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アミティ/ラフィーナ/シグ/クルーク/リデル/タルタル/アコール先生/ポポイ/フェーリ/レムレス/バルトアンデルス/おしゃれコウベ/さかな王子/オトモ/ほほうどり/ユウちゃん/レイくん/ゴゴット/どんぐりガエル/おにおん/おに子/こづれフランケン/あくま/あやしいクルーク/ぷよぷよフィーバー界の世界設定
アルル/カーバンクル/スケルトンT/ナスグレイブ/すけとうだら/ドラコケンタウロス/ウィッチ/ぞう大魔王/シェゾ・ウィグィィ/ルルー/サタン
?/?生 ?座 血液型?
特技:昼でもアンドロメダ星雲が見える 好き:探究 苦手:幽霊など非科学的存在
『ぷよ7』以降の総合主人公。
ただの中学生だが、ある日「空間の歪み的なもの」から射した光を浴びて、ぷよを消す能力を手に入れた。本当にぷよを消すだけの力なのか、魔導の力を手に入れたということなのかは判らない。
製作者インタビューによれば「突っ込み役」。確かに、初登場の『7』では出会う相手をいちいち「異常なもの、おかしなもの」とみなして批評し「突っ込んで」いた。レムレスに向かい「あなたたちの せかいのひとたちって… ぜんいん テンションがどくとくすぎるんですけど!」と苦笑いしていたものである。
しかし彼女自身も決して常識人ではない。特異な常識と感性に基づいた奇抜な言動を繰り返す奇人である。「あたまはいいけど ちょっと かわった女の子」だと『7』などの取説にある。
《ちきゅう》のすずらん商店街にある八百屋、安藤青果店の娘。近くのすずらん中学校に通い、物理部という名のなんでも部に所属している。先輩がいることから、中学一年もしくは二年生(13〜14歳)かと思われる。ドラマCDぷよぷよシリーズを参照するに、相撲部の部長にタメ口をきいていたので、二年生なのは確実、時季によっては三年生の可能性もある(14〜15歳)。その場合、先輩は留年者と解釈せざるを得ない。
同じ(?)部活のりすくませんぱい、まぐろと非常に仲が良い。特にまぐろとは同じ商店街に育った幼なじみで、もはや熟年夫婦のようなツーカーの仲。
エコロには執拗に愛着されている。ドラマCDぷよぷよシリーズを見るに、りんごの方も満更ではない。バレンタインには友チョコを用意して密かに渡し、彼の気まぐれに振り回されても内心面白がっている。存在を忘却される宿命の彼を決して忘れず、その孤独を理解して情けをかけ、友達だと呼ぶ。
理系人間で成績優秀、頭の回転が速い。好奇心旺盛で、知りたいことは多少強引にでも追究する。出来ないことや解らないことがあると対抗意識を燃やす負けず嫌いでもある。
己の好奇心を満たすためなら、いささか人倫にもとる行為も辞さない。まぐろの魅了能力の程度を実験すべく すけとうだらやクルークを犠牲にしたり(ぷよ!!)、ウィッチの薬の効果を知るために、強いてまぐろに様々な薬を試させた(ドラマCD5)。『ぷよテト』のキャラ紹介には「知らないことがあると つい夢中になっちゃう」と書かれている。
冷めているとも飄然としているとも取れる、物事を客観視した態度が基本。「あ、そう」とシラッとしている時と、たまに驚いたりする時のテンションの上下が激しい。ただしこれは、まぐろや りすくまら《ちきゅう》組全員の性質でもある。
なお『ぷよテト』でティが自己犠牲を言い出した際だけは、客観性をかなぐり捨てて、キャラが変わったような感情的な姿を見せた。
おばあちゃん子で、緑ぷよ型の髪止めは祖母からもらったもの。常に持っている林檎を「おばあちゃんの かたみ」だとうそぶく。(祖母は健在。)祖母に夜な夜な幽霊話を聞かされたために、非科学的存在が大の苦手だという。幽霊を前にすると奇天烈な悲鳴を上げてパニックになり、ぷよ勝負を挑んで撃退、または自身を落ち着かせようとする。
『ドラマCDぷよぷよ Vol.3』によれば、祖母の名は「あまなつ」。八百屋へのカジノ併設を真剣に検討するような、孫に負けぬネジの飛んだ奇人である。脚本家のイメージでは「かっこいいおばあちゃん」だそうだ。
『ぷよ!!』取説には「頭脳明晰だけどちょっと古風?」とあるが、何が古風なのかは不明。たまに言葉遣いが馬鹿丁寧になることを指しているのか?
本人曰く、視力は両目とも5.0で、昼間でもアンドロメダ星雲が確認できる。
夢は「ひとまえでは とてもいいづらい!」「わたしのゆめは とても さらけだしがたく こじんてきに かなえるよてい!」だそうだが、具体的に何かは不明。《世界征服》くらい素っ頓狂か、《可愛いお嫁さん》くらいささやかか、どちらでもイケそうだ。
『ドラマCDぷよぷよ Vol.3』を参照するに、お菓子作りは人並みにできる。毎年バレンタインに手作りチョコを渡すと、まぐろが三倍くらいすごいお菓子をホワイトデーに手作りしてくれるので、女子的に「コンニャロー! と思って」「渦巻く自尊心をかけた戦い」としてチョコ作りを練習しているのだという。
特に『ぷよ!!』から強調された特徴として、《性的連想をもたらす言い回しを好む》面がある。
『ぷよ!!』では、まぐろの素顔を見たいとせがむ際に「ひさしぶりにアレをみせてよ 」「はずかしがることなんてなにもないよ さあ ガバッとだして みせてよ」「まぐろくんのごりっぱなアレでみんなをとりこに」などと、いかにも隠語的な表現を多用し、『ドラマCDぷよぷよ Vol.3』では、生チョコを「乳白色のたんぱく質をふんだんに含んだもの」、チョコフォンデュを「熱くとろけて絡みつくもの」、チョココーティングされたケーキを「黒光りするご立派なモノ」と、強いていかがわしげに表現していた。サタン(大人)に「まえから おもっていたのですが その星空のハネムーン☆とか ももいろパラダイス♪って ぐたいてきに なにをするのでしょうか?」と真顔で訊いてみたり(「ももいろパラダイス」は元々りんごの発言なのに、意味を言わせようとする)、カマトトぶった故意犯に感じられる。思春期らしいと言えばそうだが、たちが悪い。
尤もこれは、りんごのキャラ性というよりは、《ちきゅう》キャラの特徴、もしくは脚本家の作風というべきものかもしれない。『ぷよ!!』ではりすくまも、まぐろの隠された素顔を「かわいいアレ」と表現し、自分の「むきだしのもの」と「みせあいっこでもしよう」と、いかがわしげに述べていたからだ。
性的に誤解されかねない言い回しは、かつてはシェゾの専売特許だった。シェゾの服や髪が欲しいと迫るウィッチや、レムレスがお菓子を差し出しながら「ほーら怖くないよー」と子供(アミティ)に迫っていたのも類似とは言える。しかしシェゾやレムレスは、そうした言い回しを用いることで、作中で変態だの誘拐犯だのと貶められていたのだ。なのに、彼らよりよほど過激でいかがわしげな台詞を連発するりんご(や、りすくま)は、そうしたペナルティを全く負わない。
《ちきゅう》キャラは、ぷよキャラでありつつも、これまでとは異なる世界観・ルールの中に生きている。彼らは特別なのである。
一人称は「わたし」。相手のことは「あなた」、稀に「きみ」と呼ぶ。
まぐろのことは、『7』では基本的に「ささき まぐろくん」、稀に「まぐろくん」と呼んでいたが、『ぷよ!!』から「まぐろくん」呼びが基本に変わった。りすくませんぱいのことは、『7』では「リスせんぱい」と呼んでいたが、『ぷよ!!』では「りすくませんぱい」呼びのみだった。続くドラマCDぷよぷよシリーズ以降は「りすせんぱい」に回帰した。
アルル、アミティ、エコロ、ウィッチ、『ぷよテト』のテトリスキャラたちは当初から呼び捨て。
それ以外は名前で呼ばないことが多い。稀に自作の仇名を付け、多くは外見や肩書に基づいた人物短評そのまま、あるいは「このヒト」などと呼ぶ。
おにおんは「たまねぎさぶろう」。カーバンクルは「カレーのにほひのする きいろい いきもの」。ドラコは「美少女コンテスト」。すけとうだらは「ぎょるい」。シェゾは「ヤバそうなコスプレおにいさん/ごうかいなるヘンタイっぽいひと/ヘンタイとうわさの魔導師さん」。サタンは「やや あぶないひと/さいだいさいきょうのしはいしゃで だれからもそんけいされて カッコいいわけではなくて うさんくさい感じのサタンさま」。シグは「ほのかにカブトムシのかおりがする ゆっくりけいの少年/みずいろのしょうねん」など。ラフィーナは「わらいかたが ひじょうに きになる女子」。クルークは「おぼうしめがねくん」。フェーリは「あんこくでんぱ少女」。レムレスは「ぜんしんであやしいおにいさんをひょうげんしてるひと/ちょうアヤシイおにいさん」。さかな王子は「ピンクのさかな」。どんぐりガエルは「みずみずしい いきもの/みちなる いきもの」。ユウちゃん&レイくんは「ユーレイ/アレ」など。
ある程度慣れると(?)名前呼びすることもある。
どうしてなかなか名前を呼ばないのか? 『7』で「ジンメイっておぼえるのにがて」と言っていたので、そのためだろうか。しかし前述したように、一部キャラは最初から躊躇なく名前呼びするのである。よって、親しくなければ(興味を持たなければ)名前を覚えない、または呼ばないのだと解釈できる。
ドラマCDぷよぷよシリーズを参照するに、学校の同級生たちのことは「同じクラスで軽音部のボーカルの こいで まめおくん」「茶道部所属の ちゃき すぎたこちゃん」「相撲部部長 しんげんどういん かがやきのすけまるくん」など、肩書とフルネームをセットにして呼んでいた。『ぷよテト』ではまぐろをも「どうきゅうせいで おさななじみであるところの ささき まぐろくん」と呼んだものである。メタ的に見れば単なる説明口調ギャグなのだろうが(ドラマCDぷよぷよシリーズと『ぷよテト』は脚本家が同じ)、あえて、りんごは人物を《肩書込みのデータ》として認知しているのだ、と解釈しても面白いかもしれない。
ただし、『ドラマCDぷよぷよ Vol.5』で まぐろも、同級生たちを同様に「肩書+フルネーム」で呼んでいる。よって、これはりんごの特徴というより、《ちきゅう》組(もしくは、りんごとまぐろの幼なじみ組)の特徴、または脚本家の作風と考えるべきか、例によって。
これに限らず、《ちきゅう》組の言動はしばしば似通っている。見かけは違っても内面は分身のように、概ね同一の価値観を持っている。癒着するほど仲良しだということなのだろう。
まぐろ、エコロには「りんごちゃん」と呼ばれている。『7』ではアミティにもそう呼ばれるのが基本だったが(稀に呼び捨て)、『ぷよ!!』以降はアミティには呼び捨てにされるのが基本になった。アルルは最初から呼び捨てる。りすくまは『7』では「あんどうりんごくん」と呼んでいたが『ぷよ!!』では「りんごくん」に。サタンは「あんどうりんご」または「りんご」と呼ぶ。
りんごの口調はカオスである。普通のですます、馬鹿丁寧なですます、研究者風であるだ、文語調であるだ、時代劇風、タメ口、ネットスラング、方言、素っ頓狂な造語など、何でも使い、ノリ任せに入り混じっており、シリーズが進むごとに酷くなっている。
一応、まぐろ、エコロ、アミティ、アルル、テトキャラたちには「〜だよね、〜だね」と年相応のタメ口を用い、その他(尊敬する目上、または親しくない相手)には教科書的から慇懃無礼まで様々なレベルの ですます口調を使いがちな傾向はあるが、絶対ではない。
初登場の『7』時点のりんごは、一方的な批評(突っ込みのつもり?)を立て板に水的に垂れ流して、間は無意味(ユニーク)な言葉で埋めていたりと、自己完結気味で上滑り感が醸し出されていた。変な言葉を変なノリで喋らせておけば面白いと製作側は思っていたのかもしれない。『ぷよ!!』以降、それは緩和されたが、『ぷよテト』では口調の何でもアリ度(ついでに、感情の起伏の幅)が激しくなり、カオス感が増している。
◆りんごが突っ込むために生まれたキャラだという件について。
『7』発売以後、細山田プロデューサーは各種インタビューでしばしば述べていた。
ぷよぷよの世界って、みんな基本ボケなんですよ!
冷静にツッコめるキャラクターがほとんどいなかったので、キャラクターを考える際に、ツッコミ要員としてりんごが出てきました。(引用:「ぷよぷよ」はぜんぜん古くない。
細山田水紀プロデューサーに聞く
2012年 エキサイトニュース)
既存ぷよキャラに突っ込み役がいなかったとは思わない。アルルはぷよシリーズでは突っ込み役が多かったし、主役を張ったことのあるシェゾ、ルルー、ドラコも同様に、ボケと突っ込み両面を併せ持っていた。まあ「ほとんどいなかった」と仰っているので、その辺はご承知のうえでの発言なのだろうが。
さておき、りんごがわざわざそのために作ったほどのグレートな突っ込みキャラになれたかというと、現状そうなっていない。むしろ、強(狂)ボケキャラに成長しつつあるように思う。例えば『ぷよ!!』公式サイトWEBオリジナル漫才デモや『ドラマCDぷよぷよ Vol.3』の彼女は奇人のボケ役で、突っ込み・フォロー役はまぐろに回されている。『ぷよテト』6章も、ボケとまではいかないが、取り乱したり暴走したりするりんごを、まぐろが穏やかにフォローする作りだった。
結局のところ、突っ込み・ボケ両方イケるリバーシブルキャラになっていて、既存キャラたちと何ら変わらない。むしろ、「冷静にツッコめるキャラクター」は 現時点では まぐろの方ではないかと感じる。
◆りんごが「どこまでも素直」で、「よく解らないものを解らないまま受け入れる」人間だという件について。
『ぷよ!!』では、前作で大悪事を働いたエコロの存在を、りんご、アミティ、アルル三人以外の誰も覚えていないという不条理現象が見られた。作中に解説はなかったが、同脚本家がおよそ一年半後の『ドラマCDぷよぷよ Vol.3』で説明を行っていた。(詳細はエコロの項で。)
りんごがエコロを忘れないのは、彼女が「どこまでも素直」で、「よく解らないものを解らないまま受け入れる」稀有な人間だからなのだという。(ここでは、アルルやアミティもエコロを覚えている点には全く触れていない。)
りんごは(特にエコロに対して)優しい少女だと思うが、「どこまでも素直で、ありのままに受け入れる」人間だと言われると、少々腑に落ちない。彼女が探究心の強い、研究者肌の人間だからである。それは、事象をありのまま受け入れるに飽き足らない業深さがあるというコトではないのだろうか。また彼女の口調を見ていても、親しくない相手にはいつまでも丁寧語を崩さず、なかなか名前も呼ばなかったりと、距離を置く傾向が感じられる。これは、受け入れる前にワンクッション置くというコトではないのだろうか。
変なモノ相手でも拒絶せず会話するのが「素直に受け入れる」ということなら、りんごに限らず、全ぷよキャラがそうじゃないか。
「どこまでも素直で、解らないものもありのまま受け入れる」というのは、アミティのような人間にこそ相応しい形容だと思うのだ。
?/?生 ?座 血液型?
特技:何でもできるし、誰をも魅了する 好き:ゲーム全般。最近のマイブームは剣玉とぷよぷよ 苦手:?
《ちきゅう》のすずらん商店街の魚屋、魚佐々の長男。オサレという設定。
よく店の手伝いをしている。『ドラマCDぷよぷよ Vol.3』によれば、店番をやらせると極上ビントロを三円まで値下げしてしまう心優しすぎる弟がいる。
りんごとは幼なじみで、すずらん中学校のクラスメイト。同じ物理部所属。もはや熟年夫婦のようなツーカーの仲。りんごがボケれば穏やかに突っ込み、そつなくフォロー役を務める。『ぷよテト』のりんご曰く「いつも ありがとね」「まぐろくんって いつも わたしがいてほしいときに いてくれるよね」。
基本、穏やかで怒らない。大抵、歯をむき出してニヤニヤし、肩に剣玉をかけている。
初登場の『7』ではどちらかと言うとキモ系で、特に目立つところのない中学生男子だったと思うが、次作『ぷよ!!』からハイスペックてんこ盛りの完璧超人に変貌した。特に、目をチラ見せしただけであらゆる生物を魅了する能力は、これまでの世界観から見て度を超えている。
超人ぶりは、『ぷよ!!』と同脚本家によるドラマCDぷよぷよシリーズなどで、更に上乗せされていった。
…そのうち、究極の美食料理で世界の食通を超唸らせたり、地底人と電波親交を結んで国交樹立の超立役者になったり、卓抜した医療技術で死者を超蘇らせたり、時速119Kmで空を超飛んだり、光りながら時空を超えて世界の概念になったり、単性での分裂増殖を可能にして床下で百人超くらいに増えてたりしそうである。
尤も、ドラマCDでは老婆すらも交差点を流れる車の上をジャンプで渡り、幼女が人生を思い悩んでいた。思えばりんごやりすくまも天才設定だ。《ちきゅう》の人間はみな超人で、まぐろは頭一つ出ているだけ、ということかもしれない。
ちなみに、彼を完璧超人に仕立てた脚本家は、ツイッターでまぐろの魅力についてこう語っていた。
まぐろさんの魅力……世渡り上手な一方、情報飽和な不器用さがあるという、まさに現代っこなところだと思います。常におされに一歩引いた態度も、なんでもできるという素晴らしい武器があるのに控えめに振るう面も、現代っこだと思います。その中に秘めた必死さがあると信じてます
クールな控え目ぷりの陰に不器用さを隠した愛すべき人間、と。人柄もいいというわけだ。非の打ち所のない超完璧さである。
《ちきゅう》キャラは、ぷよキャラでありつつも、これまでのシリーズとは異なる世界観・ルールの中に生きている。彼らは特別なのである。
『ドラマCDぷよぷよ Vol.3』によれば、幼い頃は女の子のような愛らしい顔立ちのため苛められており、りんごに「ケンカも勉強も何でもできるようになれば苛めっ子に負けなくなる、まぐろくんならできるよ」などと言われ、努力してそうなった。りんごから毎年バレンタインに気合いのこもった手作りチョコを貰い、ホワイトデーにはそれ以上にスゴい手作りお菓子を返している。学校ではまぐろの居場所はりんごが知ると思われる程度にいつも一緒にいる。
一人称は「ボク」。りんごは「りんごちゃん」、りすくませんぱいは「リスせんぱい」「りすせんぱい」「せんぱい」と呼ぶ。「リせぱ」と略して怒られた。
「うひょう!」「イエイ★」「〜なのさ★」「ボクのおうちがやっているさかなやさん」「ラ〜ンチ」「なくなっちゃうぞーー★」だのと、『7』ではエキセントリックで特徴的な語彙が目立った。語尾に星を付けたり言葉を伸ばしたりで、かなりキャラを作った感じの、ネットリした口調に仕上がっていた…のだが。
完璧超人化した『ぷよ!!』では微妙に変わって、エキセントリックさがなくなり、「〜だよ…ね★」という穏やかめの口調が基本に。補うように語尾の星の量が増え、しまいに「!?」のような記号の後にすら付くようになったが、これは『ぷよテト』で落ち着いた。
『7』では、りんごやりすくまには「ささき まぐろくん」と呼ばれ、稀にりんごに「まぐろくん」と呼ばれていたが、『ぷよ!!』以降は「まぐろくん」呼びが基本になった。アミティには「まぐろ」と呼ばれている。
◆長年続いたシリーズにチート性能の新キャラを投入する危険について。
既に出来上がった世界に、能力の高過ぎる、または異質な新キャラを登場させるのは、時に危険を伴う。それまでの世界観…パワーバランスや人間関係を崩壊させる場合があるからだ。何より、元の原作ファンからすると愉快なものではない。
そうしたキャラクターを、一説に《メアリー・スー》と揶揄する。基本的に同人二次創作のチート性能オリジナルキャラを指すが、商業二次創作や、例えば原作漫画をドラマ化した際に付け加えられたドラマオリジナルキャラなどにも、その定義が適用されることもある。要は、原作世界に別の創作者の手によって後から加えられた、過度に創作者に愛されたキャラクターである。新規に加えずとも、既存キャラをそのように変質・改変したものも含む。
コンパイル時代の魔導・ぷよシリーズにも、メアリー・スーは存在した。角川文庫版小説の「ルシファー先生」と、SS版『魔導物語』(真・魔導物語)版の「勇者ラグナス」だ。彼らはいずれも、美々しく、誰より高い能力(戦闘、知略、料理など)を持ち、穏やかで誠実で、周囲の多くに好かれ、可哀想な過去や宿命まで負っている完璧超人だった。既存人気キャラ(ルシファーはサタン、真魔導ラグナスはシェゾ)の設定の一部を取り込み、よりドラマチックにアレンジして、彼らと比較して強い・賢い・優しい・周囲に愛されていると繰り返し描写することにより、《すっごくカッコイイキャラ》として立てられていた。おかげで一部に熱烈ファンを持つ人気キャラであった。
もう一つ彼らに共通していたのは、シリーズ主人公たるアルルから恋心を寄せられる設定である。主人公は作品世界の最強カードだ。その愛を得る…悪い言い方をすれば精神的に屈服させることで、最高のメダルを獲得させていたのである。
さて。
旧ぷよシリーズにインキュバスというキャラがいた。女性を虜にする魅了能力を持つ淫魔だ。彼が十数年ぶりにスマホ版『ぷよ!! クエ』に復帰した際、添えられたキャラ紹介は次のようなものだった。
女性を誘惑するナルシストな悪魔。キザなセリフで女性をお茶にさそったりするが、
(※注:ここまで文章共通し、以下はカードレベルごとに三パターン)
成功率はあまり高くない模様。|ウケはあまりよくない。|逆に引かれてしまうことも。
確かに、『ぷよ通』『ぷよSUN』を見ればその通りである。アルルに全く相手にされなかった。
だが、インキュバスは元々『魔導物語』のキャラで、そちらではシステム上アルルを魅了し、時に唇まで奪うほどの能力を誇っていたのだ。どうして、ぷよシリーズでは欠片も魅了できない扱いだったのだろう。
思うに、アルル(プレイヤーキャラ)が魅了される展開が、漫才デモとして愉快になり難いからではないか。
魅了は精神的な屈服である。プレイヤーが最も感情移入する主人公が、物語設定上の特別な縁があるわけでもない相手に、強制的に惚れさせられ骨抜きにされるなんて。そんな無様は楽しくない。
だからインキュバスは魅了能力を剥奪された。牙を抜かれ、とことん茶化され、ダメなナンパ男のごとき紹介文を書かれるに至ったわけだ。
ところがまぐろは、インキュバスとは逆に、登場二作目から魅了能力を付け加えられた。しかも超高性能だ。女性ばかりでなく男性をも、遠くからチラッと一瞥するだけで骨抜きにしてしまえるというのだから。
何故だろう? 筆者は思う。製作者が主視点を《ちきゅう》キャラ側に置いているからだと。それは、《ちきゅう》主人公のりんごや仲間のりすくまには、まぐろの魅了が効かないという、特別扱いの設定からも感じ取ることができる。
なるほど、主人公(感情移入するキャラ)が他キャラに強制魅了させられるのは不快でも、主人公側が他キャラを魅了するのなら、むしろ快感を得られるかもしれない。実質の最強だからだ。
《ちきゅう》キャラたちは横並びの三分身で、全員クールな天才扱いである。りんごも りすくまも、まぐろの魅了(精神的暴力)に屈することはなく、決して無様をさらすことはない。りんごたちの強さとプライドは傷つかない。彼らは、屈服していく既存ぷよキャラ達を、笑いながら眺めていることができるのである。《ちきゅう》キャラたちをメインにぷよ世界を見るならば、実に面白い設定に違いない。
しかし既存キャラ側に主視点を置いていれば、まぐろのチート魅了は不快でしかない。どうしてこの新参キャラに、長年自分が愛好してきたキャラを骨抜きにされねばならぬのだ。
まぐろは何でもできる完璧超人だ。彼をそう描いた『ぷよ!!』脚本家のツイッターによれば、少なくともスポーツ万能という設定は『7』時点で存在し、それに色々盛って超人化させたということらしい。
ところで、改めて考えれば、魅了以外のまぐろの高性能一つ一つは、他キャラと比較してそう突出したものではない。
スポーツ万能(高身体能力)のキャラは、いちいち明文化されないだけで他にも沢山いるだろう。ルルーやラフィーナは確実にそうだし、シェゾやアルルもそう思われる。普段、秘境でサバイバルしながら魔物と戦っている連中だ。ドラコやサタン辺りの魔物キャラは、そもそも人間ではないので、身体能力がそれこそ人を凌駕しているはずである。料理の腕というなら、レムレスはお菓子、カーバンクルやアルルは特にカレー作りが得意のはずだし(アルルは肉じゃがやシチューも作る)、人気者というなら、レムレスやアミティ、アルルもそうだろう。人語を話さぬ動物や魔物と会話できるキャラなら、数え上げるのも面倒なほど大勢いる。そして大抵のキャラが、趣味の域を超えた一芸、あるいは複数芸に秀でている。
そう考えれば、まぐろは特別ではない。にも拘らず特別にスゴく感じられるのは何故だろう? それは、あまりに長所要素が多いこと、そして、りんごが彼の高能力を強調しているからに他ならない。
「まぐろくんって じつは りょうりのウデも すごいよね!」「なんていってるか わかるの!?/さすが まぐろくん」
要は、脚本がまぐろのスゴさを主張したがっているのだ。ドラマCDぷよぷよシリーズでの彼の描かれ方を見てもそう思う。
《ちきゅう》キャラは、ぷよキャラでありつつも、これまでのシリーズとは異なる世界観・ルールの中に生きている。だから既存キャラならいちいち頓着されないことでも、強調して大きく扱われる。
完璧超人設定は、過ぎればメアリー・スーになりかねない。幸いにして『ぷよテト』では抑えられていたのでホッとした。今後もバランスを取ってもらえることを望む。ぷよシリーズは《ちきゅう》キャラを突出して引き立てるための舞台ではない、…と、思いたい。
そもそも、まぐろがこれだけ長所だらけで、みっともない短所が一つもないのもどうかと思う。
例えばサタンやシェゾは、元の『魔導物語』では今ほどダメキャラではなかった。『魔導』のギャグパロディであった『ぷよ』に移入されるにあたって、よりギャグ的にデフォルメされたのだ。彼らは高能力や壮大な背景も持つが、ぷよシリーズ中ではあまり扱われない。愛嬌が増したという良さもあるが、短所はどんどん増やされていった。
セガぷよキャラのレムレスも、旧ぷよルールの範囲で造形されている。若き魔導の天才である半面、変質者に間違われる胡散臭い人、というマイナス要素も同時に設定されていたからだ。
そんな中に新規追加されたまぐろが、短所らしい短所のない完璧超人なうえ、作中でも作外でも褒めそやされ、どんどんカッコよさを増されていくのは、新鮮ではあるけれども、少し狡いと僻んでしまう。
?/?生 ?座 血液型?
特技:科学実験、科学工作、発明 好き:煮魚 苦手:?
りんごの中学校の先輩。本当は科学部所属だが、三ヶ月前に実験ミスの爆発で部室を破壊してしまい、今は物理部に間借りしている。
…と、設定上はなっていたが、『7』作中では「これは うちの「ぶ」の せんぱいです」、『ぷよテト』でも「わたしとおなじ物理部で」とりんごが紹介していた。
勝手な想像だが、『7』で最初に脚本が書かれた時点で単純に「部の先輩」だったのが、物理部は爆発を起こすような化学実験をしないぞ、ということになって、「本当は科学部」という辻褄合わせの設定を後付けしたのかも?
中学の先輩と言いつつも、声も態度も壮年のように老けている。とても中学生には思われない。常に白衣で制服を着ていることがない。実は何十年も留年しているとか、ヌシ的に居座っているだけの不法滞在者だと言われても驚けない。
「さあ ひそやかに こってりと 愛をかたろう…」「ダイバクハツのむこうにシンジツの愛が見えるぜ…」「愛…それは宇宙…」「わたしの愛に満ちた攻撃はいかがだったかな」など、陶酔した愛語りをやたらと口にする。
反面、非常にキレ易い。ちょっとしたことで苛立ち、我を忘れて「あんがー」「ふんぬーー」「どどどどどどどど」などと、意味なく見えて実は怒りを意味する言葉(anger/憤怒/怒怒怒…)を叫びまくる。『ぷよテト』では異時空の宇宙船技術を見て「みょおおおおーーー!」「んごっふ」と人語を忘れるほど興奮していた。普段は理知的なのに興奮しやすい性格といい、興奮するとまともに喋らなくなるところといい、クマのヌイグルミ的な容姿といい、あくまに似ている。
内向的で女々しい人物を嫌う。苛々するという理由だけで、リデルに「じしんがなかったり ひっこみじあんだったりを なおしたいと もうすなら せいかくばかりは かえられないので へやからでるな」と言い放ち、以降のコミュニケーションを拒絶した。愛を語りながら愛に乏しい男である。女性に「お嬢さん」と丁寧に話しかけるなど、フェミニスト的に見える面があったが、見せかけだったようだ。
しかし、りんごやまぐろとは非常にウマが合い、とても仲が良い。三人のやり取りを見たサタンが「おまえたち たのしそうで よいな」と言ったほど。
りすくまの正体は不明である。人間なのかすら疑わしい。
『7』で初登場した際、アミティとレムレスは、りすくまを見て「あ! みたことのない いきもの!」「こ これは!?」とたじろいだのに、りんごやまぐろはケロリとしていた。彼女たちにとって彼は奇異ではないのか? この疑問に『ぷよテト』のりんごが答えた。彼のような人は《ちきゅう》でも全く普通ではなく、彼女は「だいいちいんしょうから 気になって」いて、中身を調べたいと思っていた。しかし本人には言いにくいので、未だ成し得ていないという。
りんごは、好奇心を満たすためなら結構過激なことも平気でやる人間だ。(まぐろの魅了能力を試すべく手当たり次第を魅了させて回った。)ましてこれほど親しい相手に何を遠慮するのかと思うが、親しき仲だからこその容赦なのか、無意識の抑止か何かがあるのか。
同ゲームゲストのエスは、しがらみがないゆえか遠慮せず、「なぞのいきもの かいたいショー」と称して「ほらほら! まるごとだしちゃいなさい!」と、「よくきれる ハサミ」で りすくまの中身を出そうとした。しかし彼の憤怒の抵抗にあって失敗した。なお、ここでは彼の左手の肉球を押すと、右手から どぼどぼとジュースが出た。
『ぷよ!!』公式サイトオリジナル漫才デモでは、りすくまは自作の「非科学的存在探知機」に反応。幽霊などの科学では説明しきれない存在が近くにいると音を発するというその装置を、自分に反応して鳴っていると気付くなり、すぐさま破壊して証拠隠滅した。
『7』の「だいへんしん」で子供になると、幕末から大正時代くらいの袴をはいた学童のようなレトロな服装で、今は無い大きなリスの尻尾があった。遥か昔に子供時代を過ごしたということか? そして、尻尾はどうして失われたのか。
天才的な科学者で、機械工作・発明を得意とする。…いつの間にかそういうことになった。
『7』時点でそんな設定は、少なくとも公表はされておらず、『ぷよ!!』にも見当たらない。せいぜい、まぐろの魅了能力を無効化する特殊なコンタクトレンズを、恐らく自主開発したのだろうと推測できるくらいか。
彼は《化学実験に失敗して爆発を起こす》、むしろ未熟な科学者として描写されていたし、その成果で役立つような事もなかったし、実験も薬品やぷよを使うもので、機械に関連するものではなかった。
しかし、『ぷよ!!』公式サイトオリジナル漫才デモで「非科学的存在探知機」を製作したのを皮切りに、ドラマCDぷよぷよシリーズで「非常に疑わしいりすくませんぱいロボ(自分そっくりの自律ロボット)」や「記憶除去装置(ハンマーで殴って記憶を失わせる装置)」、「鶴捕獲機(鶴を大量に捕まえる罠)」などの超機械を次々と発明・披露した。
なんだか違う方向に進化している。
ともあれ、このくらいまでなら愉快な漫画的表現だろう。ところが『ぷよテト』でまた違う方向に突き抜けた。初めて見た異世界のハイテク宇宙船を見事に修理してのけ、その専属エンジニアのアイに「この りすくまという人の ぎじゅつりょくは すばらしい」と褒め称えられ、科学技術面で対等の相棒だと評価されたのだ。
シリアスに超天才ということになった。
まぐろに引き続き、りすくまも超人設定になっている。《ちきゅう》組は特別なのだ。
多くの言語に精通する。『ぷよ!!』では人語を話せないどんぐりガエルと会話し、『ドラマCDぷよぷよ Vol.3』では宇宙語(?)を操って宇宙人(グレイタイプ)と交流した。りんごは褒め称える。「す、すごい! さすが先輩。地球外生命体とのコミュニケーションもお手のものだよ!」
魚料理が好き。まぐろが時々魚を差し入れてくれるそうで、特に煮魚が好きだという。好きなあまり さかな王子に襲いかかったことがある。『ドラマCDぷよぷよ Vol.3』を参照するに、まぐろは既に調理した状態の魚を差し入れてくれるようだ。
『ドラマCDぷよぷよ Vol.3』によれば、ジュリエッタというツチノコを部室のロッカーに隠し飼っている。スルメしか食べないが、飢えると人を襲う危険がある。
同じく『ドラマCDぷよぷよ Vol.3』によれば、白衣のふところには薬剤入りの試験管を多量に隠し持っている。
一人称は「わたし」。女性に対しては、改まって「わたくし」と言うこともある。りんごやまぐろを『7』ではフルネーム+くん付けで呼んでいたが、『ぷよ!!』では下の名前のみ+くん付けで呼ぶ。若い女性を「お嬢さん」と呼ぶことがある。
「ふむ。〜かね」「〜だな」というような学者的口調が基本だが、改まって、です・ますの丁寧語を使うこともある。中学生と言うには老成し過ぎた感じ。
◆りすくまの正体について。
前述したように、りすくまの正体は不明である。そのうえで、現時点(ぷよテト)までの情報から、正体を考察してみよう。
りすくまの正体の可能性は、以下のものが想像し易いだろう。
作中、最も疑われているのがAである。『ぷよテト』でも、エスはハサミで切り裂いて中を見ようとしたし、りんごも「なかみ しらべさせてください!」「そこですか! そこのすきまをめくれば見えますか!」と迫っていた。簡単に取り除ける皮の中に本体が入っているというニュアンスだ。『ぷよ!!』ではりすくま自身が「むきだしのもの」を見せようと述べており、何の中身なのかには触れなかったが、皮に包まれた何かがあるごときニュアンスを示していた。
しかし疑問もある。着ぐるみを着た生物ならば、「非科学的存在探知機」(幽霊など、科学では説明しきれない存在を検知する装置)に引っ掛かるはずがないのだ。逆に言えば、この装置に引っ掛かった以上、可能性は一つしか残っていない。即ちBとなる。
しかしこれにも疑問はある。りすくまは煮魚が大好物だからだ。身体がぬいぐるみならば物を食べられないのではないか? 同じ理屈で、ロボットという可能性も疑問視できる。
そもそも、以上の条件は矛盾している。非科学的存在でありつつ食物を摂取するなんて。例え未知の生物であっても、生物である限りは科学で説明できるはずだ。そして一般に、生物でなければ食物を必要としない。まあ、髪が伸びる呪いの人形や、お茶を飲む骸骨なんてものがあるのだから、オカルト的に物を食べる霊憑きの人形があってもおかしくはないのかもしれないが…。
そう言えば、『ドラマCDぷよぷよ Vol.3』に登場するりすくまそっくりのロボットはマグネタイトが主食だとされていた。無機物ではあるが物を摂取するのだ。となると、煮魚をエネルギー源とするロボットがいてもおかしくはないのかもしれない。また、幽霊と並ぶアンデッドモンスターの中には物を食べる者もいる。これを非科学的存在とみなすことはできるかもしれない。
と、いうわけで。以上の条件や疑問を考慮して考えるに、りすくまの正体は以下が考えられる。
非科学的存在という条件を考慮したため、全体的に呪わしい。りんごが知ったら「ぴゃあーーー」とか言いつつ失神しそうである。
まあ何の考察をしたところで、今までそうしてきたように、製作側はいくらでも設定を変えたり黒歴史にしたりできるのだから無意味なのだが。
余談ながら。『ぷよぷよ7』は初期案段階では商店街を舞台にした三人の変身魔法少女の物語で、まぐろやりすくまのキャラクター原型は魔法少女だったのだという。りんごは赤色のイメージが強いデザインだが、原案で まぐろに相当するキャラは青、りすくまに相当するキャラは黄色をイメージしたデザインだったようである。
また、旧魔導ぷよの三主人公・アルル、ルルー、シェゾ、ぷよフィの三主人公・アミティ、ラフィーナ、シグの頭文字を並べるとA・R・Sであるように、『7』でも、あんどうりんご、りすくませんぱい、ささきまぐろで、頭文字A・R・Sが踏襲されている。なんだか慣習になってしまっているらしい。
?/?生 ?座 血液型?
特技:? 好き:お茶(特に緑茶) 苦手:?
旧シリーズキャラクター。『ぷよ7』にて、エコロの介入で《ちきゅう》に連れてこられた。
本来は一人なのに、『7』では三人組に増殖。大人や子供に変身する「だいへんしん」システム上の問題だろう。
三人組の内訳は、肩が赤(容姿が最も旧シリーズに近い)、肩が青(頭がひょろ長くてヒビ入り)、肩が黄色(ずんぐり体型)。スタンダードな赤、クールでのっぽな青、気が好くて恰幅のいい黄色と、ふた昔前の特撮ヒーロー戦隊のようだ。ほほうどりがいたら対抗心を燃やしたに違いない。
スマホ版『ぷよ!! クエ』では単体に戻った。スタンダード体型で肩は青である。
『7』では、美味しい高級茶を求めて中学校や商店街をうろつき、騒ぎを起こした。曰く、《ちきゅう》はかぐわしいお茶の香りに満たされているそうだ。
一人称は「わし/ワシ」「わしら」「ワレワレ」。相手のことは「おまえ」と呼ぶ。連鎖ボイスでのみ「おぬし」。「そうはいかぬぞ」「〜なのじゃー」など、時代劇めいた年寄り口調。…と筆者は解釈するが、スマホ版『ぷよ!! クエ』は「口調はどことなく江戸っ子風」としている。
『7』で主に黄スケルトンの台詞が「〜なのぢゃ」と、《じ》を《ぢ》で表記されることがあったが、スマホ版『ぷよ!! クエ』ではそれが基本になっている。
『7』では、登場時(稀に退場時にも)、赤「あちゃ〜」青「おちゃ〜」黄「りょくちゃー」を基本にした三揃いの挨拶をする。アレンジは「あちゃー」「おちゃー」「おちむしゃー(落ち武者)」、「あちゃー」「おちゃー」「退場ぢゃー」など。オチ担当は黄スケルトンである。コンパクトに三人まとめて「あちゃおちゃりょくちゃ」と言ったことも。退場時は「てっしゅう(撤収)ー!」と言うことが多い。
◆スケルトンTは江戸っ子か、お年寄りか?
前述したように、スマホ版『ぷよ!! クエ』では、スケルトンTの口調を「どことなく江戸っ子風」と説明していた。確かに、例えば『ぷよSUN』で「いやー、あつい太陽にあついお茶。このやけつくノドごしが たまらないねぇ!」と、酷暑の中で熱い茶を飲んでいた辺りは江戸っ子的ではある。
しかし、ぷよフィシリーズでの「ワシは〜なのじゃー」という口調は江戸っ子的だろうか? 時代がかっているのでそう言えなくもないが、老人のテンプレ口調ではないだろうか。そもそも『SUN』のスケTは《であるだ》口調で、「〜なのじゃー」は使っていない。
実は旧シリーズ時代から、スケルトンTの口調(一人称含む)は定まっていなかった。
『魔導物語1-2-3』での初登場時は「ほねおりぞんだったなぁあ!」「おまえには、消えてもらおうっ!!」といった恐ろしげな《であるだ》口調。これを受けた『ぷよ1』は「この勝負 オレのいただきだな。お前には消えてもらおうかああああ!」というもので、以降の『ぷよ通』やなぞぷよシリーズも、概ねこの口調・イメージに沿っている。ただ、稀に一人称が「わたし/私」だったり、やや真面目な口調だったりすることもあった。
では、スケルトンTの「ワシ」「〜なのじゃー」という一人称や口調は、いつから、どこから出て来たものなのか。
筆者の認知している限り、最初に「〜なのじゃー」系の語尾を使ったのは『魔導物語 魔導師の塔』。一人称「ワシ」を使ったのは『わくわくぷよぷよダンジョン』。「ワシは〜なのじゃー」と両要素が揃ったのは『ぽけっとぷよぷよ〜ん』である。
『魔導師の塔』のスケTはシェゾを「若者」と呼び、彼に「じじい」と返されていた。即ち、「〜なのじゃー」は年寄り口調なのである。そしてこのキャラ付けの元祖は、実は小学館の学習雑誌で連載されていた商業二次漫画『とっても! ぷよぷよ』なのだった。この漫画では、彼はサタン側近の御隠居ということになっている。お茶好きという要素が老人を連想させたからだろう。
このキャラ付けを、例によって真魔導設定がゲーム本編に取り入れたと思われる。(小説『真・魔導物語』でもバッチリこの口調になっている。)ぷよフィシリーズのスケTがこの口調なのは、それを参照しているからなのだろう。
『ぷよ7』のストーリーモードでは三回も対戦。旧ぷよシリーズでは《ぷよを回すこともできない》ザコ中のザコだったが、最早そんなこともない。(厳密に言うと、セガぷよ第一作『みんなでぷよぷよ』時点で、(二戦目では)既に強かった。)
8/2生 しし座 血液型?
特技:格闘技 好き:美少女コンテスト出場 苦手:?
旧シリーズキャラクター。『ぷよ7』から登場。
ダークアルルに騙され、美少女コンテストに出るために《ちきゅう》のネス湖に連れて行かれた。その後、エコロを倒すためにプリンプタウンに「全員集合」したわけだが、そのまま帰れなくなっているらしい。
美少女コンテスト優勝に意欲を燃やし、アルルをライバル視する。角が自慢。
「ドラコケンタウロス」は種族名。愛称はドラコ。
ぷよフィシリーズ(厳密に言うと、『ぷよ!!』以降の芳野脚本)のドラコは、旧シリーズ時代とは一歩二歩、異なるキャラクターになっている。より色気に乏しく、天然的で頭が悪そうで食欲旺盛にしてワイルドなゲテモノ食い。即ち、《野生児キャラ》なのだ。
サバイバル生活をしており、お腹がすくとおにおんやどんぐりガエルを襲って食べようとする。これはコンパイル時代には見られなかった行動だ。旧シリーズ最晩期の『ぷよBOX』のドラコも、限定ぷよまんを食べたがってよだれで服をベトベトにするくらい意地汚かったが、流石に、その辺の生き物を食べようとしたことはない。『ぷよテト』では小型ロボット(?)のオーまで食べようとしたうえ、ウィッチが放る肉を口で受け取って食べる芸を素で披露して猛獣扱いされていた。
いつも快活に笑って細かいことは気にせず、よく知らないリデルに「おねえさま」呼ばわりされても微塵も気にしない。ウィッチに猛獣扱いされてもまるで気付けず、最後まで馬鹿にされたままだった。大らかさというより《頭が空っぽ》的なニュアンスを感じる。三歩歩けば前のことを忘れそうである。
余談ではあるが、『ぷよBOX』に《ビーストドラコ》というドラコの姿違いキャラ(色黒のドラコ)がいた。対戦キャラとして登場するのみでストーリーを伴っておらず、何者かの説明は一切なかったが、数年後に製作スタッフが「自分の中だけの非公式設定」としてWEB上で私的に公開したところによれば、ドラコケンタウロス族の一人で、いつものドラコとは別人であり、秘境に暮らす野性児なのだそうだ。たまたまであろうが、ぷよフィシリーズのドラコと、少しキャラ付けが被っている。
拳法家(美少女格闘家)という要素は、現在のところ、旧シリーズから引用された連鎖ボイスでの技名にしか残っていない。
一人称は「わたし」または「あたし」。相手のことは「あんた」と呼ぶ。リデルには角繋がりで「ツノのおねえさま」と呼ばれている。
◆ドラコのキャラクターと、美少女コンテストへの執着について。
旧シリーズ時代、ドラコのキャラクターはタイトルごとにかなりのバラつきがあった。好戦的だったり、サタンの忠実な配下(ハーレム構成員)だったり、竜神の守護者だったり、武骨な拳法家だったり(美少女格闘家を自称)、緻密な計画を練って自分磨きに精を出し美少女コンテスト優勝を目指すおしゃれ大好きなアイドル志望の少女だったり。ぷよフィシリーズのドラコもまた、旧シリーズと部分的に似せた部分はありつつも、新たな性格・口調のキャラクターに仕上がっている。
『ぷよ7』に復活した際は、美少女コンテストに固執してアルルをライバル視した、スタンダードな『ぷよ通』風だった。しかし『ぷよ!!』以降は、前述したように《アホの子》《野生児》的要素が加えられ、美容やおしゃれとは無縁そうなのに何故か美少女を自称する、馬鹿ゆえに朗らかな、新たなキャラクターになった。
ドラコはどうして美少女コンテストにこだわるのだろう?
確たる理由はない。というのも、『ぷよ1』でドラコにぷよ勝負を挑まれたアルルが「まさか美少女コンテスト!?」とボケた、それを『ぷよ通』で立場逆転させ、ドラコから美少女コンテストを挑むパロディにした。これが始まりだからである。本来は一過性の本歌取りギャグに過ぎなかったのだ。
しかし『ぷよ通』があまりに有名になったため、次第にそのネタの踏襲が好まれるようになり、コンパイル後期以降は、ドラコといえば美少女コンテストというハンコ押し状態に。しまいにそのネタしか言わなくなったので、当時のプレイヤーとしては、「これしかやることないんかい!」と倦厭を感じるほどだった。
製作側にも同じ気持ちの人がいたのだろう。『アルルの冒険』では美少女コンテストでのライバルをルルーに変更して変化を付け、コンパイル最後のぷよシリーズ『ぷよBOX』のドラコは食べ物の恨みでアルルに対抗して、美少女コンテストのびの字も言わなかった。セガに製作が移っての第一作『みんなでぷよぷよ』では、ドラコ自ら美少女コンテストはもう古いと言ってのけ、己を縛る記号からの脱却を宣言したのである。
…が、ケータイ用『ぷよぷよDX.』や『ぷよ7』以降は結局、《ドラコと言えば美少女コンテスト》という記号に戻った。
とは言え、『ぷよ!!』はシナリオ本数が豊富だったため、ドラコのエピソードも美少女コンテスト絡み以外が色々あり、旧シリーズ晩期ほどの倦厭は感じずに済んだ。前述したように《野生児》という新要素が加えられ、『ぷよテト』ではそちらのネタが踏襲された。美少女コンテストネタは、彼女が「美少女」を自称する程度に抑えられている。
『ぷよ!!』と同脚本家による『ドラマCDぷよぷよ Vol.1』では、ドラコが美少女コンテストにこだわる理由を以下のように理屈づけていた。
「わたしって、角とか羽とか尻尾があって、他の女の子と、ちょっと違うだろ?」
「角も羽も尻尾も、わたしはカッコよくて可愛いと思ってる。でもさあ、それをみんなに認めてもらえて、一番可愛いって誉められたら、もっともーっと嬉しいし、自信が持てちゃう気がするんだよね」
「だからさ。手っ取り早く、美少女コンテストで優勝したいんだ。みんなと違うところがあるわたしでも、可愛いって言って欲しいんだもん」
『ぷよ!!』やスマホ版『ぷよ!! クエ』のドラコ紹介文には「人間とドラゴンのハーフ」とある。あたかも竜と人間の両親の間に生まれた異端の混血児か何かのような言いようだ。上記ドラマCDは、そんな解釈のうえで書かれたもののように感じられる。唯一にして異端な存在の私だけど差別に負けず前向きに頑張るよ☆ というわけだ。
実際は、「ドラコケンタウロス」は種族名である。旧シリーズでは一度に複数登場したこともある。角や羽があるのはドラコケンタウロス族にとっては《当たり前》のはず。だから彼女が己の角や翼を《他の女の子と違う》と人間側の価値観で測って、《違うところのある自分を他人(人間)に認めてもらって自信にする》ために美少女コンテストに出たがるという論は、奇異に感じられる。
確かに、同じように角を生やしたリデルは、自分が「他の女の子と、ちょっと違う」ことを気にしている設定だ。しかしそれは、彼女が人間に育てられた亜人の捨て子で、人間社会で人間の価値観にて差別されて育った、特殊な例だからである。ドラコとは違う。
コンパイル時代から、《翼と尻尾の配色》が変わり続けている。
初登場のMSX-2版『魔導物語1-2-3』時は、翼が赤、尾が緑。『ぷよ1』〜『ぷよSUN』まではそれが踏襲されていた。
しかし『ぷよ7』登場時は翼と尾の双方が赤茶。これは、翼と尾が赤だったPC-98版『魔導物語1-2-3』時の配色に近似している。
次作の『ぷよ!!』では更に一転。翼と尾の双方が緑になった。これは『ぷよよん』版と同じ配色である。以降、これで定着している。
7/22生 かに座 血液型AB
特技:? 好き:? 苦手:?
「体をもたないエコロにとりつかれてしまったアルル。感情の起伏がなく冷たいふんいきを持つ。」…と、ゲームの取り扱い説明書のキャラクター紹介に書いてある。取説でこんな豪快なネタバレしてるのを初めて見た。
アルルとしては珍しい、ロングスカートでダークな色合いの衣装。
一人称は「ボク」。相手のことは「キミ」「きみ」と呼ぶ。つまりアルルと変わらない。静かに立っていて含み笑いをする厭なアルル、という感じ。あくまでアルルなので、使う魔法も普段と全く変化なし。大人や子供に姿の変わる「だいへんしん」をしても外見年齢は変わらず、服の色が変わるのみである。
『ぷよ7』のストーリーは『ぷよぷよ〜ん』のオマージュに感じられる。
『ぷよ7』はサタンとアルルの位置を換え、ドッペルアルルを《ダークアルル》と《エコロ》に分割し、夢主人公あんどう りんごを付け加えたものであると思う。少なくとも、全く意識していないことはないだろう。それが証拠に、通常対戦曲の中に『ぷよよん』のリメイクが入れられている。
?/?生 ?座 血液型?
特技:憑依と物まね 好き:いたずら・詐欺 苦手:忘れられること
『ぷよ7』『ぷよ!!』のラスボス。黒い影のような姿で、いつも半笑いでよだれを垂らしている。
自称、時間や空間を超えてさまよう旅人。気まぐれで無責任な快楽主義者。
他者に憑依したり姿を真似たりして騙ることを得意とする。憑依した相手の力を行使することができる。己の楽しさを最優先し、他者の気持ちはあまり理解できていない。『ぷよ!!』以降(主に芳野脚本)では、それを無邪気な《幼児性》として描いている。
他者に憑依して操るだけでなく、連鎖(攻撃)の際には第三者の姿を模倣する。(例えば、真っ黒いフェーリとして現れる。)連鎖ボイスに「イミテーション」とある点からしても、《他者になり済ますニセモノ》が本来のコンセプトだったのだろう。しかし『ぷよ!!』からは、この性質はガン無視されている。
りんごに格別の執着を見せる。時空の狭間から注視しており、呼ばれれば現れ、呼ばれなくても悪戯を仕掛ける。りんごの方も満更ではない。時に「コンニャロー」などと怒ってみせはするものの、元気がなければ心配し、ドラマCDぷよぷよシリーズに至っては、バレンタインに友チョコを用意して まぐろたちの目を盗んで渡し、彼の気まぐれに引きずり回されても「わくわくし」たと内心で喜ぶ愛着ぶりである。
性的連想を抱かせる言い回しを、主にりんごに対して口にする。「りんごちゃん こんどはキミのカラダで あそばせてよ! アルルちゃんより ぐあいがよさそう!」「りんごちゃんに ギリギリアウトな てんかいをしかけるのは ボクのやくめ なんだからね★」など。尤も、りんご、まぐろ、りすくまも似たようなものである。(特にりんごは激しい。)《ちきゅう》キャラは基本的に下ネタ好きなのだ。言葉足らずで誤解される設定のシェゾと異なるのは、意図して言っているところである。
自身の肉体を持たず、胸に星を輝かせた人影のような姿をしている。額には「?」の文字。ばたんきゅ〜させると胸の星だけが残るので、それが本体なのだろう。肉体がないからには性別もないはずだが、声優が男性なので男性的イメージがある。
『ぷよ!!』では「かわったエコロ」なる姿違いが用意されていた。ハート型の光彩の、青緑のウェーブヘアを長く垂らし、よだれも垂らした美少年である。『ドラマCDぷよぷよ Vol.3』ではこの姿を、実体でりんごに触れたいという願望を叶える為のものだと匂わしていた。
◆エコロは悪くない、可哀想なんだという製作者の主張について。
初登場した『ぷよ7』でのエコロは、世界滅亡規模の災いを、自分が楽しいという理由で、しかも人の心を踏みにじる方法を選んで達成しようとする快楽犯罪者だった。
アミティたちを一方的に異世界に放り出し、アルルの肉体を乗っ取って苦しめ、彼女のふりで皆を騙して世界をぷよで埋める計画の片棒を担がせようとし。まぐろやりすくまを操って親しいりんごと戦わせ、りんごを拉致して肉体を乗っ取ろうとし。計画が阻止されると、腹いせに全ての並行世界をぷよで埋めようとした。
ところがである。続く『ぷよ!!』に再登場すると、エコロはいい奴だ、《最初から》悪くなかったし、むしろ可哀想なんだと脚本が語り出した。
ここでの彼は、記憶喪失となり己の罪を亡失した状態で登場。自分の目的は《昔から》皆を楽しませることだったと主張してのけた。周囲も、彼を怪しみつつも悪い人ではないと評価。と言うのも、りんご・アミティ・アルル以外は誰もエコロの存在を覚えていないという、不条理極まりない:状況だったからである。彼のしたことを ほぼ誰も覚えていない。《無かったこと》になったのだ。
その状態で今度はサタンに憑依し、またも世界滅亡規模の危機を招いたが、またも忘れられて《無かったこと》に。責任はすべてサタンに押しつけられた。そのうえで、お気に入りのりんごにだけは寂寥感を演出した別れの挨拶を忘れなかった。
おもいだしちゃったんだ
ボクはじくうのたびびと
どのばしょにも どのじかんにも いないそんざい…
だからまた たびにでるよ
じゃあね ひかくてき たのしかったよ
もっとも めがさめるころには みんな ボクを わすれている だろうけどね…
悪意がないのだからエコロは悪くない。むしろ皆に忘れられる可哀想な存在なんだよ、という結論である。
『ぷよ!!』と同脚本家による『ドラマCDぷよぷよ Vol.3』では更に語られた。いかにエコロが可哀想で、そんな彼を理解し救うことのできるりんごが特別な存在なのかと。
りんご
「時空の旅人って言ってたよね。わたしの予想では、時空を自由に移動できる能力を持ってるクチなのかと」「そして移動をすると、人の記憶に残りにくいという、若干メランコリーな設定なのかと」「どうでしょうか」
エコロ
「りんごちゃん、妄想力豊かだねー。あはははは」
りんご
「茶化すなー! なんか真剣に考察したのが恥ずかしくなってきました」
エコロ
「ありがとね。でも、ちょっと違うよ。みんなボクのことを忘れたいから忘れちゃうんだ」「ボクがどういう存在なのか説明はできないけど、一つだけ言えるのは、ボクは時空の法則から外れてるってこと」「誰にもよく解らない存在なんだ。そして、みんなよく解らないものは無かったことにしたがるんだよ」
りんご
「そ、そんなこと……あるのかな」
エコロ
「ボクは色んなところにいるのに、大体忘れられちゃうんだ」
りんご
「それってさ……寂しい?」
エコロ
「全然。だってずっとこうだもん」
りんご
「ううん。わたしだったら結構キツいと思うのですが。
本人がそう言うなら納得するとして、もう一つ疑問があるんだけど」
エコロ
「なぁに?」
りんご
「わたし、忘れてないよ? これってどういうこと」
エコロ
「そこだよね!」「すごくビックリしたよ。ボクが思うに、りんごちゃん、キミはどこまでも素直なんだ」「だから、なんだかよく解らないボクを、なんだかよく解らないまま受け入れて、その……、と、…と……」
りんご
「友達?」
エコロ
「そ、そう! そんな風に言うこともできるんだ」
…ほうほう。存在が忘れ去られる原因はエコロの側にはなく、皆の心にある。解らないものを受け入れられず無かったことにしようとするから覚えていないのか。
簡単に言うと、皆の心が狭くて弱いから忘れるだけ。そして、りんごは心が広くて強いからエコロを忘れず友達になれる、と。
なんだこの無意味な対比。りんごアゲの傍ら他キャラサゲしとるではないか。……ゲフン。
個人的には納得し難かった。ぷよキャラたちは殆ど時空移動の経験があるし、普段からワケの判らない存在とも触れ合っている。(魔導物語シリーズには、時空を渡ってあらゆる世界を侵す魔神ヨグ・スォートスという敵も存在した。)それで《理解できないものは無かったことにしたがる》と言われても。第一、世界滅亡レベルの目に遭わされといて、そんなふわっとした理由で忘れるものか?
そもそも、サタンすらエコロを忘れていたではないか。旧シリーズでは異時空から勇者を引き寄せたり送り返したりしていた、世界創造さえできちゃう(?)彼が、《時空の法則から外れた存在を認知できない、理解を拒んでいる》のだと言われても、まったくもって承服しがたい。
また、同脚本家は続く『ぷよテト』に「時空の番人」の肩書を持つエックスを登場させ、こう説明させた。
時空の番人……
時空を じざいに
いききするそんざいは
どの世界にも
ぞくさないから
人のきおくには
とても のこりにくいんだ
時空のはてで
なんねんも なんねんも
ティの報告をきいているうち
わすれられていること
ひとりでいることに……
かなしさのようなものを
かんじていた
エックスは、容姿や生い立ちは違うし性格に至っては真逆だが、能力はエコロと相似の存在だ。もう一人のエコロと言ってもいいのだろう。エコロとエックスの連鎖ボイスを少し似せることで、製作側はそれをアピールしている。
時空を自在に行き来する存在は人の記憶に残りにくい。これはエコロのことでもあるのだろう。なのに、ドラマCDで否定した りんごの考察そのままのような説明である。ドラマCDでは、より正確な原因は忘れる人々の心にあるとしたが、ここでは「どの世界にも属さないから(時空の法則から外れた存在だから?)」とだけ語っている。エックスを忘れた人々は彼を愛する家族や弟子なので、《無かったことにしたいから忘れた》という理屈は通しがたいからか。
『ぷよテト』発売後まもなく、脚本家はツイッターで、エックスの話題からこう語った。
誰でもいつかは絶対死ぬので、そんな風に皆に平等に訪れる「死」より、好きな人に「忘れられる」ほうが怖い派です。ましてや生きたまま忘れられることなんてよだれでもたらしてないと耐えられないのではないかとおもいます
ラスボスさんはぱっと見甘えん坊に見えるかもしれませんが、そこに至るまでの日々を考えると納得できるなあ、ってかんじになればいいと思っています!「られる」は周囲からの全否定だと思うです。
あ…そうか…記録ではなく記憶こそがそのひとの命だという哲学を大学で延々とやってたから、わたしのかく話は、記憶と忘却まわりのネタが多いんか…20thラストとか…今回の6章とか…
『ぷよテト』の脚本で、エックスを通してエコロをも語っていたことが判る。『ぷよ!!』時点で《エコロは可哀想》という意図の脚本だったのが確かなことも。
また、同脚本家はやはりツイッターで、「少なくともセガの「ぷよ」の世界のコンセプトのひとつは、真の悪者がいないこと」で、自分はそれが大好きだとも幾度か述べていた。
そうだろうか? 『7』のエコロは、コンパイル時代まで含めたぷよ全シリーズ通して最凶の悪だったと思う。間違いなく悪意を以て行動していたし、その証拠に、人を苦しめて楽しんでいた。だから、騙した全員にコテンパンにされたのは当然の帰結である。バイキンマンだって悪いことをすればアンパンマンにぶっとばされるのだ。
しかし『ぷよ!!』はエコロの悪を《無かったこと》にした。ご丁寧に記憶を消したうえ、可哀想だという擁護オプションまで付けて。
悪者がいないのは「セガぷよ」だと限定しているが、コンパイル時代を含めても真の悪者はいなかったと思う。(この場合、魔導シリーズは除く。)なにしろコメディだから。ただし善でもない。サタンは我欲のために世界を灼熱にしたこともある。しかしサタンが愛されるラスボスであり続けられたのは、彼の憎めない性格も勿論あるが、毎回きっちり懲らしめられていたからだ。造った物は壊され、アルルとカーバンクルにキツ〜くフられたり、カッパはげにされたり。明快な勧善懲悪コメディとして楽しめた。
悪事も懲罰も不自然に歪めて無かったことにしたうえ、同情まで煽る。これは卑怯ではなかろうか。愛嬌を持たせて愛される悪役への移行を目指すにしても、悪は悪のままで、また悪いことをしたら懲らしめる。それでは駄目だったのか。
筆者はそう感じ、今でも、魚の小骨のように引っかかりが取れない。しかし製作側は誇りと自信を以て、セガぷよに一人も悪者はいたことがない、エコロは可哀想なんだと主張してやまない。
一人称は「ボク」。相手のことは「キミ」と呼ぶ。基本はアルルの口調と同じ。ただ、『ぷよ!!』以降はアルルよりもいささか幼稚な雰囲気で、「ばーか」「べーーー」と罵ったり、「わーわー」だのの擬音も多く口にする。
アルルとりんごには「ちゃん」付けをする。サタンを「おじさま」と呼ぶ。
りんごと同じく「人名を覚えるのは苦手」なのか、『ぷよ!!』時点では妙なあだ名で呼ぶことが多かった。アミティは「「もみあげ はねこ」さん」、フェーリは「「まえがみ そろいこ」さん」、レムレスは「「あめだま なめたろう」さん」、ドラコは「「しっぽ はえこ」さん」、ウィッチは「「ぼうし とがりこ」さん」、どんぐりガエルは「まるいいきもの」。
エコロ曰く、アルルはガンコで扱いづらく、りんごの肉体の方が具合がよさそうだとか。りんごの精神力はアルルより低いということ?
恐らくアルルと同等の潜在能力を秘めているのだろうアミティの肉体を全く狙わないのは不思議だが、あるいは、既に試して失敗しているのかもしれない。『7』のアミティが軽い記憶喪失になっていたのは、その影響だったりして。
『7』で「だいへんしん」すると、ちゃんと「子供」「大人」になっていた。十万年以上生きているサタンは「だいへんしん」しても角の大きさが変わる程度で年齢が変わって見えなかったが、エコロは若いということなのか。それとも、子供や大人の姿を《模倣》しているだけなのだろうか。『ぷよ!!』ではサタンをおじさま(おじさん)呼ばわりしていたので、彼よりは若いのか?
ダークアルルの項目に書いたように、元ネタの一つは『ぷよぷよ〜ん』のドッペルゲンガーアルルだと思う。ドッペルゲンガーがイギリスの伝承では「人の物真似をする魔物」とされている点にも注意したい。エコロは連鎖ボイスで「イミテーション(物真似)」と言い、連鎖カットで他キャラの姿を真似る。ドッペルゲンガーの伝承に想を得てのことだろう。『7』時点のテキスト上の口調がほぼアルルと同じなのも、原型がドッペルアルルだからだと思う。
その他、セガのDC/PS2ゲーム『スペースチャンネル5 パート2』のラスボス、パージが元ネタだとする説もある。ゲームプロデューサーが同じであることと、声優、一部台詞、頭部のシルエットなどが同じ・似ているからだという。
10/31生 さそり座 血液型?
特技:魔法薬作り 好き:? 苦手:?
旧シリーズキャラクター。『ぷよ7』に台詞無し・操作不可で登場し、『ぷよ!!』から本格参入した。
ぷよ勝負を繰り返しているうちにプリンプタウンに転移。帰還方法は探していないらしく、すぐに生活のため魔法薬の販売を始めるなど、誰よりも生活力旺盛。
「ウィッチ」は本来、種族(氏族?)名で、個人名ではない。
コンパイル晩期に後付けされた真魔導設定では、これを《ウィッチは魔女族の見習いを総称する仮の名で、一人前になると真の名を授かる》とした。ぷよフィシリーズでもこれを採用しており、『ぷよ!!』のポポイのまめちしきでそう語られた。
ぷよフィシリーズから新たに追加された要素が多い。
まず一つめ。
趣味が悪い。『ぷよ!!』ではアルルやシェゾが悪趣味だと評したDXサタン城を「おどろおどろしくて とってもステキな おしろ」だと褒めていた。WEBラジオ『ぷよかなクラブ!!』漫才デモによれば、とっておきの服は「魔力倍増・落ち武者の鎧」。血のような赤い染みのついた白い胸当てだという。『ドラマCDぷよぷよ Vol.1』では、サタンが鬼ヶ島を改装して造った、シェゾ曰く「とんでもなく悪趣味なカーバンクル型の城」に「まあ♥ もっちりしててステキですわ」とうっとりした。
魔力絡みのもの、異質なもの、特に猟奇的で不気味なものが好みのようである。ホラー映画など観たがるに違いない。
近似の傾向として、効果が不気味で非実用的な魔法薬の製作・販売を好む。そのため、薬はさっぱり売れない。
二つめ。
『ぷよ!!』にて、長年かけたアリ塚の観察日記をドラコに燃やされて怒っていた。つまり、異世界に持ちこめたほど肌身離さず持っていた。同様に「おばあちゃんの魔法薬秘密レシピ」というノートも携帯している。
旧シリーズ設定が適用されているならば、「おばあちゃん」とは、魔女族の長・ウィッシュのことだと思われる。66歳ながら孫とさほど変わらぬ外見を魔導で保った、白髪碧眼の物静かな女性だ。魔導物語シリーズのみのキャラなので、版権の問題で今後も名前は出せないだろうが。
三つめ。
金銀財宝を好む。身を飾りたいからではなく、金銭的な意味かららしい。『ぷよ!!』ではピカピカの真珠と引き換えにさかな王子を捕獲。『ぷよ!!』Webオリジナル漫才デモでは、金銀財宝目当てで美少女コンテストに鼻息荒く参加していた。
この要素はラフィーナと近似である。ウィッチの場合は、魔法薬で商売をしている→商人→金銭にがめつい、という連想からの設定だろうか。金銭へのがめつさならば同人設定としては旧シリーズ時代からあるものだが、公式としては新規要素である。
なお、旧シリーズ時代でも、たとえば『わくぷよ』で「全ての美しいものは このわたくしのために ありますの」と言ったことはある。しかしここで言う「美しいもの」とは、どんなものかも謎の「すっごい魔法のアイテム」と「シェゾの着ている服」であった…。シェゾの服を欲しがった理由は、高名な魔導師の服だからか、デザインが気に入ったからか、シェゾ個人への恋着なのか、解釈の余地はある。いずれにしても、この頃のウィッチは金銀財宝好きというよりは、別の価値観で美しいものを求めていたように見受けられる。
四つめ。
ドラコと仲が良い?
『ドラマCDぷよぷよ Vol.2』にて、頭を叩くと火を吐く便利な知り合いがいるからマッチは要らないと豪語。同脚本家の『ぷよテト』で、ドラコの頭を叩いて怒った彼女に火を吐かせていた。
火なんて魔法で簡単に出せるのに、どうしてドラコの頭を叩くのか? 不合理だ。
魔導物語シリーズのウィッチとドラコは、恐らく《美少女キャラ》のくくりで同一フロアに出現したり二人一緒に囚われていたり、セット的に扱われていた面もあるにはあるが、エピソード的に仲がよかった(深く絡んだ)試しはない。つまり、プリンプに来てからこうなったということになる。
異世界暮らしがなんだかんだ不安で、同じ世界から来たドラコに構いたがるようになったのかも?
一人称は「わたくし」。相手のことは「あなた」「アナタ」と呼ぶ。知り合いは、基本的に名前に「さん」付けする。「〜ですわ」といったお嬢様口調で、高笑いを好む。
『ぷよ!!』のまめちしきで語られたウィッチの名前設定が、コンパイル時代の真魔導設定に由来することは前述したが、真魔導設定だと彼女の一人称は「わたし」と定められていたのに対し、こちらは「わたくし」。これは真魔導以前のぷよ本伝シリーズでの設定である。
挨拶は「おいっス」。昭和に活躍したコントグループ ザ・ドリフターズのいかりや長介が、バラエティ―番組『8時だヨ! 全員集合』で行っていた、観客とのお決まりの挨拶を出典とする。
◆ウィッチと魔法薬について。
ウィッチは本来、魔法薬を作るキャラではなかった。
ただ、一般認識としては「魔女」は魔法薬に親しいものだ。恐らくその連想からだろう、小学館の学習誌で連載されていた商業二次漫画『とっても! ぷよぷよ』では、魔法薬の店を構え、時には自ら売り歩くという個性が加えられ、怪しげな魔法薬で騒ぎを起こしていたのである。
この要素はコンパイルでの魔導・ぷよシリーズ晩期になってゲーム本編にフィードバックされていった。『ルルーの鉄拳春休み』が最初だと認識している。この頃は魔女の塔にこもって魔法薬やカレールーを作り、時に魔物商人(ももも)の店に卸しているという描かれ方で、『とっぷよ』的に自分で店を構えて商売しているように描かれたのは、最晩期の『アルルの冒険』のみである。
これらの合間に発売された『ぷよよん』のウィッチは、強引な薬材収集を目論むマッドサイエンティスト風味の人物に描かれていた。『ぷよ!!』のウィッチが怪しげな態度で薬材を収集して回るのは、これを踏襲しているのだろう。尤も、商魂たくましく怪しい薬を売りつけようとする辺りは、『とっぷよ』版にとても近いと感じる。
以下、ぷよフィシリーズ(ゲーム本編外で配信されたデモ含む)のウィッチが作った・作ろうとした薬。
◆ウィッチの恋愛について。
旧シリーズ晩期、ウィッチとシェゾをカップリング化しようとする動きが、一部製作スタッフ間にあったのは事実である。
契機となったのは恐らく『ぷよSUN』。ここでウィッチが「あなたが欲しいっ、ですわ!」とシェゾの服を欲しがったこと、加えて、その前の昼寝時に「愛してますわ」と寝言を言ったことから、実はシェゾに気があるんじゃないかとの解釈が生まれ、カップリング人気が高まったのが下地の一つだろう。
『魔導物語 魔導師の塔』『セリリのはっぴーばーすでぃ』(プランナー兼脚本家同じ)では、ウィッチとシェゾは理解し合い世話を焼き合う男女に描かれ、『白熱! ぷよりんぴっく!』や『わくわくぷよぷよダンジョン』では、ウィッチが一方的にシェゾを「ステキですわぁ〜!!」「あなたの服も ここの魔法のアイテムも 全てわたくしの物ですわ」と追い回す風に描かれた。そして最晩期の『アルルの冒険』になると、シェゾとアルルのいつもの関係にウィッチが鼻息荒く割り込んてくる、三角関係的な形に至ったのである。
しかし、ぷよフィシリーズのウィッチにその気配はない。『ぷよ!!』にてシェゾの髪の毛を薬材として欲しがったり、ペアぷよ勝利ボイスに『SUN』パロディの例の台詞が用意されていたりはするものの、恋愛の含みは全くない。
そう断言できるのは、『ぷよ!!』と同脚本家がWEBラジオ『ぷよかなくらぶ!!』用に書いたドラマにて、恋をしたことがないので(?)、恋愛感情が理解できないと、ウィッチ本人に言い切らせているからである。
ルルー
乙女の魅力を引き出す、最終手段。
それは、恋をすることよ!
ウィッチ
恋?
ルルー
そう。
愛するサタン様のことを想うだけで胸はときめき、心が潤い。
自然と魅力的になっていくものなのよ。
ああっ、サタン様ぁ〜〜♥
ウィッチ
その理屈は、イマイチ分かりませんが…。
えーと。それでは、このわたくしもその…『サタン様ぁ〜』に恋をすればよろしいのかしら
ルルー
蹴り飛ばすわよ!
ウィッチ
びょえ〜!?
な、なぜですか。言われたことを真似しようとしてみただけではありませんの
ルルー
恋っていうのは、そういうことじゃなくてよ!?
世界中のたった一人。運命の人を想い焦がれるピュアなパッション!
ウィッチ
激しくピンときませんが
旧シリーズで一時は大きく扱われていた、恋愛の含みを持たされたシェゾへの偏執が、ぷよフィシリーズでこうもスッパリ否定されたのは、ぷよ本伝たる『ぷよぷよ〜ん』に、この要素が採られていなかったからなのだろう。即ち、黒歴史になったのだ。
今後、ぷよフィシリーズのウィッチが誰かに恋をすることはあるのだろうか?
担当声優が、びっくりするほど贔屓されている。あらゆるイベントやWEB番組にゲスト出演し、ヒロインキャラ達と並んで主題歌を歌う。ドラマCDぷよぷよシリーズではヒロインたちを差し置いての皆勤賞で、不自然な出番が作られ続けた。
明らかに、どのキャラの声優よりも突出して扱われている。ウィッチは脇キャラに過ぎず、声優は無名の新人。なのにこの猛プッシュは何事なのだろう。ぼんやり情報を見ていた自分が「…!?」と感じるようになったレベルだった。
アミティ/ラフィーナ/シグ/クルーク/リデル/タルタル/アコール先生/ポポイ/フェーリ/レムレス/バルトアンデルス/おしゃれコウベ/さかな王子/オトモ/ほほうどり/ユウちゃん/レイくん/ゴゴット/どんぐりガエル/おにおん/おに子/こづれフランケン/あくま/あやしいクルーク/ぷよぷよフィーバー界の世界設定
アルル/カーバンクル/スケルトンT/ナスグレイブ/すけとうだら/ドラコケンタウロス/ウィッチ/ぞう大魔王/シェゾ・ウィグィィ/ルルー/サタン
《ちきゅう》、または《チキュウ》と称される世界。漢字で書けば《地球》なのだろう。
りんごの名前や制服、家のある商店街の景色等見ていると現代日本であるように思えるが、世界各地の七不思議スポットを、中学生や異世界人が気軽に電車(直通急行)に乗って巡ることが出来てしまうので、似ているが異なる世界らしい。絵本の中の箱庭世界を連想させられる。
隣町へ行くノリで海外へ電車一本で旅行できる発達した科学技術。パスポートを必要としない国家統一性。中学生のお小遣いで一文無しの仲間さえ連れて気軽に海外各地へ行ける物価。相当に豊かな世界なのだと思われる。
『ドラマCDぷよぷよ Vol.3』は《ちきゅう》が舞台だったが、UFOに乗ったグレイタイプの宇宙人が学校傍に浮かんで交信し、骨格標本が動いてペラペラ喋り、老婆が老人会の余興で車道を走る車の上を跳んで渡ることを目論み、幼女が人生に迷って泣き、ツチノコが部室で飼われていたりと、かなりどぎつく悪ふざけ的な《異常な世界》として描かれていた。尤も、この異常さにいちいち驚くのはまぐろくらいで、りんごやりすくまは平然としている。どちらの反応がこの世界の《普通》なのだろうか。
なお、脚本家はツイッターにて、『7』キャラ達のことを「全員静かに狂いすぎてどこから触っても事故になる」と述べていた。
『7』では世界のミステリースポットを巡り、ドラマCDでは宇宙人やツチノコや喋る骨格標本が現れるなど、UMA(未確認動物)や都市伝説〜学校の怪談的なものをモチーフにしがちな世界観のようである。
魔導世界は海外幻想文学(RPG含む)と海外映画とアニメ・漫画・格闘ゲームパロディの成分が強い、剣と魔法とたまにメカの世界で、プリンプはそうして熟成された魔導世界の上澄みを取り込んだ似た感じのファンタジー世界だった。しかし《ちきゅう》は明らかに《世界が違う》。ファンタジーではなく《オカルト》パロディの世界であると、現時点では感じられる。
すずらん中学校
りんごの通う学校。鉄筋コンクリート四階建ての、なかなか立派な校舎。屋上からの景色を見る限り、そこそこの地方都市にある感じ。近くに海と、海峡に架かった橋らしきものが見える。
物理部や科学部があること、立派な体育館があること以外は不明。ぷよが降ってきたとき、りんご・まぐろ・りすくま以外、生徒も教師も一人もいなかったのも謎。
エンディングの会話から量るに、購買部があって、昼食はそこでパンを買うらしい。つまり、給食が実施されていない。
オープニングの様子を見る限り、りんごが《ぷよ》を見たのは、この時が初めてだった。にも拘らず、この校庭には積み重なったぷよをモチーフにした巨大なオブジェがある。ちなみに、クルーク戦の場所(駅前?)にも大きなぷよオブジェがあるうえ、そもそも、りんご自身がぷよを象った髪飾りを着けている。かなり設定がテキトー…もとい、シュールだと思う。
『ドラマCDぷよぷよ Vol.3』によると、茶道部、軽音部、相撲部、新体操部、アナログゲーム部、そば打ち部、プラナリア愛好部、砂団子作成部があるという。その全てにまぐろが何らかの形で参加している。
物理部には喋る骨格標本や飼いツチノコ、自律するりすくませんぱいロボがおり、校舎のすぐ外をUFOがうろついている。
すずらん商店街
りんごの実家・安藤青果店や、まぐろの実家・魚佐々のある商店街。昭和からそのままという感じの佇まい。ガラポンの福引を行っていて、熱海ペア旅行やミカン一箱などが商品。
『ぷよテト』によれば、近くにショッピングモールができたので、客足の確保に必死なのだという。しかし今のところ、人通りは多くて寂れた様子はないようだ。
この商店街のある町からは、世界各地へ電車一本乗りっ放しで行ける直通急行が出ている。クルーク戦の場面背景に見えるのが駅舎ならば、かなりメルヘンな作りで観光地っぽい。
シーサイドパーク
『ぷよテト』で迷子のエスが発見された場所。
海の側の公園で、こじゃれた街灯やベンチがある。海には大きな橋が架かっているのが見える。すずらん中学校の屋上から見えていた場所と思われる。
ネス湖
《ちきゅう》が強いエネルギーを発している、世界の七不思議スポットの一つ。ドラコと対戦。ウィッチとハーピーを目撃。
Wii/PSP版から背景画像にスプライトアニメーションが追加され、湖面をネッシーがウロウロしているようになった。しかしデモシナリオは変化なく、アミティが「「ネッシー」って……ほんとうにいるのかな?」と言っている。いるよ、いるいる。あなたの後ろをめっちゃ泳いでる!
エジプト
《ちきゅう》が強いエネルギーを発している、世界の七不思議スポットの一つ。ピラミッドとスフィンクスがある。砂漠に一本ずつ ぽつんぽつんと椰子の木が生えている。シェゾと対戦。
ヒマラヤ
《ちきゅう》が強いエネルギーを発している、世界の七不思議スポットの一つ。すけとうだらと対戦。
…え? りんご、その軽装で雪山に登ったの?
NDS版の時点から背景に大きく雪男の姿が見えるが、その場の全員がスルーしていた。Wii/PSP版ではウロウロとアニメーションで動き回って自己主張しているので気になる。
イースター島
《ちきゅう》が強いエネルギーを発している、世界の七不思議スポットの一つ。巨像モアイが立ち並んでいる。ルルーと対戦。
エリア51
《ちきゅう》が強いエネルギーを発している、世界の七不思議スポットの一つ。UFOの秘密が隠されているとされる場所。(現実には、戦闘機の機密実験が行われているとされるアメリカの空軍基地。)Wii/PSP版では上空をアダムスキー型宇宙船が高速で飛びまわっている。サタンと対戦。
バミューダトライアングル
《ちきゅう》が強いエネルギーを発している、世界の七不思議スポットの一つ。カーバンクルと対戦。難破船がゴロゴロ。
海上のはずだが、どうやって電車一本で行き、どんな位置に立ってぷよ勝負をしたのか気になる。
ストーンヘンジ
《ちきゅう》が強いエネルギーを発している、世界の七不思議スポットの一つ。ダークアルルと対戦。
ここで時空の歪み的なものが拡大、必死にエコロに抵抗したアルルの計らいで、りんごはプリンプタウンに移動した。
プリンプタウン
ぷよぷよフィーバーシリーズの基本的な舞台。『ぷよ7』でも終盤はそこが舞台となった。プリンプ魔導学校、広場、森(ナーエの森?)が登場。
学校を通り抜けた割に教師も生徒も全く現れない。
森の向こうには険しいジグザ峠の上にそびえるタトゥーンダ城(?)が見える。
『ぷよテト』にて、ちきゅうとプリンプタウンの通路が発見されたそうで、いつでも行き来できることになったようである。黒歴史化しなければ。
へんな空間
エコロがりんごを引き込んだ場所。最初は、コウモリ羽のぷよのオブジェが並んだ暗い道のような場所だったが、アミティが仲間を連れて現れた途端、《宇宙空間に移動した物理部室、みたいな場所》になった。《怖い場所へ続く知らない道》が《りんごのホーム》に変わったという、心理的情景なんだろうか?
主な参考資料:PSP『ぷよぷよ7』、PSP『ぷよぷよ!! Puyopuyo 20th anniversary』、ぷよぷよシリーズ総合公式サイト、Webラジオ『ぷよかなクラブ!!』(WAVE MASTER)、PSV『ぷよぷよテトリス』、ドラマCDぷよぷよシリーズ