注意!

 

# 5 選ばれし英雄

脚本:加藤陽一/コンテ:戸部敦夫/演出:小倉宏文/作画監督:橋本貴吉

 今回は、Bパートがとても面白かったです。

 

 以下は重箱の隅ツッコミです。読みたい方だけどうぞ。





 今回のアバンタイトルはハイライトでも説明でもなく、本編の一部がはみ出したものでした。おお。これがいいよ。

 ジェイドが音譜盤フォンディスクを解析演算機に挿入したところで丁度OP曲が流れ始めたので、数瞬、ジェイドがCDで音楽聴き始めたのかと思って混乱しました。

 

 ……前一話分、話抜けてませんか?

 と思ってしまったくらい、Aパートは色々カッ飛ばしてあって、展開が急でした。

 原作の外殻大地編には、連絡船に乗るエピソードが二回あります。それを細切れにして並べ直して一回にまとめ、エピソードも相当に圧縮してあります。

フォミクリーとローレライに関する説明(原作・二回目航海)→ルークの記憶障害の程度とティアの謝罪(原作・一回目航海)→カイザーディスト戦(原作・二回目航海)→ローレライに操られるルークとヴァンの催眠術、英雄のススメ(原作・一回目航海)

 超駆け足…。おかげでティアの態度の変化と謝罪があまりに急で、しかも呆気なく終わったように感じられました。もっとも、元のエピソードの長さを知らなければ気にならないことなのでしょう。尺の足りなさは音素フォニム振動数について説明するアニスの声にも表れていました。すんごい早口でしたし。ナマムギナマゴメナマタマゴ。ケセドニアのエピソードも丸々カットで、漆黒の翼やアスターとの出会い、カースロットも後回し。

 それはそうと、船室がデザインも広さもゲーム版そのままで、各キャラの位置やポーズもまんま。すっごく懐かしかったです(笑)。

 

 ディスト戦。ディストとジェイドの口ゲンカを見てウンザリするルーク。原作ではガイと二人でしゃがんで顔を突き合わせて「あ、あほらし……」「こういうのを置いてけぼりって言うんだな……」とヒソヒソ言い合うんですが、アニメ版ではルークの顔のアップで「あ、あほらし……」と言うだけでした。好きなやりとりでしたので少し残念。

 ディストが「ほらほら、怒るとまた鼻水が出ますよ」とジェイドに言われて、何故か五拍くらいウググと唸りつつ間を置いてからパッと両手で鼻を押さえ、それから一拍置いてやっと「キィーーー!! 出ませんよ!」と言うんですが、なんか変な間の取り方。なんだこれ?

 ジェイドが掲げてみせた音譜盤フォンディスクを、飛行椅子で突進したディストがパッと奪い取るシーンは爽快でした。ディストが通り過ぎた後、ジェイドの髪がぱーっとなびくのがなんかイイ(笑)。

 

 カイザーディストR出現。細かいことですが召喚シーンで一瞬だけ、ディストの手のポーズが原作のディスト秘奥義没カットに似た感じになりますね。左右は逆ですけど。狙ったのかな。

 原作ではズシーンと唐突に甲板に飛び降りてくるんですが、具体的にどこからどう出てきたのか不明でした。ドラマCD版だと海中から出てきた設定になっていましたっけ。アニメ版はと言えば、謎の光に包まれて高空から甲板にドーンと降って来る。空を飛んできたということなのでしょうが、召喚魔法っぽくも見えます。

 光はルークたちが立っている場所…っていうか、ガイの真上…を目指して降って来て、それを見たジェイドが「いけない! 散ってください!」と全員に指示する。このシーン、真ん中にいたルークとガイは跳躍して左右に逃げるんですが、ガイの跳距離と高さが物凄いです。殆ど空飛んでるよこの人。何気にミュウのジャンプ力も凄い。でも一番凄いのはティアでした。サッとイオンを抱きかかえると矢のように速く高く跳躍! ひぇえええ、ワンダーガール! このティアさんなら、ルークをも姫抱きしてバビューンと跳べそうです。その後をワタワタと普通に走って追っていくアニスが可愛かった。なんだかんだ言ってアニスは最年少の人形士パペッターで、身体能力は一番低いんですね。

 ガイは女性陣とイオンと同じ方向に避けたんですが、何気に距離取ってました(笑)。

 

 ルークが真っ先に剣を持って立ち向かいますが、甲板を砕くほどの重いパンチに阻まれて近寄れない。ガイが勢い良く跳躍して斬りかかったものの、金属相手にまるで歯が立たない。横っ跳びに吹っ飛ばされながら「くっ。硬いぞ、こいつ!」とアップで叫んだ顔がカッコ良かったです♥

 アニスがアニメ版では初めて譜術を使う。でも杖は持ってない。カイザーディストが譜術を弾く様子を見て、ミュウが甲板をトットットットッと小走りしつつ「効かないですの〜」。船が揺れて傾くから重力で自然に走っちゃったとか、そういうことかな。次にジェイドが譜術・スプラッシュを使って水をぶっかけ、ショートさせる。うむ。攻略ヒント通りだ!

 この辺、譜術を使うティアとアニス、ジェイドが、どうも残念な感じでした。特にティアとアニスは、棒みたいに突っ立ってて腕だけ伸ばして譜術を使う…表情も大人しいしカメラワークも地味だし。なんと言っても、譜を全く唱えない。『アビス』っぽくない。今までの回の戦闘シーンが実に細かくよく動いて、カッコよくて仕方がなかっただけに、アレッ? という感じでした。ジェイドのスプラッシュだけは譜を唱えましたけど、やっぱり動作が地味。

 結局は尺の問題なのでしょうが、アニスのカットは構図や、何より表情にもうひと工夫欲しかったところです。ポカーンとしてて、場にそぐわない感じなんですよね。何故だろう。

 

 さて。折角弱点を突いたのですが、それが生かされているように見えませんでした。この次のシーン、多分脚本的には、

ショートしたカイザーディストRの動きが止まる → ルークがその隙をついて斬りかかる

という意味なんだと思うんですが、《ショートによって》カイザーディストRの動きが止まったのが、(私には)分かりにくかったからです。電光をまとわせるだけではなく、動こうとしてギ、ギ、ギと軋むとか、ガクンと止まって軽微爆発して一筋の黒煙が立ち昇るとか、ディストが少し慌てて「動きなさい、カイザーディストR」と叫ぶとか、ルークが「よし、今だ!」と叫んで斬りかかるとかの、何か一つ、分かり易い演出の追加が欲しかったところ。

 ルークがカイザーディストRに斬りかかりましたが、突然動いたそれに撥ね退けられて床に転がる。その時、「大丈夫か?」と声をかけて、ヴァンが連絡船の屋根の上に颯爽と出現。高いところから出現したがるのはホドの血なのか。それは愛弟子のアッシュにも伝授されたのか。譜術を使って一撃でカイザーディストRを破壊します。無抵抗のディストはふっ飛ばされて海に落ちる。

 ここ、原作のカイツールで《アッシュに襲撃されたルークをヴァンが助ける》エピソードの焼き直し…ルークにとってヴァンがいかに信頼すべきヒーローか、という意味を持たせたシーンなのかな。

 ヴァンも譜を唱えませんでした。エフェクトもゲーム版を踏襲してないし、何の譜術を使ったのか分からなかった。

 個人的には、譜術じゃなくて剣で、カイザーディストの間接ぶった斬ってから倒れた本体を刺して爆発させるとか、そういう感じの方がよかったな。剣豪キャラなので。最初に譜術でカイザーディストを転ばせてルークを救い、次いで飛び降りて素早く剣で攻撃とか。尺的にも無理なんでしょうけど、視聴者としてはそのくらい派手なのも観てみたかったっす。と言うか、第2話のライガ・クイーン戦は上手かったんだなぁと、今更思いました。あれだけの短い尺で、戦闘に緩急の付いた《ストーリー》が分かり易く見えましたもんね。

 サンライズ制作なので、ロボットたるカイザーディストとの戦闘は他を圧倒して凄いに違いないと勝手に思い込んでいた分、少し肩透かしに感じてしまったかも。

 ディストが落ちた辺りの海を眺める仲間たちの中で、ミュウが実に無垢な笑顔だったのが印象的でした(笑)。

 

 場面が切り替わって夜。戦闘でボロボロになった甲板に一人たたずむルーク。「やっぱ外は面倒くせぇなぁ」と、海を見ながらため息をついていると、突然持病の頭痛がっ。長い髪が毛先からブワッとうねったのは綺麗でした。頭を両手で抱えながら凄い勢いでパタパタパタッと後ろに下がったんで、面白かった。なんでこんな所で動きが派手なんだ(笑)。

 原作ゲームを遊んでた時はそう思わなかったんですが、アニメで見たら、この辺のルークはどう見ても危ない人でした(^_^;)。バタバタカクカクブルブルと変な動きしながら一人で「か、身体が……勝手にぃ!」「だ、誰だ」「お前が操ってるのかぁ!」と叫び続けております。全身発光してるし。ひぃいい。(私がこの様子を目撃したら、見なかったことにして逃げると思う。)

 ローレライによって超振動の力を強制的に使わされる。原作では船の一部をじんわり消した程度でしたが、アニメ版では か〜め〜は〜め〜波ッ! みたいなの出して船の手すりに大穴開けました。『マ王』漫画版を参考にしてるんだと思うんですが、ここは漫画の絵の方がずっと迫力がありました。

 ヴァン師匠が来て背後から抱きしめるようにしてルークを落ち着かせ、ローレライとの同調を解かせる。原作ではルークはそのままヴァンの声を聞きつつ気を失う感じなんですが、アニメ版では、ローレライとの同調を解いた後、ヴァンがルークの正面に回って「ルーク。私の声をよく聞け。力を抜いてそのまま……」と言いつつ手を伸ばしてルークの目を塞ぎ画面暗転、ルークが気を失ってました。あからさまに《何か仕掛けられた》という感じですね。

 ヴァンはルークに、お前は兵器として飼い殺しにされていたのだと明かし、英雄になれば自由になれると勧める。ここでAパート終了です。

 

 Bパートはバチカルに到着したところから。カイツールのアルマンダインは出なかったけど、ゴールドバーグとセシルは登場。セシル少将可愛いなぁ〜。ガイと彼女の顔合わせがカットされちゃったのは残念。当然ながら、《セシルとフリングス》のエピソードはやらないんでしょうね。

 ヴァンがルーク誘拐の容疑者として逮捕されるエピソードは消滅。ルークを保護した功労者として迎えられています。あと、ガイがバチカルについて色々ガイドしたり女の子に絡まれて怯えるエピソード、サーカス団《暗闇の夢》の思い出をポロッと口にする伏線も消滅。

 天空客車の中で、ルークが街に見覚えがなくて帰った気がしないと呟く。ここに、原作では連絡船二回目に入っていた、ティアがルークに優しくなるネタを繋いでました。なるほど。

#アニスとミュウ、天空客車の前方の車窓から街を見下ろして
アニス「すっごい街! 縦長だよぉ」
ミュウ「びっくりですの。チーグルの森の何倍もあるですの」
#後方の席に座り、窓の外を眺めながらムスッとしているルーク
ルーク「ちっとも帰ってきた気がしねぇや」
ガイ「そうか……。記憶を失ってからは、外には出てなかったっけな」
ルーク「ああ」
#アニスの隣から、ティアが優しく微笑みかける。
ティア「大丈夫。覚えていなくても、これから知ればいいのよ」
#意外そうな顔でティアを見るジェイド、アニス、イオン
アニス「……ティアってばなんか、優しくない?」
#ジトリと見られて、誤魔化すように笑うティア
ティア「そ、そんなことないわ」
#鋭い瞳で一連の情景を見つめているヴァン

問:この時のヴァンの心境として相応しいものはどちらか。

  1. 知る必要などない。このレプリカはこれから死ぬ定めなのだからな。
  2. ティアよ、まさかレプリカにたぶらかされたのか。お兄ちゃんは許さんぞ!

 アニメ版のティアは最初から優しかったんで、ここでアニスがジトッとなって「優しくない?」と言うのも変な感じかなと思いましたが、よくよく考えてみれば、アニスが同席していた時はずっと、アニメ版でもルークとティアはギスギスしてましたっけ。

 にしても、昇降機は使わずに、天空客車で直接上層まで行けるんですね。便利。

 

 バチカル城へ。アニメの絵で見ると城が凄く綺麗に見えました。モースがインゴベルトに謁見しているところへ押し入る。原作ではルークが「俺はファブレ公爵家のルークだ! 邪魔をするなら、お前をクビにするよう申し入れるぞ!」と警備兵を恫喝しますが、「どけ」に短縮。

 原作では、謁見の間に入ってきたルークを見て、アルバイン内務大臣が「無礼者! 誰の許しを得て謁見の間に……」なんて怒鳴って、ルークも口汚く怒鳴り返しますけど、それも無し。原作のインゴベルト王はルークを見て「その方は……ルークか? シュザンヌの息子の……!」と言い、どうやらルークと殆ど会ってなかったか、もしかすると軟禁以降は全く会ってない…レプリカルークとは初対面らしくも感じられるのですが、アニメ版では気安く「おお、ルーク。よく無事で戻ってくれた」と言う。普段からよく会ってたみたいです。四ヶ月くらい前のルークの生誕祭にも、ちゃんと出席したりしてたのかしら。

 話が少し逸れますが、アニメで見て初めて、ファブレ公爵の目が黒色だと分かりました。(小さいモニターでプレイしてたこともあって、原作だとよく分からなかった。)シュザンヌとインゴベルト王は緑。原作のインゴベルト王は灰色の髪ですが、アニメ版では灰色がかっているものの、赤にしてある。

 キムラスカ王族は赤い髪と緑の目を持つという設定は、元々のシナリオには存在しなかったそうで、大勢のスタッフたちで作っているうちにいつの間にかそういうことになっていたのでシナリオにも取り入れられた…と、原作のインタビュー記事にありましたっけ。原作のインゴベルト王は灰色の髪だけれども、それは老いて白髪になったからで若い頃は赤髪だったはずだと説明されてました。この辺を整理して、アニメ版ではちゃんとインゴベルト王の髪を赤くしたんですね。

 

 イオン役と同じく、モース役の声優さんも変更。ティアと話すシーンでは、聖職者らしい優しく高潔な仮面の演技も見せてきて、かなり新鮮でした。これならティアが宗教の師として尊敬していたのも頷けます。

 なお、インゴベルト王の声優さんも変わってるそうなんですが、違和感無かったです。

 

 親書を無事に渡し終えてルークの家へ。原作ではイオンがルークの家を見たいと言い出しますが、アニメ版ではアニスがおねだり。玉の輿を狙うアニスがルークの家へ行きたがるのは不思議ではありませんが、ジェイドはなんで「なら、私たちも」と言って付いて来たんだろ。

 使用人の当然の職務ですが、ガイがルークや客人たちのために屋敷の玄関ドアを開けてやる。白光騎士やメイドたち、ペールがルークの帰還に大喜びするくだりは全カット。相変わらずラムダスが喋らないなぁ…。

 玄関でルークと鉢合わせたファブレ公爵の「ルーク……!」という台詞の吐く息の感じが、色んな感情がこもっているようで印象的でした。

 

 んで。ここから先は、文句のつけようがないほど、本当に面白かったです。なにより、ナタリアが可愛いっ!!

 ルークには素っ気ない態度で接し、それでもティアに「君のおかげでルークが吹き飛ばされたのだったな」とチクリと言って公爵が去った後、ナタリアが駆け寄ってくる。このなっちゃんが、もうむっちゃ可愛ええ! 可愛えぇえええ!!(落ち着けお前) ここの映像は放映開始前の宣伝動画にも使われてましたから可愛いことは分かってましたけど、可愛いものは何度見ても可愛いよう。ここのBGMも可愛くてよかったです。

 で。ナタリアの胸が大きく感じられて仕方ありませんでした。巨乳だという設定のティアを見ていてもドッキリしたことなかったのに。胸の開いたドレスを着ているせいでもあるんでしょうけど、やっぱ動きですね。駆け寄ってくる時の体の捻り方が。実際は揺らす作画をしてないんですけど、体の捻りが大きくて胸が左右に激しく動くので、重そうにユサユサ揺れてるように錯覚したのでした。《たわわに実ってる》って感じでねっ。って、私は何をこんなに熱くチチ揺れについて語っているのでしょうか。でも語りたくなる何かが、今回のナタリアにはありました。

 ガイに詰め寄ったナタリアが、柱の陰に駆け込んで隠れた彼に「少しは慣れなさい。わたくしがルークと結婚したら、お前はわたくしの使用人にもなるのですよ」と言うシーン。ガイが、しばらく耐えてから我慢できなくなってすごい勢いで逃げたのも面白かったですが、ヴァンがクールにガイの一連の動作を目で追っていたのも印象的でした。剣を捧げた主君のこういう姿を見ながら、ヴァンは何を考えていたのかなぁ…。

 ナタリア姫はルーク様の婚約者だとガイが説明し、ナタリアがティアとアニス、二人の《女》の方を顧みて鮮やかにフッと笑う。ここ、綺麗でした。いいなぁ…。婚約者と聞いてティアとアニスは驚き、特にアニスは、抱っこしていたミュウをぎゅっと強く絞めてしまって。ミュウは涙飛ばして変な顔になってました。かわいそ。でも可愛い。

 

 にしても、原作のナタリアは最初は嫉妬深くて高慢なところが目立っているんですけど、やっぱりマイルドになってますね。ティアに嫉妬しないし、ガイに向けての態度もずっと親しげ。原作だと「私がルークと結婚したら、おまえは私の使用人になるのですよ」「おかしな人。こんなに情けないのに、何故メイドたちはガイがお気に入りなのかしら」なんて言ってましたもんね。ティアやルークのマイルドさには疑問を感じる部分があるのですが、ナタリアに関するこの脚色は、こうしてくれてよかったと素直に思いました。理由(?)は次回感想に書きます。

 

 この後、「ルーク。そんなことより、一刻も早く叔母さまの所へ」とナタリアが言ってシュザンヌの見舞いに繋げ、ガイに謝りに行くよう勧められたティアがルークと二人でシュザンヌの寝室へ向かう展開は、『マ王』漫画版を元にしてますね。幾つかのナタリアの台詞など、漫画版オリジナルそのままです。ここは漫画版のアニメ化ってことか。シュザンヌの見舞いを済ませて部屋を出たところで、ルークが「なあ。あんま気にすんなよ。母上が倒れたのは、元から体が弱いだけだから」とティアを気遣う構成も、漫画版からと思われます。

 ガイにシュザンヌに会うことを勧められたシーンのティアの顔が綺麗でした。それから、ルークがシュザンヌを見舞うシーン。ノックして「母上。ただいま帰りました」と言って部屋に入り、母が嬉しげにあれこれ話しかけてくると、ベッドの傍らに片膝をついて目線を合わせ、「母上」と優しく呼びかける。その声音や物腰がなんとも言えず上品で、なんだかんだ言って貴族なんだなァーと思いました。ちなみに原作のルークは、優しげにではありますがもっと砕けた調子で「大丈夫だよ。こうして帰ってきたんだしさ」と立ったまま言ってました。

 

 ティアがモースに真意を問いただすオリジナルエピソードが入ります。でもまだモースを疑いきれない様子。……ちょっとドラマCD版のエピソードに似てるかな。あっちのティアはもっとハッキリとモースに問うていて、モースは強く否定してティアにアクゼリュス行きを命令してましたけど。

 

 翌朝、ベッドで寝ぼけまなこのルークが可愛い♥ 起こしに来たメイドに外に出てもよいと知らされて、パッと背後の窓に目を向ける。窓は開かれていて、晴れ渡った空を小鳥がさえずりながら飛んで行く。アニメオリジナルの演出ですが、《鳥籠の口が開かれた》というイメージを鮮烈に湧き立たせる、好きなシーンになりました。

 

 再び登城。和平のため親善大使としてアクゼリュスへ向かうよう要請される。原作のルークは「俺ぇ!? 嫌だよ! もう戦ったりすんのはごめんだ」と言いますが、アニメ版では「俺ぇ!? 嫌だよ! もう面倒くせぇのはごめんだ」でした。原作はゲームなのでルークが戦うのが前提、しかしアニメ版では護衛付きで戦わずにアクゼリュスまで行けるってことかな。

 原作では、ルークが渋ると、誘拐犯として投獄中のヴァンの解放と引き換えにしようと持ちかけられ、半ば脅される形で不承不承 承知します。一方で、自分がユリアの預言スコアに詠まれた英雄となるべき存在だと知り舞い上がっている様子も描かれる。アニメ版ではこれらを整理して、英雄になれると舞い上がる流れのみを扱っていました。隣に立っているヴァンに明るい顔を向け、「やれるな」と言われて「分かった、俺やるよ!」と笑顔で承服。ここは、アニメ版の方がスッキリしてイイ感じ。

 アクゼリュスへの同行を父王に止められたナタリアが、大きな動作でぷんとむくれる。お姫さまらしからぬ表情ですが、可愛かった♥

 

 謁見室を出たルークは、城の廊下でヴァンに呼びとめられて、バルコニーで二人で話す。アクゼリュスに行けば戦争を起こすと預言に詠まれているが、アクゼリュスの人々を動かさずに障気を中和してからダアトに亡命すれば自由になれる、七年前にお前を誘拐したのは私だと。

 ヴァンから「私にはお前が必要なのだ」と言われた辺り、ルークの片目のみ超アップで映していました。ちょっと変わった演出ですよね。驚いたように目を見開き、フッと伏せて「俺、人に必要だなんて言われたの初めてだ」と。

 これは、押し隠していたルークの内心の寂しさが表れた、という意味なんでしょうか。ヴァンに「私にはお前が必要なのだ」と言われて、初めてはっきりと、(俺、ずっと寂しかったんだ。本当には人に必要とされてない気がして、不安だったんだ)と気付いた、みたいな。

師匠せんせいだけは、いつも本気で接してくれてたもんな。(ヴァンに一歩近づく)俺……師匠について行くよ!」

 お屋敷の人々や両親やナタリアやガイは、本気で接してくれてないと思ってたってこと。実際にはそうじゃないと思うけど。記憶がない、以前の自分とは全然違うらしいってことは、やっぱ、ルークにとってかなりの引け目、コンプレックスだったのかなぁと改めて思いました。長髪時代から既にルークには、ちょっと卑屈な、人の愛情を求めるのに臆病な気質があった、ってことなのかも。ヴァンはその心の隙を上手く突いたんですね。

 

 そんなルークとヴァンの会話を、物陰からナタリアが聞いていた……というところで、今回は終了でした。

 いやぁ、今回はBパートが本当に面白かった! 次回はどうなるんだろうとワクワクしてきました。

 

今回の総論。

  • ナタリア可愛ぇえええええ!!
  • 宝刀ガルディオスはスルー? レプリカ編でまとめて一気にやるのかな?
  • 戦闘シーンはちょっとしょんぼり。
  • 寂しくて不安なルーク。でもそれは、目と耳が塞がれているから。

 

 ではまた次回。

 



inserted by FC2 system