魔導物語はなまる大幼稚園児

製作/コンパイル 企画・発売/徳間書店インターメディア(96/01/12)
SFC

SF魔導物語 はなまる大幼稚園児

 『魔導物語1』のリメイク作、徳間書店版。最も派手にメディアミックス展開を見せたソフトのような気がする。後が続かんかったケド……(^_^;)。

 ちなみにコピーは「ぷよぷよRPG」。『魔導』というタイトルが付いてはいるものの、他の機種の『魔導1』とはシステム的にもストーリー的にも大きく異なっている。漫才デモが付いているというのがウリで、全ての敵キャラとの遭遇シーンに『ぷよ』風の漫才デモが挿入されている。

>>攻略メモ

◆ストーリー

 もうすぐ、アルルは魔導幼稚園を卒園します。卒園の時には幼稚園の敷地内にある魔導の塔で試験を受けることが出来て、それで合格するのは魔導師志願のみんなの憧れ。でも、試験を受けるにはまず受験資格を得たという認定証が必要なのです。

 ある日、アルルの家に不思議な手紙が届きました。古代魔導文字で書かれたそれは、実は園長先生が園児全員に出したもの。おばあちゃんに読んでもらうと、集めれば願いのかなう秘石の在り処について記した地図だと分かります。認定証が欲しいというお願いをかなえたい。アルルは冒険を始めます。

 途中で立ち寄った「サタンさまのお屋敷」から脱走したデビル君が乗り移り、やさしい園長先生がおかしくなってしまったこともありましたが、アルルはそんな事件やすけとうだらJr.軍団の妨害をかいくぐって、ついに認定証を手に入れたのでした。

 こうして卒園試験を受けられることになったアルル。ついに「魔導の塔」に挑みます。ところが、用意されていた試験のラスボス・腐導師に、デビルくんが乗り移ってしまいました。果たしてアルルは勝ち抜いて、試験に合格することができるのでしょうか。

 

 シリーズに透徹されてきた3Dダンジョンではなく、普通の2Dマップ式。ちまちまっとしたキャラがとても可愛く、女の子向けだと評判のゲーム。……個人的には、戦闘中、ステータス代わりに延々とくねくね動くアルルはかなり……アレなのだが。可愛いけどね。

 このゲームだけのオリジナルキャラクター、園長先生とデビル君には、レアな人気がある模様。

 

 通常の『魔導1』は魔導塔の中での冒険を描いているが、このゲームでは魔導塔に挑めるようになるまでの過程がメインで、実際、魔導塔は付け足しに過ぎない印象がある。

 キャラクターの設定的には、アルルのおばあちゃんが魔導師(古代文字が読める)とか、母子家庭だとか、割とアルル自身の身辺にも立ち入っている。

 ちなみに、結局没になったエピソードとして、サタンはかつてアルルの母を「私のファンクラブに入れ」と勧誘していたが、(要するにハーレムに入れってコトだよね……妾妃の一人か。)あっさりフラれてアルルの父と結婚されてしまった……というのがあったらしい。見たかったなー。→没版のプロローグデモ

 このゲームでは、アルルとサタンはアルルが幼児のときに、それも友好的に出会った、ということになっている。スーパーファミコンという当時もっとも一般に普及していたゲーム機種ゆえか、『ぷよぷよ』と『はなまる』しかやった事がないという人は当時多かったらしいが……。アルルとサタンの関係を、これを基本にした非常に穏やかなものに捉えていた人も多かったのではなかろうか。

 

 『魔導』としては珍しく、オートマッピング機能がついていない。しかし迷宮は結構複雑なので、自分でマッピングしていないと迷うかもしれない。

 ストーリー上集めなければならない「秘石」の他に、読むと魔法を覚える(レベルアップする)「プレート」、更にそのプレートを最終的に全て読むために必要な「オーブ」があり、また、遭遇した魔物は自動的に「大百科」にファイルされるなど、コレクション性に重点が置かれている。これらや、ストーリーの進行度を「日記」でチェック出来る点は後のシリーズでも採用されている。

 同じように後のシリーズ(『アルルの冒険』)で復活した、「アクションアイテム」――使い方によってストーリーが開けたり、コレクションアイテムが手に入れられるようになるアイテム――は、なかなか楽しいアイディアだと思った。

 

 ちなみに、唯一韓国版が発売された家庭機種版『魔導』……の、はずである。

 

>>はなまる大幼稚園児アルルの日記

///このゲームを入手し、項目を書くにあたっては、清老頭さんに大変お世話になりました。有り難うございました。///

魔導物語Ⅰ

製作・発売/コンパイル(96/03/22)
MD

魔導物語1  MD 【メガドライブ】

 音楽・パッケージなど、オリジナル魔導のものを非常に忠実に再現している。しかし内容的にはゲームギア版『魔導Ⅰ』のリメイク作ともいうべきもので、最も正統的に”進化”した『魔導1』だと言える。

 メガドライブの終末期に発売され、「メガドライブ最後のRPG」をうたっていた。……なんか間が悪いなぁ。MSX-2『1-2-3』といい、セガサターン版『魔導』といい……。

>>攻略メモ

◆ストーリー

 アルルは暗い迷宮の中にいました。目の前に立ち塞がる影。大きな翼と角を持つその魔物の強力な魔法の一撃に、アルルは……。

「――こりゃ、起きんか!」

 アルルは目を覚ましました。目の前で園長先生が怒っています。そう、今は魔導幼稚園の卒園筆記試験の最中だったのでした。……でも、こんな難しいの分からないよ。アルルは適当に鉛筆を転がして受けることにしました。

 魔導幼稚園では、毎年とても厳しい卒園実技試験を行います。幼稚園の遊び場に建っている塔に入り、イリュージョンモンスターや仕掛けをかいくぐり、課題を解かねばなりません。そのため、実技試験は全ての園児が受けられるのではなく、筆記試験に合格した者だけが挑戦を許されるのです。


 実技試験の日。なんと、今年実技を受けられるのはアルルだけだ、と先生が発表しました。アルルは筆記でとても優秀な成績を収めたというのです。
(鉛筆を転がして受けたのに……)
 とにかく、アルルは試験を受けられる事になりました。どきどきするけれど、がんばろう!

 塔に入り、早速進み始めたアルルの前に、一人の男の子が現れました。
「あれ? カミュせんぱい!」
 二年前に卒園したカミュ先輩が今年の試験官でした。先生の代わりにアルルの行動をチェックして、先生に報告するのです。彼に励まされて出発したアルルでしたが、突然、壁をぶち破って女の子が現れました。
「ラ、ラーラちゃん?」
 ポニーテールの可愛い彼女は、アルルと同級生のラーラ。筆記試験の日、風邪でテストを受けられなかった彼女は、アルルの邪魔をしようと乗りこんできたのです。ところが、「そんなことはさせないぞ」と飛び出してきたカミュを見て、ラーラの目はハートマークになってしまいました。カミュ先輩はラーラの憧れの人だったのです。
 かくして、ラーラは迫力に押されて逃げ出したカミュを追いかけていってしまいました。もうアルルの邪魔はどうでもいいみたいです。


 アルルそっくりのワルルのせいで泥棒の濡れ衣を着せられたり、ペンギンを引き連れた女王様に伝説のアクセサリーについて尋ねられたり。
 時にカミュの助けを借りながらアルルは塔を登って行きました。
 ところが。

「ほう……伝説のアクセサリーをそろえるとは、大したものだ」
 最上階で、突然アルルの前に影が立ち塞がりました。大きな角と翼を持っています。
「せんぱい、これも試験なの?」
「違う、こんな話は聞いていない!」
 アルルをかばって魔物に立ち向かうカミュ先輩でしたが……。

 

 絵がすごく可愛いー。カラフルでよく動いて楽しい。ただクリアするだけではなく、点数がつけられて、規定点以上取れていないとクリアできても合格にならない。何度も楽しめる趣向というわけ。ちなみに満点を取るとサウンドテストを楽しめるようになる。MD魔導物語

 戦闘は格闘ゲームよろしくリアルタイムのコマンド入力式で、キャンセルなんかもされてしまう。……なんか結構コマンド忘れて困ること多かったな……しょうがないので常にメモを開きっ放しにしていた。(ホントはボタン操作で画面にコマンド表示できるんだけど。)

 

 アミーゴカプセルで魔物を捕らえると、自キャラとして操作することが出来る。結構面白かった。しかし、アイテムの説明が出ないので、その辺はまだ不親切かも。

 アイテムや戦闘用以外の魔法をなんとなく戦闘中に使ってみると、思いもよらない効果が現れたりして、かなり細かく熱心に作ってあるなぁという気がした。

 カミュ先輩、ラーラはとても楽しいキャラなので、新作への再登場を期待していたのだが……。

 

 ……なんか一連の『魔導1』の中で一番アルルが「ぽや〜ん」としてるような気がするのは気のせいだろうか。初期の魔導のアルルには並々ならぬ決意がみなぎってたのにね。時代かのぅ……。

 

 このゲームを最後に、『ぷよぷよ通』(SFC、MD、SS)、GG『魔導Ⅲ』、GG『魔導A』と、中期ぷよ魔導で多くアルルの声を担当していた井上麻美さんが降板した。

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