええー……。

 いち早くジェイドの意図に気付いたティアが「いけない。みんな!」と叫び、第二音素譜歌フォースフィールドで結界を展開。仲間たちはその中に駆け込んで守られましたが、神託の盾オラクル兵たちは残らず雪崩に呑まれて消え、戦いは水入りに。

 ちなみに原作では誰かの意図ではなく、激しく戦ううちに、それが引き金となって雪崩が起こります。六神将たちもルークたちも、平等に雪崩に呑まれていました。

 

『マ王』漫画版のオリジナル展開で、初めてザオ遺跡に行ってアッシュら六神将に苦戦した時、ルークがわざと遺跡の壁を破壊するエピソードがあります。破壊された壁からは地下水がどっと噴き出し、遺跡は膨大な水に沈んで、戦いは文字通り水入りになる。

 全員が遺跡の外に生還できましたが、ジェイドはルークを厳しく叱りつけるのです。

「よくやった…とは言いがたいですねルーク」「やり方がむちゃくちゃです」「下手をすれば全員 地下で溺れ死んでおしまいでしたよ」

 そして今回のアニメ版、他ならぬジェイドが、漫画版のルークとほぼ同じ行動を取っています。

 悪いけれど、私は得意げに雪崩を起こしたジェイドを称える気にはなれません。漫画版のジェイドが言ったとおり、よくやったとは言い難い。下手をすれば全員が雪崩に呑まれて死んでいました。

 しかも、殺されそうになって一か八かの起死回生、という訳でもない。スパスパ紙人形のように神託の盾兵たちを殺していて、「こんなことをしている場合では」って。てっとり早く戦闘を終わらせたいだけで雪崩を起こしたみたいでした。

 

 あの。原作と違って、山に入る前の時点で、六神将の待ち伏せは分かっていたんじゃないですか。わざと雪崩を起こすくらい時間が惜しかったのなら、予めケテルブルク駐留軍でも同行させれば良かったのに。

 ジェイドのこの行動が納得できませんでした。申し訳ないけれど、この人は馬鹿じゃなかろうかとチラッと思っちゃいました。

 

 っていうかこれ、ルークのいちいち滑稽な動作からして、どうもギャグエピソードのつもりらしいんですけど、人間をズバズバ殺して血しぶきがブシュブシュほとばしってた場面から途切れなくギャグに繋がれると、どう反応したらいいのか分かりません。

#雪崩が鎮まった後、ティアの張った結界が解かれる。ホッとしたように緊張を解く仲間たち。
#アニス安堵の息を吐き、ガイも息を吐いて額の汗を拭う仕草をする

ガイ「はー。間一髪だな」
#ミュウが仲間たちの中央にすぽーんと飛び上がる。白目のコミカル顔で、ぐるぐる辺りを見渡しつつ
ミュウ「大変ですの! ご主人様がいないですの!」
#ゲッ、となる仲間たち。ギャグっぽい驚き方と効果音
#近くの雪の中からルークが頭を出してぷるぷると雪を跳ね飛ばす。コミカルな絵

ルーク「間一髪じゃヌェー!」

 このシーンだけ切り取って見れば、とても可愛い。(特にミュウの表情と動きは激カワ!)こういう外伝コメディならぜひ見たい大好きです。でもシリアス本編でこう来るか。悪いけど変な繋ぎ方だと思いました…。なんでここでこういうギャグなんだろ?

  

 あと、素朴な疑問。ジェイドが雪崩を起こそうとしていることに いち早く気づいたティアが「いけない。みんな!」と叫んだ時、ルークは彼女のすぐ傍にいたんですよ。なのに、もっと離れた場所に散らばっていた他の仲間たちは避難出来て、ルークだけ逃げ遅れてる。謎だ。ティアがダッシュでルークから離れて遠くで結界展開したってことなのか、誰かがルークを突き飛ばしたってことなのか。ただルークが恐怖で一歩も動けなかったってだけ? ヘタすりゃ『ロニール雪山アビス殺人事件』になるとこでしたよー…。

 それから。細かいことですが、ジェイドの唱えたサンダーブレードの譜が間違っていました。正しくは「雷雲よ、我が刃となりて〜」なのが「いかずちよ、我が刃となりて〜」と唱えてた。第3話ではちゃんと「雷雲よ」と唱えてるのにね。

 

 コミカルなルーク生還劇が終わると、一転して、原作どおりのシリアス空気に戻ります。「アリエッタ達も、あの下に……」とアニスが少し辛そうに呟いたり、ティアが厳しい顔で「いつかは倒さなければならない敵だったんだから」と自分に言い聞かせてたりして。はぁ…。

 

 アニメ版では実に久々に、イオンのダアト式封咒の解咒を描写。セフィロト内部に入ってリングを起動させるティアの様子は、例によって長々と、緊張感あふれる感じに描写です。構図が凝ってました。障気を吸う時のエフェクトは原作を再現。パッセージリングが起動。

ルーク「やった!」
#笑顔になる仲間たち
イオン「ええ。これでパッセージリングの操作は全て――!?」
#地震が起こり、ティアが杖を取り落とすとがくりと膝をつく

 今まで出てきたパッセージリングは、アクゼリュス以外どれも制御板そのものが存在してませんでしたが、久々に制御板がありました。ジェイドが当たり前のようにそれに駆け寄って何やらチェックし、歯噛みする。

ジェイド「やられました……」
アニス「ええっ!?」
ナタリア「どうしたのですか?」
ジェイド「アブソーブゲートのセフィロトから記憶粒子セルパーティクルが逆流しています。ここのパッセージリングを起動すると、そうなるよう仕掛けられていたようです。こんなことが出来るのは……」
ガイ「――ヴァン!」
ジェイド「このままでは、外殻大地は再び、崩落を始めます!」

 驚愕する仲間たちの中で、ルークに支えられてうずくまるティアが苦しそうな顔を上げたところで、次回へ続く、でした。

 

 このままでは《再び》外殻大地が崩落を始めると、ジェイドは言います。この口ぶりだとまるで、一度は崩落を阻止出来ていたかのようです。

 うううーん。根本的におかしい気がするうぅ〜〜(汗)。

 ルークたちが休眠状態のパッセージリングを起動して廻っていたのは、そうしたら崩落が止まるからではありませんよね。地核の振動による活性化でセフィロトが暴走してリングに負荷がかかり過ぎたため、近い将来のリング完全停止はもう避けられない。リング停止すればセフィロトツリーが消滅し、それに支えられていた外殻大地は崩落する。だから、せめて安全に外殻を降下させるため、リングが停止する前に緩やかな出力低下を行わせるためだった……はず、では?

 でも、どうもアニメ版は原作とは違うっぽい。今回メジオラ高原のリングを起動させた際、ジェイドが「無事、降下を始めたようです」と言ってましたが。つまり、最後に一箇所から全リングに一斉降下命令を出すのではなく、一箇所ずつゆっくりと降下させている?

 でもそれだと、外殻大地を蓋にした障気封印が出来ないじゃないですか。どうなってるんですか。

 

 原作でこの状況がピンチになったのは、ルークたちの外殻降下準備が完了していなかったからです。まだアブソーブゲートとラジエイトゲートのリングを起動させていなかった。崩落・降下していない全てのリングを起動・連動させて、最後に第一セフィロトたるラジエイトゲートから、外殻の一斉降下命令を出す予定だったのに、ヴァンが記憶粒子セルパーティクルを逆流させて各リングに高負荷をかけたため、今すぐリング停止して崩落が始まっておかしくない危機的状態になり、残り二箇所のセフィロトを巡る時間が無くなってしまった。

 でもアニメ版は、なんか違う…。

 既に、今まで巡ったリングの支える大陸が降下を始めているならば、もう焦る必要ないじゃないですか。放っておいても間もなくみんな、安全に魔界クリフォトに降りちゃうでしょ。つか、もう降りてるんじゃないですか? それとも、何週間も何ヶ月もかけて降下する設定にでもしてたのでしょうか。

 

 そして。今回イオンに「残るセフィロトはあと一つですね」「最後のパッセージリングがある場所。ロニール雪山です」と言わせているのに、ラストシーンのジェイドは原作どおり「アブソーブゲートのセフィロトから」と言っています。なんなんだよもぉ〜。視聴者を混乱させて楽しいか〜! ぶーぶー。

 

 あと。考えてみたら、アニメ版は《セフィロトの暴走は地核が振動して活性化していたせいだった》→《ルークたちが地核静止させてセフィロトの暴走は鎮まった》→《でも、既にパッセージリングには負荷がかり過ぎていて手遅れ。外殻降下するしかない》という説明をすっ飛ばしちゃってますね。

 

 アニメ版は原作以上に辻褄の不整合が多く、状況が分かりにくいです。その上で、かなり強引に押し流されているように思えて、モヤモヤします。

 

今回の総論。

  • シリアスと思えばギャグでした。
  • 原作設定とアレンジ設定入り混じる。
  • 視聴者を混沌へといざなうアニメ。

 

 ではまた次回。

 



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