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ぷよぷよフィーバー系 キャラクター設定

アミティ/ラフィーナ/シグ/クルーク/リデル/タルタル/アコール先生/ポポイ/フェーリ/レムレス/バルトアンデルス/おしゃれコウベ/さかな王子/オトモ/ほほうどり/ユウちゃん/レイくん/ゴゴット/どんぐりガエル/おにおん/おに子/こづれフランケン/あくま/あやしいクルーク/ぷよぷよフィーバー界の世界設定

アルル/カーバンクル/スケルトンT/ナスグレイブ/すけとうだら/ドラコケンタウロス/ウィッチ/ぞう大魔王/シェゾ・ウィグィィ/ルルー/サタン

あんどう りんご/ささき まぐろ/りすくま せんぱい/ダークアルル/エコロ/ぷよぷよ7界の世界設定

テトリスキャラティ/オー/エス/アイ/ゼット/ジェイ&エル/エックス※ぷよキャラではない/ぷよテトの世界観

アミティ Amitie

<設定>

5/5生 おうし座 血液型O
特技:ぷよを頭に積むこと 好き:赤ぷよ帽 苦手:キノコ

 ぷよぷよフィーバーシリーズ(『7』以前まで)の総合主人公。

 ステキな魔導師を夢見てプリンプ魔導学校に通う、ぷよっと☆弾けた元気印の女の子。年齢は不詳だが、ローティーンとのこと。他の生徒たちも同年代と思われる。

 生まれつき明るい性格で、少々の失敗にはめげず、楽しく前向きに生きている頑張り屋。実行力が高く、思い立ったらすぐ行動するが、早合点で失敗することも多い。

 設定上、魔法の成績は中くらい。ストーリー上では、ぷよ勝負の補習をずっと受けているなど、落ちこぼれ的に描かれることが多い。ただ、魔法の潜在能力は高く、危急の際には爆発的な力を発揮することがある。

 

 分け隔てがなく、人だろうと魔物だろうと大抵の相手に友好的に接し、ありのままに受け入れる。

 そんな性格から、特にプリンプ魔導学校の仲間たちからの求心力が高いが、『ドラマCDぷよぷよ Vol.2』を見るに、リーダー性には乏しいようである。(思い立ったら直ぐ行動するが、慎重さに乏しく、失敗だった場合に建設的に対応できない。)

『ぷよ7』以降、りんごアルルとの三人主人公制になってからは、《優しさ・サポート》担当になった感があり、一歩後ろから手助けしていることが多い。

 

『1』のAC版稼動後にゲーム誌(『アルカディア』2004年3月号)で発表された設定によれば、前世は女神なのだが、その力はパラレルワールドに分散しているので、本来の力は出せないという。パラレルワールドで力を分かち合っていた存在、という者がいるらしいが、詳細は不明。

 

AC版『ぷよぷよフィーバー』稼働当時の設定

ローティーンの普通の女の子。生まれつき明るい性格で、少々の失敗にはめげず前向きに元気に生きている。思い立ったらすぐに行動するタイプ。それゆえ早合点して失敗することも多い。魔法の成績は中ぐらいだが、たまに火事場のバカ魔力でとんでもない力を出すことも。

開発よりひとこと
「普通の女の子」と書いてありますが、実はアミティの前世は「女神」なんですね。しかし、その力はパラレルワールドに分散しているので、本来の力は出せないんです。そのパラレルワールドで力を分かちあっていたのが、実は……。

『アルカディア』2004年3月号(エンターブレイン)より引用

<雑記>

 一人称は「あたし」。相手のことは「キミ」と呼ぶ。

『1』では、普通の女の子口調だが時にはやや中性的な喋り方もする…という、アルルとイメージを重ねつつ差異もつけようとしているあやふやな感じだったが、『2』では一人称以外は完璧にアルルと同じ口調になった。

『ぷよ!!』ではアルルの口調・性格が旧シリーズ初期に近くなり、アミティの方は天然・アホの子化が増したため、差別化が進んだように見受けられる。

 なにしろ、『ぷよ!!』では「Happy」と「法被はっぴ」を取り違え、『ぷよ!!』Webオリジナル漫才デモでは「ケッコン」の意味すら知らなかった。結婚なんて幼児でも知っていることなのに。アニメ・ゲームのロリ系ヒロインにありがちな、白痴美化の発症が見られる。《年齢以上に幼稚・無知であること》を《心が美しい・可愛い》とみなし、幼女じみた浮世離れした言動に描く傾向である。

 こうして、このまま天然アホの子化が進むのかと思われたが…。

 

◆アミティの性欲昂進について。

 他方、『ぷよ7』でシェゾに「おまえたち…が ほしい!」と言われて「さ さんにんで!? ◎×※▲%▽&♯!!!」とパニックに陥る、いささか子供らしくない反応が描かれてもいた。これを発展させたか、『ぷよ!!』まぐろ編では りんごまぐろの(いかにも狙った)いかがわしげな会話にキャーキャー悶え喜ぶ様子が描かれた。

 ここまでは他愛無いギャグだと流せただろう。『7』には性的な含みなどないと解釈できなくもないし、『ぷよ!!』はりんご達の会話が狙い過ぎで、その反応も無理からぬものに感じられる。

 ところがだ。『ぷよテト』では、ロボット(ゼット)に追われピンチのアルルを「いけないかんじで おいつめられてるよ!」と斜め上に解釈、キャーキャー悶えて大喜びするに至った。もはや脳みそドピンクのエロガキ…もとい、思春期の性欲昂進が抑えきれず、加えて、変態的性癖の萌芽も見られることが暴露されたのである。

『2』の頃は、クルークの魔導雑誌に裸の女性を使った石鹸の広告があったくらいでドギマギして、いけないんだ〜的にからかう可愛いお子様ぶりだったのに、今や、知人が追われていても助けようともせず「いけないかんじ」だと大はしゃぎで見物する始末。正直、頭がおかしい。漫画に出てくる極端なオタク・腐女子キャラでもあるまいし。感覚がいびつである。

 前述したように、『ぷよ!!』Webオリジナル漫才デモでは「ケッコン」の意味をよく知らないと述べていた。なのにおかしな性知識は豊富ということになる。(脚本家は同一。)どんな生い立ちなのだろう。

 考えうるのはざっくり二つで、《周囲に結婚した大人がいない環境で生育した》か、結婚の意味を知らないと言ったのは《カマトトぶった嘘だった》かになろう。そして、どちらにせよドピンク脳なのは確定である。

 登場から十年を経てこんなことになった。しかも『7』『ぷよ!!』『ぷよテト』と、三作踏襲され続けており、定番化する気満々のようである。個人的には嬉しくない。

 

◆年齢について。

 個人的印象としては、『1』では中学生くらいかと思っていたが、『2』以降は更に幼い低い印象になった。ローティーンとのことなので、ギリギリ11、12歳の小学校高学年くらいか? それともやはり13、14歳の中学生なのか。なお『ぷよ7』では中学校の制服を着て登場するが、16歳のアルルも同じ制服を着ているので、年齢を探る根拠にはなり難い。

 

◆赤ぷよ帽について。

『2』によれば、アミティは ぷよの守護を受けているらしい。

 ぷよの守護? ぷよぷよ勝負に負けないという意味か?

 アミティの前世は女神だという。守護と言えば神を連想しそうになるが、流石に女神とぷよは関係なさそうだ。…いや、旧ぷよシリーズでは、ぷよぷよを時空の彼方に運んで消しているのは《時の女神》だとされていた。《ぷよ勝負に強い=時の女神の守護を受けている》と繋げることは可能かもしれない。

 アルカ遺跡の人々(魔導世界から来た人々?)は月の女神を信仰していた。そして、旧ぷよシリーズの時の女神は、三日月型の杖を持っていたのだ。

 

 アミティはぷよの守護を受けている。そして、アミティと言えば「赤ぷよ帽」である。

 この帽子に、何らかのいわく設定があるのは確かだ。『ぷよ!』でルルーに赤ぷよ帽をどこで手に入れたかと訊かれて「ずっといっしょだけど おぼえてない〜」と答え、シェゾには赤ぷよ帽には凄い力があるがアミティはそれを使いこなしていないと指摘されていた。

 もし「ぷよの守護」設定が前世女神設定と関連するのなら、赤ぷよ帽はアミティの前世から引き継がれた力を調整し、守護しているのかも? もしかしたら幼い彼女にこの帽子を与えた何者かがいるのかもしれない。

 

『ぷよ!!』では、赤ぷよ帽が世界の危機に反応して夢の中でアミティに呼びかけたり(神秘的な女性の声だった)、調査されまいと貼りついたように脱げなくなったりした。意思があるらしい。

『ぷよテト』では、「さいきんの シグを見てると ときどき この あかぷよぼうが……」と告白していた。『ぷよ!!』で世界の危機に反応していた点、そして「さいきんの」シグに反応する点(以前は反応していなかった)から見るに、間もなく起こりうるシグの魔物化を予告している、という伏線だろうか。

 芳野脚本では、赤ぷよ帽はまるで危険を予知する警報機のようである。これが、《アミティはぷよの守護を受けている》という設定の答えなのか?

『ビックリマン』というシールを原作とする昔のアニメで、シャーマンカーンという老賢者が、大いなる危険を予知して警報を鳴らす帽子(兜)を被っていたのを思い出した(笑)。

 

 帽子のデザインは『ぷよ7』からニット帽風に変更された。校章の羽根飾りすら無くなって形ががらりと変化。しかしシナリオ上では無視されており、昔からずっと同じ帽子をかぶっていたことになっている。

 なお、『ぷよ!!』には「あかいアミティ」という姿違い版が用意されてあり、これまた異なるデザインの、耳あて付きニット帽風の赤ぷよ帽をかぶっている。「ほら、見て、ステキでしょ」「夢みたいだよ」といった連鎖ボイスから察するに、この姿は《アミティが夢見る、ステキな魔導師になった自分》なのだろうか。

 

◆アミティの前世女神設定について。

 この設定が雑誌で語られて十年経った。現時点(2014年)でゲーム本編がこの設定に触れたことはなく、もはや黒歴史化していると見るべきかもしれない。

 以下は単なる参考だが、旧魔導ぷよシリーズの一部に、アルルと女神を結びつける説があったことを書き添えておく。(念のために注記しておくが、無数のパラレル設定・未ゲーム化構想の中にそういうものも存在したというだけで、決定的なものではない。)

 最初にそれを語ったのは商業二次作品である角川文庫版小説『魔導物語(第一期)』で、アルルを時の女神の幼少時によく似ているとし、若き日に時の女神と恋仲だったルシファー先生(オリジナルキャラ。サタンの双子の弟で魔導学校の教師)が、アルルを時の女神の後継者に考えていたと語った。

 そして、この小説からも多く要素を取り込んだ真・魔導物語設定に、恐らく上記に想を得て作られたのだろう部分がある。かつてルシファーと名乗っていた若き日のサタンが、リリスという魔導師の少女と恋仲(?)になったが、彼女は高次元意識生命体(女神のようなもの)となって姿を消し、よく似たアルルが後継者として世界に生じたと。また、この設定上では《リリスの後継者・アルル》が魔導世界を消滅させ、五百年後にサタンが《永遠の十六歳で、ぷよ勝負をするアルル》を、時間のループした新しい世界(ぷよ世界)ごと作りだしたとする。

 さておき。アミティは前世を同じくするパラレルワールドの誰かと力を分け合っているそうだが、それは何者なのだろう。

 ご存知のように、アルルとアミティはよく似ている。容姿こそ違うが、性格や立ち位置、能力はほぼ同じだ。現在は差別化も進んだが、『ぷよフィ』の頃はコピーのようだった。まるでパラレルワールドの同一人物か何かのように。また当時、『ぷよフィ』のディレクターが雑誌インタビューにて「(『ぷよフィ』の)世界自体は「魔導」の世界とつながっているんです。パラレルワールド的ですが、サタンたちもいる世界なんです」と述べている。

 以上から、《アミティの前世の女神》(《時の女神》《リリス》《真魔導版アルル》)とみなし、真魔導世界が消滅した後に無数のパラレルワールドが誕生して、その一つがぷよフィ世界(プリンプ)、別の一つがコンパイルのぷよ世界となり、即ちアミティとぷよ版アルルは同じ前世で、共に女神の力を継承している…と考えることも可能かもと、当時想像してみたものだった。

 いやはや、ひどい妄想である。

 それ自体は的外れでも、アミティの前世が女神だなんて突飛な設定を発想・決定するに至った背景には、以上の《アルル=女神の後継者》設定の影響が少なからずあったのではと思っている。

 

 アミティと発音の同じ amity は、ラテン語で「友情」の意味。

 彼女のキメ連鎖ボイスは一般RPGの魔法的なもので、アルルのそれに対応・類似していた。「フレイム=ファイヤー」「ブリザード=アイスストーム」「ライトニング(ライトニングボルト)=サンダー」「エクリクシス=ジュゲム」「フェアリーフェア=ヘブンレイ」など。しかしシリーズが進むにつれ、アルルの使わない風属性の魔法を使うなど、差別化が強められた。

ラフィーナ Raffine

<設定>

7/25生 しし座 血液型A
特技:格闘 好き:エステ 苦手:無い(…と自己申告されているが、実は犬(バルトアンデルス)が苦手)

 高飛車なお嬢様。アミティのライバルにして、ぷよフィシリーズのもう一人の主人公。…だったが、もはや脇役に落ちている。

 アミティと同じプリンプ魔導学校生。『1』ではアミティと同じクラスだったが、『2』からはクラス替えで隣のクラスになった。

 …のはずだったが、『ぷよ!!』やその系列デモ、ドラマCDぷよぷよシリーズ(以上、芳野脚本)を見るに、アミティと同じ教室で授業を受け、アミティの担任のはずのアコール先生に師事している。

『ぷよテト』時点のゲーム雑誌での情報を見るに、クラス替え設定は残っているようだが、機能しているとは言い難い。常に合同授業をするなら、クラス替えの意味などないではないか。

 

 生まれつき魔力が極端に低く、練習しても魔法を上手く使いこなせない。由緒正しい魔導師の家系の三人姉妹の末に生まれた彼女にとって、この事実は大きなコンプレックスとなっている。

 腰に着いているポーチは魔導力増幅装置であり、大気や自然物、人間に含まれる微量な魔力を体術によって吸収・増幅している。そのため体を動かさなければ魔法を使えない。

 …と、『1』のAC版稼動当初は説明されていたので、格闘の動作は見せ掛けで、ちゃんと魔法を使っているのかと思っていたが、稼動一年後の公式サイトの紹介文で、「なぜか魔法だけは使えない。(中略)どうしても必要なときには体術の力を腰につけたポーチで増幅している。」となっていた。あれ?

 更に二年後の『2』公式サイトでは「腰につけた黄色いポーチで体術の力を変換して魔法のように見せかけて使いこなしている」とされ、ゲーム取説には「体術を魔法のように使う高度な技術を習得しており、実は魔法がまったく使えない。」と書かれた。あれれ?

 ポーチで増幅するのは魔導力ではなく身体能力で、魔法のふりをして完全に格闘技で戦うらしい。じゃあ、魔導学校で勉強しているのは理論だけなのか?

 …と思っていたら『2』のゲーム本編中、ポーチの説明文には「うんどうエネルギーを魔導力に変えてたくわえる」とあるではないか。

《格闘ぽい動作でポーチに周囲の魔導力を集めて魔法を使う》のか、《ポーチで魔法っぽく見せているが、実は体術を使ってるだけ》か。はたまた《ポーチで自分の体術の力を魔導力に変換して魔法を使う》のか。

 どれなんだよ!!!!

 

 なお、『ぷよ!!』によれば、ポーチのカラクリは周囲には秘密にしているようだ。ところが、レムレスは知っていた。世間話のように「それにしても ラフィーナは ふしぎなワザを つかうんだね? 格闘(かくとう)の チカラを その バッグで チカラにかえて… 」と言い出し、ラフィーナがたじろいで「な なぜそれを…」と問うと「ちょっとくわしくてね」と返したものである。何に詳しいのだろう。『ぷよフイ2』内『月刊クロマージュ』によれば魔導アイテムに詳しいらしいので、そのことか。

『ドラマCDぷよぷよ Vol.4』ではシェゾも、「そうか。お前、ルルーと同じなのか」「呪文が不得意なのを、体術でカバーしてるんじゃないか?」と言い、たじろいだラフィーナに「な なぜそれを!」と問われて「見れば、力が判る」と返した。文字通り《見抜いた》らしい。

 恐らくアコール先生や、あくまサタン辺りの高魔力知識組も気づいているのだろう。

 

 ともあれ、このような事情から、魔法の上手さを鼻にかけるクルークのことを嫌っているようだ。また、生まれつきの才能で偶然強大な魔法を使うアミティには複雑な感情を抱いていて、一方的に突っかかっているような面がある。

『2』からの追加設定によれば、ぷよフィ世界では誰もが魔法を使えるらしい。ならば、魔法が生まれつき使えないなんて、どんなにか絶望的なハンデなのだろう。

 

 もう一つ語るべき要素に、《美へのこだわり》がある。『2』では美容効果のある月の石を探し求めていたし、ゲーム内図書館の『人名辞典』には「好きなもの: エステ」とある。ローティーンに似合わぬおしゃまさだ。『ぷよ!』でも運動による美容と健康、鍛えた筋肉の美脚にこだわり、ファッションセンスの高さをも自負していた。

 ただ、『ぷよ!!』以降は、美容的な美しさへの言及はなりを潜め、格闘家としての筋肉・精神・技的な美しさを語ることが多く、微妙に方向が異なり始めたように感じられる。

 

 一方、貴金属にも執着する。これは美しさよりも金銭的価値に重きを置いているように見える。財宝やご褒美も大好きだ。お嬢様のくせに生臭い。

『ぷよテト』では、アミティが「ラフィーナは…… うらぎったりしないんだから! ほうせき とかこうきゅうひんを もらえるようなときいがいは!」と叫んでいた。貴金属を積まれれば友達も裏切りかねないらしいのだ。

 そんなにお金にこだわるなんて、ラフィーナの家は破産でもしかかっているのだろうか。それとも、早く家を出て独立したいとでも考えているのか。

 

 このように浅ましく事物に執着する一方で、『ぷよ!』では実に前向きで力強い持論を主張していた。叶えたい願いがある時はそれを他言する。さすれば自身を追い詰めて達成の原動力になる。有言実行がモットーだというのだ。

 誰もが魔法を使えるぷよフィ世界で魔法が使えない――言ってしまえば一種の障害者であるラフィーナが、これまでいかに自分を鼓舞して努力してきたかをうかがわせる。

『ぷよ!!』以降は、公式キャラ紹介文でも「実はとっても努力家さん」「自信のうらには努力あり!」などと書かれるようになった。

  

AC版『ぷよぷよフィーバー』稼働当時の設定

アミティの同級生かつライバル。魔導師の家系として由緒正しい家柄の娘(三人姉妹の末妹)なのだが、なぜか魔力が極端に低く、勉強しても上手く魔法が使いこなせない。そのことに本人もコンプレックスを持っており、まれに偶然強力な魔法を使うアミティに当たることも多い。

開発よりひとこと
彼女の腰に付いているポーチは、実は「魔導力増幅装置」なんですね。大気や草木、人に含まれる微少な魔導力を体術によって吸収・増幅させる装置なんです。彼女が体を動かしてしか魔法を使えないのは、このためなんですね。

『アルカディア』2004年3月号(エンターブレイン)より引用

<雑記>

 一人称は「わたくし」だが、『2』のみ「私」と書いて「わたし」と読んでいた。相手は「アナタ」または「あなた」と呼ぶ。

『1』当時は、アミティを本人の前では「アミティさん」と呼び、それ以外の場面では呼び捨てていたが、『ぷよ!』以降は「アミティさん」呼びに統一された。その他キャラは、基本的に男性は呼び捨て、女性は「さん」付け。

 ただし、おしゃれコウベあくまなど、目上の男性は「さん」付けする。レムレスは目上だが呼び捨て。しかし『ぷよ!』のフェーリ編で「さん」付けしたこともある。シェゾは「闇の魔導師さん」「「ヘンタイ」さん」、サタンは「キザなおっさん」と呼んだことがある。「さん」付けには違いない。

「〜ですわ」というようなお嬢様口調で、アコール先生やあくまなどには きちんと敬語を使うが、その他には基本的に高飛車である。お嬢様口調とは言っても、「くたばりやがれですわ!」のような汚い罵倒もしばしば吐くので、ちょっとばかし品がない。『ぷよ!!』では少し変化し、「くたばりやがれ! …ですわ!」という感じに、罵倒の後に一拍置いて「…ですわ」と付け足す形が多用された。

 

◆ルルーとの関係について。

 言うまでもなく、ラフィーナは旧シリーズのルルーを原型とするキャラである。立ち位置も能力もほぼ被っている。

 ただ、ルルーが優れたプロポーションを誇りファンクラブがあるほどの求心力のある美少女で、サタンへの一途な愛に燃えているのに対し、ラフィーナは今のところ強いて容姿を称えられたり、タルタル以外の不特定多数に慕われたことはなく、未だ恋愛に目覚めてはいないようだ。

 ルルーとの仲は、多少の変動がある。

 まずは『ぷよ!』にて、アコール先生から「とってもセクシーで すてきな」女性に魔導学校の格闘の先生を依頼したと聞かされて、筋肉もりもりの男性を期待していたラフィーナは「どうして ステキな殿方にされないのですか!」とガッカリ。それでも「…まあ ちょっとがっかりですけれど 良い はなしですわ あたらしいワザをおぼえる チャンスですもの!」と気を取り直していた。

 ところが、物語を共有するメダリンク版『ぷよ!』では急降下。ついに出会って「もしかして… あなたが あたらしい先生?」「どれくらいの強さなのか すごく きょうみがありますわ…」と勝負を挑んだのはともかく、アコール先生へのような敬意や礼儀は微塵も見せず。「格闘女王様と なのっているそうですわね?」「そのなまえ… わたくしのほうが ふさわしいとおもいますわ」と不遜に挑発し、アルルにルルーの生徒になるのと問われて「ワザはおしえてもらうかもしれませんけど なるつもりはありませんわ 」と一蹴。お似合いのコンビだと思うけどな〜と残念がられて「女性とコンビにされても うれしくないですわっ!」と激昂していた。

 似た者同士ゆえか、対抗心・同族嫌悪がバチバチである。ルルーの方は比較的鷹揚に応対していたが。

 しかし、以上は黒歴史化した。『ぷよ!!』では二人の《初めての出会い》がやり直された。

ルルー
私(わたくし)は ルルー
こぶしひとつで ひび 勝負の うつくしくかれいな 格闘女王よ!

ラフィーナ
は… はじめてあった きがしない!?

ルルー
あなた 私とにているわね

ラフィーナ
そのようですわね
これでもかってくらい おなじ なにかを かんじますわ

 二人は嬉々と拳を合わせ、対戦後は互いの技を褒め合って「またぜひ エレガントに こぶしをまじえて かたりあいましょう 」「もっちろんですわ!」と意気投合。ラフィーナは別れた後も「うっふふ♪ わたくしに よくにて ステキなかた」と上機嫌に独りごちていた。

 似た者同士ゆえに意気投合、師弟関係はなく対等の友人関係。というのが現時点での正規ルートのようだ。

『ドラマCDぷよぷよ Vol.4』では、詐欺をかました泥棒(怪盗二十四面相)を前に

※ラフィーナ、ルルーの順で。最後は声を合わせて
「リデルさんの言う通り」「そうよ。今謝れば」「美女の」「セクシー」「ビューティフル」「バイオレンス」「カタストロフ!」「デンジャラス!」
「「スペシャル地獄落としコンボで、許してあげるわ!!!」」

と、誰より揃った阿吽の呼吸で凄んでいたものである。

 ただ個人的には、『ぷよ!』の当時、今後は友好な師弟関係が築かれるのだと期待していたので、それが成らずに残念だった。

 

 ところで、《魔法が使えないので、魔導学校の授業は魔法のような格闘術で誤魔化している》というのは、元々は角川文庫版小説『魔導物語』シリーズのルルーのオリジナル設定だったのである。(それを真魔導設定がゲーム本編に導入。)

 製作会社が変わってまでこのネタを引っ張りますか。ノベライズ(商業二次創作)がここまでゲーム本編に影響を与えた例は、他にないのではないだろうか。

 

 raffineにはフランス語で「洗練された」というような意味があるようだ。

 彼女のキメ連鎖ボイスは気象関係のフランス語で統一されている。

シグ Sig

<設定>

6/16生 ふたご座 血液型B
特技:目を開けて寝ること 好き:虫 苦手:幽霊

 ぷよフィシリーズ三人目の主人公。『2』から登場。いつも眠そうでやる気のない、不思議系の少年。無口でゆっくり喋り、語彙も乏しめ。

『2』時点のクラス替えで、初めてアミティと同じクラスになった。そのためか『2』当時は特に仲がよさそうには見えなかったが、『ぷよ!!』以降は親密さが強調され、しばしば連れ立って行動するまでになっている。

 他の同級生にはアミティとほどには親しい様子を見せたことがない。特にラフィーナに対しては、しばしば「ラヘーナ」と名前を呼び間違える。『2』の当時は、クラスも違うし話したことも殆どないのでうろ覚え…という様子だったが、『ぷよ!!』『ぷよテト』ではわざと言っているとしか思えない。ただ、『7』にて彼女を「ともだち」と称していたので(ここでは名前も間違えなかった)、友情はあるようだ。

 おに子にストーキング(?)されたり、さかな王子にしもべ認定されたり、紅いタマシイにカラダを狙われたり、シェゾに左手のチカラを狙われたりと、基本は巻き込まれ型。他にも、『ぷよ!』でルルーに、何故か《世界制覇の際に役立つシモベ》として狙われていた。大抵、周囲に巻き込まれ、引きずられて行動している。

 

 虫が大好き。

『2』当初は、ゲーム中の『人名辞典』に「好きなもの:ムシ」とあり、「ゆうびん」に一通だけ虫捕りの話題があるだけのおまけ設定だった。それが『ぷよ!』から突如、行動主原理に大発展。紹介文でも「いつもぼーっとしているけど大好きなムシがからむとホンキ。」「大好きなムシいがいのことはあんまり気にしていない。」などと、メインの紹介要素として扱われるようになった。

 常に珍しい虫を追い求め、大量繁殖を願い、虫を賄賂にされれば八百長にも応じ、自分の確保した虫を取られると思えば必死に抵抗する。ついには虫の食材・薬材利用にキレて襲いかかる域に至り、ドラマCDぷよぷよシリーズでは《虫のうんちくだけはキャラが変わって早口・饒舌に喋る》という新要素も追加。もはや無邪気な虫捕り少年を超えて、虫に偏愛する過激な愛護運動家のレベルである。

 

 左目と左手が赤い。特に左手は、手の形が大ぶりで爪は鋭く尖り、触ると硬い。まるで怪物の腕のようである。(『2』の取説曰く「左手が人間のものではなくなってしまった」。)元々こうだったのではなく、『2』の少し前に突然こうなった。

 時々、体から水色のタマシイがはみ出している。

 

 頭のてっぺんにぴょこんと突き出た髪の毛は、『2』発売前の公式サイトでは「ただのねぐせ」と説明されていたが、実際に発売されたゲームでは、ポロポロ抜け落ちて生え変わり、自由意志でピコピコ動く、謎の器官になっていた。(かみのけアンテナと呼称。)魔導力に強く作用するそうだ。

 

 おにおんどんぐりガエルバルトアンデルスなど、人語を話せないキャラクターと会話できることがあるが、ゲームによって違い、定まらない。

 バルトアンデルスとは『2』では会話できなかったのに『ぷよ!』ではできた。おにおんとは『ぷよ!』では会話しているのに『ぷよ!!』本編と関連デモでは全く言葉が通じない。

 

『2』時点の設定上、幽霊が苦手ということになっている。しかし『2』でユウちゃん&レイくんに遭遇しても漫才デモ中は何事もなく、勝利後のメッセージで「もしかして幽霊?」と怖がるのみで、印象に残りにくかった。『ぷよ!!』では幽霊嫌いの設定はりんごに移動したようで、全く怖がらなくなっている。黒歴史化したと見るべきなのだろうか?

 スマホ版『ぷよぷよ!! クエスト』2014年10月のイベント「第4回とことんクエスト」では、ユウちゃん&レイくんがシグを指して「ユーレイ見ても知らんぷりな男の子が上の階へ行ったよ! ムシ以外はぜ〜んぶムシ!?」とコメントしていた。やはり、完全黒歴史化か?

<雑記>

 やや幼い感じの男の子口調でありつつ、非常にそっけなく言葉少なで脱力している。二人称は、よく知らない相手には「お前」や「おじさん」。知人は名前で呼ぶ。一人称は使っていないので不明。

 

◆赤化した左手・左目について。

『2』の時点では「痛くないから」と本人は全く気にしていないことになっていたが、『ぷよ!』では、あくまに「治してあげたい」と言われて、大好きな虫を差し出しさえして「ムシ あげる なおして」と懇願したり、アミティの手が自分と同じように硬くなったのではと心配したり。『ぷよ!!』でも治す方法を探し求めていた。気になってはいるらしい。…尤も、直後に「もう なれたし」「ずっとこのままでも いいかも」「(虫は右手で捕まえればいいから)もんだいなし」とも言っていたが。意志を貫く根気が続かないようだ。

 左半身が魔物化(?)していることといい、タマシイがはみ出していることといい、曰くありげだが…。

 

 どうも彼は、クルークが持ち歩いている本に封印されていた「邪悪なタマシイ(紅いタマシイ)」の半身(の子孫)らしい。

 アルカ文明の時代、(アルカ内の?)城に、見た者を恐怖のどん底に落とすような醜い「まもの」がいた。しかし悪事を働くわけでもなく、本好きでひっそり暮らしていたらしい。封印アイテム(本)を入手した男たちが彼を陥れ、その邪悪な部分(紅いタマシイ)だけが封じられた。残った肉体と残りの魂(水色のタマシイ)は、元の姿とは似ても似つかぬボーッとした少年に変わり、これがシグの先祖になったようである。

>>参考『ぷよフィ2』内 図書館『封印のきろく』

 シグがボーッとして根気が続かないのは、紅いタマシイが欠けているからなのだ。『ぷよ!』では、サタンがシグを一目見るなり「…おまえ 自分を 半分どこかにおいてきたようだな 」と言っていた。また、シグの赤い目と手を見て、理由が分からないと彼が言うと、「まあ わからないなら そのほうが いい 」とも言った。この状態は命には関わらないがあまりよくない、知らないならその方が幸せといえるものであるようだ。同ゲームではあくまが、できれば治してあげたいが特別な力がいるから無理、その時が来るのを待てと宥めていた。彼は『2』でシグの左手に「くまもりのじゅ」(アルカの女神の加護)を授けてもいる。そのおかげで、シグが紅いタマシイ(あやしいクルーク)と対面しても融合しなかった。『ぷよ!!』ではアコール先生が、左手を治す方法を求めるシグを言いくるめて「このままでいい」と思わせてしまう。簡単に治せるものではなく、現状維持が最も平穏ということなのだろうか。

 アルカ遺跡に暮らしていた人々は、魔導世界に関わる、異世界から現われて去った存在だったらしい。つまり、アルカに住んだ魔物の子孫であるシグは異世界の人間の血を引いているのかもしれない。よってか、『2』では「異世界に通じる」と解説されていた。

 

 なお、シグは『ぷよテト』で、混沌の影響を受けて変になったラフィーナに「ちつじょから はずれたそんざい」と言われていた。いったい何が秩序外だというのか? 《異世界に通じる》という意味なら、アルルりんご達にも当てはまるので、そのことではないのだろう。では《元は魔物》という意味? いや、魔物キャラも沢山いるので強いて言うことでもない。《大きな潜在力を持つ》? そんなキャラも他にいる。となると《魂が半分》という意味か?

 …まあ、いくら混沌の影響を受けたとはいえ、所詮はラフィーナの言ったことである。シグの魂のありようなど知るはずもない。彼女は『ぷよ!!』で、「シグの左手は筋肉を鍛えたものだと思っていた、そうでないなら興味がない」と切り捨てていたけれど、無意識では恐れていて、それで「秩序から外れた」と言ったのかもしれない。

 

 ところで、シグが紅いタマシイと融合したらどうなるのだろう。これは人によって解釈が大きく異なるようである。

 例えば『ぷよ!!』でシグの姿違いとしてストーリーを伴わず登場した「くろいシグ」を、その結果とする説がある。これは両手両足髪の毛までが濃紺で、顔色も黒っぽいシグで、ボイスで「なんか、ヘン」「え?/何?/この力/溢れてる」と言うので、意図せぬパワーアップ状態らしい。また両掌の形が怪物状になっているように見える。しかし目はそのままのオッドアイ、自我もシグのまま、性格・口調もさして変わらぬ様子だ。

 他方、あやしいクルークのシグ版、もしくは『ぷよよん』ドッペルアルルのシグ版のようになる…即ち、全体に赤〜紫色っぽい、普段より悪っぽさとテンポの増したカッコいいシグになる、という想像も人気らしい。

 しかし、どうなのだろう。

『2』当時の設定を素直に読むなら、シグが紅いタマシイと融合すれば、元の《見ただけで怖気が走る、醜悪な姿》になるのではないか? 現に、融合しかかっている今、左手が醜い怪物の形になっているではないか。

 

 もう一つ。シグが紅いタマシイと融合したら、大魔力を持つ脅威的な存在になるというイメージがあるようだ。前述の「くろいシグ」もそこから「力が溢れてる」様子で描かれたのかもしれない。

 例えば『ぷよ!』とそのメダリンク版では、シェゾがシグの左手や左目を見るなり「… おまえ いったい なにものだ?」「おまえの その左目 チカラをかんじる…」と言い出してお前がほしいと迫っていたし(同ネタが、夢の中の出来事という条件付きながら、『ぷよテト』でも繰り返された)、同ゲームではルルーも、シグを見るなり「わたくしの格闘技に この子の 左手が秘めていそうな 魔導のチカラを合わせれば 世界制覇も夢ではないかも…」とシモベに欲しがっていた。『ぷよ!!』ではクルークも「そのひだりて つよいチカラをかんじるし」と言っており、子供でも感じ取れるほどのものであるようだ。シグの魔物化しかかった左手や左目に、特別かつ大きな、それこそ世界制覇できるような魔力が秘められているように扱われている。

 確かに、紅い魔物の邪力を弱める「破邪呪はじゃのじゅ」が古くから存在していた点を鑑みれば、危険性はあるのだろう。しかし、あくまは紅いタマシイが封じられた本を一般貸し出しすることを止めていない。反面、シグに「くまもりのじゅ」を授けて同化を防いでいる。彼の行動には矛盾がある。「くまもりのじゅ」で充分に防げるとの自信でもあるのだろうか。

 ここで注意すべきは、『封印のきろく』等を見る限り、アルカの魔物が悪事はおろか善行も、何もしていないこと。即ち、どんな力を持っていたかは知られていないのである。

 融合がなされて、シグが凄くてカッコイイ魔導師になるだけなら「くまもりのじゅ」で防ぐ必要はない。逆に世界の脅威になるなら本を放置する(しかも子供に持たせる)のはおかしい。

 以上から考えるに、大きな魔力を持つとしても、それで善行をなしても悪事に走っても、アルカの魔物自体は世界滅亡レベルほどには脅威的な存在ではないのではないか。その復活の真の問題たりえるのは、融合同化が完成すれば《シグの姿が醜い怪物に変わる》だろうこと。そして、哀れな魔物が復活できるのと引き換えに《シグの今の自我が消えてしまう》可能性があること。この二点ではないかと考える。

(しかし、封印されたままでいれば紅いタマシイは救われない。あくまはそれを憐れんで、本を貸し出させ続けているのかもしれない。本の中から少しでも外の世界が見られるよう、いつか何かの解決策を得られる可能性にも期待して。)

 

◆シグの性格について。

 可愛くもクールだった『ぷよフィ2』に比べて、『ぷよ!』以降は虫にこだわり過ぎで幼稚になっておかしい、という批判が一部ファンの間にあったようだ。筆者はそれを気にしたことはなかったが、『ぷよ!!』からドラマCDぷよぷよシリーズにかけては、言動が幾分過激に荒々しくなって、キャラが少し変わってきたとは感じていた。

 一方、シグの衣装デザインは基本的に長袖で、『ぷよ!!』で初めて半袖姿になった。この時、露出した左腕全体が赤かったことが、一部ファンには驚きを呼んだという。これも筆者はどうとも思わなかったが、赤い部分は手首か肘くらいまでだと想像していたファンが多かったらしいのだ。ここから、左半身の赤化現象が進行しているという同人解釈が生まれたらしい。

 驚くべきことに、『ぷよ!!』プランナー・脚本家の芳野詩子女史自身が、その解釈に乗っかっている。(あるいは、偶然に同じ解釈をしていた。)『ぷよ!!』発売から二年後に、非公式と謳いつつも、ツイッターでそれに基づいたキャラ語りを行っていた。

から見て、!!→ドラマCD2→4→ぷよテトと 段々こっそりとシグさんの意志や自我をはっきりさせてきたつもり(あくまでつもり)
動機:!!のシグの腕が予想以上に上まで赤かったので、症状がいろいろ進行してるのかと思ったため

進行したから自我がはっきりしたんじゃなくて、友人に囲まれるうち自我がはっきりしてきたからその副作用で進行したんだといいな
ただの定期的な妄想でした。

シグだけじゃなく、アミティもラフィーナもリデルもクルークもレムレスもフェーリも、初登場と比べてずいぶん変わったと思いますが、それを「キャラ違う?」ではなく、成長だと思っていただけるとありがたいです。。。時間軸のない世界でも、触れ合うことで心の成長があっていいじゃない派です
(みんな思春期だし)

ぷよチュのシグさん見るとその後何があったんだってかんじだけど、左手的な意味でぼーっとしちゃったんだと脳内補完→からの、段々自我がはっきりしてきたことへの妄想 あくまで妄想
そう考えるとシリーズ通して変化を見るのがちょっとだけ楽しい

『ドラマCDぷよぷよ』 Vol.2のシグはゲラゲラ笑い、リデルレムレスらに冷たく接しつつアミティには甘えるという感情の落差を見せた。Vol.4ではアミティに思わせぶりな態度を取ってくすくす笑った。『ぷよテト』のシグは、二つの世界の融合を「だめ……だめだよ」と語気強く拒絶し、みんなが困るからと阻止しようとした。(『2』でクルークが危機に陥っていた時は興味を持たずに放置したのに。)同ゲームEX9章では、シェゾに左手の力を要求されて「そんなの だめ だめ……」とあからさまに動揺しつつ逃走、ついには「それは ゆるさない ぷよ勝負で あきらめてもらう」「ほんきにさせたのは そっちだ」と戦いを挑んで、シェゾを「……! おどろいたな ほんきになれば きちんと しゃべることが できるんじゃないか」と驚かせていた。

 これが「自我をはっきりさせ」たということなのだろう。

 ただし、『ぷよテト』EX9章は《シェゾの夢の中の話》ということになっている。流石に変化が大きいので逃げ道を用意したと見える。ここでは、シグからはみ出す水色のタマシイも現実とは異なる邪悪顔(紅いタマシイと同じ顔?)になっているが、現実ではないという意図か、紅いタマシイ寄りに変化したという意図なのかは判らない。(タマシイの色は水色のまま。)

 

 話を少し戻して、上記ツイッター発言へのずれた感想だが、《友人に囲まれて自我がハッキリしたから紅いタマシイとの融合(腕の赤化)が進行した》という論は、おかしくないだろうか?

 友達と過ごして精神的に成長したことで自我がハッキリしてきた、と。欠けた魂は成長するものなのか、その設定がアリなら、シグの代以前の先祖たちの魂は何で半分のままだったのか(どうしてシグは半分の魂で産まれたのか)という疑問は残るが、ここまではいい。おかしくない。

 しかし、その副作用でどうして紅いタマシイとの融合が進行しなければならないのか。筋が通らない。

 第一に、シグの自我が薄いのは《生まれつき魂が半分》だからである。生まれついてのもので、紅いタマシイと共鳴したせいで最近そうなったのではない。

 第二に、シグの手が最近赤くなったのは、クルークが『封印のきろく』の封印を解き始めたからで、シグの自我の強弱とは無関係である。

 シグが紅いタマシイと共鳴し融合しようとするのは、互いの存在が欠けていて不完全だからだろう。シグの魂が成長して完全に近付いたのならば、むしろ共鳴が弱くなるんじゃないのか? そうではなく、元は同じ魂だったから共鳴するだけだというなら、シグの自我が強くなろうと弱くなろうと融合の進行に影響しないはずである。

 以上のように思うので、どうも納得しがたい。

 理屈はどうとでも捏ねられるし、そもそも現時点で非公式とのことだが、困惑はしてしまう。僭越ながら、『ぷよ!!』のエコロなどの扱いを見るに、とかく性善的に、悪を善に転換して描こうとする傾向があるとお見受けしているが、《好ましくない症状の進行》すら《間違っていないこと、正しいこと》に転換しようとしなくてもいいのになぁ、と思う。悪いことは悪いことでいいじゃないか。

 ともあれ、『ぷよ!!』以降、シナリオ上意図的にシグの性格・言動が変えられていたのは確かなようである。この先も、もっと変えられていくのかもしれない。

 

◆シグの左手とシェゾについて。

『ぷよテト』EX9章での《シグの左手》の扱いは、今までと少し異なる描かれ方になっていたと思う。

 この話は『ぷよ!』にあった《シェゾがシグの左手の力を欲しがる》ネタを踏襲し膨らませたものだ。ただし前述したように、《実はシェゾが見た夢》という逃げ道も用意されている。

 シグに強烈な力を感じた(という夢を、夢の中で見た)シェゾが「せっかくだから しょうしょう しらべさせてもらおう」「オレは おまえの その左手に きょうみがあるだけだ」「赤いな…… いつからそうなった?」「しらべたけっか かちのあるチカラならば オレが いただこう」と迫ると、シグがいつになく真剣に嫌がって逃げる。…左手に隠し持っていた虫を奪われると思ったからでしたというギャグオチだが、脚本家がツイッターで「EX9章、結局あんなオチでしたが、各キャラの行動の裏などを想像しながらかきました。」と述べているので、(虫オチはシグの誤魔化しだった、みたいな見方以外にも)読める裏があるのか? 「裏」なんて言われてしまうと、各キャラがよほど裏腹な本心でも隠しているのかと思えてきてしまう。

 シグを追うシェゾの前に、能動的妨害者として現れたのはアミティ、レムレスである。アミティは純粋な人助けだが、レムレスの方は思惑がある風に描かれていた。

#シェゾとの勝負に負けて
あらら……
まあ いいか
そろそろ だいじょうぶだよね

あの子と きみを
会わせるのは
きけんな気がしてね
たとえ ゆめのなかでも

そろそろ だいじょうぶだよね」と、時間稼ぎが目的だったかのような言い方をしているのは奇妙である。《シグを少しでも遠くに逃がすため》なら役に立っていない。次のステージでシェゾはシグに追いついている。《シグに迎撃の支度をさせるため》でも役に立っていない。何の準備もされていなかったから。

 …本当は負けただけなのに、それを認めたくないあまり、超然ぶって「目的は時間稼ぎなんで勝敗は関係ないんですけど何か?」というふりをしただけ、なんて考えることもできるだろうか。ハイ、キャラの行動の裏を読んでみました。

 さておき。シグをシェゾと会わせるのが危険? なんでやねん。紅いマモノ(入りの本を持ち歩くクルーク)とすら毎日顔を合わさせても問題視しないのに。

 シグの左手の力をシェゾが吸収するのが危険、ということだろうか。

 まさか、シェゾの方が紅いタマシイに乗っ取られて「あやしいシェゾ」になっちゃう、なんて展開想定(笑)? いやいや、シェゾは既にあやしい(大笑)。それとも、シェゾが左手を介して紅いタマシイ(まものの力?)を吸収して消滅させてしまうと、シグが永遠に魂半分のままになるので、それはそれでマズいとか?

 いやいやいや。シェゾが感じた「左手の強烈な力」とは、実は『2』であくまが授けた「くまもりのじゅ」によるアルカの女神の守護で、それをシェゾが吸収して解除してしまうと、シグがたちまち紅いタマシイに乗っ取られてしまうから、なのかも!

 …なんて色々考えてみたところで、所詮は《夢の話》だが。

 話がそれるが、これがシェゾの見ている夢である以上、このレムレスも、シェゾ自身の無意識がレムレスのイメージを借りて現れたモノということになる。「本物のレムレスがシェゾの夢に干渉してたんですヨ〜、天才だから何でもできるんですヨ〜」とかいう無茶な超人設定でなければ。即ち、このレムレスの「あの子と きみを会わせるのは きけんな気がしてね」という台詞は、シェゾ本人の無意識の警告ということになろう。シェゾは、シグの左手の力に興味を持ちつつも、心の奥で危惧している、ということになる。

 

 それはともかく、このシグは左手の中に「ムシお ムシこ ムシろう ムシた ムシみ ムシかず ムシリン ムシフィーヌ」と、八匹もの虫を隠していたのである。いくら怪物状の左掌が肥大化しているとはいえ、これほど握りこめるとは小さい虫か。種類は何だろう。ダンゴ虫やテントウ虫なら可愛いものだが、うじょうじょ動き回るものだと嫌だなぁ。ゴミムシとかハサミムシとかアリとかダニとか。

 

◆アミティとの関係について。

 先に述べたように、特に『ぷよ!!』以降(芳野脚本ではと言うべきか)、シグはアミティとペアで語られることが多く、仲の良さが強調されている。『ぷよテト』でも、《己の心に最も強く存在する者》と戦う修行場で、アミティが多くの友人の中から対戦相手に選んだのはシグだったし、EX9章では、シェゾに追われるシグが唯一助けを求めたのがアミティで、彼女は「シグが助けてって 言うことなんて ほとんどないし あんなに しんけんな かおしてるの はじめて見たかも…… というわけで がんばっちゃうからね!」と、いつになく厳しい態度で立ちふさがっていた。(ただし、この話はシェゾの見た夢という設定。彼のイメージの中では、この二人はそういう関係なのだ、ということになる。つまり、第三者の目から見てもシグとアミティは特別仲良し?)

 同脚本家によるドラマCDぷよぷよシリーズでは、その傾向はより顕著だ。他キャラには男女種族問わずにぞんざいな対応をするシグが、アミティにだけは慕い頼って、甘えてさえいるような態度を滲ませる。特にVol.4の#1では、本物そっくりなアミティの偽物を難なく見抜いて絆の強さを知らしめ、その理由を「不安になってきちゃって。シグに、どう思われてるのかなーって」とアミティに問われて、「秘密」と思わせぶりにくすくす笑うという、少女マンガのような感情表現すらしてみせた。アミティの方もシグにデートに誘われたと思ってドギマギしたりと少女らしい反応を見せており、少なくともこの話では、友達以上恋人未満の、初々しくも可愛らしいカップルといった風情である。

 

 Sigは古代ノルド語で「戦い」の意味があるらしい。

 彼のキメ連鎖ボイスは英語の青系色の名前で統一されている。最後のキメボイスとなる「ハイドレンジア」は、赤や青に色の変わる花、紫陽花あじさいを意味する。なお、シグの魂の半身となる あやしいクルーク(紅いタマシイ)の連鎖ボイスは赤系の色の名前で統一されており、最後はやはり「ハイドレンジア」となる。

クルーク Klug

<設定>

9/29生 てんびん座 血液型A
特技:カードゲーム 好き:魔導研究 苦手:偉そうなヤツ

 いわゆる、悪の魔導師のタマゴ。

 アミティのクラスメート。本の虫を自称してはばからない優等生で、帽子は前年度のプリンプ魔導学校最優秀成績者の証として授与されたもの。特に魔法の実技はピカ一で、そのことを鼻にかけて何かと自慢したがる嫌なやつ。どんな話題でも嫌味たっぷり、憎まれ口を叩くのを忘れない。よって、真っ向から噛みつき返してくるラフィーナとは衝突しがち。他方、精神的に打たれ弱く、すぐにキレて怒ったり、傷ついて涙を流す。失敗を他人のせいにしたりもする。十代の少年らしいと言えばらしい。

『1』では、《禁断の魔法に手を染め、悪魔に魅入られているという噂があるが詳細は不明》と紹介されていた。カットインを参照するに、常に持ち歩いている魔導書の中から赤い一反木綿のような悪魔を呼び出しているのは確認できたが…。(この当時はまだ、紅いタマシイの設定は存在しなかった。)

『2』からは、《悪いコトをカッコイイと思っていて、ダークな魔法に憧れて背伸びしがち》という説明になった。大人向けの月刊魔導雑誌『クロマージュ』を愛読し、学生ながら魔導師として名が知られるレムレスに憧れていることに。レムレスはご近所さんで、以前からの知り合いだという。レムレスを慕うフェーリとは犬猿の仲である。

 博物館から借りた魔導書(封印のきろく)を常に持ち歩いていたのは、レムレスに「この本を持つと魔力が高まる」と教えられたからだ。それだけでは飽き足らず、本の力を完全に引き出そうと、太陽のしおり、月の石、星のランタンの三種のアイテムを揃えた。結果、本に呪縛されていた魔物(紅いタマシイ)が甦り、肉体を奪われて、クルークの方が魂になって本に囚われてしまった。(意識はあり、魂の姿で泣いていた。)

 こんな大危機だったにもかかわらず、普段の行いの悪さのせいか、ラフィーナとシグ、二人の同級生には「知ったことではない」と見捨てられた。曲がりなりにも気にかけて助けてくれたのは、アミティとレムレスだけだったのである。そんな二人にすらマトモにお礼を言うこともできない、心の未熟なクルークであった。

 

 入れ替わりに封印されて泣いたのだから、危険は身に染みて解っているはずだ。なのに、その本を未だに肌身離さず持ち歩いている。あくま曰く、「コドモが はなさない ぬいぐるみと おなじま 無いと 不安なんだま」とのこと。恐怖心や分別よりも、強くありたい・自身を大きく見せたいという欲求の方が強いということか。

 ところで『ぷよテト』EX9章では、なんとクルークが本の中の魔物と会話し、喧嘩していた。封印されてないじゃないか。しかも、それを魔物と認識していないかのごとき描写になっていて首を捻らされた。

さっき ここで
シグとすれちがったんだけど

そうしたら
いつも もっている
この本が
いきなり まるで
いきているかのように
ざわざわ しはじめて……

このっ このっ!
本なら本らしく
おとなしくしたまえ!
本のくせに なまいきだぞ!
……ん? なに?
言いたいことでもあるのかい?
……ふんふん

ひっ ひよわメガネだと〜!?
もちぬしにたいして
なんということを言うんだ!

この……かみたば!
四角! ぺらぺら!
そっちが そのつもりなら
こんど おふろばにほうちして
しっけを すわせたあとに
ひなたで かわかして
まげてしまうついでに
ひやけさせて
さらに ページを
らんぼうにめくって
おりめをつけてやる〜〜!!

 更に細かいことを言うと、この本はプリサイス博物館の図書室からの借り物で、クルークの個人所有物ではない。(返却と貸し出しを繰り返して常に所持しているという設定。)よって自身を「もちぬし」とするのは図々しいし、傷めるなんて以ての外だ。どうも辻褄が合っていない。

 ただし、この章は《シェゾの夢の中》という設定なので、現実とは齟齬があるということかもしれない。あやしいクルーク事件の後にプリンプにやって来た彼は、細かいことを知らないだろうから。

 

 一時はクルークの魂をも封印した本、魔導書『封印のきろく』は、魂を吸い込む古代アイテムである。そこに封印された魂は三つのアイテムで封印解除することで解放され、代わりに別の魂を吸い込むという。だからクルークの魂は吸い込まれたのだろうが、実は吸い込まれるのは邪悪な魂だけとの説もあるのだ。ダークな魔導師を目指し、禁断の魔法に手を染めたクルークの魂は、既にして邪悪(ダーク属性)ということかもしれない。

 

 クルークは将来設計に余念がないエリート志向者である。虫捕りに勤しむシグに、『ぷよ!』や『ぷよ!!』で「キミもそろそろ ムシをおいかけるのはやめて ボクのように 本のムシになったらどうだい?」「ムシだムシだ さわいでるけど ムシで たべていけるのか! たぶん いけないだろう! もっと しょうらいをみすえて じんせいを ゆたかにするため どりょくを かかさず」と子供らしからぬシビアな叱責を浴びせていた。

 反面、夢みたいな自己肥大妄想を隠さない《中二病》とも描写されている。『ぷよ!!』Webオリジナル漫才デモでは、超人化した自分が活躍する妄想小説を執筆して自慢たっぷりにシグに読み聞かせ、『ドラマCDぷよぷよ Vol.2』では、《長くてカッコイイ呪文の強力魔法で嫌いな女子(ラフィーナとフェーリ)を華麗に撃退する自分》を妄想し、サンタクロースにその実現を願っていた。

 小説を書くことにも示されているように、実は芸術方面への関心が高い。

 ダンスには「このまちで もっとも おどれるボク」と公言するほど自信があり、『2』や『ぷよ!』などの連鎖カットインでフィーバーポーズを取っている。『ぷよ!』で、すけとうだらに「そのていどのダンスなら ボクのほうがゼッタイに上だね」「心配はいらないよ ダンス界もボクがせおってあげるよ」と言ってのけたほどだ。

 また、『2』当時の設定によれば、カードゲームが特技だという。アナログゲーム好きで(現時点で)完璧超人扱いの まぐろを、ぜひ負かしてやってほしい。

 

 酒には面白いほど弱いらしく、『ぷよ!!』にて、ウィッチの作った「ヒ・ミ・ツのドリンク」を飲んで、ほろ酔い・笑い上戸・泣き上戸・絡み酒・怒り酒・脱ぎ散らかす・気が大きくなる・眠り込む、と《酔っ払いの見本市》状態を披露した。

 彼が魔導世界の住人だったら、魔導師として大成できなかったかもしれない。あちらでは酒が主要な魔導力回復アイテムだからである。

 

AC版『ぷよぷよフィーバー』稼働当時の設定

アミティ、ラフィーナと同級生の男の子。見ておわかりのとおり、いわゆる優等生。非常に成績優秀で、魔法の成績も常に上位にランクされている。反面、精神的には未成熟で、耐えられなくなると、すぐ泣いたり怒ったりする。

開発よりひとこと
今回のキャラの中では珍しい、まったく普通の男の子です。等身大の10代、ガラスの10代、といった感じでしょうか。

『アルカディア』2004年3月号(エンターブレイン)より引用

<雑記>

 一人称は「ボク」で、相手は「キミ」と呼ぶ。嘲るようなニュアンスが強いものの普通の少年口調だが、笑い声が「うひゃひゃひゃ」だの「ひゃっひゃっひゃ」だの。

 

◆クルークの特殊な性癖について。

『ぷよ!』では、クルークの非常に特殊な性癖が披露されていた。ルルーと対戦し、「“格闘女王” と お呼び!」と言われた彼は、それまでの態度とは打って変わって従順になり、

ルーク
は はい “格闘女王様”!!

ルルー
よろしい! では 私の拳をうけて 足元にひざまずきたい?

クルーク
は はい よろこんで!
できれば オトナのはがいじめを おねがいしますっ!

ルルー
フ… かわいいこと 言うじゃない…
でも ダメよ ほしがるものは あたえないわ!

クルーク
じゃあ 何も ほしがりません!

と、どう見ても《真性》の、SMプレイ的会話を繰り広げたのだ。洒落にならない。

 この設定はメダリンク版『ぷよ!』にも引き継がれ

クルーク
お おねがいしますっ

ルルー
そうね 勝負してあげるわ
はやく じゅんびなさい

クルーク
はいっ ただいまっ!

という追加デモすらあったが、以降のタイトルに彼とルルーの絡みはなく、定着した設定なのかは不明である。

 

 クルークとは、ドイツ語で「賢者」の意味。

 彼のキメ連鎖ボイスは宇宙・天体系のラテン語で統一されている。

リデル Rider

<設定>

1/17生 やぎ座 血液型B
特技:一人あやとり(『2』当時)、天気予報と失せもの探し(『ぷよ!!』以降) 好き:ぬいぐるみ 苦手:海(泳げない)

 プリンプ魔導学校の生徒で、亜人の少女。『ぷよフィ』ではアミティのクラスメートだったが、『ぷよフィ2』ではラフィーナタルタルと共に隣のクラスになった。(ただし、『ぷよ!!』関連デモではアミティと同じ教室でアコール先生の授業を受けており、設定が無効化しているともとれる。)

 

 魔導学校の生徒は、彼女以外は全員人間である。というのは、亜人たちが人間の学校で学ぶことに価値を感じていないからだ。なのにリデルが魔導学校に通っているのは、彼女が人間に育てられ、人間社会で育ってきたため。

 彼女は捨て子(?)で、幼い頃に人間の老夫婦に拾われ、娘として育てられた。それ以来、様々な苛めに遭ってきたらしい。頭に二本の角が生えているのだが、髪を角に巻いて、それが目立たないような髪型にしている。

 しかし、魔導学校で同級になったアミティやタルタルの分け隔てない態度に触れ、少しずつ心を開きつつある。特に、タルタルと仲がよい。

 長年苛められてきたため、おどおどした大人しい性格。

 

 …というのが『ぷよフィ』時点の設定だったが、『ぷよ!』にて衝撃的な変化が生じていた。相手から意に染まないことを言われると、気弱そうな顔をしながら鋭い言葉でグサリと刺し返す、毒舌少女になっていたのだ。

 リデルにキツいことを言われて傷ついたシェゾは「やっぱ おまえは オニっ子だな!!」「オレは 見た目だけで言ってるんじゃないぞ!」と評したが、リデル本人はケロリとしていたものである。おしゃれコウベも、リデルにおしゃれチェックし返されて傷つき、アミティに愚痴をこぼしていた。流石のアミティも「それはー ちょっと イタかったかも」と苦笑していた。

 

 毒舌リデルは黒歴史化し、『ぷよ!!』からは気弱な少女に戻された。新しく、《静かなナーエの森が好きで、森に住むおにおんどんぐりガエルと親しい》という要素が加えられている。(『ぷよ!』の頃のリデルは、おにおんたちとは まるで心通じていなかった。)

 自然を愛し動物たちと心通わせる巫女的な少女というイメージに路線変更したらしく、『2』当時の「好きなものはぬいぐるみ、特技は一人あやとり」という孤独イメージ設定に代わって、新たな特技が作られた。『ぷよ!!』の「まめちしき」によれば、《勘が鋭くて、明日の天気を当てたり失せ物を見つけるのが得意だが、恥ずかしがりやで目立ちたがらないため、あまり口にしない》のだそうだ。この設定はスマホ版『ぷよ!! クエ』にも採られ、現時点でのスタンダードになっている。

 

『ぷよ!』では角コンプレックスをある程度克服した姿が描かれたが、これも黒歴史化したらしく、『ぷよ!!』で再び角コンプレックスが語られていた。角のあるサタンを「おにいさま」、ドラコケンタウロスを「おねえさま」と呼ぶ。ドラコには受け入れられている(気にされていない)が、サタンには嫌がられている。

 角は成長に合わせて抜け落ち、生え変わる模様。ミルキーな匂いがするらしい。また、ウィッチに角を奪われそうになると「ツノはとってもだいじなんです やめてください」と全力で抵抗していた。コンプレックスではあるが、無いと困るものであるようだ。

 

AC版『ぷよぷよフィーバー』稼働当時の設定

アミティの同級生で、亜人の少女。幼い頃、現在の両親(老夫婦)に拾われて、人間の社会で育った。髪にあるダンゴは、二本のツノを隠すためのもの。亜人であることで人間社会において迫害を受け、コンプレックスを持っているが、種族の差を気にしないアミティやタルタルの存在が、彼女の気持ちに徐々に変化をもたらしている。

開発よりひとこと
彼女は亜人ですが、同級生で同じ亜人の子はいないですね。それは、人間の学校で学ばせることに、亜人が価値を感じていないからです。彼女も、けっこうイジメられて育ってきたようです。

『アルカディア』2004年3月号(エンターブレイン)より引用

<雑記>

 一人称は「私」または「わたし」。相手のことは「あなた」と呼ぶ。基本的に「さん」付け。特殊な呼び方として、アミティを「アミさん」、バルトアンデルスを「バルさん」と呼ぶ。(デモによっては「バルトアンデルスさん」。)

 丁寧な口調で、おどおどして途切れがちな喋り方をする。

 

 タルタルと仲が良いという設定は、製作スタッフに消滅を狙われたようである。『2』でタルタルはラフィーナのストーカーに変貌。取説のキャラ紹介文で、リデルの項に「同じように穏やかなタルタルとは、今回も同じクラスで仲良し」、タルタルの項に「おとなしいリデルとは仲のよい友達」とはあるものの、本編中では二人の繋がりはまるで描かれなかった。二年後の『ハバネロ』でも同じ扱いで、そののち六年ぶりのタルタル再登場となったスマホ版『ぷよ!! クエ』でも、二人の関わりは全く語られていない。

 ただ、『ぷよ!!』での《ナーエの森で過ごし、おにおんやどんぐりガエルと心を通わせている》というリデルの姿は、タルタルの《自然や小動物が好き》という設定に近い。タルタルのキャラ設定ををリデルに移譲させたかのようである。

 

 リデルのキメ連鎖ボイスは、竜巻や雷など嵐系統気象を表すイタリア語で統一されている。角から雷を出したり、敗北すると自分に雨が降り注いだりしているので、嵐を操るのは種族的特質なのかもしれない。

タルタル Tarutaru

<設定>

7/19生 かに座 血液型O
特技:鳥寄せ 好き:生き物 苦手:蜘蛛

 魔導学校に通う十代の人間の少年。『1』ではアミティのクラスメートだったが、『2』で隣のクラスになった。

 いつもボーッとしているが、花や小動物を愛し、それらが傷つけられると爆発的な怒りを発することがある。

 魔法の成績はあまりよくないが、巨躯に相応しい怪力の持ち主。

 リデルと仲がいい。

 

 ……というのが『ぷよフィ』当時の設定だったが、『ぷよフィ2』ではラフィーナやアコール先生に惚れられていると勘違いして発情・暴走する準ストーカー男に豹変。リデルとの繋がりも、せいぜい取説の紹介文に「おとなしいリデルとは仲のよい友達」とあったくらいで本編中では扱われず、自然の守護者のような面も大して描かれることなく姿を消し、以降長く、登場すらしなかった。

 

AC版『ぷよぷよフィーバー』稼働当時の設定

とても同世代の10代とは思えないほど巨大な男の子。いつもボーッとしていて、気が優しいかどうかはイマイチ不明だが、力持ち。花や小さな動物が好きで、それらを故意に傷つけるような行為に対しては普段目にすることのないような怒りを表すことがある。魔法はイマイチ。

開発よりひとこと
設定作成中、某週刊少年サ○デー連載マンガの「い○じゅう」が頭をよぎったのですが、よぎったままにしておきました。

『アルカディア』2004年3月号(エンターブレイン)より引用

<雑記>

 一人称は「オイ」で、語尾に「〜なんだなぁ」と付ける。あまり親しくない相手(シグなど)は「おまえ」と呼ぶ。おっとりした口調。

 

『1』では他の生徒たちの試験中に、何故か彼だけ留守番を命じられていた。「魔法の成績は良くない」という設定と併せて、特殊な理由があるのかと邪推したくなる。

 

◆タルタルの恋について。

『ハバネロ』『2』では、タルタルはラフィーナに恋している。何故なら、授業中にいつも、後ろの席からラフィーナがじっと見つめてくるから。きっとラフィーナはオイのことが好きなんだなぁ…とタルタルは思っているのだが、実は彼がデカ過ぎて前が見えず、必死で背中越しに黒板を見ているだけなのである。愛されていると思い込んだタルタルは、彼女を執拗に追い回し、強引に連れて行こうとしたり、かなり洒落にならない、怖いキャラクターになっていた。

 このスト―カー設定は、恐らく『1』のはらはらコースで、「オイと いっしょに留守番するんだなぁ!」とラフィーナを足止めしようとしたデモに想を得て作られたのだろうが、個人的には疑問を感じる方向への飛躍である。

 他、『2』の「ゆうびん」にて、面談時にアコール先生から「タルタルくんはいつもおだやかね」と褒められたのがよほど嬉しかったらしく、「まさか、アコール先生もオイのこと…」と漏らしていた。自意識過剰で惚れっぽいのか?

 

 彼のキメ連鎖ボイスは激しい勢いや振動、揺れを表す英語で統一されている。

 ラフィーナは魔法が使えずに体術で誤魔化しているというが、カットインを見る限り、タルタルの方が体術しか使っていないように見える。

アコール先生 Ms.Accord

<設定>

2/12生 みずがめ座 血液型AB
特技:チョーク投げ 好き:ネコ 苦手:黒板ひっかき

 知性と美の香りをそなえている、プリンプ魔導学校の女教師。いつもニコニコ、おっとりしている優しい先生だが、マイペース過ぎる言動は生徒たちを悩ませる。

 常にポポイという名の黒猫らしきヌイグルミを抱えていて、それと会話し、二人三脚で生徒たちを指導している。大半の生徒はそれを彼女の腹話術、一人芝居であると考えており、彼女自身もそれを否定はしないが…?

 持っている杖は《飛翔の杖》。ポポイいわく「チョーべんり」だが、教師にしか使えない。

 

 基本、上から目線。生徒以外にでも、柔らかな物腰ながら常に目上の態度である。《誰に対しても先生として振舞う》と言うべきか。

 年齢も不詳。ルルーには「あなた ワカいのに えらいのね」と年下のように扱われる一方、ルルーより年上のはずのシェゾに「先生は あなたをユウワクしたりしませんよ」と年上のような物言いをしている。

 生徒を言いくるめて精神操作することが多い。その際、魔法のハンマーで後ろから殴って気絶させるような過激な行動をとることも。生徒の行動の一切を見抜いているような言動も多く、含みの多い、食えない人物であるように見える。『ぷよテト』では事態解決に必要な修行場を先回りして用意し、上回り感を見せつけていた。

 しかし、彼女のこうした超人然とした言動は生徒指導の一環に過ぎず、それ以上でも以下でもないようだ。教師という枠内でしか力を発揮できないのかもしれない。彼女を主人公とするルートがある『ぷよ!!』では、情報収集と事態の把握まではこなしたものの、世界の危機にさして有効な手を打つことはできなかった。「プリンプの生徒を護る」範囲でしか動けないようにも見える。あくまで支援者なのである。

 

AC版『ぷよぷよフィーバー』稼働当時の設定

子供たちの担任の先生。いつも生徒たちを温かく見守っている。しかし、その言動は時にシュールで、生徒たちを悩ませることもしばしば。いつも黒猫らしきヌイグルミ(ポポイ)を肩にのせていて、時々話しかけているのだが、そのヌイグルミはちゃんとそれに対応する。生徒とも話ができる。以前ある生徒が、そのヌイグルミを先生から奪って確認したところ、やはりただのヌイグルミだったらしく、それ以来、先生が腹話術でヌイグルミに話をさせている、というのがもっぱらの定説である。しかし主人公だけは、素直にヌイグルミを生きていると信じているらしい……。

開発よりひとこと
実際のところは、アコール先生はポポイの部下なのかもしれない。あるいは同等の存在かもしれないし、あるいは逆にポポイに操られている存在なのかもしれない。いずれにせよ、本来ポポイを従える立場の存在ではない。

『アルカディア』2004年3月号(エンターブレイン)より引用

<雑記>

 一人称は「先生」または「わたし」。相手のことは(生徒以外は)「あなた」と呼ぶ。丁寧でおっとりした先生口調で喋り、生徒たちを、基本的に女の子は「さん」、男の子は「くん」付けで呼ぶ。『ぷよ!』など一部タイトルで、性別関係なく「さん」付けで呼んだこともある。

 例外として、さかな王子は「王子さま」、サタンは「サタンさま」「闇の魔王さま」と呼ぶ。しかし何故かぞう大魔王は「ぞう大魔王さん」。彼女の中ではランクが下がるようだ。

 

 教師としてアルルに慕われているが、『ぷよ!』にてそれを聞いたシェゾが、「ゆるせん!!!」と何故かブチキレていた。彼によれば彼女は「白の魔導」の使い手であるらしい。(白服だしね。)美形は人並みには好むようで、シェゾを負かして「美男子は おこっても きまるのね もっとおこらせてみようかしら」と言っていた。

『ぷよ!!』ではフェーリレムレスを巡る恋のライバルと見なされている。が、レムレスの方はアコールの手作りクッキーを酷評していたし、アコールも彼をまだまだ子供扱いであしらっていて、ロマンスの香りは感じられない。

 

 アコールとは、フランス語で「調和、和音」という意味。

 彼女のキメ連鎖ボイスは、当初は音楽用語で統一されていたが、『2』以降は学校関連のフランス語(フランス語の単語を使った造語含む)も混じるようになった。

ポポイ Popoi

<設定>

2/22生 うお座 血液型なし
特技:ねこパンチ 好き:飛翔の杖 苦手:ミント

『1』のラスボス。アコール先生が常に抱えている黒猫らしきヌイグルミだが、動いて喋る。

 生徒たちは先生が腹話術で動かしているのだと思っており(ただし、アミティだけは素直に「生きている」と思っている)、実際、『1』のゲーム本編だけを見るとそうとしか思えないのだが、『1』のAC版稼動後にゲーム誌で発表された設定によれば、実はヌイグルミの体に何者かの意識が宿っている、擬似生命体らしい。

 この真相はポポイ自身がアコールに口止めしているらしく、『2』でインタビューされて これを喋ろうとした彼女の口をポポイがサッと塞いでいた。なお、『ぷよ!』ではぞう大魔王がポポイを非常に怪しんでいたが、アコールはそらとぼけていたものである。

 

 ポポイの正体は不明だが、博識で明晰な頭脳を持ち、アコールと共に、まるで校長のように生徒たちを指導している。…ように『1』の時点では見えたが、『ぷよ!』では生徒たちに関心が無いようにも見えた。単なるマスコットキャラか? 『1』の時点で雑誌で発表された設定によれば、立場的にはアコールより上位の「すごい偉い人」とのことだったが、黒歴史になったのだろうか。

 …しかしその後、『ぷよ!!』ではアコールと共に生徒たちを守るために暗躍。ドラマCDぷよぷよシリーズではラスボスに扮して試験官を務めたり、生徒に罰を与えたりと、再び影の指導者的な描かれ方に戻っていた。

 

 なお、『2』からはポポイに近い存在として、数千年前から生きる「あくま」が登場した。やはりヌイグルミの身体をしており、ポポイとは旧知の仲らしい。

 

AC版『ぷよぷよフィーバー』稼働当時の設定

アコール先生といつもいっしょにいる、ネコ(?)らしきヌイグルミ。体はただのヌイグルミなのだが、何らかの人格が宿っており「生きている」という表現がふさわしい。担任の先生が腹話術をしているわけではないのだが、説明するのがメンドウなのか、特に何も弁明されていないようである。非常に洗練された頭脳を持っており、生徒の質問などには的確なアドバイスを返す。担任の先生も公然と彼(?)にアドバイスを求めることがあるが、生徒たちにとっては先生の一人芝居にしか見えていない。

開発よりひとこと
実は裏設定があり、すごい偉い人(?)という設定があります。ただ、その詳細に関しては、また後日……。

『アルカディア』2004年3月号(エンターブレイン)より引用

<雑記>

 一人称は「我輩」で、語尾に「〜にゃ」または「〜ニャ」と付ける。当初は「我輩は〜にゃりよ」という崩れた文語口調だったが、『2』以降は微妙に口調が変わり、「〜だニャ」「〜じゃニャイニャ」などとカタカナ混じりで言うようになった。

 ねこヌイグルミ、魔王(下半身の消えた邪悪顔の猫)、目玉付きハンマーと、自在に姿を変化させられるらしい。『ドラマCDぷよぷよ Vol.2』では巨大なドラゴンに変身していた。なお、スマホ版『ぷよ!! クエ』のカード「くろいポポイ」は、魔王姿で自ら目玉付きハンマーを持っている。分身か?

 

◆ポポイの正体について。

 ポポイは何者なのだろう。

 まずは、《魔族》だと仮説してみる。『1』では魔王に扮していたし、ポポイと似た「あくま」が、文字通り悪魔的存在だからだ。更に、二人は旧知の間柄だと言う。『ぷよ!』では あくまが「ポポイ いま まんぞくま? ほんとは うずうずしてるま?」 と訊ね、何かを企んでいるのではと危ぶんで勝負を挑んでいた。素直に読み取れば、ポポイは昔、世間に害をなしえる危険な存在だったのではと思える。

 あくまはアルカ文明と関連があるらしく示唆されており、アルカ文明は魔導世界と関連があるらしく思われる。そして、あくまの本体は博物館の図書室に眠っている(永眠している?)ようにも読み取れるので、ポポイもまた、太古から生きる魔導世界関連の存在で、肉体は失われたかどこかで眠っており、魂だけがヌイグルミに宿って活動しているのではないかと、『2』当時は想像してみたものだ。

 もっとも、『ぷよ!』でサタンと顔を合わせても、お互いに全く無関心だったので、今後こっち方向に話が発展することはなさそうである。

 

 次に、《過去の偉人の魂》だと仮説してみよう。たとえば、アルカ文明時代に生きた人物の魂で、プリンプ魔導学校の前身を創り、遺体は学校の下に永眠していて、魂がヌイグルミに宿って生徒や学校を見守っている。あくまは当時からの知人で、プリンプの街の発展に貢献した当時の名士であり、遺体はプリサイス博物館の下に眠り、同じように魂だけが残って街を守り続けている、と。

 というのも、『2』の図書館の人物紹介本で、ポポイとあくまは「霊物」に分類され、おしゃれコウベユウちゃん&レイくんらアンデッド(蘇った死者)と同列の存在として紹介されていたからである。

 

 彼のキメ連鎖ボイスは、英語の天文関係用語にちなんでいる。

 ネコのヌイグルミがどうして天体なのか? 彼の正体に関わる理由があるのだろうか。

フェーリ Feli

<設定>

11/13生 さそり座 血液型B
特技:おまじない 好き:レムレス先輩 苦手:奇麗事

 隣町のエリート魔導学校に通う、ダークなものに傾倒した黒ゴシックロリータ少女。

 神がかり状態(半眼笑い、もしくは暗黒顔)になっていることが多く、しばしば金切り声と共に不吉な言葉を吐く。人の話をロクに聞かず、邪魔する者に容赦はしない。

 マイブームはダウジングで、手にはダウジングロッドを持っている。魔法を使うときはそれを合わせたり回したりする。他、コックリさんや丑の刻参りも好きな模様。

 

 学校で出逢って以来、先輩のレムレスが大好き。髪につけたリボンはサテンとビロードを合わせて手縫いしたもので、中に彼の髪の毛が入っている。恋が叶うおまじないだと言う。

 ちなみに、『2』のデモで口にしていた呪文は、「その名 レムレス 口にすれば 心満ちる 屋根の上 そっと想うの 巡る星を 追いながら その願い 今日の歌」の逆さ読み。恋する乙女らしくポエマーだ。

 

 何故か異世界の怪物バルトアンデルスに懐かれ、シモベのように従えている。

 

『ぷよ!!』での説明によると、占いの腕はピカイチだが、フェーリの言葉の意味がよく判らないため、本当に当たっているかは不明だという。レムレスは高評価している。

<雑記>

 一人称は「アタシ」。相手のことは「アナタ」と呼ぶ。レムレスを基本的に「レムレス先輩/レムレスせんぱい」と呼ぶが、シリーズ初期は、本人がいないところや、稀に本人の前でも「レムレス」と呼び捨てることもあった。また、バルトアンデルスを「バル」と呼ぶ。

 やや仰々しい、嘲る感じのねっとりした口調で、しばしば締めの言葉を一音ずつ区切る。例えば、「アナタ、これで… お・し・ま・い・ね」という感じ。ただし、レムレスに対しては比較的普通の喋り方。

『7』にて、語尾の「わ」をカタカナ表記する、おしゃれコウベ的な口調を一度だけ使ったが、何故か『ぷよ!!』以降はそれが基本になった。「おハカに ふういんしてやるワ」など。

 

◆フェーリの運命論について。

 フェーリは《運命論者》で、しばしば「運命だから」と結論付ける。「運命」「永遠」に憧れており、絶対視しているようだ。

 この要素は『ぷよ!』で特に激しかった。

 当時筆者は、フェーリが占いや呪いなどのオカルト的なものに固執し、声高に運命論を唱えるのは、子供がヌイグルミを手放さないのと同じで己れに自信がなく不安だからだと考察していた。運命や神のような大きなものに頼らねば行動できないのだと。また、同ゲームのレムレスは「今は ウンメイかもしれないけれど きみはまだわかいし ウンメイも どんどん かえていけるからね 」「フェーリ エイエンをのぞむには まだ わかすぎるとおもうな」「エイエンとひきかえに きみは ドキドキを失ってもいいのかい?」「ミライがわからないから 明日が 楽しみになるんだよ」と、フェーリの運命論をやんわりとながら否定していたので、彼は占いに頼ることをよしとせず、自らの意思と行動で生きることを目指す《意思論者》なのだと解釈していた。

 ところが、五年後に発売された『ぷよ!!』では、レムレスは重大な行動の指針をフェーリの占いに求め、自らも占いを行っていた。

 この脚本家がツイッターで語ったところによれば、キャラの言動が過去作から変化した場合は、「キャラが変わった」ではなく「成長した」と捉えてほしいとのことなので、これはレムレスの成長なのだろう。フェーリのアタックが功を奏して、運命論に宗旨替えしたということか。

 占いへの固執は自信のなさに由来するという考察の方は、大外れというわけでもなかったようで、考察から七年後の『ドラマCDぷよぷよ Vol.5』にて、フェーリは以下のように激白していた。

#サタンのように、好きな人に気持ちを押しつけて迷惑がられるなんて
私はそんなことしない。怖くてできないもの。
強力なおまじないで無理矢理振り向いて欲しいわけじゃない。でも…でも、でも。何かせずにはいられない。
だからそのリボンにお願いしているの。

 自信がないから、恋のおまじないに頼るのだと。

 閑話休題。

 上記ドラマCDでは「一方的に迫るなんて怖くてできない」としおらしいことを言っているフェーリだが、『ぷよ!』では「せんぱい! アタシたちが こんなに出会ってしまうのは… これって やっぱり エイエンにつづく ウンメイですよね!?」と正面から迫っていたし、『ぷよ!!』にも、弱ったレムレスに「いまのせんぱいなら なにかと やりたいほうだい…」「…うふふふふ せんぱいのジンセイもらったワ!」と強引に迫る話があった(苦笑)。恋する乙女の記憶からは都合よく抜け落ちているようだ。

 いやいや。占いでトランス状態になると気も大きくなるってことかも。…ん? フェーリの占い(トランス)って、酒で酔っ払って勢い付けるのと大差ない?

 

◆レムレスとの関係について。

 フェーリがレムレスに恋して追い回す設定は、旧ぷよシリーズのルルーサタンの関係を原型とするように思われる。ルルーを慕う巨大なシモベ・ミノタウロスに相似の存在としてバルトアンデルスが配置されている点からもそう感じられる。

 フェーリの片思いは、当初はさほど肯定的に描かれていなかった。『ぷよフィ2』内のレムレスの手紙(七月七日)には、こうある。

そういえば今夜は、星の恋人が出会う日だね。
本当はぼくも星を見たいんだけど 朝からフェーリに追われて ‘おそうじ用具箱’にかくれっぱなしだよ… 暑いなぁ〜
こっそりバルにあずけたこの手紙が きみに届いて助けにきてくれることを祈ってるよ!

 ラフィーナのはらはらコースエンディングでは普通に会話を交わしているので、常にというわけでもないのだろうが、逃げて身を隠すほどに、彼女のアタックに恐れをなしていたのだ。

 また前述したように、『ぷよ!!』にも、弱ったレムレスがフェーリに迫られて「…みの きけんをかんじる」と、這う這うの体で逃走する話があった。

『ぷよ!』のフェーリ編では、二人の仲は運命だと迫る彼女に、レムレスが「運命は永遠ではないし、君に永遠は早すぎる」と、大人が子供を諭すかのごとき拒絶を返している。

 レムレスはフェーリを恐れ、拒絶している。彼女に好意を抱いていないということか?

 

 ところが『ぷよ!』のシェゾ編では、フェーリをぷよ勝負で負かしたとシェゾから聞いたレムレスが「フェーリを いじめた? だったら ゆるさない キャンディー ぬきだ」と、珍しく怒りの感情を見せるのである。

 このエピソードを膨らませたのだろう、『ドラマCDぷよぷよ Vol.5』には、サタンに意地悪されたフェーリの元にレムレスが駆けつけ、「あれ? フェーリを苛めているのかな」「甘いお菓子はどう? って、普段ならそう言ってるけど、今日はちょっとそんな気分じゃないな」「ちょっと…甘くないよ」と、自らサタンを攻撃する話があった。

 サタンはレムレスを怒らせる(フェーリを守らせる)ために、わざと小さな意地悪をしたのである。あからさまな状況だったのに、それすら見えていない。いつもの聖人の仮面を脱ぎ捨て、君子豹変して怒っている。フェーリのために。

 この話だけで判断するなら、レムレスからのフェーリへの好意は疑いなしと言い切れるほどの、今時少女漫画でも珍しいような極端な反応だった。

 

 以上、矛盾し合う全てを受け入れれば、レムレスはフェーリを恋愛対象として受け入れ切れてはいないが、強い庇護欲は抱いている、ということになろうか。それが年長者としての分別に過ぎないのか、それ以外になりえるのかは、一応、まだ不明瞭。…というあたりに収められるのだろう。

 とは言え、ドラマCD5での扱いが確定的なのは無視できない。

 ルルーの片思いは、アルルとサタンの関係にも影響してしまうので成立させ難い。しかしフェーリの片思いには制限がない。よって、確定を前提としつつも、表面的にはレムレスが逃げるという、ぬるま湯的な形で描かれ続けていくのではないだろうか。

 

 彼女のキメ連鎖ボイスは英語の占星術用語で統一されている。

レムレス Lemres

<設定>

8/25生 おとめ座 血液型A
特技:お菓子のプレゼント 好き:パフェ 苦手:自分の家

 隣町の魔導学校に所属する青年で、フェーリの先輩。アミティたちからすると、小・中学生から見た高校生のお兄さんのような存在。

 学生ながら一人前の魔導師として活躍中で、若き天才と名高い有名人。大人向け魔導雑誌『クロマージュ』にて特集が組まれ、サインつきポスターが同梱されたほど。二つ名は《彗星の魔導師》。

 銀髪で、とんがり帽子にマント、ほうきという、いかにも魔法使い的なスタイル。ただし、元祖ほうきキャラのウィッチが参戦するようになったためか、『ぷよ!!』以降は ほうきが杖に変更された。

 

 いつもニコニコして物腰は柔らかく、面倒見も良い。けれど、どことなく胡散臭い雰囲気を漂わせており、子供にお菓子を差し出しながら近寄ってくるので、誘拐犯に間違われがちである。

 甘いものが大好きで、常に菓子を持ち歩いており、それを周囲にプレゼントする。『ぷよ!』では、自分が勝ったらお菓子をもらって下さいと対戦相手に押しつけさえしていた。ちなみに、まんじゅう等の和菓子は日持ちしないので持ち歩いていないとのこと。

 配り歩く菓子は自作で、美味いがとても甘いと言う。

『ぷよ!!』以降は上手なスイーツを作るイメージになったように感じるが、それ以前は「あげナスの チョココーティング」「カレーキャンディー」を作ろうとしたり(『ぷよ!』)、ハイキングにパフェ弁当を持参して不評を博したりと(『ぷよフィ2』内の手紙)、どちらかといえばゲテモノ的なスイーツを作るイメージがあった。

 甘いものがパワーの源だと語る。『ぷよ!!』では、甘いものが魔力の源で、しばらく食べないでいると精神に変調をきたす姿が描かれた。「あまああまあまままあまあまいあまいあまいあまいあまいあまいあまいあ」「ケーキ…ケーキケーキケーキケーキケーキケーキ!」などと喚いて錯乱し、周囲の甘そうなものにかぶりつこうとする。

 

 フェーリに愛され、追い回されている。また、クルークに強い憧憬を抱かれている。しばしばアコール先生の依頼を受けて行動している。光の属性の魔導師として闇の魔導師シェゾと対照的な立場を見せることがあるが、特に対立はしていない。

 ただしフェーリは、シェゾをレムレスを脅かす者とみなして一方的に敵視している。「闇が アナタ 光は 彗星レムレス 闇が 光をかくし 彗星の光が 闇をてらす」「闇が おくりこんだ刺客ね! ダメ そんなことさせない アタシが レムレスせんぱいを まもってみせるわ!!」だそうだ。

 

 人間だったさかな王子に魔法をかけて異形の魚に変えた。『ドラマCDぷよぷよ Vol.2』によれば、姿を変えてさえ自由を求める生き方を尊敬している。が、『ぷよ!!』によれば、自由勝手過ぎてオトモを困らせることを諫め、王子の自覚を持ってほしいとも思っている。

 

『ぷよ!』では、運命や永遠にこだわるフェーリの考え方に懐疑的な態度を見せ、運命に縛られると未来のドキドキが無くなるからつまらないと諭しさえしたものだが、『ぷよ!!』では自らも星を占い、フェーリの占いに頼って行動していた。

『ドラマCDぷよぷよ Vol.2』によれば、ダークな魔法を扱う家の息子で、幼い頃から天才的な実力を発揮していたという。しかし人々を笑顔にする道を望み、ダークな魔法を使うことに反発して、光の属性の魔導師に宗旨替えしたのだそうだ。

 意思論から運命論へ。闇属性から光属性へ。立場や主義主張を、対極と言っていい方向へ変え続ける流転の男ということか。

<雑記>

 一人称は「僕」または「ボク」、相手は目下は「きみ」「キミ」、目上は「あなた」と呼ぶ。僕は〜だけど、〜〜だしね。〜〜でしょ。〜〜さ。〜〜しようね。といった柔らかい口調。

 

◆変態お兄さんなレムレスとお菓子について。

 初登場時のレムレスは、シェゾに代わる「変態(と誤解される)お兄さん」ポジションだった。ヒト気のない場所でお菓子を差し出しながらアミティに道案内をせがみ、女児を狙う誘拐犯だと誤解されたのだ。

 ところが次回作の『ぷよ!』で本家変態(?)のシェゾが復帰したせいか、女児だけでなく老若男女にお菓子を配る、それ自体が目的の人物に路線修正。《施す善人》のイメージが生まれ、『ぷよ!!』(また、同脚本家によるドラマCDぷよぷよシリーズ)以降は「お菓子は皆を笑顔にする。お菓子で世界中を幸せにしたいんだ」とのたまって人々に手作りお菓子をプレゼントして回る聖人に進化した。

 りんごに怪しまれる『7』の漫才デモや、連鎖ボイスの「怖くないよ/側においで」などに要素の片鱗は残されているものの、《不審者》設定はすっかり薄れた。シェゾの《変態》設定がシリーズが進むごとに反復・強化され、変にエスカレートしたのとは対照的である。

 

 彼が初登場した『2』では、キャンディー、チョコ、ゼリー、サンデー(パフェ)などが、ぷよ対戦を有利に運ぶための汎用アイテムだった。即ち、それらを持ち歩くレムレスには、誰よりも魔導アイテムを使いこなす天才という側面もあったのだ。『2』内『月刊クロマージュ』記事では、魔導アイテムで最もハマっているものはとの問いに「キャンデーかな。ありがちだけど奥が深いし応用がきくからね。サンデーも僕の好みだけれど。」と豪語している。嗜好品としてより、アイテムとしてお菓子を語っていた。

 だが今は、ただ嗜好品として溺れているように見える。今や《甘いものを断つと魔力が切れ、幻覚・錯乱を伴う離脱症状に陥るスイーツ依存症》なのだ。これは『ぷよ!!』から新たに付け加えられた要素で、かつて『ぷよ!』にて「(キャンディーが)僕のパワーのみなもと」と、ひとこと言ったのを膨らませたものと思われる。たかだか半日程度(?)スイーツ断ちしただけでこうなるなんて、低血糖症の疑いもありそうだ。

 

◆レムレスとダークな魔導について。

『2』で初登場した時、彼のかぶっている濃緑色の帽子の説明に「その色が扱う魔導のしゅるいを象徴し、白系は白魔導、ダークになるほど、黒魔導となる。」と書かれていた。また、「黒魔術」をもじった誌名と思われる雑誌『月刊クロマージュ』で特集記事が組まれ、ダークな魔法に憧れるクルークがレムレスに傾倒し、ついでに、彼を慕うフェーリも見るからにダーク系であった。

 以上や、クルークに魔物の封じられた本を持ち歩くよう勧めたのがレムレスであること、依頼に応じてさかな王子を異形に変えたのも彼であること等々、『2』で起きた事件は全て彼に起因する作りだったので、てっきり黒魔導(ダーク)系の、トリックスター的な立ち位置のキャラクターなのだと思っていた。

 ところが、次回作の『ぷよ!』で自ら「光の属性 彗星の魔導師」を名乗って闇の魔導師シェゾに対峙。「ゆたかなミライを想い ねがう気もちが 希望だからね そして そのお手伝いをするのが 僕たち 魔導師の おしごとさ 」と、聖人めいたことをのたまいだしたので混乱させられた。

 続く『ぷよ7』では、ストーリー8話サブタイトルで「黒いサンタ」と称されつつも、「だいへんしん」グラフィックでは純白の大人バージョン衣装を披露。服が濃色ダークから白へ。大人になるとダークな魔導師から白魔導師に変わるという意味か? と首を捻らされたのである。

 

 正直、以上の混乱は製作側のミスだと考えている。当初は(シェゾに代わる存在だったから?)闇属性設定だったレムレスを、(シェゾ復帰を機に、あわよくばライバル化しようとして?)光属性に変えたので、歪みが出てしまったのではないか。

 

 これら疑問への回答を、『7』の四年後の『ドラマCDぷよぷよ Vol.2』が以下のように筋道づけた。

 つまり、《元はダークな魔導師だが、白魔導師に転向・成長している途上》という設定に落ち着かせたのである。

 

 ただ、歪みはまだある。

 今は濃緑色の服を着ているのだから、まだ闇寄りの魔導師なのだろう。ならば、現時点で光の属性を名乗って闇の魔導師シェゾに対峙するのはおこがましい。今のレムレスは光でも闇でもない半端者になるはずだ。(…まあ、だからこそ「闇をあやしく照らす彗星」などという、太陽に比べて小規模の光に己を例えているのだろうか。)

 まして、元が闇系の魔導師だったというならば、フェーリがシェゾを、光たるレムレスを消す敵とみなして狙うのは身勝手に過ぎる。そもそも、闇属性が無条件に光属性のライバルだというのなら、レムレスは実家の家族とも、クルークや、恐らくフェーリ自身とさえ対立することになるではないか。

 それとも、レムレスの実家を含むこの世界のダーク系魔導師たちに勢力争いでもあって、フェーリはシェゾをその刺客と勘違いしたのだろうか?

 

 さておき。

 上記のドラマCDで、クルークはレムレスがダークな家にいた頃から憧れていた風に語られていた。レムレスがダーク魔法を、いわば否定して捨てたことを、今まさにダークな魔法に憧れ傾倒しているクルークはどう考えているのだろう?

 

◆彗星とレムレスについて。

 レムレスは『ぷよ!』から「光の属性 彗星の魔導師」という肩書を名乗り出した。これは何に由来するのだろう?

 実は『ぷよフィ2』時点で、レムレスの漫才デモ・対戦テーマ曲のタイトルが、それぞれ『魔導のすい星☆レムレス』『ライジングコメット!』だった。また、登場当初から黄色い流星のマークを身に飾っていた。これは彗星のようにも見える。

 では「彗星の魔導師」設定はこの頃からあったのか?

 個人的にはそう思わない。『2』当時はなかっただろうと考えている。あったのなら、シナリオやゲーム中の資料集で使っているだろうからだ。

 実は、彼の流星マークと同じものを、フェーリも当初から身に着けている。『ぷよ!!』まめちしきによれば、これは彼らの通う隣町の魔導学校の「ホシの校章」で、「ホシのように かがやいてほしいという イミがこめられてる」そうだ。即ち、レムレス個人のマークではない。

『2』内『月刊クロマージュ』に、レムレスを指して「若き魔導界の星」「期待の星」とある。才気ある人物を輝く星になぞらえた慣用表現だ。これと似たように使われる言葉に「●●界の彗星」「彗星のごとく現れた」というものがある。彗星は数十年周期で飛来するため、かつては前触れなく現れる異質な存在とみなされていた。ここから、唐突かつ華やかに世に出る人物を彗星になぞらえたのである。

 レムレスのテーマ曲に「魔導のすい星(魔導界の彗星)」「ライジングコメット(彗星が現れた)」とタイトルが付けられたのは恐らくここからで、この時点では「天才的新人」を表す慣用表現でしかなかったのではないか。そして、その曲名から「彗星の魔導師」という肩書設定が後に作られた。そう考えている。

 そうすると、彗星の魔導師という肩書は、闇の魔導師や魔王や勇者のようなRPGクラス的な肩書ではなく、単に「天才魔導師」と読み替えられるものかもしれない。「花形魔導師」や「スター魔導師」「カリスマ魔導師」と似たようなもの?

 まあ、レムレスが当初、ほうきを持つ魔導師だったことから、ほうき→ほうき星→彗星と、シャレ的に付けられた肩書と見るのも面白いかも。

 

 それはさておき、レムレスが「彗星」で、かつ「光の属性」とされるのは、彼の傍に占星術を得意とするフェーリがいることもあって、少々腑に落ちない。

 古来、彗星は天の法則に従わない無秩序・混沌の星とみなされており、占星術上は、あらゆる災禍の前兆とされてきた。レムレスがダークな魔導師なら「彗星」の二つ名もおかしくないが、世界中を幸せにしたいとのたまう光の魔導師にはそぐわない。

 

 彼のキメ連鎖ボイスはフランス語の製菓用語で統一されている。

バルトアンデルス Baldanders

<設定>

11/23生 いて座 血液型B
特技:お手 好き:フェーリ 苦手:お留守番

 フェーリが召喚実習中に失敗したとき出現した、犬のような怪物。見かけとは裏腹に大人しく、人なつこく甘えんぼな性格で、戻し方が分からないこともあり、そのままクラスで飼われることになった。クラスのマスコット的存在だが、その巨体に飛びつかれるのは一部の生徒にとって恐怖である。

 自分を召喚したフェーリに非常になついている。フェーリ自身はバルトアンデルスの世話当番をサボりまくっているのに、檻を壊しては彼女を追っていき、忠実に仕える。

 

 騎士のマスクをかぶっており、外されるのを嫌がる。『ぷよ!』でリデルがこのマスクを外したが、どんな顔をしているのかはプレイヤーには明かされなかった。とりあえず、角はなかったようである。

<雑記>

 人語は喋らない。犬と同じように、ハフハフ、ハッハッと息を吐くか、ワウ、バウ、ウガーッなどと吠えるのみである。(言葉を人語に翻訳した際の一人称は「ボク」らしい。) 彼の言葉は、(『ぷよ!』の)シグあくまカーバンクル(に、翻訳してもらったアルル)ならば理解できるようだ。

 

 異世界から誤召喚されたというが、『ぷよ!』では「違う星から来た」という表現をされていた。ぷよフィ世界を気に入っているので、元の星に帰る気はないと言う。

 

 ぞう大魔王やミノタウロスと並ぶほどの大きな体とは裏腹に、甘えん坊で人懐こく、遊んでもらいたがる。…が、実は結構 かわいこぶりっこもしているらしい。都合が悪くなったり、相手に拒まれたりすると、態度を一変させて牙をむくことがある。しかしフェーリに対する愛情は本物で、苦労して得たぷよ大会優勝メダルを理不尽にフェーリに奪われても、諾々と従ったほどだ。

 

 なんとなく、ミノタウロスを想起させるキャラクターである。肌がオレンジだし。同じくオレンジの『ポチにゃ』のパンプキーと合わせて、「お嬢の下僕トリオ」、もしくは「オレンジ隊」と呼ぼう。個人的に。

 

 バルトアンデルスとは、ドイツの伝承に現われる変幻自在の魔物のこと。

おしゃれコウベ Oshare bones

<設定>

12/24生 やぎ座 血液型B(だったらしい)
特技:おしゃれチェック 好き:ナウな服 苦手:酸っぱい思い出

 おしゃれにうるさいオカマのスケルトン。高慢な性格で、自分のセンスに絶対の自信を持ち、行き会った他人の服装にチェックを入れてケチをつけてくる。

 実は、おしゃれだったという恋人が消えてしまったため、恋人を探して、似たような服装の人を呼び止めてしまうという。

 …ってことは、アミティの服装は彼の恋人のに似てるのか…。

 

 …というのが『2』までの設定だったが、『ぷよ!』では出会う誰も彼もの服装をチェックし、「アタシだって みんなにきらわれるようなこと すすんで 言いたいわけじゃないわ アタシはこのまちの みんなのタメに 言ってあげてるのよ みんなに もっともっと ステキになって ステキな恋をしてほしいの」と言っており、恋人に似た服装だからチェックしているわけではなくなっている。

 なお、『ぷよ!』ではサタンを見て行方不明の恋人にそっくりだと言っている。(はい皆さん、想像して下さい。アミティぽい服装をしたサタン様を。)

 

『2』では、ぷよ勝負に有利なアイテムやハイセンスな衣料品を売る「おしゃれなお店」を経営。

 店を持つことは消えた恋人の夢だった。この店で恋人を待ち続けている。

<雑記>

 一人称は「アタシ」。相手のことは「アナタ」と呼ぶ。オカマ口調で喋る。語尾を「〜だワ」とカタカナにすることが多い。

 

 オカマだというわりに、服装は倒錯していない。オカマというよりはゲイかおネェという感じ。なお、生前はナチュラルブロンドでロングのカーリーヘアだったとのこと。

 自分自身が恋人を待ち続けているため、猫よりは、主人を待つ性質のある犬の方が好きだという。

 ルルーは切ない恋をしているという点で彼に共感し、また、ファッションセンスも認めている。

 

 生前は詩人だったらしい。恋人から贈られたピンクパールを大事にしていたが、ある日突然 恋人が消えてしまい、悲しみのあまり、それをミル海岸から海に捨てた。想い出の写真も全て、見るのが辛いからと海に流したそうだ。その後死んで、スケルトンになったらしい。

 捨てたピンクパールは《チューのおもいで》と呼ばれ、誰もが欲しがっている。このアイテムを見ると、チューに関する経験について語らずにいられず(?)、キスの嵐を受けたようにボーッとなるらしい。 

 

 彼の連鎖ボイスは服装のセンスを形容する英語やフランス語になっている。

さかな王子 Prince of ocean

<設定>

3/5生 うお座 血液型O
特技:シモベづくり 好き:おしのび旅行 苦手:国の行事

 本名は、アルデ・カナール・シェルブリック3世王子。略してさかな王子か。

 気位が高く、ワガママ。高貴な生活をしていたため価値観が普通と異なり、不思議なワガママを言うこともしばしば。

 

 海の世界の王子。お供のオトモを連れて諸国漫遊の旅をしていたが、途中ではぐれてしまった。故郷に帰ればいいものを、自由を愛して、気ままな一人旅を続けている。一説には帰れなくなったのだとか。

 実は本来の姿は別にあり、オトモとはぐれた後に魔法によって現在のサカナ姿に《されてしまった》のだ。しかし本人は全く動じていない模様。

 …というのが『1』での設定だったが、『2』から、自由を求めるあまり《自ら》レムレスに頼んでさかなに変身させてもらっている、ということになった。

 更に『ぷよ!!』では、海の世界の王子ではなく、地上の国の人間だと明言され、自由を求めて魚に変身し城を抜け出したと説明された。

 …ということは、英語版の名前「Prince of ocean」は黒歴史になったのか? ついでに、諸国漫遊の旅の途中という設定も消滅?

 

 本来の姿は、少女と見まごう程に華奢で幼い少年。騒々しくてテンションが高い。

<雑記>

 一人称は「ヨ(余)」。相手は「オヌシ(お主)」と呼ぶ。お殿様口調で、サカナ姿の時はカタカナでゆったり、幾分年寄り臭く喋っていた。人間姿のときは ひらがなで、ややチャカチャカした感じ。(『ぷよ!!』あたりから、サカナ時でもチャカチャカ喋りがちになり、人間時と差異がなくなってきたように思う。)

 

『2』時点で自分の本名さえ覚えていなかった、頭の悪すぎる王子様。自由を求め、魚になってまで逃げ回っているくせに、王子であると公言してはばからず、しもべを(時に誘拐まがいのことすらして)募り、周囲が自分のために行動するのは当然だと思っている。王子としての責務から逃げているくせにオトモを平気でコキ使って金銭に不自由していないと豪語し、ダンスパーティーの間だけちょっと城に戻る計画を立てて周囲に放言する。良くも悪くも子供。立場をわきまえよとのオトモやレムレスの諫言を、彼が理解できるようになるのはいつの日か?

 ちなみにスマホ版『ぷよ!! クエ』や『ぷよテト』EX9章では、ちゃんと自分の本名を名乗れていた。少しは成長したのだろうか。

 

 サカナに変身することで、精神にも多少の変容が起きるらしい。

『ぷよ!』ではどんぐりガエルを見るなり「オヌシ ナカナカ ウマソウダナ」と言い、「ムカシハ オヌシナド オイシソウニ ミエナカッタガ コノスガタニナッテカラ ミカクモ ヘンカシテシマッタ」と襲い掛かった。オトモに「コヤツヲ パンニイレテ ヤイテホシイ」と命じており、生で貪り食うわけではないらしいのがせめてもの救いだが、ちょっと洒落にならない。

 ただし『ぷよ!!』にて、どんぐりガエルを、カエルではなくどんぐりだと思っているというフォローエピソード(?)が語られた。

 

 彼のキメ連鎖ボイスは海や海洋生物を連想させるものが多い。

オトモ Otomo

<設定>

4/17生 おひつじ座 血液型B
特技:あみもの 好き:王子のアルバム 苦手:王子のワガママ

 さかな王子の若き教育係。逃げ回る王子を探して東奔西走しており、王子のことを考えるとお腹が痛いらしい。

『1』の時点では、設定中で「王子とはぐれたお供」としてだけ存在していた。実際に登場したのは『2』からである。

 

『ぷよ!!』などの脚本家である芳野詩子女史がツイッターで呟いたところによれば、主観では二十代半ばとのこと。

<雑記>

 ですますの丁寧口調。物腰が柔らかい。さかな王子を「王子」と呼ぶ。

 教育係とのことだが、好きなものが「王子のアルバム」になっている辺り、王子の成長を暖かく見守ってきたらしく感じられるので、養育係と言ったほうがいいのかも。

 ラフィーナに王子探しの報酬を求められて、一見つまらなさそうな貝殻を渡すが、実はその中に最重要アイテム《チューのおもいで》が隠されていた。こういう渡し方をしたのは、照れ屋だかららしい。

 

『2』で、さかな王子は「シモベタルモノ スクナクトモ ヨヨリ ツヨクナクテハ」と言ってシグをテストしている。つまりオトモはさかな王子より強いのだろう。

 スマホ版『ぷよ!! クエ』では「若くして王子のおともなどという重役を任された、よくできた青年」「王子を守るため、ひととおりのチカラを身につけている」と紹介されている。

ほほうどり Hohow bird

<設定>

12/5生 いて座 血液型O
特技:ホホウダイナミック 好き:街の平和 苦手:月の無い夜(目が見えないため)

 ほほうどりは種族名。目が悪い鳥のモンスターで、メガネをかけている。高空から急降下しての攻撃が得意なのだが、大抵はメガネを落として地面に激突する。

 かけているメガネは《ムーングラス》で、月夜にかけていると暗闇を見通せる。(逆に、月が出ていないと見えない。)日中はサングラスとしても使用可能。

 自分をヒーローだと思い込んでおり、特撮ヒーローのようにキメたがるが、いつもキマらない。

 自作のヒーローソングを熱唱する。

♪まちーの たーにまに
 ひーそむかげー(ホッホーゥ)
 ぷよぷよ けーしてる
 ひーかるはねー(ホッホーゥ)

♪あくーの やーぼうに
 きーづくときー
 メガーネ キーラリと やってくる!
 すーすめ ピ・ン・クの
 ほほうどぉり〜♪

 以上は『2』のゆうびんで披露したものだが、スマホ版『ぷよ!! クエ』では「悪を〜きりさく〜ほほう魂〜…♪」とも歌っていた。

『2』では夢をかなえ、自ら「未完の塔」を設計・建築。

<雑記>

 一人称は「オレっち」。口癖は「ほほぉう?」。

『2』からは語尾に「〜っス」と付ける体育会系の口調になった。

 公式のキャラ紹介「「ほほうどり」は種族名だが、彼以外を見かけた者はいない」って……絶滅危惧種か!?

 

『2』で未完の塔を建てているが、これはアルカ遺跡に書かれた謎の文字を彼なりに解読した結果、天に届く塔を建てれば太陽の力とみんなの想いが収束して《ホホウパワー》になる、と思ったかららしい。彼は、アルカ遺跡の住民を「古代ホホウ人」だと思っている。

ユウちゃん Yu

<設定>

6/9生 ふたご座 血液型AB
特技:親父ギャグ 好き:よいツッコミ 苦手:おフダ

 幽霊の女の子。親父ギャグが大好きで、無駄に明るい。足がないのに踊り(特にステップ)を見せたがる。連鎖ボイスから察するに、踊りだけではなく、自演の芸を人に見せたがる性質のようだ。『2』以降はダジャレクイズにはまっている。

『1』のゲーム中ではオソロ墓地に出現するのだが、公式サイトには「学校の幽霊」と紹介してあった。学校に住み着いているのだろうかと思いきや、『2』ではプリンプタウンホールに住みついていた。ただし、常にどこかを飛び回っていて滅多に帰って来ないらしい。

 双子の弟の《レイくん》がおり、姉弟漫才がしばしば行われる。

 

 生前のことは全く覚えていないが、死んだ今は悩みが無くなって幸せだと考えている。『ぷよ!!』以降は、死んだ方が幸せだからと生きている者を手あたり次第に幽霊に《してあげよう》とし始めたほどだ。

 あくまポポイが言うには、生前は双子の性格は反対だったらしい。

<雑記>

 一人称は自分の名前そのままの「ユウちゃん」または「アタシ」。

『1』での登場台詞(?)は「呼ばれて 祓われて じゃんじゃっかじゃーん!」 …祓われてないし。

 ちなみに『2』では「じゃじゃーん!」で、『ぷよ!』では「じゃじゃ〜ん!」もしくは「ジャジャ〜ン!」。『ぷよ!!』では「じゃっじゃーーーん!」「よばれてとびでて ユウちゃんでーす!」「ジャッジャーン! ユウちゃんでーっす!」などだった。余談だがりんごの口癖は「じゃんじゃかばばばーーん」。

 

 彼女とレイくんのキメ連鎖ボイスは、基本的に英語の霊的関連語でまとめられている。

 ただし「レッド・ウィスプカモン」「ブルー・ウィスプカモン」は、往年の東京コミックショウのショパン猪狩の持ちネタ「レッドスネーク、カモン」のパロディだと思われる。

レイくん Rei

<設定>

6/9生 ふたご座 血液型AB
特技:冷たい反応 好き:氷 苦手:犬

 ユウちゃんの双子の弟。無駄に暗い。暴走するユウちゃんに対し、引っ込み思案なレイくんは突っ込み役。

 かなり無口で、文字や絵の描かれたプラカードを掲げて意思表示をすることも。

『1』の時点で、名前と性格の設定だけはゲーム誌・公式サイトに書かれてあった。実際に登場したのは『2』からである。

<雑記>

 一人称は「ぼく」。平板で大人しめの感じの普通の男の子口調。

 

 生前は、ユウちゃんとレイくんの性格は真逆だったらしい。これを初めて語ったのは『2』のあくまだが、『ぷよ!』でユウちゃんがあくまに「ユウちゃんとレイくんの生前を知ってる人がいるの?」と訊ねると、「知らぬが ホトケま」と返していた。…何か、相当に過酷なことがあったということか。

『ぷよ!!』のポポイのまめちしきによれば、レイくんは幽霊になったショックで、何か大事なことを忘れてしまったらしい。「おもいだせなくて いつもあんなに むくちなのかニャ?」とのこと。

ゴゴット Gogotte

<設定>

10/1生 てんびん座 血液型AB
特技:手料理 好き:ハチミツ 苦手:太陽の光

『2』の頃、ナーエの森の辺りに現われた。大きな黄色い帽子で顔を半ば隠し、上半身は裸、足も裸足な、野性味あふれる亜人の男。さすらいの料理人にして調剤士である。性格は社交的で、まったく物怖じしない。

 頭から大きな鞄を提げており、中にその辺で採取した草やキノコを放り込んで、大きな鍋で調理(調剤)しては、無理に人に食べさせようとする。シグ曰く、彼の作ったスープはとっても臭くて何か変なものが浮いている。そして、ラフィーナには股間からクスリ入りのフラスコを取り出して飲ませようとしていた。セクハラです。

 

 遠い地方で薬を作って暮らす巨人だったが、調合を間違えた薬のせいで(または、変なキノコを食べて)小さくなってしまった。しかしタダでは転ばず、小さく身軽になった身体を生かして新たな食材を求める旅に出たのだという。

 豊かなナーエの森が気に入り、小屋を建てて住み着いている。珍しい食材だと思って、おにおんを付け狙う。

 珍しい食材の数々に心を奪われているため、今のところ、元に戻る気は全くない。

<雑記>

 一人称は不明。相手のことを「キミ」と呼ぶ。ややカタコトっぽく、語尾に「〜ネ」「〜ヨ」などと付ける、中国人なまりのような独特の言葉遣いをする。「これ おいしいヨ」だとか「どうして嫌がってるネ?」とか。基本的に、語尾の一文字をカタカナにする。彼が元々住んでいた遠い地のなまりだそうだ。

 

 アミティとは「変な帽子仲間」かもしれない。

 しかし、帽子や鞄にキノコ型の飾りを付けているほどのキノコ好きで、キノコ料理も得意らしい。キノコ嫌いなアミティの天敵か…。

 苦手なものが「太陽の光」って…。やっぱ、暗い森やジメジメしたキノコの洞窟を好むのだろーか。それとも単に、対戦アイテムの「太陽のしおり」に弱いということ?

 

 彼のキメ連鎖ボイスは、漢方の生薬の名前にちなんでいる。

どんぐりガエル Dongurigaeru/Acorn frog

<設定>

3/31生 おひつじ座 血液型AB
特技:転がること 好き:口笛 苦手:蛇

 どんぐりガエルは種族名。学名はQuercus rana、分類はどんぐり科カエル目。

 まん丸で、どんぐりのハカマを履き、いつもやじろべえのようにユラユラしているカエルのモンスター。何故か、決してひっくりカエルことはない。

 転がるのが大好きで、いつも幸せそうにコロコロしている。実は身を守る動作でもあり、イザとなると大変素早く転がるので捕獲は困難だとか。

『1』では無数のどんぐりを口から吹いて攻撃していたが、『2』ではしゃぼん玉を吹くようになった。『ぷよ!』以降はどんぐり吹きに戻っている。

 

『1』では、この世界の何処にでもいる普通のカエルだと説明されていたが、『2』からは、生息地域がプリンプタウン周辺の淡水域(主にナーエの森)に限定された。なんでも、ナーエの森に生える直径10cm前後の巨大どんぐりに潜り込む生態を持ったカエルらしい。勝利カットを参照するに、おたまじゃくしの頃からどんぐりに入っている。

<雑記>

「ケロケロ」や「ケローン」としか喋れない。『ぷよ!』を参照すると、その言葉は、シグさかな王子あくままぐろならば理解できる模様。

 

 アミティはこのどんぐりガエルに「生き別れの兄」という設定を勝手に付け、「ケロティ兄さん」と呼んだ。

 さかな王子はサカナになってから味覚が変わったそうで、どんぐりガエルを焼いて食べようと狙っている。ドラコケンタウロスも空腹時に襲ってくることがある。

 シェゾに異常に気に入られている。『ぷよ!』で容姿や歌声に癒されるとペットにしようとしたのを皮切りに、『ぷよ!!』以降(芳野脚本)では出会うたびにメロメロ。『ドラマCDぷよぷよ Vol.1』ではどんぐりガエルのマスコットにさえ、我を失ってアルルとの勝負に負けるほど ときめいていた。

おにおん Onion pixy

<設定>

9/29生 てんびん座 血液型?
特技:オニごっこ 好き:おに子 苦手:ゴゴット

 おにおんは種族名。学名はsubsp cepa、分類はタマネギ科オニ目。アルカ遺跡の壁画にも描かれており、かなり昔からこの辺りに生息していたらしい。

 タマネギに手足と一本角の生えたような小鬼のモンスター。虎縞の服を着て、手には金棒を持っている。攻撃的で、ちょこまかとまとわりついてラフィーナのお尻を金棒で突付いたことも。

 森に住んでおり、暗くなってから活動が活発化するらしい。プリンプ魔導学校裏の森(ナーエの森)にも沢山いるとか。

 上位種に「パールおにおん」などがいる。

 

 ちなみに、ゲーム本編に登場するのはおにおん族の勇敢な青年。本人の性格はハードボイルド。『1』までは森で平和な生活を送っていたが、『2』からは、恋人のおに子のハートを奪ったシグを敵視し、一方で、珍しい食材を探すゴゴットにつけ狙われるようになった。

『ぷよ!』では「追うのをやめて自分自身を磨いた」ことでおに子のハートを取り戻すことに成功し、今やラブラブ最高潮。楽しい日々を送っているが、惚れっぽいおに子に執着するあまり、イイ男には誰彼かまわずケンカを売るようになってしまった。

<雑記>

「オン」「オーン」としか喋れない。ただし、心の声の一人称は「オレ」で、ハードボイルド口調。

『ぷよ!』を参照するに、彼の言葉はシグ、おしゃれコウベさかな王子アコール先生ぞう大魔王サタンならば理解できることになっている。ルルーナスグレイブは、二種あるデモのうち一方では理解できているが もう一方では理解できていない。違う人がシナリオを書いたために生じた齟齬か。

『ぷよ!!』では、どんぐりガエルリデルがおにおん語を理解しているらしき言動を見せていた。

 

『ぷよ!』では、アミティが「弟」という設定を付け、「おにてぃー」と呼んだ。

『ぷよ!!』では、りんごが勝手に「たまねぎさぶろう」と呼んだ。

 ゴゴットドラコケンタウロスに食材として狙われている。『ドラマCDぷよぷよ Vol.4』では、ウィッチがおにおんの顔の皮を薬材として剥ぎ取った。

『ぷよ!!』以降は、シェゾが「ちいさくて かわいいなあ♪」と毎度ときめいており、おにおんに嫌がられている。もし彼がおに子にまで可愛いとデレだしたら、おにおんとはひどい敵対関係になるのかもしれない。

おに子 Oniko

<設定>

4/29生 おうし座 血液型?
特技:オニぎり作り 好き:シグの髪の毛(アンテナ) 苦手:スカートめくり

 おにおん族の女の子で、おにおんという恋人がいながら、シグに禁断の一目ぼれをした。特に彼のアホ毛(かみのけアンテナ)がお気に入りらしい。

『ぷよ!』ではおにおんとヨリを戻し、ラブラブ最高潮に。

 …と思われていたところ、スマホ版『ぷよぷよ!! クエスト』にて「夫である「おにおん」と ラブラブでれでれしあわせな日々。」と解説されていた。いつの間に結婚!?

 しかし同ゲームのおにおんの解説文の方には「恋人「おに子」への愛をしめすため」と、従来通り書かれてあるのだった。二人の間で認識に溝が!?

<雑記>

「オン」「オーン」としか喋れないが、求愛するとき「チュ〜〜」とも言う。

『2』の時点では、アイドルの追っかけをするようにシグを追いかけ、影から見つめてはハートを飛ばしていた。

こづれフランケン Frankensteins

<設定>

おやフランケン

2/11生 みずがめ座 血液型O
特技:工作 好き:カミナリ 苦手:独りぼっち

こフランケン

2/1生 みずがめ座 血液型O
特技:電気工作 好き:キャンディ 苦手:虫歯

 乳母車に乗った子供と、その乳母車を押している親の、親子づれのフランケンシュタイン。

「おやフランケン」はある博士の手で作られ、魔導力によって動いている、あまり頭の良くない人造人間。博士がどこかに逃げてしまったため、寂しさのあまり自分で「こフランケン」を工作した。

 偶然落ちた雷で動き出した「こフランケン」は、「おやフランケン」より賢い。しかし性格はワガママで意地悪だ。

「こフランケン」の我がままに振り回されているものの、今、「おやフランケン」は毎日が充実していると感じている。

<雑記>

 父親は肉体派で腕力が大きいが、「フガー」としか喋れない。父親の言葉を子供が通訳する。

 子供の一人称は「おれさま」。父親を「パパ」と呼び、語尾に「〜にょ」と付ける。

あくま Akuma

<設定>

1/11生 やぎ座 血液型なし
特技:骨董集め 好き:古い本 苦手:コーヒー

 数千年前から生きている悪魔的クマで、プリサイス博物館の館長をつとめている。(プリサイスは英語の「precise 正確・精密な、几帳面な」にちなむ?)

 首につけたクローバー勲章は、確かな信頼と尊敬を得た賢者に授与されるもの。

 博識で、普段は落ち着いた物腰だが、興奮すると「クマ!」としか言えなくなる。

 バルトアンデルスどんぐりガエルのような、人語を話せない者の言葉を理解できる。

 

 プリンプで古くから信仰されている「くまもりの儀」と関係がある?

 また、『ぷよ!』ではぞう大魔王に「霊物」であることを見抜かれて肯定していた。霊物とはアンデッド(亡霊)の他、神霊や悪霊のことをも指すが…。

 

 実はプリンプタウンの守護者。

『2』ではシグが紅い邪悪なタマシイに共鳴しつつあったことにいち早く気づいて守護(くまもりのじゅ)を授け、『ぷよ!』では魔導世界からの来訪者たちを警戒してぷよ勝負大会に参加していた。

 また、ポポイアコール先生の動向にも注意を払っているようだ。

 なんでも願いの叶うメダルを手に入れて願ったことは、「プリンプタウンに自分以外の”あくま”が入れないようにすること」。種族や肩書きは関係なく、精神的に邪悪な者はプリンプタウンに入れないように結界を張ったらしい。

 

 キャンディーなどの甘いものが結構好き。

<雑記>

 一人称は「われ」。相手は「そなた」と呼ぶ。「人」を「クマ」に言い換えることがある。語尾に「〜ま」と付ける。興奮しやすく、やや興奮すると語尾に「クマ!」とつける。更に興奮すると「クマックマッ」だの意味不明なことを言い始める。

 さかな王子を「シェルブリック殿」と呼び、敬語を使う。

 

 どうも身体はクマのヌイグルミにしか見えない。しかも黒いので、黒猫のヌイグルミの姿をしたポポイと何らかの関連を想像させるが、詳細は不明だという。

 ちなみに、あくまの誕生日は1/11、ポポイの誕生日は2/22。1と2ということで、あくまの方が年長…なのかも。実際、あくまの言動は年寄り臭く、ラフィーナは「お年寄り」と言っていたが、ポポイはもっと若々しく感じられる。

 

 首ちょんぱしてるのが気になる。あと、背中の一対の煙(翼?)も。デーヴィークマクマの連鎖カットやばたんきゅー姿から見るに、身体はおまけで、頭に煙状の翼がついた姿が実質なのかも。

 なお、『2』内の情報を見るに、彼の本体は博物館の図書室のある場所に眠っている(永眠している?)とも解釈できる。(ホントに、ただ毎日図書室で寝ているだけなのかもしれないが。)なんにせよ、彼の秘密は博物館に隠されているとのこと。

 

『ぷよ!』によれば、若い頃はダンスが好きで、夜の広場でブレイクダンスを踊ったものだそうだ。特に得意なのはヘッドスピンだったとか。(今現在の彼は、首が体から浮いている状態なので、ヘッドスピンできるのか疑問に感じる。もしかしたら、若い頃は今とは違う姿だったのかもしれない。)夜の広場で踊るとは、いかにも「悪魔」らしい。今は賢者として知られるが、学校には行っておらず、読書が好きで独学で学んだ。

 

 ちなみに、チューの思い出(甘い恋愛経験)はなかったらしい…。欲しかったそーな。

あやしいクルーク Strange Klug

<設定>

6/16生 ふたご座 血液型A
特技:お掃除 好き:読書 苦手:『封印のきろく』(自分が封じられていた本)

 プリサイス博物館所蔵の本『封印のきろく』の中に封じられていた魔物。(厳密には、その魂の邪悪な部分のみ。)その本を借り出して持ち歩いていたクルークの肉体をのっとった。そのためクルークの魂は肉体を追い出され、代わりに『封印のきろく』に封印されて泣いていた。

 しかし、完全に適合した肉体ではないため、能力を出し切れない様子。かつての自分の肉体の子孫に当たるシグに目をつけ、肉体を奪おうとした。

 シグ、ラフィーナアミティが、封印解除の三つのアイテム「星のランタン」「月の石」「太陽のしおり」を一つずつ奪ったため、邪悪なタマシイは再び本に封印され、クルークの魂は元の体に戻ることができた。

<雑記>

 一人称は「私」で、相手を「おまえ」または「お前」と呼ぶ。であるだ文語系の尊大で重々しい口調。

 

 本来は、恐らくアルカ文明が栄えていた時代、城で一人暮らしていた《まもの》だった。姿が「見る者を恐怖のどん底に落とす」ほど醜かったので、周囲から恐れられ疎まれていたらしい。だが、本人は大人しく本好きな性格だったようだ。商人から封印の本を入手した男たちが面白半分で「まもの退治」に乗り出し、騙して本を開かせたので、魂の半分(邪悪な紅いタマシイ)だけが本に吸い込まれてしまった。すると、残された肉体は元とは似ても似つかぬ普通の少年に変わり、その肉体に宿る魂の半分(水色のタマシイ)は、自分が何者だったかも騙されたことも覚えておらず、ボーッとしていた。

 この肉体はそのまま普通に一生を全うしたらしい。その子孫(血を受け継ぐ者)がシグとのこと。シグがボーっとしているのは、生まれつき魂が半分しかないからなのだろう。

>>参考『ぷよフィ2』内 図書館『封印のきろく』

 

 このように、本来は『ぷよフィ2』で出番の完結したゲストキャラである。しかし高人気を得たため、『7』『ぷよ!!』などに、ストーリーを伴わないオマケ的な操作キャラとして再登場。ついにはストーリー上の復活の兆しを見せるように…? 『ぷよテト』では本の中からクルークと口喧嘩していた。

『ドラマCDぷよぷよ Vol.2』では、アミティらがピンチになると、突如クルークが《あやしいクルーク》に変貌、颯爽と活躍してすぐに元に戻り、クルーク本人は何も覚えていないという風に描かれた。

 再封印されたはずなのに、しかも自由意思で、どうして復活できるのか? また、どうしてアミティの危機を救うのか。彼女は己を再封印した仇。恨みこそすれ、無条件に守護する謂われはないはずだ。

 ファンサービスでしかないのだろうけれど、不自然に感じられて楽しめなかった。

『ドラマCDぷよぷよ Vol.4』にもあやしいクルークは登場するが、そちらはパラレル軸の戦隊パロディなので気にしない。

 

◆あやしいクルークは善人か?

 設定上、あやしいクルークの特技は掃除、好きなものは読書になっている。また、封印前のアルカの《まもの》も本が大好きで、姿が醜い以外は特に悪いことはしていなかったらしく語られている。

 以上から、あやしいクルークの性格も本当は大人しいとみなし、悪い奴ではないと解釈する向きがあるようだ。ドラマCDでヒーロー化したのもそこからかもしれないし、スマホ版『ぷよ!! クエ』では「本当は物静かな性格だが さすがに怒っている。」と説明されていた。

 しかし考えてみてほしい。本に封印されたのは元の《まもの》の一部。彼の《邪悪なタマシイ》であって、本体ではないのである。

 しかも、アルカ遺跡で発見された石碑に「紅きタマシイ」と呼ばれる「見る者を恐怖の底に落とす」姿の「’まもの’」、そして「紅き’まもの’にひそむ邪の力」に関する詩文があり、それを封じるための特別の呪法として「破邪呪はじゃのじゅ」が用意されていたことが記されている。無害の存在なら、ここまで準備する必要はあるまい。

 これらを踏まえれば、理屈上は、あやしいクルーク(紅いタマシイ)が「悪い奴ではない」とは考え難い。元の《まもの》の記憶や人格を持っているようだから、読書好きで掃除が得意な面は同じなのだろうが、性質は邪悪寄りなはずである。実際、無関係の子供(クルーク)の肉体を奪うという残酷行為を罪悪感なくやっている。

 邪悪さが抜けたはずの残り半分たるシグが大して善人ではないのだから、紅いタマシイが邪悪の極みだとも思わない。ぷよシリーズに相応しいキャラ造形なら、悪と言ってもしょぼかったり愛嬌があったりする程度だろう。しかし善や人畜無害と言えるものでもないはずだ。長年封印されていた恨みもある。程度はどうあれ、元の《まもの》より更に負の感情の強い性質であろうと考える。

 なので、不自然に善人・ヒーロー扱いするのは、個人的には納得しがたい。善側に転化させるなら、「最初から善人でした、可哀想だから同情すべきです、ぷよ世界に悪人はいません」で片付けるのではなく、邪(怒り・恨み)から善(許し・解放)へのそれなりの手順を踏んだドラマを作ってほしいなぁと期待してしまう。

 

 彼の連鎖ボイスは赤い色を表す英語でまとめられている。シグの項目参照。

アルル Arle

<設定>

7/22生 かに座 血液型AB
特技:? 好き:カレー 苦手:?

 魔導物語・ぷよぷよシリーズの初代主人公。正しくは「アルル・ナジャ」だが、ぷよフィシリーズでは紹介文でもシナリオでも「アルル」としか表記されない。

 異世界から、時空の壁を越えて飛ばされてきた少女。16歳…の、はず。

 飛ばされてきた理由は、『1』当初は「諸説ある」とゲーム雑誌掲載の設定には書かれてあった。禁断の呪文「オワニモ」の封印を解いたからだとか、思念のみが時空を越えてさまよい実体化したから、など。

 本編中では、本人が「いつものように ぷよぷよ勝負してたんだけど 気がついたら ここにいたんだ ぜんぜん知らないところだし… どうも 魔法の失敗のせいで とばされちゃったみたいだね」と述べており、アミティの「じゃあ、もう1回失敗したら 元に戻れるかも?」という言葉に合点して、会う人ごとにぷよ勝負を仕掛け、ぷよを消し続けるようになった。

『2』からは「ぷよ勝負で消されたぷよと一緒に飛ばされてきた」という説に固定された。

『2』によれば、(魔導世界と思しき)異世界から現われたのは彼女が初めてではないらしく、カーバンクルについて書かれた謎の石盤がアルカ遺跡で発掘され、博物館に保管されている。

 プリンプタウンには、大量のぷよを一度に消す「くまもりの儀」によって侵略軍をいずこかに消滅させたという歴史があり、くまもりの儀のお守りとされる「破邪呪はじゃのじゅ」を持てば、アルカ遺跡の人々が信仰していた月の女神の守護が得られるとされる。思えば、旧ぷよシリーズでぷよを時空の彼方に運ぶとされた時の女神は、三日月型の杖を持っていたものだが…。

 

『1』では単独行動だったが、『2』以降は一緒に飛ばされてきたカーバンクルと一緒。ふれあい広場に住み着いている。さかな王子は「自由に暮らしている」と羨んでいたが、それってホームレス…。

 プリンプ魔導学校へはよく遊びに行っており、アコール先生とも親しいようである。あまりに馴染み深く感じるので、幼い頃に一度ぷよフィ世界に来たことがあるかもしれない、と述懐している。

 

 闇の魔導師シェゾに「お前がほしい! もとい、お前の魔力がほしいだけだ」と追われ続けているが、拒み続けている。

 魔王サタンに強気に求婚され続けているが、拒み続けている。

 サタンを愛するルルーに恋のライバル認定されている。

 いがみ合ったり仲良くなったり、時に助立ちし合い、共闘し。彼らとの腐れ縁になりつつある四角関係は、旧ぷよシリーズから続く永遠のサイクルである。

 

 

 アルル・ナジャは魔導師の両親の間に産まれた。父は彼女が幼い頃に仕事先で生死不明となり、以降は母に育てられた。(祖母もいる。)

 彼女の世界(魔導世界)では魔導師はさして多くないうえ、教育課程で厳しく選抜される。アルルは幼稚園の頃から成績トップで、16歳のときに、幼い頃から目指していた魔導の最高学府、古代魔導学校に入学するべく故郷を旅立った。(学校に辿り着くこと自体が入学試験。)

 その途上でシェゾ、サタン、カーバンクル、ルルーらと出会い、人生の迷走が始まることになる。

 ぷよシリーズでは語られていない、魔導物語シリーズでのアルルの物語はこんな感じだ。一応、『ぷよ1』や『ぷよ通』は、魔導学校へ向かう途上の出来事ということになっている。(コンパイル晩期の真魔導設定では、この辺の解釈が大きく異なるが、ややこしいので触れない。)

<雑記>

 一人称は「ボク」または「ぼく」で、やや中性的な口調で元気よく喋る。二人称は「キミ」または「きみ」。

 血液型ABは、『魔導物語 はなまる大幼稚園児』発売キャンペーンのはなまるカードが出典。これをコンパイル承認の正規設定と判断するかはファンの間でも意見が分かれるが、ぷよフィシリーズのアルルとしては、これが正規となるはずである。

 

『1』のNDS版で、アミティとの勝負後に消えた(帰った?)様子が描かれたが、黒歴史化したらしく、何事も無かったかのように『2』に登場続行した。

『ぷよ!』では願いの叶うメダルに「ボクが 自由に (魔導世界とぷよフィ世界を)いったり きたり できるように…」と願ったり、サタンに「サタンがもどるとき ボクもいっしょにかえっていい?」「あっちに いっしょにかえってから ランデブーのことはかんがえようよ」と言ったりしていたので、てっきり自由に行き来できるようになったのかと思いきや、これも黒歴史化。『ぷよ!!』にて、元の世界に帰る方法は分からない(一度も帰っていない)と語られた。

 アルル自身は、すっかりぷよフィ世界に馴染んだようで、『2』ではこっちも面白いからそんなに急いで帰らなくてもいいと言い、『ぷよ!』では「ここも… ここのみんなも 好きだから」「いったり きたり できると いいなーって 思ってる」と言っていた。魔導世界の仲間も続々飛ばされてきて定住している今となっては、ますます帰る気が失せているのかも?

 

◆ぷよ勝負による時空転移について。

 四つ繋がったぷよは何故消えるのか。当初その設定はなく、『ぷよ1』が家庭用ゲーム機に移植される際に「禁断の魔法オワニモ」の設定が後付けされ、ぷよは死んで消えているのではなく、時の女神が時空の彼方に運び去っているのだと説明された。ただし運び去られたぷよがどうなるのかという言及はなく、各プレイヤーの想像に委ねられたのである。

 一つの回答となったのが、七年後の『ぷよぷよ外伝 ぷよウォーズ』だ。ここでは、ぷよぷよは本来、魔導世界の並行時間軸上に存在する異世界ガイアースの生物だと語られた。五千年ほど前にその世界が一度崩壊しかけた時、時空を司る女神エルドラが魔導世界に移動させ、そこから繁殖。それがまたガイアースに移動して騒動が起こり…と。

 即ち、消えたぷよは並行異世界パラレルワールドに転移していて、そこからまた転移して戻ってくるのだと匂わされた。だからぷよ勝負のぷよは消え続け、また降り続けるのだと。これはプレイヤーの間に存在していた想像の具現化とも言える。

 ぷよフィシリーズのアルルが、消したぷよと共にプリンプタウンに転移してきたという設定は、以上を発想の根の一つとしたものなのだろう。

 

 なお、ぷよフィシリーズにおける時空転移設定は、シリーズが進むにつれてバラエティ豊かになっていった。例えば、『ぷよ!』でシェゾがプリンプタウンに現れた理由は、アコール先生編では「どちらから(来たか)と言われても… ぷよ勝負してたら飛ばされて… ここには 空からふってきたからな」と、アルルと同じになっているものの、あくま編では「オレも どうして ここに来たのか わからないのさ てっきり だれかが まねいてくれたと思ったぜ」「何かに 呼ばれたような 気がした」となっており、《召喚された》という語り口である。あくま曰く「(ぷよ勝負)大会の チカラが まねいたのだと したら 悪いやつでは ないま」だそうだ。

『7』からは「時空の旅人」エコロが登場。自由に異世界を移動し、任意でキャラ達を転移させるようになった。時の女神はいらない子になってしまった。

 また、りすくませんぱいが実験に失敗すると、その爆発で時空転移するというパターンも追加された。もはや何でもアリである。そのうち、タンスのカドに小指をぶつけても異世界に飛びそうだ。

『ぷよぷよ!! クエスト』以降はいよいよ節操がなくなり、様々な世界のあらゆるキャラが、簡単に時空を行き来するようになった。理由は、スマホ版は「ぷよを消したため」と「(魔法陣による?)召喚」が入り混じっている。AC版は「異世界を救うために召喚された」とする。

 これだけ移動していて、しかもアミティたちやりんごたちはそれぞれの故郷に毎回帰還し、『ぷよテト』ではとうとう、プリンプとチキュウを自在に行き来する道まであることになったというのに、アルルたちだけは魔導世界に一度も帰れない。何の呪いだろう。

 

 アルル arle の名はフランスの都市アルル arles にちなんだ音楽『アルルの女』が由来の一つだそうだ。アルルの女というと、一般に、気の強いエキゾチックな南国の美女、というイメージが持たれているようである。日本的感覚に当てはめれば、「沖縄美人」といったところ?

 なお、『フィーバー』では使われていない ナジャ nadja の方は、そういう名のヒロインの出る海外小説からとられた、とのことだが、具体的なタイトルは判らない。ただ、フランスのアンドレ・ブルトンの小説『ナジャ』を参照するに、この名はロシアの女性名ナディエージダの愛称であり、その意味は「希望」である、という。文中で、ヒロインであるナジャは この名のことを「希望の始まりの言葉。始まりだけだからいいのね」と言っている。

 

 彼女のキメ連鎖ボイスは旧ぷよシリーズや魔導シリーズからの引用となっている。

カーバンクル Carbuncle

<設定>

?/?生 ?座 血液型?
特技:踊り、カレー調理 好き:カレー、らっきょ 苦手:?

 魔導物語・旧ぷよシリーズのマスコットキャラ。株式会社コンパイルのロゴにもあしらわれていた、旧シリーズの《顔》である。

 アルルのペット兼友達の謎生物。『1』では隠しラスボス。彼女と共に異世界から飛ばされてきた。気まぐれで、短いスパンで食うか寝るか踊るかしている。大抵のものをどれだけでも食べる。寝付き一瞬・寝起きスッキリ。踊りが大好きで宙返りも楽々。人語は喋らず「ぐー」と鳴く。

 何でも食べるが特に好きなのはカレー。コンパイル時代の『なぞぷよ アルルのルー』で、アルルが苦労して作った特製カレーを鍋ごと独り占めしたほど。『ぷよフィ2』ではカレーが食べたいと主張し、『ぷよ!』ではレムレスにカレーコーティングのキャンディーをねだり、『ぷよ7』『ぷよ!!』ではカレーの匂いがするとりんごに言われ、『ぷよ!!』ではカレーを探して徘徊していた。見つからなかったようだが。(『ぷよ!!』まめちしきによれば、プリンプにカレーはないという。レムレスは知っているのだから、隣町にはあるということか?)

 コンパイル時代のシリーズを参照するに、実はカレー作りが得意。気まぐれなのであまり作ってくれないが、アルルも認める美味しさのようだ。一方、悪食でもあって、ぷよぷよを食べることも。

 

『2』に出てくる、カーバンクルについて書かれたらしき謎の石盤には、額の赤い石に大いなる力を秘めるが、「そのちからは たいせつなひとのためだけに」とある。『ぷよ!!』まめちしきのポポイ曰く、「カーバンクルは ひたいのほうせきから ビームをうてるにゃ でも じっさいに みたことはないニャ」。(実は同ゲームのサタン編で、サタンに撃っている?)

 これは、コンパイル時代のカーバンクルの設定を引き継いだもの。PC-98版『魔導物語1-2-3』の時点から使用し、カーバンクルビームと呼びならわされていた。

 

 元はサタンのペットで、彼からアルルが奪ったという経緯がある。サタンは今も「カーバンクルちゃん」と呼んで溺愛している。

<雑記>

「ぐー」としか喋れない。しかし、アルルとは意思の疎通ができる。同じように人語を喋れないバルトアンデルスの言葉も理解できる模様。

 ちなみに『2』によれば、アルルはカーバンクルの言葉が分かるつもりでいるが、カーバンクル的には そう言われると「遠い目」をしてしまうようだ。とはいえ、『ぷよ!』のデモを見ている限り、アルルはカーバンクルの通訳で人外キャラと普通に会話を交わしているので、ちゃんと言葉が通じていると思われる。場合によって解っていたり解らなかったりするということか。ならば、カーバンクルとアルルの会話は一種のテレパシーのようなもので、体調や魔導力の増減によって理解度が変化するのかもしれない。

 

 カーバンクルの思考は計り知れない。かつて『ぷよSUN』で、巨大化した太陽をアルルが苦労して元に戻したのに、カーバンクルビーム一発で再び巨大化させ、元の木阿弥にしたことがある。

『ぷよ7』では、エコロに憑依されてダークになってしまったアルルを救うでなく、自身もダークなノリになって遊んでいた。『ぷよ!!』ではエコロの暗躍による世界の異変を察知していながらも無関心を決め込んだ。サタンを懲らしめに行く途中で飽きて離脱しようとしたり、コンパイル時代よりも気まぐれ度は増しているようだ。

 尤も、『ぷよ!!』サタン編で、サタンがアルルを負かしていよいよ結婚を迫った際は、割り込んでビームを放ち(?)、アルルを救っていた。コンパイル時代の『わくわくぷよぷよダンジョン』でも、シェゾがアルルに真剣告白した(と、アルルが勘違いした)とき、同じように割り込んでシェゾをビームで攻撃している。アルルが憑依されるのは平気でも、貞操の危機(?)には黙っていないらしい。

 

◆額の宝石について。

 現時点、ぷよフィシリーズで語られたことがないが、額の宝石には「ルベルクラク」という名がある。莫大な力を秘めて「秘宝」と呼ばれ、額から取ると死ぬという設定である。

 PC-98版『魔導1-2-3』EP3では、カーバンクルが瀕死になるとルベルクラクがカラータイマーのように点滅する仕様だった。小説『真・魔導物語』では、敵にルベルクラクの力を吸い取られたカーバンクルが瀕死になり、アルル、ラグナスルルーシェゾ全員がありったけの力をルベルクラクに注ぎ込むことで蘇生させた。即ち、それだけの魔力容量がある。思えば、GG版『魔導3』のカーバンクルは古代魔導兵器「わんだふりゃ魔導砲」のエネルギータンク代わりだった。ここでは、撃ち過ぎてエネルギー枯れのしわしわになったカーバンクルは「きんのらっきょ」で回復させた。

 ぷよフィシリーズのルベルクラクは、『ぷよフィ』『ぷよフィ2』では逆五角形(に見えるデザイン)だったが、『ぷよ!』以降は旧シリーズと同じ六角形に戻っている。

 

 

 最初の『魔導物語』のエピソードを引くに、当初、アルルは(カーバンクルの存在は知らずに)秘宝ルベルクラクを求めて冒険していた。サタンは愛するペットを殺されると思って大激怒。激しく攻撃したが返り討ちにされてしまう。カーバンクルはアルルに脅えたが、事情を悟った彼女に「だいじょうぶだよ、おびえなくても。あんたのひたいから もぎとるようなまねは しないよ」と優しく言われると、自ら彼女の肩に乗り移って旅のお供になったのだった。…ばたんきゅーしたサタンを置き去りにして。

 カーバンクルはサタンの花嫁に贈られることが約束された存在でもあったので、それを連れたアルルを見かけたルルーが激怒。恋のライバル認定するようになった。

 これが、カーバンクルにまつわる最も根幹的な設定である。

 

 カーバンクルの名は、ラテン語の「小さな石炭 Carbunculus」に由来する。燃えているような赤い宝石の意味である。

ナスグレイブ Nasu grave

<設定>

?/?生 ?座 血液型?
特技:? 好き:カレー 苦手:?

 旧シリーズキャラクター。『ぷよ!』にて、ぷよ勝負が原因で魔導世界からぷよフィ世界に飛ばされてきた。ナスグレイブは種族名。

 さみしがり屋で、新しい世界に慣れずナーバスな気分に陥っていたが、お馴染みの魔導世界キャラと遭遇して明るさを取り戻した。

 いつも飛び回っており、くるくる回転したりする。ヘタが取れてカッターのように飛ぶ。昔に比べて容姿はキュートに、ぷよの腕は強く変わった。

 出会った相手に高確率で「美味しそう」と言われるので、常に相手を警戒している。

<雑記>

 一人称は「オレ」。相手のことは「おまえ」と呼ぶ。語尾に「なぁす」と付け、すぐに「おたんこなぁーす」「ぼけなぁーす」と怒鳴る。

 

 元々は旧ぷよシリーズの前身たる『魔導物語1-2-3』に登場していたザコ魔物で、モデルは『魔導物語』の生みの親である米光一成氏自身であるらしい。『魔導』当時の設定では「陽気」だった。「さみしがり屋」という設定は『ぷよ通』の頃に作られたものだが、根拠は分からない。『魔導物語』では宝箱の中から飛び出してくるので、それを「構ってもらいたがり→寂しがり屋」とでも解釈したのだろうか? ともあれ、『ぷよ!』ではこの設定を引いたストーリーを展開しており、なかなかいい話が作られていた。

 

『ぷよ!』での彼はカレーが大好物だという。どうも自分で作ることができるようだ。付け合せはオニオンサラダがいいのだとか。なお、カノジョはいない。願いの叶うメダルを前に口にしたのは、他の者より大きくなる、メガネを卒業してコンタクトに変える、ナス以外の何かになる、というようなこと。つまり、今現在の自分自身が好きではないのだと思われる。

 

 個人的に、ぞう大魔王を「おまえ」呼ばわりして完全に対等に話していたのは釈然としなかった。『魔導物語』にはナスグレイブとぞう大魔王が会話するシーンがないのだから、これがおかしいとも言えないのだが、ぞう大魔王はナスグレイブに比べれば格上の魔物であることは確かなので。せめて「あんた」とか…。

 

 彼の連鎖ボイスは、『魔導物語』での彼の攻撃パターンに準拠している。ただ、個人的には「太鼓を叩いて脳みそをぷーにする」攻撃パターンが入っていなかったのが残念。

 これはスマホ版『ぷよ!! クエ』でフォローされ、「太鼓をたたいたり、火を吹いたり いがいと芸達者。」と解説されていた。2014年のイベント「第4回とことんクエスト」では「燃えてきたんだなぁ〜す! 身体じゃなくて心がだなぁ〜す!」と言っており、『魔導』に《自分の吐いた火で燃えてしまう》戦闘パターンがあったことを踏まえているようにも感じられる。

すけとうだら Suketoudara/Alaska pollack

<設定>

?/?生 ?座 血液型?
特技:ダンス 好き:自分、ド派手なファッション 苦手:?

 旧シリーズキャラクター。『ぷよ!』から登場。ぷよ勝負が原因で魔導世界からぷよフィ世界に飛ばされてきた。すけとうだらは種族名。

 ナスグレイブと異なり、どこであろうとも全く物怖じない。ダンスとぷよ勝負で明るくコミュニケーションを図る。

『ぷよ!!』からは、プリンプタウン近くのミル海岸に住み着いた模様。

 

 自分の脚の美しさに自負がある。格闘で鍛えた美脚を誇るラフィーナルルーは美を競うライバル? コンパイル時代の魔導物語シリーズでは、すけとうだらは回し蹴りや尾びれピンタ、パンチを得意する武闘系キャラだったが(踊りは自己回復技)、キックで対抗する気はないようだ。

 バルトアンデルスに食われるのではないかと怯え、バルにくんくんされて、自分は臭いのかと新しいコロンを探す計画を立てていた。自分の魚臭さには気を遣っているらしい。

 さかな王子とはサカナ仲間の認識があるらしい。

 スマホ版『ぷよ!! クエ』では、異世界プワープアイランドの《おどりガメ》という魔物種族にダンスマスターとして尊敬かつライバル視され、「すけとうだら先輩」と呼ばれている。

 

 真っ赤で先がくるんと曲がった靴、フリフリの水着など、ド派手なファッションが好き。

<雑記>

 一人称は「オレ」「オレさま」で、相手は「アンタ」と呼ぶ。が、ナスグレイブのことは「おまえ」、クルークのことは「オマエ」と呼んでいた。あくまは「ブラザー」と呼ぶ。

 やや気取った男性口調で、語尾を「〜だゼ」などとカタカナにする。この語尾はぷよフィシリーズからの新しい特徴。スマホ版『ぷよ!! クエ』では更に、語尾に「ィ」を多用する。「〜だゼィ!」「〜かィ?」「気をつけろィ!」といった感じ。声優の発音をイメージして文字化した結果か?

「ヘイヘイヘーイ」といった呼びかけや「ぎょっ」「ぎょぼーっ」といった叫びを使いがち。

 

◆きれいなすけとうだらについて。

 旧シリーズ時代と比べて、性格がかなり良くなっていると感じた。旧シリーズの彼はもっと身勝手で好戦的だったし、『魔導物語 はなまる大幼稚園児』以降は妙な卑屈さが出て、戦いに負けると自分を「あっし」と呼び、アルルルルーを「姐さん」と呼んでペコペコ付き従いさえしていたのだ。しかしぷよフィシリーズの彼は非常にカラリとしている。『ぷよ!』でメダルに願ったのも「ダンスパーティーで だれよりも先に ソロダンスをおどる♪」ということだった。こんな願い、メダルに頼らなくても叶えられそうなものなのに、なんと無欲なのか。

 また、『ドラマCDぷよぷよ Vol.1』では、踊る理由をこう語っていた。

オレさまも魚だが、ちょっとセクシーな手足が生えてるってだけで、少し変わり者に見られることがある。
だがな。オレさまのソウルフルなダンスは、種族や言葉の壁を超える。人間だろうが魚だろうが、関係なく通じ合える。そう信じてダンスをやっているんだゼ。
正直この体は、ダンスにはムチャクチャ向いてないかもしれないが、オレさまは決して諦めなかった。血の滲むような特訓の結果、ブレイクダンス、ゴーゴーダンス、フラダンスにムーンウォークをマスター。数々のダンスコンテストで優勝したこともあるゼ。

 旧シリーズでは、一方的に踊って、邪魔されたり評価されなかったりすると攻撃してくるのが定番の身勝手さだったのに、姿や文化による差別をなくすための手段ときた。『ぷよ!』のキャラ紹介に「得意のダンスでどこでも楽しくコミュニケーション!」とあったのを膨らませたのかもしれないが、随分ときれいな、かつ御大層な理由に整えたものである。

 

『ぷよ!!』では自意識過剰っぷりも披露。クルークシェゾが自分の偏執的大ファンだと言ってのけ、彼らの怒りを買った。

 

 コンパイル時代、着ぐるみで実写TVCMに出て活躍したものだが、セガになってからも最初に宣伝用着ぐるみが作られ、キャンペーンキャラとして活躍したのは彼だった。『ぷよ!』当時は公式サイトに「週刊すけとうだら」というコーナーが常設されていたほど。

 コンパイル時代には「セリリに恋している」という要素があったが、現時点、セガシリーズでは扱われていない。

 

 彼の連鎖ボイスは『ぷよSUN』のそれのイメージを引いており、ヤンキーノリで波とダンスにちなんでいる。

ぞう大魔王 Zo-Daimaoh/The large Devil of an elephant

<設定>

?/?生 ?座 血液型?
特技:地震を起こす 好き:カレー、平和と自然 苦手:?

 旧シリーズキャラクター。『ぷよ!』にて、ぷよ勝負が原因で魔導世界からぷよフィ世界に飛ばされてきた。

 平和と自然を愛する善良な性格だが、イライラしやすい。すると地団太を踏んで地震を起こしたり暴れたりする。また、大魔王としての自負が強く、やや尊大で横暴な面もある。

 夢は平和で豊かな国を築くこと。

 スマホ版『ぷよ!! クエ』の姿違いカード「華麗なるぞう大魔王」を見るに、カレーが大好物だそうだ。

<雑記>

 一人称は「オレさま」。相手のことは「おまえ」と呼ぶ。語尾に「〜だぞう」と付け、やや尊大な口調。

「大魔王」らしく、そこいらのザコ魔物とは違う風格を見せていた。ポポイあくまを一目見て只者ではないと見抜き、ポポイの正体こそ分からなかったが、あくまのことは「霊物」だと言い当てた。

 

 ぞう大魔王は、初登場のMSX-2版『魔導物語1-2-3』では、ハッキリ語られてはいないものの、ルルーの手下として現れていた。この設定を引いて、『す〜ぱ〜なぞぷよ ルルーのルー』の彼はルルーを「様」付けで呼んでいる。ところがその続編であるはずの『す〜ぱ〜なぞぷよ通 ルルーの鉄腕繁盛記』では、何故かルルーを呼び捨てにして尊大に振舞っていた。

 元の旧シリーズからしてこうだったので仕方ないのだろうが、『ぷよ!』ではサタンに対するぞう大魔王の態度がデモごとに異なっており、矛盾が生じている。リデルの対戦相手として出現したときには「サタンさま」と呼んでいるのに、サタンと対戦する時には呼び捨てて対等に振舞っていた。

 尤も、リデル戦時でも彼女が負けると「オレさまに勝てないようでは サタンに会えないぞ〜う」「まだまだ よわいぞ〜う! そんなじゃサタンに会えないぞ〜う」と、サタンを呼び捨てるのだが。リデル戦の漫才デモで「サタンさま」と言ったのは、ただの気まぐれだったのか?

 

 彼はおしゃれコウベの好みのタイプらしい。おしゃれコウベにはゲイ仲間だと思われていた。というのも、ぞう大魔王の額の赤い印を、「結婚した女性がつける印、ビンディー」だと思ったからなのだが。ぞう大魔王曰く、額の赤い印は生まれつきのものだそうだ。

 ちなみに、インドの化粧・ビンディーは、本来は「第三の目」を表すもので、宗派等によっても意味が異なっており、必ずしも既婚女性のファッションではない。

 

『ぷよSUN』に、ぞう大魔王が暑さにカッカと苛立つあまり、地面が溶けるほどの高熱を全身から発し、胸倉を掴まれたシェゾが発火してしまうエピソードがあった。また『ぷよBOX』ぷよクエでは、ロケットのように空を飛んで退場した。

 これらは、ただのギャグ表現である。しかしスマホ版『ぷよ!! クエ』は、『SUN』のエピソードでも真に受けたか「かれを本気でおこらせると ひとみにやどった炎で しゅういをやきつくす!?」と、奇妙な紹介をしていた。なんだそりゃ。姿違いの「華麗なるぞう大魔王」カードの紹介文には「カレーへのあくなき探究心が かれのひとみに炎をやどらせる」とあり、イラストで鼻から火を吹いている。

 

 彼の連鎖ボイスは『ぷよSUN』からの流れを引いている。大本は『魔導物語』での彼の攻撃パターンだ。

シェゾ・ウィグィィ Schezo Wegey

<設定>

3/16生 うお座 血液型?
特技:魔力吸収 好き:? 苦手:?

 旧シリーズの主人公格キャラの一人。『ぷよ!』から登場。

 魔導世界からぷよフィ世界に飛ばされてきた。本人曰く「何かに 呼ばれたような 気がした」。あくまの推測によれば、プリンプタウンで開かれたぷよ勝負大会の力に引き寄せられた可能性があるらしい。

 年齢は不詳。コンパイル晩期の真魔導設定では180歳とされていたが…。見た目通りの青年か、実は不老の長寿者かは、プレイヤーの好みと判断に任されている。主観だが、セガぷよではかなり若く扱われているように感じる。『ぷよ!』にて18歳のルルーに「青いわね…」と評され、アコール先生にも目下扱いされているからだ。実年齢はともかく、見た目と精神年齢はかなり若い、のか?(目安として、外見年齢は16歳のアルルから見て「お兄さん」と言える範囲のはずである。ちなみに、アルル的にはサタンの外見年齢は「おっさん」。)

『ぷよ!!』ではぷよフィ世界に馴染み、水晶の洞窟に住み着いている。

 

「神を汚す華やかなる者」という意味の名を持ち、古代魔導を操る闇の魔導師。闇の剣をふるう剣士でもある。己の魔力増大にこだわり、特にアルルの魔力に固執する。魔力に関する感応・察知力は鋭い。静寂を好むが、カッとなると本人が割とうるさい。

 基本的に(闇の魔導師として)まじめな性格だが、言葉が足りないことがあり、少しばかり感性にユニークな面がありもするため、周囲には言動が怪しく映ることがある。

 挑まれた戦いは基本的に拒まないが、弱い物いじめはしないと公言する。『ぷよ!』にて、「フェーリを いじめた?」と問うレムレスに「オレはよわいものイジメはしない だからフェーリは イジメていない」と返していた。フェーリをぷよ勝負で倒したのは事実なので、彼女は弱者ではない、または手加減をしたという意味なのだろう。思えばコンパイル時代の小説『真・魔導物語』でも、デスマッチを挑んできた女魔物(ジャーン)を倒した後、とどめを刺さずに見逃して、「これじゃまるで、オレの趣味が弱いものイジメみたいじゃねーかよっ!」と、独り苛立っていたことがある。

 

 ぷよフィシリーズのシェゾには、コンパイル時代にはなかった新要素が幾つか付け加えられている。

 最初に加えられたのは、《変な発音で食べ物の名前を言う》というもの。元は声優のアドリブだったのだろうが、『ぷよ!』でカフェオーレを「カフェ・オ〜レ」と奇妙に発音したのが話題を呼び、『ぷよ7』では「カルボ・ナ〜ラ」とテキストの時点で奇妙に書かれ、声優の発音は輪をかけておかしなものになっていた。この先、どこまでエスカレートしていくのかとハラハラしたものだが、続く『ぷよ!!』での「ウェディングケーキ」の発音は普通。定番化をまぬがれたようだ。

 残念がるプレイヤーも少なくないようだが、個人的には安堵した。コンパイル晩期の《変態・カビが生えてる・洞窟に住んでる》設定のように、悪ノリ・定番化が度を超えてキャラ崩壊、という轍を再び踏むのは勘弁してほしかったからだ。崩し系のギャグは、ほどほどで充分だと思っている。

 

 ところが、度を超えてエスカレートした新要素もある。《可愛いもの好き》だ。

 可愛い小動物や魔物に目がなく、めろキュンのデレデレになって戦いすら手につかない。負けても、可愛いから許せると幸せそうに言い切る。

 始まりは『ぷよ!』シェゾ編。毒舌リデルや乱暴なルルーらとの対戦後に、穏やかに鳴くどんぐりガエルに出遭って「ここには オニっ子ばかりなのかと おもってたが ほっとするなぁー」「かわいいなァ… おまえが…マジで ほしい!! 」「おまえは ほんと〜に かわいいなぁ〜♪」と言い出し、ペットにしようとした。アクの強い連中に疲れて癒しを求めたのか。

 意外性が可愛くて笑えたこのネタが『ぷよ!!』でも踏襲されたはいいが、少し変な方向に膨らまされた。何故か おにおんまで可愛いと言い出し、カエルやおにおんに負けても可愛いから許せるとデレデレしっぱなしになったのだ。果ては、不気味なとっつぁんぼうやのりすくま せんぱいにまでメロきゅんする始末。

 続く『ドラマCDぷよぷよ Vol.1』では、アルルの持つ どんぐりガエルのマスコットにメロきゅん。戦いを放棄して「か、可愛い…!」「なんという愛らしさ。本物も可愛いことこの上ないが、マスコットになるとそれはまたそれで…」「今…たまらなく、お前…が、欲しい!」と隙だらけの恍惚状態に。当然、アルルに簡単に敗北した。

 このドラマCDシリーズでは、アルルがシェゾの可愛いもの好き気質を理解して使いこなすに至っており、Vol.4のボーナストラックにて、おにおんも参加することをエサに、シェゾを打ち上げカラオケに誘っていた。

 次の『ぷよテト』では、なんと、今まで普通に応対してきた魚姿のさかな王子にまで「よく見ると ピンクで おめめキラキラで ちょっと カワイイな……」と言い出し、「よーしよしよし こーいこいこい♪ こわくないぞ〜」「キラキラのおめめや ぴっちぴちのヒレを オレにさわらせるがいい!」「なでなでスリスリして その かわいらしさを たんのうしてやる!」と頬染めて恍惚と口走りながら、嫌がる王子を追い回すという、行きつくところまでイッちゃった状態になり果てた。

 もはや動物好きを超えて変質者にしか見えない。さかな王子の真の姿が美少年であることを思えば危険度はいや増す。…まあ、このエピソードは《シェゾの夢の中の話》という設定なので、現実ではないと切って捨てることも不可能ではないが…。

 個人的には、この新要素が好きになれない。一度くらいカエルに癒される程度なら意外性に微笑むレベルだが、常にそうなるように描かれ、大っぴらにデレ顔で追い回したり、それで負けてもへらへらして省みすらしないのは、筆者にとってはキャラ崩壊だ。

 こんな有様では、例えばアルルは可愛いマスコットを身に着けてさえいれば、常にシェゾに労せず勝てることになってしまう。勝負するに値しないザコになり下がる。彼は、そんな弱っちい自分を良しとするキャラだったか?

 しかも、カーバンクルデレ状態のサタンとキャラが被っている。いや、対象が《可愛ければ何でもいい》ぶん、一途なサタンよりたちが悪い。正直、気持ちが悪い。

 そもそも、おっさんのりすくまや不気味系の魚姿の王子を可愛いというのに共感できない。アレが可愛いなら、旧シリーズの魔物商人やザコ魔物たちやポポイは、それ以上に可愛い。それらにいちいちデレるなら、彼はまともに戦えもしなければ、闇の魔導師ヅラして道を歩くこともできなくなる。また、作中トップの可愛さを誇るカーバンクルに反応しないのも奇妙だ。もし反応したら いよいよサタンと被ってしまう。

『ぷよ!!』からドラマCD、『ぷよテト』と続く三作に一度も欠かさずこの要素が入れられ、しかも、どんどん酷く、扱いが大きくなっていった。このキワネタを、製作スタッフがどうしてこうも繰り返し、シェゾの定番要素として頑強なまでに定着させようとするのか、理解しがたい。

 

 新要素にはもう一つ、《料理男子》もある。

『ぷよ!!』にてウェディングケーキを作成。それも設備の乏しいだろう洞窟でボーっとしながら作ったという。これを、スイーツに厳しいレムレスが美味しいと評価した。(アコール先生の手作りクッキーは酷評したのに。)菓子は上手く作るのが難しい。スポンジケーキなら尚更だし、ウェディングケーキともなれば難易度は特級だ。以上から、調理スキルが相当に高いと判断できる。

 なお、シェゾはこのウェディングケーキを一人で食べようとしていた。かつて『ぷよ!』で、コーヒーには必ずミルクを入れるカフェオーレ派だと語っていたものだが、甘党なのだろうか? 尤も、ウェディングケーキを食べる時に淹れようとしたのは紅茶だし、『ぷよ!』でレムレスが差し出した甘いお菓子には無関心だったので、甘いものは普通に食べる、時々食べたくなる、という程度のことかもしれない。

 

《可愛いもの好き》《料理男子》という性質は、非常に女子的である。より厳密にいえば、《女性の萌える男性像》の類型の一つであろう。よって、料理のできるシェゾも、さりげなく小動物に優しいシェゾも、コンパイル当時から同人二次創作には存在していた。《(リュンクスや てのりぞうなどの)動物に結構優しい》程度のシェゾなら、コンパイル時代のゲーム本編にも存在はしている。筆者も彼のそんな面は好きだった。

 が、加減は考えてほしい。《意外性》は強め過ぎると本来のキャラを殺すからだ。

 面白ければキャラを破壊してもよいという考え方には賛同しがたい。彼は第一に闇の魔導師であり、魔力増大による己の強さ、それらに伴う矜持を最重視している。と思う。ノリ任せに筆を走らせるにしても、そこは守ってほしいと、勝手ながら思うのだ。

 まあつまり、キャラ壊しネタはほどほどでお願いします。

 

 

 闇の魔導師とは、アルル達の世界では、教科書に載っているほどの悪しき存在である。

 悪の大魔導師ルーン・ロードは、ラーナの都で勇者に肉体を砕かれ、魂は都の地下に封じられた。その二百年後、遺跡となった廃都ラーナを修学旅行で訪れたのが、当時14歳だったシェゾである。魔導師として修業中の学生で、成績優秀で将来を嘱望されているが、どこかで生き方に疑問も感じている。そんな当たり前の子供だった彼を、ルーン・ロードの魂が地下迷宮に引きずり込んだ。そこで闇の剣と古代魔導アレイアードを手に入れた彼の前にルーン・ロードの亡霊が現れ、シェゾ・ウィグィィの名が古代魔導語で「神を汚す華やかなる者」であると明かし、自分の力を継いで闇の魔導師になる定めだと告げた。

 シェゾは反発してルーン・ロードを倒したが、消え去る間際に「すでに あなたの魂には 闇の種がうえられ 芽が顔を出しました… わたしには わかりますよ… いずれ咲く 花の色が 美しい闇の黒であるというのが…!」と呪いの言葉を遺される。結局、シェゾは自ら闇の道に生きることを決めたのだった。

 闇の魔導師となったシェゾは、他者やアイテムから魔力を吸収して己の魔力を増大させるようになる。そんななか獲物の一人として目を付けたのが、魔導学校へ向かう途上のアルル・ナジャだった。(この頃はまだ、カーバンクルも連れていなかった。)シェゾはアルルを拉致したが逃げられ、返り討ちにされた。

 それ以来、彼はアルルを追い続けている。

 ぷよシリーズでは語られていないが、これが魔導物語シリーズで語られたシェゾの物語である。

<雑記>

 一人称は「オレ」。相手のことは基本的に「おまえ」と呼ぶが、怒ると「きさま」と呼ぶこともある。サタンやあくまなど、年長の男性は「おっさん(オッサン)」と呼ぶこともある。「〜だぜ」というような普通の青年口調。興奮すると説明不足になりがちで、誤解されることが多い。

 

 プリンプタウンは平和な街だといい、クルークも何はばかりなくダークな魔導師を目指している。フェーリも、明言されていないがどう見ても闇系だ。なのでぷよフィ世界では闇系も光系も区別されず対立関係もないのかと思っていたが、『ぷよ!』でプリンプタウンに出現したシェゾに、フェーリ、さかな王子、あくまが「闇の魔導師だから」という理由で排除すべく戦いを挑み、または警戒していた。ぷよフィ世界でも闇は忌むものであるらしい。

 気になったのは、シェゾと対比される「光の属性の魔導師」としてレムレスの存在が語られたことだ。個人的には、シェゾを散々当て馬にしてくれたSS版『魔導』〜真魔導前半のラグナスを思い出してしまうので、できればレムレスをシェゾの対比キャラクターにはしてほしくない。まあ、光は光でもレムレスは「闇を照らす アヤシイ光」だそうだし、シェゾ(闇)に対して「正しい」という語られ方は、多分しないだろう…と、期待したい。

 

 魔導シリーズで見られた、アルルを捕らえておきながら魔力をすぐに吸わなかったり、ウィッチからもらった魔力を戦いが終わると返したりしていた奇妙なツメの甘さ、ストイックさはぷよフィシリーズになっても健在だ。

『ぷよ!』では、シグの力を狙って戦いに勝利したのに「また会おう その時まで だれにもそのチカラをわたすな」「おまえの ひめたチカラは 時がきたら オレがいただく」と言い残して立ち去ったし、アルルと戦って勝利したのに「アルル  負けてもいいのか? おまえが…ほしいんだぞ?」「負けたおまえを… もらってしまうぞ!」 「こんなに よわい おまえなんか …ちっとも ほしくないぞっ!!」と言って、結局力を奪わなかった。

 

 イケメンキャラではあるが女性慣れはしていない。『ぷよ!』にてアコール先生に「美男子」と言われただけで、誘惑されたと思い込んで「キモチはわかるが あきらめてくれ」と必死に拒絶していた。思えば旧ぷよシリーズの『SUN』でも、アルルに日焼けしてカッコイイと言われて、何故か逆ギレしていたものである。彼曰く、闇の魔導師に健康的なイメージは要らないとのことだが、アコールを拒絶する際も「ダメだ!! 先生 オレは… 闇の魔導師なんだ!!」「あぶなかったが…闇の魔導のホコリを まもりぬいたぜっ!」と口走っている。彼の中には《闇の魔導師として、かくあるべき》という確固たるイメージがあるようだ。

 

◆アルルとの関係について。

 シェゾはアルルに執着している。基本的に《魔力狙い》と説明されるが、時に恋愛的感情に擬されることがある。これは旧魔導ぷよシリーズからあった要素で、ぷよ本伝では『ぷよ通』に顕著だ。ぷよフィシリーズでは『ぷよ!!』や『ドラマCDぷよぷよ Vol.1』で、より明瞭化された。

『ぷよ!!』では、カーバンクルが単独行動しているのを見ただけでアルルに何かあったのではと案じ、サタン退治に行くアルルに「オレがてにいれるまえに ヤツがおまえをたおしては いけないからな」「あのオッサンに アルルはわたさん」と強引に付いて行ったりと、魔力狙いという動機をいささか超えた、アルル個人への独占欲・保護欲を露にした。りすくまはそれを《恋愛感情》と判じ、サタンは「(アルルに対して)いかがわしいことを考えている」と指摘したものである。(シェゾ本人は認めなかったものの、あからさまに大動揺していた。)

『ドラマCDぷよぷよ Vol.1』では、ピンチに陥ったアルルのためにサタンらと奔走。「このまま放っておく方が寝覚めが悪いから守ってやる。安心していろ。何度も言っているが、俺は…お前が欲しい」と優しくアルルに言い、「また言い間違えてるよ? お前の力が欲しい、でしょ?」と返されて「フッ。そう思っているがいい」と意味深に笑って見せた。更には、サタンと共にアルルのために戦って、どうしてと問う彼女に「そんなことは」「簡単だ。俺達には」「「いつものアルルが必要だからだ!」」と二人で声を揃えて宣言さえした。

 サタンのアルルへの恋愛感情は確定設定だ。ここでは、そのサタンと同等・同方向の想いを、シェゾも持っているように描かれている。

 

◆「ウィグィィ」について。

 シェゾというのは略称で、正式には「シェゾ・ウィグィィ」だ。ウィグィィは姓というわけではないらしく、シェゾからウィグィィまで一繋がりで、古代魔導語で「神を汚す華やかなる者」の意味となる。

 しかし、アルルも本来の「アルル・ナジャ」とは書かれないように、ぷよフィシリーズのシェゾは人物紹介に「シェゾ」と書かれたことしかない。同じセガぷよでも『みんなでぷよぷよ』では「シェゾ・ウィグィィ」と正確に紹介されていたというのに。

 ともあれ、ぷよフィシリーズのシェゾも正しくは「シェゾ・ウィグィィ」なのは確かである。何故なら、ゲーム本編ではそう名乗っているからだ。

 例えば『ぷよ!』のあくま編。あくまに闇の魔導師だと見抜かれて

ふっ
わかるやつが見れば わかるということか
いかにも
闇の魔導師 シェゾ・ウィグィィさ

と名乗っている。

 また『7』の勝ち台詞でも「オレは シェゾ・ウィグィィだ だんじて「ヘンタイ」ではないっ!」と言っていた。

 以上から、ぷよフィシリーズのキャラ紹介で「シェゾ」としか書かれないのは、どういう意図でかは判らないが、簡略化しているだけなのだろう。そう思っていた。

 ところがである。

『ぷよ!!』やドラマCDぷよぷよシリーズなどの脚本を担当した芳野詩子女史が、2013年末、自らのツイッターにてこう発言した。

(ご質問が多いのでこっそり呟きますが、わたしはこれからもこの先もお話の中で「ウィグィィ」と書くことはできないと思われます……お察しください……m(。。)m)

 …えっ。どういうこと?

 

 

 彼のキメ連鎖ボイスは『ぷよよん』『ぷよSUN』の流れを引いている。これらは『魔導物語』や『わくぷよ』での彼の使用技でもある。一方、『ぷよ!』や『7』などの当初は、デュナミスやサギタ・アダマスなど、オリジナル技も散見できた。

ルルー Rulue

<設定>

2/24生 うお座 血液型?
特技:格闘 好き:サタンさま 苦手:?

 旧シリーズの主人公格キャラの一人。『ぷよ!』から登場。

 ぷよ勝負が原因で魔導世界からぷよフィ世界に飛ばされてきた。

 サタンの花嫁になることを夢見、アルルを恋敵とみなしている。総合格闘技の使い手で、その拳は岩をも砕く。アルルの二つ上の18歳。

 

 旧シリーズでは常に従えていた牛頭人身の大男・ミノタウロスがいない。スマホ版『ぷよ!! クエ』には彼が登場し、ルルーを探しているが、未だ出会えていないようだ。

 ミノタウロスがいないので、孤独な修行生活に明け暮れている。『ぷよ!!』では牛を素手でさばくだのドラゴンをシチューにするだの言ったり、道端で鍋を煮込んでもいたので、サバイバル生活をしているらしい。ルルー編でサタン城に同居するような流れになっていたが、屋根のある暮らしができるようになったのだろうか?

 

 

 美麗な容姿を誇る良家のお嬢様だが、気が強いうえ総合格闘技の使い手であるため、色恋沙汰にとんと縁がなかった。

 16歳のとき、好色な吸血鬼伯爵にさらわれて、その屋敷に閉じ込められてしまう。同じように誘拐されていたカーバンクルと共に伯爵に立ち向かうも、力及ばず餌食にされかけた。このとき、救ってくれたのがサタンだったのである。カーバンクルを救ったついでではあったが、ルルーを抱きかかえて空を飛び、屋敷まで送ってくれた。(カーバンクルは脱出仲間のルルーに感謝しており、サタンにそれを告げた。ルルーはカーバンクルの恩人としてサタンからも感謝された。)

 この一件でサタンに恋したルルーは、その花嫁を目指して、彼の座すライラの迷宮の攻略を進めていた。(その過程でミノタウロスを解放し、従者にすることに。)迷宮の底の彼のもとに辿り着ければ花嫁になれるはずだった。ところが、事情を知らないアルルが迷宮を攻略してサタンを倒し、あまつさえ、彼の花嫁に贈られる予定だったカーバンクルを連れ去ってしまったのである。

 ルルーは激怒したが、介抱したサタンから「偉大な魔導師と結婚する」と聞かされて、自らも魔導の修行を行うべく、アルルと共に魔導学校を目指すことにしたのであった。

 ぷよシリーズでは語られていないが、以上が魔導物語シリーズで語られたルルーの物語である。

<雑記>

 一人称は「私」と書いて「わたくし」と読ませる真魔導式。相手のことは「あなた」または「アナタ」と呼ぶ。「〜ね」「〜ですわ」というような女王様口調。

 

 ぷよフィシリーズのルルーは、今一つ愛に恵まれていない。『ぷよ!』ではサタンにかつてないほど冷たくされていたし、『ぷよ7』では会話することすらなかった。これは『ぷよ!!』でだいぶ緩和されたものの、サタンが今一つ冷たいのに変わりがない。コンパイル時代の多くの魔導・ぷよ系ゲームで描かれた二人の関係と比べると、かなりの温度差である。セガの製作スタッフが、旧ぷよ本シリーズ(サタンとルルーの絡みがほぼ無い)のみしか参照しなかったのかもしれない。

 

 ぷよフィシリーズでルルーを初登場させた『ぷよ!』は、解釈がどうも奇妙だった。

 例えば、シグを見て「あと5年もすれば かなり イケてるかも」「わたくしの格闘技に この子の 左手が秘めていそうな 魔導のチカラを合わせれば 世界制覇も夢ではないかも…」と下僕にしようとした。サタンの花嫁を一途に夢見る彼女が、どうして少年を囲って世界制覇をもくろまねばならぬのか。

 更に、クルークとは真性のSMプレイのような会話を交わしていた。ルルーは旧シリーズでも「格闘女王」を自称することがあったので、そこからSMの女王様を連想した、ありがちなギャグのつもりだったのだろうが、過度に感じた。繰り返すが、サタンの花嫁を一途に夢見る彼女が、どうして少年とSMプレイに興じねばならぬのか。

 どうも年齢設定すら把握していなかったようで、十代の少女だというのに、まるで婚期を逃しかけた年増女のように描かれていた。アミティたちに口々に「おばさん」「マダム」「(年増扱いされるのが嫌な)オトシゴロ」と呼ばれ、アコール先生シェゾには年上目線で接し。ただ、これは後の『ぷよ!!』で改善され、ちゃんと年相応の少女扱いされるようになったので、安堵したものである。

 

 ぷよフィシリーズのルルーに新たに加えられた要素を列挙する。

 

 彼女のキメ連鎖ボイスは『ぷよよん』の流れを引いている。元は『魔導物語』『ぷよSUN』『わくぷよ』等での使用技。

サタン Satan

<設定>

?/?生まれ ?座 血液型?
特技:変身、変装 好き:カーバンクルとアルル 苦手:?

 旧シリーズのラスボス。『ぷよ!』から再登場。

 ぷよ勝負が原因で魔導世界からぷよフィ世界に飛ばされてきた。先に行方不明になっていたアルルを心配していたが、プリンプ来訪は偶然であって、探しに来たわけではないらしい。

 アルルとの結婚を熱望してやまず、何度振られても挑み続ける求婚魔王。しかしそれ以上にカーバンクルを愛してやまない。

 ぷよフィシリーズでは語られたことがないが、カーバンクルは本来サタンのペットであり、彼の花嫁に贈られることが約束された存在だった。アルルがサタンを倒してカーバンクルを連れ去ってしまったことが、彼らの追いかけっこの発端である。

 二年前にルルーを助け、以来、彼女に愛されている。

 シェゾとはアルルを巡って対立関係にある。シェゾはアルルの魔力にしか興味がないと言い張るが、サタンは「ふらちなことを かんがえている」と解釈している。

 

 世界と共に生まれたとも、10万25歳だともいわれる。いずれにせよ、長久な時間を生きている。

 初対面のアルルやラフィーナに「おっさん」、同じく初対面のアミティクルークシグに「おじさん」と呼ばれたくらいの外見年齢。シェゾもたまに「オッサン」と呼ぶ。

 

 現時点、ぷよフィシリーズで未だその面が語られたことはないが、彼は《試す者》であり、また、お祭り好きでもある。

 気に入った相手に試練を与えることや、大勢を巻きこんで競わせるイベントの開催を好む。自分の花嫁すらもそうして競わせている。(実は、アルルのみならずルルーも、サタンの花嫁候補である。彼は二人を競わせ、あるいは仲良くなるよう共闘の機会を仕組んでいる。GG版『魔導物語3』『魔導物語 はちゃめちゃ期末試験』『ルルーの鉄拳春休み』参照。)「ぷよぷよ地獄」(ぷよ勝負のこと)を仕掛けたのも彼で、アルルへの試練だった。ぷよフィシリーズのキャラ紹介では「ぷよぷよ地獄の創造者」であることが強調されている。

 かつては自ら騒ぎを起こしていた。しかしぷよフィシリーズではもっぱら巻き込まれ側にいる。旧シリーズ時代にも三度ほど利用されたことがあったが(『わくわくぷよぷよダンジョン』『ぷよぷよ〜ん』『アルルの冒険』)、今はそれが基本になってしまった。エコロには二度も利用され、その度に世界滅亡規模の危機を招いている。しかも『ぷよ!!』では共犯者(真犯人)のエコロはとっとと逃亡したうえ存在の記憶が消され、責任のすべてはサタン一人に被せられたのだった。

 とうとう『ぷよテト』では、何もしていないのに「どうせまた サタンが おもしろはんぶんで だいめいわくを ぶちかましたんじゃないの?」「今まで いろんなところで いろんなことを さんざん やらかしてるの 知ってるんだから ボクは しんじないからね!」とアルルとカーバンクルに責められることに。サタンは「……そ そんな ひどいではないか うわーーーん! アルルとカーバンクルちゃんの バカバカバカーーーッ!」「わたしじゃないもん! ほんとだもん! うわーーーん! ふんだ! もう しらないもんね!!」と子供のようにキレて泣いて駆け去った。

 無辜むこぶって拗ねて終わるよりは、またぞろ悪い虫を起こして、いつか盛大なイベントを仕掛けてほしいものだと思う。(勿論、世界滅亡なんてことにはならないやつを。)

 

 好色である。

 魔物の女性たちで構成されたハーレム(「サタン様ファンクラブ」とも呼称)を擁するが、それに飽き足らず、『ぷよSUN』ではギャルにモテモテの日焼け男子になろうと太陽を巨大化させたし、『ぷよ!!』ではすべてのギャルが薄着の美女になってサタンを取り合う世界を実現させようとした。

 GG版『魔導物語3』で、カエルに変身してアルルの入浴を覗いたこともある。

 

 魔導世界では古代魔導学校の校長を務めていた。…と、ぷよフィシリーズでは普通に吹聴して回っているが、実はこれ、《秘密》のはずである。校長として振舞うときは目を覆うマスクを着け、言動も少し変えて、マスクド校長先生という別人を演じる。これが本来の設定なのだ。魔力を用いての隠蔽のため、アルルやルルーは正体に気付いていない。(ルルーは正体を明かされたことがあるが、記憶を消された。)

 ぷよフィシリーズでは、現在のところ、アコール先生ポポイりんごに明かしているが、アルルたちに漏れ伝わってしまわないことを祈ろう。

 

 変身、変装、仮装を好む。

 旧ぷよシリーズでは、サンタクロースの仮装や、マスクド・サタンという、目を覆うマスクを着けただけの変装を披露していた。簡単なもので、すぐにサタンだと判る。(ただし、ルルーはマスクド・サタンの正体に気付いておらず、変態だと思っている。)

 一方、簡単な変装ながら何故か(?)正体が隠蔽されていることも多い。マスクド校長先生、マントくん(『アルルの冒険』)、サーカスの団長(『ぷよよん』)、商人のぬぬぬ(『ぷよBOX』ぷよクエ)など。商業二次作品まで視野を広げれば、マスクマンSというお助けヒーローや(小説『真・魔導物語』)、謎の敵・コネコネ大王(カセットドラマ『ぷよぷよ』)を演じていたこともあった。

 しかし実は、もっと完璧な変身能力を有しているのだ。魔導物語シリーズでは、迷宮で出会う奇妙な老人(つるつるオヤジ)、小さなカエルなどに変身し、正体に気付かれないままアルルやルルーを導いていた。MSX-2版『魔導物語1-2-3』取説によれば、黒い大鷲に変身し、それで世界を徘徊して、気に入った者を見つければ、その運命を弄ぶのだという。

 角や翼の有る無しなども自在に調整できる。

 

 ぷよフィシリーズで新たに加えられた要素に、《趣味の悪さ》がある。

 彼が建てたDXサタン城について、アルルは外観を「あくしゅみな おしろ」と言い、内装を「うえ〜 おもったとおり あくしゅみなへやばかり」と評していた。シェゾも同意見である。なのにサタン本人は「じょうひんな へやに すばらしくふきあれる あらし」と満足し、(同じく趣味が悪いという新設定が加えられた)ウィッチは「おどろおどろしくて とってもステキな おしろ」と褒めていた。

 尤も旧シリーズ時代から、彼の住居にはカーバンクルをかたどった部屋があったり、部屋一面にカーバンクル人形が置かれてあったりと、独特のセンスが見られたものだ。『ぷよCD通』では、マスクド・サタンの扮装をしたサタンを「ぷっ」とアルルが哂い、「だっさぁ〜い」「ダサダサだよ」と切り捨てていたものである。なので、趣味の悪さは元からあったものが強調・明文化したに過ぎないとも言える。

<雑記>

 一人称は「わたし」。相手のことは「おまえ」と呼び、怒ると「キサマ」とも呼ぶ。やや尊大な で・ある・だ口調。

 カーバンクルは「ちゃん」付けし、幼児に対するようなデレデレした口調になる。

(『ぷよ通』など一部旧シリーズには「カーくん」と呼んでいるものもあるが、元祖の『魔導物語』で「カーバンクルちゃん」呼びで、『ぷよよん』などのコンパイル晩期作でも「ちゃん」付けが採られていた。)

『ぷよ!』当時、呼び捨てなうえ口調も変わらなかった(カーバンクルに執着していなかった)ので、ここに「サタン様はカーバンクルを「カーバンクルちゃん」と呼ばなければ。これ譲れません」などと感想を書いたものだった。その後、『ぷよ!』メダリンク版で「ちゃん」付けに修正され、『ぷよ!!』以降はそれが定着したので安堵した。

 

 旧シリーズではアルルを一方的に「妃」と呼んではばからなかったが、『ぷよ!』では「フィアンセ」と呼び方を変えてきた。妻(妃)ではなく婚約者(フィアンセ)に。少し謙虚になったのかと思いきや、再会したアルルに「ここで ハネムーンと しゃれこむか! あんなことや☆ こんなことも◎ 楽しんでいくのだ♪」「さあ ず〜っとガマンしてきた あんなことや☆こんなことをするぞ〜」と言ったり、ちょっとエロ親父度が進んでいる。そろそろガマンも限界に近づきつつあるのだろうか。「ももいろパラダイス」という言葉にやけに興奮するようにもなった。

 続く『ぷよ7』では「わたしのつま というか こんやくしゃのアルル」と呼び、『ぷよ!!』では「フィアンセ」と「きさき」の両方が使われた。

 

 魔導世界の魔物たちの王。配下には「サタンさま」と敬称付きで呼ばれるのが基本。ルルーもそう呼ぶ。

 が、すけとうだらには何故か呼び捨てされている。コンパイル時代は「さま」付けで呼んでいたものだが…(『魔導物語 はちゃめちゃ期末試験』)。配下ではなくなったということか。あるいは、「すけとうだら」は種族名なので、別人ならぬ別たらなのかもしれない。

 プリンプに来たての頃「サタンさま」を自称し、出会う多くの者にそう呼ぶよう命じていた。アミティやりんごら子供たちは素直に従ったものだが、『ぷよ!!』以降は、もう呼び捨てしている。魔王の権威は長続きしなかった…。

 リデルには「おにいさま」と呼ばれがち。エコロには「おじさま」と呼ばれる。

 

 それはそうと、『ぷよ!』のデモに「ぷよ地獄」を、あたかも本当にそんな異世界が存在し、それをサタンが創造したかのように語るものがあって気になった。実際は「ぷよ地獄=大量のぷよぷよに埋まる=ぷよ勝負」に過ぎないはずである。(初代『ぷよぷよ』のコンティニュー画面のイラストをイメージすると分かりやすいかも。)ちゃんとそのニュアンスで語られているデモもあるのに、入り混じっていて奇異ではあった。

 

 サタンのキメ連鎖ボイスは『ぷよSUN』の流れを引いており、英語で天災や天罰を表す系統の言葉でまとめられている。

 

アミティ/ラフィーナ/シグ/クルーク/リデル/タルタル/アコール先生/ポポイ/フェーリ/レムレス/バルトアンデルス/おしゃれコウベ/さかな王子/オトモ/ほほうどり/ユウちゃん/レイくん/ゴゴット/どんぐりガエル/おにおん/おに子/こづれフランケン/あくま/あやしいクルーク/ぷよぷよフィーバー界の世界設定

アルル/カーバンクル/スケルトンT/ナスグレイブ/すけとうだら/ドラコケンタウロス/ウィッチ/ぞう大魔王/シェゾ・ウィグィィ/ルルー/サタン

あんどう りんご/ささき まぐろ/りすくま せんぱい/ダークアルル/エコロ/ぷよぷよ7界の世界設定

テトリスキャラティ/オー/エス/アイ/ゼット/ジェイ&エル/エックス※ぷよキャラではない/ぷよテトの世界観

 

ぷよぷよフィーバー界の世界設定

 パラレルワールド的だが、『魔導物語』とは繋がっている世界。また、この物語はジャンル的には「学園もの」なのだそうだ。

 この世界は、アルルの観察によれば、魔導を学ぶ者が魔導世界よりも多い。魔導世界では魔導師は生まれもっての素質に左右される職業で、魔導を学ぶ者はそう多くなかったが、アミティの学校へ遊びに行くとみんな魔法を使っていたので驚いたという。

 なお、『2』によれば、アルルはアコール先生に「魔法」は手段、「魔導」は目的であり、少し意味が異なると教えられたそうだ。真魔導設定では、魔法は精霊力を発現させる実際の行為・技術で、魔導はそのための原理・理論であり、魔導を知ることこそが魔導師の真の目的だとされていたのだが、この設定を引いているのだろうか。

 歴史書によれば、かつては(魔導世界がそうであるように?)鉱物を使う魔導が盛んだったそうだが、(アミティ達の住む)プリンプ地方では鉱物が採れなかったとのこと。よって外界とは異なる魔導が発達しているのではないかと思われる。レムレスが持ち歩くスイーツも、この世界では魔導アイテムである。

 こうして発達した独特の魔導(おまじない)の一つに、「くまもりの儀」がある。プリンプ地方が閉鎖されていた時代から信仰され始め、現代でも人々が行っているという。これは、「紙」を「神」とみなすもので、誰もいない場所でメモ紙を拾ったとき、その紙に書かれていた物を用意して、翌日メモを拾った場所に置いておくと、大切な願いが叶う、というものである。

 かつて人々がこの辺りで物資を運搬するとき、交通の難所であるプリンプを避けて進むには、北方のタトゥーンダ城下を通るしかなかった。タトゥーンダ城は高い通行税を徴収し、それによって得た財で軍備を整え、不平を唱え始めた周辺の街を攻め滅ぼした。街を失った人々は、噂に聞く「扉の無い楽園」プリンプへと逃げていった。この地は未だかつて一度も蹂躙されたことが無いと言われていたからである。

 そんな時、ナーエの森で一枚のメモ紙が拾われた。それには「たくさんのぷよ」と書かれており、人々はこぞってぷよをナーエの森に集めた。この「くまもりの儀」によってか、プリンプへ侵攻しようとしていたタトゥーンダ城は一夜にして無人となり、同時にナーエの森に集められた沢山のぷよも全て消えていたという。これ以降、メモ紙が落ちていることは二度となくなったが、信心深い人々はプリンプを守り、現代のプリンプタウンとなった。

 プリンプタウンのあるこの世界は、「魔導」と「ぷよ」の二点で魔導世界に結びつき、非常に似通っている。アルルいわく、「ほんとプリンプって初めてって思えない。もしかして小さい頃に来たことあるのかな〜 う〜ん、ちっともおぼえてないんだ。」とのこと。…本当に幼児期のアルルがこの世界に来たことがあったのか? それとも前世でこの世界に住んでいたというようなトンデモ裏設定だろうか。

 

 ところで、異世界なのにキャラクターの星座が現代地球と同一なのには何か意味があるのだろうか。プリンプ魔導学校の学級日誌には「熱鳥月」「落星月」といった独特な月名が書かれているのに、キャラクターデータやゆうびんではこれも現代地球と同じ「一月、二月」になっている。謎である。

 

プリンプタウン
 アミティたちの住む町のこと。『1』の時点では町名が無かったが、『2』から設定追加された。「プリンプ」は英語の「primp おめかし、おしゃれする」からきているのだろうか?
 町には、アミティたちの通う「プリンプ魔導学校」の他、あくまが館長をつとめる「プリサイス博物館」、アルルが常駐している「ふれあい広場」、噴水や遊具のある小さな公園「プリンプ広場」、おしゃれコウベのオープンした「おしゃれなお店」、ウィッチがうろうろしている商店街(ここにおしゃれコウベの店もある?)、レイくんが案内役をつとめる「プリンプタウンホール」、ほほうどりが設計・建築中の「未完の塔」がある。
 プリンプタウンのあるプリンプという土地は、自給自足を無理なく行える穏やかな気候と豊かな緑に恵まれているが、四方を砂丘や海に囲まれているため、外界との交渉は乏しい。昔は今以上に外界との交渉が難しく、「扉の無い楽園」と呼ばれていた。唯一、クランデスターン家の者だけが屋敷に設置した転送の魔法陣によって外界との物資運搬を行っていたらしい。

ナーエの森
「プリンプ魔導学校の裏の森」のこと。アミティたちの住む町から程近い森。それほど怖い魔物はいないので子供たちも安心して遊べる場所。
 おにおん族やどんぐりガエル族の住処で、『2』でゴゴットも小屋を建てて住み着いた。キノコが沢山あり、直径10cm前後ある巨大どんぐりが実る。

アリクビ湖
 古代の遺跡が沈んでいる穏やかな湖。『1』以降はステージになっていない。

水晶の洞窟
 色とりどりの水晶に彩られた洞窟。魔力を秘めた水晶の放つ光によってぼんやりと照らされている。
 クルーク曰く、この水晶には呪文の威力を高める効果があるという。
『ハバネロ』では、フィールドが反転する鏡像ぷよステージ。
『ぷよ!!』にてシェゾが住み着いた。ケーキを作れる台所や、濾過した清浄な水を溜めた水場も作った模様。

ジグザ峠
 タトゥーンダ城へと続く険しい山道。足を踏み外せば谷底へまっさかさま。『1』で、アルルとはここで出会う。
『7』で見た感じだと、ナーエの森を抜けた向こうにあるようだ。

タトゥーンダ城
 プリンプの北方にある。主のいなくなって久しい、荒れ果てた古城。『1』でラスボス戦の行われる場所。ここにカーバンクル出現。
 かつては大きな勢力を誇り、周辺の街を攻め滅ぼしてプリンプにも侵攻しようとしていたが、プリンプの人々が行った「くまもりの儀」によって、大量のぷよと同時に、一夜にして城内の全ての者が消え去ったという。この神隠しを「タトゥーンダの浄化」と呼ぶ。

ラクティ街道
 プリンプタウンとその周辺地域を結ぶ街道。舗装された標識だらけの道と、その奥の草の生えた土の道がある。

花畑
 色とりどりの花が咲いた、きれいな花畑。大きな風車がある。
 ここでプリンプ魔導学校の生徒たちが希少な「チノイロマダラドクユリ」を育てているので、学校の所有地なのかもしれない。

オソロ墓地
 真昼でも霧が濃く薄暗い、不気味な墓地。葉の落ちた木々には怖い顔が浮かび、イバラが這う。
『ぷよ!!』で見るに、クランデスターン屋敷の傍にあるようだ。

クランデスターン屋敷
 かつてクランデスターン一族が住んでいた屋敷。庭も建物も大きく美しいが、今は無人になっており、町が管理している。ミル海岸に近い位置にある。
 中には、じゅうたんの下の床にプリンプの外界へと繋がる転移の魔導文様が描かれた「紫の間」、膨大な研究記録が眠る書架がパズルのようになっていて進入を拒む「青の間」、床のタイルの文様が日時計になっている温室「緑の間」、黄ぷよをかたどったシャンデリアのある居間「黄の間」、建物の外からは見えるが殆ど入れた者のいない、高度な魔導術を用いてのみ入れるとされる「赤の間」がある。
 無人とされるが、黄の間と赤の間で人影を見た、夜になると明かりがつくとの噂があり、クランデスターン家の主は今もここに住んでいる、との説もある。
 クランデスターン家はプリンプタウンが成立する以前から住み着いており、この地の魔導学に大きな影響を及ぼしたとされる。残された書類によれば、他の地方には見られない、独自で高度な魔導研究が行われていたようだ。
 ちなみに、この屋敷には夜に明かりがついて、行ってみると実験室があるとか、「なんでやねん!」または「じゃじゃーん!」と声が聞こえてくるとかの噂もある。クランデスターン家の主と関連することなのか、それとも単に、このステージに登場するこづれフランケンの生まれた実験室とユウちゃん&レイくんの突っ込みの声という意味なのか?
「実験室」がこづれフランケンに関連するものならば、クランデスターン家の主とは親フランケンを作った博士なのだろうか。
 クランデスターン屋敷からはプリサイス博物館の古い蔵書票が見つかっており、博物館からも屋敷の研究書が発見されている。交流のある人物がいたと考えられるが、当時を知るはずのあくま館長は沈黙を保っている。

ピット砂丘
 殆ど砂漠のようなところで、交通の難所。レムレスはここで迷子になっていた。

ミル海岸
 ナーエの海に面した、アルカ遺跡近くの海岸。遠浅。
 プリンプ魔導学校の授業でここまで走ることがある。あんなに遠いのにハード過ぎ。
『2』までは、さかな王子がよくウロウロしていた。『ぷよ!!』にて、すけとうだらが住み着いたようだ。

アルカ遺跡
 ピット砂丘の向こう、ナーエの海の側にある大規模な遺跡。調査研究が開始されたのは僅か五年前のことで、不明な点が多い。
 プリンプタウン以前に成立し、砂に埋もれたその全容の規模はプリンプタウンと同等。戦いのための設備は皆無で塀も無く、砦だったとは考えられない。魔導による高度な住環境が整えられており、例えば、建物の中にパイプを通して、外に出ずに直接食糧を入手できた。(……違うとは思うが、ここからメモ紙を出して「くまもりの儀」としてプリンプの人に物資を送ってもらっていたとか??)
 この遺跡からは数種の石盤が発見されているが、その中に、同時代のものであるにもかかわらず、全く異なる文字・配列のものがある。ほほうどりによれば、この文字は遺跡の壁面にも沢山書かれているらしい。発見された石盤にはカーバンクルの姿が彫られ、その能力と容姿について書かれている。アルカの人々は、どこか異なる世界からやって来た「異人」だとの説があるが……。彼らはプリンプの人々とは交渉を持たず、密かに暮らしていた。
 アルカ文明は、ミル海岸沖の海底火山の噴火による津波に飲み込まれて滅亡した。しかし遺跡から人骨は発見されておらず、人々は無事に逃げ延びたと考えられる。ただし、遺跡の外に彼らの暮らした痕跡は無く、タトゥーンダ城の人々が消えたのと同様に、どこかへ「神隠し」されて消え去ったのだとの説もある。
 アルカでは月の女神が信仰されていた。「破邪呪はじゃのじゅ」は、月の女神たるアルカ神の分身が現れて守護してくれるものだと言う。ただし、月の女神が力を発揮するのは、「紅い魔物」に潜む「邪の力」に対峙した時のみである。すると女神の燃える力を授かる。なお、「破邪呪」の下位の呪文で、ほぼ同様の効果と思われるものに、あくまがシグに授けた「熊護呪くまもりのじゅ」がある。「イート ハイリトー」と唱えると発動し、シグの肉体と紅い「邪悪なタマシイ」の共鳴を阻害した。
 なお、現代のプリンプタウンでは、「破邪呪」は「くまもりの儀」のお守りとされており、邪悪な力を封じるとされる。

DXサタン城
『ぷよ!!』にて、サタンが魔力によって一夜にして建てた城。彼の趣味で、周囲には嵐が吹き荒れている。
 遺跡の辺りに行ったというラフィーナを追いかけたアコール先生はこの城の近くに辿り着く。

白の空間
『ぷよテト』にて、アコール先生がりんごたちを送り出した修行場。崩れかけた白い柱の林立するギリシア風遺跡という感じの場所で、頂部にぷよ飾りのあるうっすら光る門(?)がある。
訪れた者自身の心(記憶、思い出)と対戦し、己を鍛えることができる。対戦相手は「心の中で気になっている人」「強敵だと思っている人」の姿をとって(恐らく、門の向こうから?)現れ、会話もできる。
アコール先生はこの場所を「昨日偶然見つけておきました」と語ったが、彼女自身が「白の魔導の使い手」で、場所の名が「白の空間」である点と重ね合わせると、元々、彼女自身と何かしら縁のある場所なのかもしれない。無論、単なる偶然の可能性も大きいけれど。
 ミニマップで見るに、プリンプ魔導学校とナーエの森の間くらいの位置にある? 森に隠されていた場所ということだろうか。

プリンプ魔導学校
 アミティたちの通う学校。『1』ではただの「魔導学校」だったが、『2』から「プリンプ魔導学校」になった。
 将来立派な魔導師として羽ばたいて欲しいという願いを込め、校章は白い羽根の意匠になっている。そのため、生徒たちはどこかしらに羽根飾りを着けている。
 何故か、学校中のあらゆるものにぷよぷよ(赤)をあしらった装飾が施されている。タトゥーンダ城の屋根もプリンプ魔導学校と同じくぷよぷよ型なので、このデザインが遥か昔からのこの世界でのスタンダードらしい。してみると、アミティのあの赤ぷよ帽子も、この世界では伝統・保守的なデザイン、ということか。
『魔導物語』や『ポチッとにゃ〜』の魔導学校が、選抜された特に能力・意欲の高い者だけを入学させ、「より高みに登る」ための象牙の塔のような印象であったのに対し、『フィーバー』の魔導学校は、望む者全てに広く門戸を開く、「魔法を世間に広めること」自体が目的の、平易な民衆学校のように感じられる。アミティを始めとする生徒たちの年齢がかなり低めである点からもその印象が強い。

隣町の魔導学校
 フェーリやレムレスの通うエリート学校。黄色い星のマークが校章で、星のように輝いてほしいという意味が込められている。よってレムレスやフェーリは星飾りを身に着けている。
 隣町といっても、レムレスがフラフラになるほど、相当に遠い場所だと思われる。

 ……が、取説でレムレスとクルークがご近所さんだと書かれてあったのが気になる。本編中、レムレスはプリンプの地理に不案内であると語られていたので、レムレスがプリンプに住んでいた、または住んでいるとは考えづらい。とはいえ、クルークが隣町に住んでいるというのも考えづらい。だったらプライドの高い彼のこと、そのまま隣町のエリート学校に通うはずだと思うので。そう考えると、クルークが とても小さい頃に隣町に住んでいた、ということだろうか? それとも、クルークには隣町の学校に通えない理由があって、比較的最近にプリンプに引っ越してきたのか。

 

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主な参考資料:PS2『ぷよぷよフィーバー』、DC『ぷよぷよフィーバー』、『ドリマガ』2004年Vol.3 2/13(雑誌/SOFT BANK)、『月刊アルカディア』2004年3月号(雑誌/エンターブレイン)、PS2『ぷよぷよフィーバー2』、PS2『ぷよぷよ! Puyopuyo 15th anniversary』、PSP『ぷよぷよ!! Puyopuyo 20th anniversary』、PSV『ぷよぷよテトリス』、ドラマCDぷよぷよシリーズ、ぷよぷよシリーズ総合公式サイト

 

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