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以下は、キャラクターへの感想です。ほぼツッコミ(苦笑)。気楽に読み流していただけるとありがたいです。

りんご、まぐろ、りすくま

『ぷよ7』での彼らは、どうにも浅くて掴みどころがない、上滑りして気持ち悪いと思ってたんですが、今作では普通でした。シナリオライターさんの力量だと思います。イベントで、この三人は比較的自由に書けたと仰っていたそうですね。

 

りんごは、前作での自己完結解説風台詞やメタ台詞、変な言葉を意味なく口にして間を埋める安易さが少なくなり、上滑り感が無くなっていてよかったです。おばあちゃん子だとか、幽霊が超が付くほど苦手(その原因もおばあちゃん)だという個性が追加。あとこの子、自分の主張を通すために真顔で嘘つくんですね(苦笑)。いつも持ってる林檎の実はおばあちゃんの形見だとか。嘘に限らず、シラッとした真顔で色んな応対をするのが面白かったです。

それと、まぐろとの以心伝心・意気投合ぶりが強化されて、ほぼカップル確定の扱いなのは目を引きました。彼らの間でのみ伝わるものが多過ぎて他人は入り込めないとゆー。おしどり夫婦……と言うより、電波カップル二歩手前? それ自体がギャグにもされていて、楽しかった。

ところで、いつも持ってる林檎の実は結局何なんでしょう? 「おばあちゃんの形見」なんてあからさまな嘘をついて、スイーツ欠乏でフラフラのレムレスに懇願されても手放しませんでした。主人公キャラたるりんごが単にケチだったり冷たかったりするとも思えないので、よっぽど大事なものとか、実は食べ物じゃなくて林檎に見せかけた何かなのだとか……。妄想は広がるなぁ(笑)。

 

りんごは、「まえから おもっていたのですが その星空のハネムーン☆とか ももいろパラダイス♪って ぐたいてきに なにをするのでしょうか?」とサタンに訊いて、「なっ なんてことを いわせようとしているんだ! けしからん!」と怒らせます。でも「ももいろパラダイス」って、元々『ぷよ7』でりんごが言ってたことじゃないかという、魔導大事典に送っていただいた投稿を拝読して思ったんですが。

……えーとつまり、りんごは「ももいろパラダイス」の意味するところを充分知っているのに、サタンをからかうためにカマトトぶって意味を尋ねたんでしょうか、シラッとした真顔で。とんでもねー女子中学生ですね。

ちなみに『ぷよ7』での会話は、こんなでした。

サタン「たわけ! おまえは ムゲンの ぷよ地獄ゆきだ!」
りんご「地獄はいやだな ゆくなら ももいろパラダイス!!」
サタン「んも! ももいろパラダイス! それはよいぞ!」

「桃色、ピンク」に性的な意味があるのは日本だけで、外国ではそれぞれ、黄色だの青だのの違う色がその意味を持つそうです。日本語だと性的な意味の他に「桃源郷」の意味も多重込めできると思うんですが、もし海外版が出るなら、どう訳されるんでしょうね。

 

りすくま先輩は、「人生相談コーナー」というストーリーに意表をつかれました。面白かったです。

ただ、リデルに向かっての暴言にはドン引きました。

じしんがなかったり ひっこみじあんだったりを なおしたいと もうすなら
せいかくばかりは かえられないので へやからでるな

うわぁ……。さ、流石に笑えないぞ(大汗)。どんぐりガエルにも「「ねているあいだに はこづめにして うみにながす」が せいかい 」なんて不穏なこと言ってましたし。殺人でも勧めてるの?

こんな風な感想を書くと、「ギャグなんだから目くじら立てなくても」と思う人は一定数いると思います。それはそうだとも思います。でもまあ、見逃してください。(^ ^;)

たとえば、もじもじしてなかなか相談できないリデルを前にりすくまがキレて「言いたいことがあるなら言いたまえ、ああ背中がむずむずする」なんつってどっかーんと暴れる、とかだけなら、あらら先輩ったら短気だねアハハと笑って見れたと思うのですよ。

なんで、こんな可愛さやコミカルさがウリの娯楽用ゲームで、わざわざ「性格は変えられないから部屋から出るな」なんて破滅的な台詞を、フォローも無く言わせるのか、ってこと。これが引っかかったのでした。

世の中に自信がなかったり引っ込み思案だったりする人は沢山いると思う。このゲームを遊んでいる人の中にも。そこで「性格は治らないから部屋から出るな」とまで言っちゃうのかと。ギャグじゃねーわこんなの。……と思ってしまったのですが、Webを見渡しても気にしている人はいないっぽいですし、私がおかしいってことみたいでしょんぼりです。仕方ないか。

 

りすくまは、前作の時点で、「あんがー、ふんぬー、どどどどど…」と、どーでもいいことでむやみに怒っているキャラではありましたが、ここまで軽挙妄動な人だったとは。

《闇の魔導師》という肩書きで基本敵ポジのシェゾだって、内気な女の子にここまで言ったことないですよ。むしろセリリにかなり気を遣ってましたよね。(あ、あれ? なんか急に、シェゾがものすごく優しい男に思えてきたぞ。)

 

こういう短気な人だから丁寧な作業ができずに、実験でやたらと爆発なんて起こすのでしょうか? 科学部部室を破壊して使用不可にし、間借り先の物理部でも爆発で異世界転移。なのに反省してなさそうです。りすくまのせいで後輩たちが異世界に飛ばされたのに一言も謝らないし、また、りんごたちも全く責めないからなぁ〜。

りんごたちが責めないのは立派だと思いますが、りすくまが他人事みたいな顔してふんぞり返ってるのは謎だと思いました。最初にりんごに付いてアルルに会いに行った以外、帰る方法を探ろうとすらしてないし。

……ああ、いや、シェゾの住み着いた水晶の洞窟に入りこんで実験してたのは帰る方法を開発するためだったのかな? まめちしきで、りすくまは実験に使うぷよを集めてると言ってましたし。単に自分の趣味なだけ? 皆さんはどう思いました?

 

それはそうと、勝利立ち絵で頬袋をモゴモゴ動かしてるの、最初見たとき何かと思いました(苦笑)。ヒマワリの種とか胡桃とか溜めてんのかなー、非常食として。好物は煮魚だそうですけど。

この人やっぱ、普通の人間じゃないですよね。何者なのでしょう。尤も、前作ではアミティやレムレスに「見たことのない生き物」だと珍獣扱いされてたのに、今作ではそういうのは一切なしで、フツーに人間として受け入れられていました。

まぐろ編で、まぐろの素顔を見る代わりに自分の「むき出しのもの」を見せようとしてましたが、まさか着ぐるみが脱げて中から別のもの(中の人、どころではない何か…)がむき出しになるとかじゃないですよね(汗)。

 

まぐろは、多分シナリオライターさんがすごく楽しんで書いたんだろーなーと思いましたが、設定盛り過ぎだと思いました。なんだこの中二病的完璧超人(苦笑)。

美形過ぎて誰をも魅了してしまうから普段は顔を隠してるとか、美形ビームで目が合った女子を惚れさせちゃうから目を見るのは禁止されてるみたいなタイプのキャラは、昔からラノベや漫画、アニメにチラホラいたもので。その踏襲か……と思ったら、そのうえ料理もスポーツも趣味のうんちくも異種族理解も凄いんです、ときた。

欲張り過ぎですよ。

作り手の方々は、まぐろをここまで盛ってどうしたかったんでしょう? 或いは、ゲーム趣味は欠点設定のつもりなのかもしれませんが、作中の感じだと《一家言あるまぐろさんパネェ!》と称賛しているように読めます。

それはそうと、魚屋の息子なのに料理上手を示すサンプルメニューはロールキャベツなんですね。オサレなシーフードメニューでも安定の煮魚でもなく。……実は魚嫌いのりんごのために魚肉のロールキャベツを開発したんだヨ安藤青果店のキャベツとコラボだネ、ってところまで妄想しましたが、実際はりんごって魚好きそうです。DHA入ってるし、おばあちゃん子だし。

 

正直、まぐろが超絶美形という設定になったのには驚きました。なにせ私、まぐろのことをキモ系キャラだと認識しちゃってましたから。

だって、目を隠してて、歯をむき出しにしてニヤニヤ笑ってて、ねっとりした気持ちの悪〜い口調なんですよ。前作の時点でキャラ紹介に「オサレ」とありましたから、製作側としては最初からカッコイイキャラのつもりだったのかもしれませんが。《目を出すとイケメン》とかなら納得できても、ああいう風に歯をむいてニヤッと笑う子が、《美しく整いすぎていて、見ただけで惚れてしまう》系のキャラだとは……。衝撃だ…ね★←まぐろのマネ

……ただ、考えてみると「美しく整いすぎ」「ご立派なアレ」と称していたのはりんごだけで、りすくまは「可愛いアレ」と言ってましたっけ。とゆーことは切れ長の目の麗人というわけではないのかも。目が可愛くてキラキラきゃるるんなショタっ子、なんて可能性もあるんでしょーか?

 

それと。まぐろっていつも剣玉を持っていて連鎖ボイスも剣玉の技で、剣玉が大好きなキャラなんだと思ってたら、今作で、大好きなのはゲームブック系のアナログゲームやコンピューターゲームで、剣玉は今のマイブームなだけ、ってことになってて「えええええ!?」と、ちょっと納得できない感じでした。(^_^;)

りすくまに向けてのゲームブックの体験談とうんちくは凄まじく長く、なんじゃこりゃと怪訝に思ってたところ。ファミ通.COMのインタビューを読むに、今作のシナリオライター女史自身が中学時代からTRPG好きだそうで、「(TRPGは)自分の軸のようなもの」と仰っていて。(念のため。TRPGの簡易一人遊び版がゲームブックって感じです。)

なるほど、ご自分の趣味にキャラの方を引っ張ったということか。あのまぐろのうんちくは、シナリオライターさんご自身の言葉なんですね。それで「きちょうひん あつかいされるより ちゃんと こどもが わくわくしながら あそべるものとして でまわってほしい」「こどもの そうぞうりょくが なければ できない たいけんだと おもうんです」「さっこんの アナログアイテムの ねだんの こうとうぶりは ボクの あいした たいけんを こどもから うばっているのではないかと」などと、中学生らしからぬ大人目線の語りになってたのか。

にしても、『ぷよ!!』はデジタルゲームなのに、その中で「デジタルゲームにも それは それで よさがありますが そうぞうりょくにより オリジナルの せっていを こうちくしたり ぐうぜんや いちごいちえの たいけんを てにいれたりすると いういみでは やはり アナログゲームかなと」とキャラに言わせてるのはスゲーと言うか。アナログがお好きなのはご勝手ですけど、比較して「デジタルよりいい」的なこと言わせなくてもいいのになぁ。

納得しましたけど、剣玉が得意なキャラは剣玉への造詣を深めて書いてやればいいのにな、と思ったりもしました。なんで剣玉のうんちくじゃダメだったの?

 

それにしても今作のまぐろの台詞、「★」を語尾に付け過ぎ。(^_^;) しまいに「!?」みたいな記号の後にまで付けてましたよ……。

少なくとも前作では、そこまで「★」を付けて喋るキャラじゃなかったなぁ。次にまぐろが出ることがあったら、台詞の全てに付いてそうですね(笑)。

 

余談ですが。

まぐろの美形ビームはりんごには効かない、という部分を見て、竹本泉の古い漫画『ちまりまわるつ』を思い出してました。

魔法世界の話で、主人公の女の子・ちまりは米太郎ちゃんという幼なじみの男の子が大好き。とても素敵だと思うのに、周囲の人たちは彼を全く評価しません。ところがやむを得ない事情で彼がメガネをとると、今までスルーしていた人々が男も女も群れ集まってベタベタする。彼は生まれつき《カリスマ》の魔法体質の持ち主で、中学に上がった頃から力が強くなりすぎてしまい、普段は魔法のメガネで封印していたのでした。でもちまりだけはメガネをかけていてもいなくても変わったように感じられません。すると米太郎は微笑んでサラッと言ったものです。それも僕がちまりを好きな理由の一つなんだけどね、と。

この漫画が好きだったので、《美形ビームが効かないから、まぐろはりんごが好きなんだ》と勝手に脳内補完されてしまいました。でもよくよくテキストを読み返したら、まぐろは特にりんごへの特別な感情は見せてない……ですよね。どっちかというと、りんごに「長い付き合いだから今更まぐろに何も感じない」的なこと言われてビミョーな空気になってるし。

しかし私の脳内では、まぐろくんは顔に惑わされず素の自分に付き合ってくれる、幼なじみのりんごちゃんが大好きだってことになっています(苦笑)。だからご飯も作ってあげて餌付けしてるのさー、なんて。ヤレヤレですね。

ちなみに、『ぷよ7』でりんごが「自分の夢は人には話せない」と言ったのを見て、反射的に「世界征服?」と思ったのも、竹本泉の漫画にそういうキャラがいたからでした(笑)。そのキャラは超天才で負けず嫌いの、ちょっと変わった女の子で、秘かな夢は世界征服。世界をよりよく変えるため、アメリカ大統領になろうと計画しているのです。猛勉強をし、アメリカ国籍を取るためいずれ移住するつもりだとか。

りんごの「人に言えない夢」については今作でも触れられていて、自分で叶えると言ってましたけど、どんなことなんでしょうね。

アミティ、シグ、クルーク

今作のアミティ編は《赤ぷよ帽の謎を探る》、シグ編は《赤い左手の治療法を探す》というもの。設定書をひっくり返して使えるネタを拾ってきたようでもあり、これらの設定に触れてほしいというファンの声に応えたようでもあり。いずれにせよ謎は明かされず、どちらも《アコール先生に丸め込まれて、解決してないけど満足する》というオチでした。即ち、この二人のストーリーは構造的にはほぼ同じです。

また、アミティ編はシグが、シグ編はアミティが冒険の同行者になり、最後まで二人一緒に行動していました。何気に、今作ではこの二人はペア扱いでしたよね。人気が高いのかな?

(ただ、同じようにペア扱いされていた りんご&まぐろ、アルル&シェゾが最終決戦までペア的だったのに対し、アミティのもとに現れたのはラフィーナになってましたが。アミティには《男の子とペア》はまだまだ早い?)

アミティ編のシグは、特に必要がない感じなのにアミティに同行し続けます。ラフィーナの「わたくしの しったこっちゃないですわ」とは対照的。『ぷよフィ2』でクルークが大変なことになってた時は、自分の用が済むと放置して立ち去っていたのに、今回、アミティのことは放っておかない。ムシの次くらいには彼女が気に入っているのかもしれません。

 

アミティの帽子のこと。

テキスト上では『ぷよ!』での設定どおり「ず〜っと いっしょ」だったと語りながら、絵の方は前とは明らかに異なるデザインになっているので、なんともシュール。

帽子について訊ねたうちの誰か一人くらい、「帽子が最近変わった」と突っ込んでもよかったのにね。でアミティは「前と同じだよ?」と天然に返して、帽子はアミティの成長に合わせて形すら変えている? なーんて謎が追加とか。そして次作から毎回赤ぷよ帽のデザインは変わるのだ!(笑)

真面目な話、テキスト(設定、脚本)とキャラグラフィックが遊離しちゃってるよーに思います。今作のまめちしきで触れられた「翼の形の校章」も、アミティのデザインから削除されちゃってますし。こういうのは監修しないのでしょうか?

ところで、今作にはアミティが帽子を検査に出そうとしたら痛くて脱げないという場面がありました。普段は脱げるのに何故か脱げなかった(帽子には意思がある?)という意味だと思うんですけど、マジに一切脱げないものだったら怖いですね。『侵略! イカ娘』みたいに、帽子に見えるけど体の一部だとか。アミティぷよ人間疑惑。おぞぞ。

ちなみに『ぷよフィ2』の頃の設定だと、アミティは赤ぷよ帽を何個か持ってる事になってましたっけ。

 

今作、アミティが世界危機を《予感》していたのは興味深い事項でした。これも帽子の力らしく、呼びかけの夢からして、どうも帽子には意思があるらしい……ってのは置いておいて。例えばアルルがそういう《予感》をする場面はありません。

元々アミティは、誰もが惑わされているポポイの正体を感性で見抜いているというキャラでしたもんね。《感じる》力が強いのでしょうか。

ただし、力があっても知識・理解が足りなさ過ぎて活かせてません。アコール先生に「気のせいです」と言われると納得してそれ以上調べず、アルルやりんごに比べて出遅れてしまいました。思えば『ぷよ7』でも、事件の核心に絡んでいたアルルやりんごに対し、サポート的な立ち位置に徹していましたっけ。

また、エコロの存在を《感じて》、詳細に見抜いたシェゾと比較すると、《なんとなく変》くらいしか感じ取れなかったので、感度も低いっぽい。(シェゾが鋭すぎるのかも。腐っても闇の魔導師ですしね。)

いずれにせよ、同じ少女魔導師であっても前線攻撃型のアルルに対し、アミティは支援型という感じがしてきました。アミティは初登場時はアルルのコピーみたいでしたけど、これからますます差別化されていくのでしょうか。

 

アミティと言えば。まぐろ編でりんごとまぐろが「ひさしぶりに アレをみせてよ/わたしは アレ すきだよ はずかしがることなんて なにもないよ さあ ガバッと だして みせてよ アレを!/それでは さっそく まるだしにしてみよう!」「えー ちょっと はずかしいな…★ /こ ここで…? いろいろ キケンじゃないかな★ /ほんとに だすの…?/しかたないなあ ちょっとだけだよ?」等々、エコロ言うところの「ちょっぴり いけない かいわ/ギリギリアウトな てんかい」を木陰で繰り広げていたのを聞いて、キャーキャーと大興奮で大喜び。怪しいコトではないと知ってジト目で「ええー ざんねん」と言ってました。

『ぷよ7』でも、シェゾに「おまえたち…が ほしい!」と言われて「さ さんにんで!? ◎×※▲%▽&♯!!!」と大混乱してみせ耳年増っぷりを披露していたものです。『ぷよフィ2』の頃は、クルークが見せびらかした「大人向けの魔導雑誌」に裸の女の人(石鹸の広告)が載っていただけで「クルークって こんな本読むんだ へぇ〜」と頬染めてからかう微笑ましい子供らしさだったというのに、随分と脳みそピンクに変貌したものでした。何があったのでしょう。

その一方、『ぷよ!!』公式サイト配信のWEBオリジナル漫才デモでは「(結婚の意味が解っているかと問われて)じつは あんまり…」「ねえねえ アルル ケッコンするって どういうことかな?」「(いつも一緒にいることだと説明されて)あたしはもう ラフィーナやリデル シグと ケッコンしてるのかな!」と言うカマトトぶりを披露していて、何だかよく解らない。

今作のユウ&レイ編で「はっぴぃ ってなに? それきて おどるの?」と言ったり、『ぷよ!』のサタン編で「 ”フィアンセ”って なに?」と訊いたくらいなら愛嬌があるし子供らしくて普通ですが、流石に、結婚という制度が解らないというのは異様です。幼児でも知ってる事ですから。つーか、エッチ系の知識はあるのに結婚は解らないって、どういう環境で育ってる子なんでしょう? 両親も、結婚している親しい大人も周囲にいないのかな?

公式はアミティをオマセさんにしたいのか、超箱入り娘にしたいのか。今後を見守っていきたいなぁと思います。

 

シグには初登場時、「幽霊が苦手」という設定があり、ユウ&レイとの対戦後メッセージにて「今のはもしかして幽霊!?」的に脅えていたものです。その後、彼がユウ&レイと対戦する機会がなく、今作で六年ぶりの対面となりましたが、幽霊嫌いの設定は消滅してしまった模様。りんごがそのポジションに収まったようで。

引き換えに(?)ムシ好き設定は発展を続け、今作では虫を食料品として扱ったり薬材にしようとした相手に怒って勝負を仕掛けるパターンが生まれていました。「ムシは たべるものじゃない あいするものだ」だそうで。素朴な虫好き少年というより、どこかの環境保護団体みたいです。

虫を食べたり薬材や染料にすることは現実でも行われていますし、農業の場では害虫はその場でプチプチ潰して殺したりしますけど、いつかシグはそういうところで悩んだりするのかなぁ。しまいに「ムシを捕まえるのはよくないことだ」とか思うようになってムシ採りをやめちゃうとか? 愛が高じ過ぎて難儀な域に入り始めたかもしれません。

 

クルークのこと。クルーク編で酔っ払ってたのは可愛くて面白かったです。酔っ払いの見本市か(笑)。いつもイヤミで完璧主義な彼だから、たまにこういう面が見れるのもいいですね。

それにしても、アコール先生がクルークを《くすぐる》音が、どう聞いても鞭か棒か何かで叩く音だったんですけど、わざとなんでしょうか(汗)。

 

まぐろ編でのクルークとアミティとの関わりには、小さな寂しさを感じました。

『ぷよフィ2』でクルークが紅いマモノに肉体を乗っ取られてた時、ラフィーナとシグは彼を助けず、自分の用が済むとさっさと立ち去りました。ラフィーナなんて「知ったこっちゃないですわ クルークでよければ くれてやりますわよ」とマモノ(あやしいクルーク)に言い捨てたくらいです。元々クルークの行いが悪かったからとはいえ……。曲がりなりにも助けようしたのはレムレスとアミティだけ。助けられてもろくにお礼も言わないクルークでしたけど、アミティは「あ、いつもの変なクルークだ」と笑顔を見せる。

それが嬉しかったので、今作のアミティが、まぐろの素顔を見ると本当に誰でも惚れてしまうのかという実験に、「ひどいめにあっても ひかくてき きにならない ひとのところへきました!」と言い放つりんごと共に、嬉々としてクルークを使ったのは、ちょっぴり寂しかったのでした。

友達思いの優しい子だと思ってたのにー。アミティは、人の心を弄ぶ実験を、興味本位で笑いながら繰り返させるような子だったのか……。

いやまあ、ギャグなんだから気にするなって話ですよね。

クルークや すけとうだらにやったのはギャグとして許されるとしても、率先してリデルにやったのは、イマイチ腑に落ちません。

まず自分がチラッと見ようとしてたらリデルが来たので「あっ、今まぐろの目を見ちゃダメだよ、絶対にダメだよ」と止めたら逆に見ちゃったとか、そういう脚色の方が自分的にはスッキリしたかも。

んで、対戦後にはまぐろの目を見ちゃった被害者が「くらくら〜」してるより、「はっ! 今まで何を!?」的に、すぐ魅了から覚める描写が明確にあった方が、色んな意味で安心できたですね、自分的には。

リデル編まぐろ戦を見るに、その後魅了は完全に醒めてたみたいですから安堵しましたけど。まぐろに魅了されっぱなしは ぞっとしないです。

リデル

前登場作『ぷよ!』にて、毒舌腹黒のオニっ子に変貌してファンを騒がせたリデル。今作では元の、自然が好きで気弱な少女に戻っていました。よかったよかった。

『ぷよ!』での出来事は黒歴史化したらしく、彼女に「おにいさま」と呼ばれ慣れたはずのサタンが、今回そう呼ばれて「なんのことだ」と初対面のように返していたり。

なお、今作のリデルはドラコを「おねえさま」と呼ぶ、と。

角のあるサタンをおにいさまと呼ぶなら、角のあるドラコをおねえさまと呼んでほしいという声が以前からファンの間にあったのを叶えた形ですね。ファンサービスなんだろうなぁ。ニヤッとできました♥ ナイス公式!

 

ところで。りすくまがリデルに向かって「じしんがなかったり ひっこみじあんだったりを なおしたいと もうすなら せいかくばかりは かえられないので へやからでるな」と暴言を吐いたと前述しましたが。リデル編サタン戦にも似たような展開が。

おにいさまと呼ばせてほしいなぁ、でも私なんかが……ともじもじしていたリデルに向かい、いささか短気にサタンがキレるのです。

わたしは おまえのように にえきらないやつをみると ひじょうに イライラするのだ

ただ、こちらはりすくま編とは違い、わざとリデルを戦わせて自信をつけさせようとしたのだと、対戦後にフォローが入れられてました。

 

うじうじする内気キャラにキレるという感覚が自分にあまりなかったので、今作にそれが二度もあったのは印象的でした。

こんな感じの今まであったっけ? と、過去作デモを読み返したところ、『ぷよぷよフィーバー ハバネロ』のラフィーナVSリデルのデモが同系統なんですね。質問されたリデルがドギマギしてうまく答えられないでいると、ラフィーナが唐突にキレて「(ぷよ勝負で)ギッタギッタのメッタメッタにしてあげますわ!」と言う。理不尽。(^_^;)

ふと、かつてのコンパイルの真魔導設定を思い出しました。その設定では、ドラコがうじうじした人が嫌いってことになってましたよね。だから内気なセリリとはウマが合わない、と。

コンパイル時代の『セリリのはっぴーばーすでぃ』のドラコは、うじうじ内気キャラのセリリに当初は非友好的で、美少女コンテストでの勝負を挑んでましたっけ。

では今作のドラコはと言えば、そういうのは気にしない性格のようで、リデルがもじもじしようが おねえさまと呼ぼうが、あっけらかんとしたものでした。

……それとも、今回は美少女コンテストの話に夢中でリデルの性格に気付かなかっただけで、次に会ったらキレるんでしょーか。(^_^;)

 

角はリデルのコンプレックス。

しかしウィッチ編で角を引っこ抜かれそうになると「ツノはとってもだいじなんです やめてください」と断固拒否していました。ドラコのように角そのものに誇りを持っているわけではなさそうですから、角がなくなると健康的な害でも出るんですかね。

『ぷよフィ2』では、リデルの角は生え変わると説明されてましたっけ。生え換わりの時期のリデルはどんななんでしょう。真っすぐ歩けないとか? 魔法が使えないとか?

抜けた角は、角笛に加工されておしゃれコウベの店で売られてたので、ウィッチはそこに買いに行けばよかったのに(笑)。

 

ところで、リデルはどんぐりガエルやおにおんの言葉が普通に理解できてるみたいですね。いつも遊ぶ森のお友達だからというニュアンス。『ぷよ!』の頃はどんぐりガエルに「ちょっと ことばが よくわからないんですけれども…」と言ってたので、生まれつきの能力ってわけじゃなくて努力のたまものとか友情の成果ってやつなんでしょうか。

ラフィーナ、ルルー

元はアミティと並ぶヒロインだったラフィーナですが、前作、今作と、すっかり脇役に転落。取説キャラ紹介で三大ヒロインに次いで紹介されている点に残滓がある程度です。

今までは「ごほうび」「宝石」「美容アイテム」など物欲で動くことが多かった気がします。でも今作では格闘キャラとしての面が強化され、修業に明け暮れては筋肉の話ばかりしていた印象で、むしろ無欲(ストイック)に見えました(笑)。

 

ラフィーナ編で新しい技を見てもらいたいとアコール先生を探してましたけど、『ぷよフィ2』からクラスが変わってて、アコール先生は彼女の担任じゃないはず。よっぽどアコール先生を尊敬しているんですね。

……と思いましたが、考えてみたら公式サイトのWEBオリジナル漫才デモではラフィーナ(や、彼女と一緒に別クラスになったリデル)もアミティと同じ教室でアコール先生の授業受けてましたっけ。ありー。合同授業かしら。クラス替え設定は、もう忘れ去られちゃって消滅してるのかもしれません。

 

あと、《たしなみポーチ》の機能は周囲には秘密にしてるつもりなんですね、ラフィーナ。レムレスが知ってるのは、彼が魔導アイテムに目が効くからなのか。(でも、ポーチのことをバッグと言ってましたな。)……ラフィーナは秘密にしているつもりでも、大人たちには周知のことなのかも。少なくともアコール先生は知ってそうです。

 

個人的には、すけとうだらとの絡みが面白かったです。

すけとうだら編にて、ラフィーナ戦から二回も後のおにおん戦で「やっ やめろっ そこはさっき ラフィーナに けられたとこだ かなぼうでグリグリ するんじゃねえーーー!!」と言ってるのも なんか愉快でしたが、ラフィーナ編で勝利後にラフィーナがすけとうだらの太腿を踏んで立ち去るのが(笑)。

『ぷよ!』すけとうだら編やメダリンクでは美脚を競ってましたけど、つくづくこの二人は脚で戦ってるんだなぁと(笑)。おにおんにぐりぐりされた「さっき ラフィーナに けられたとこ」も、きっと脚に違いない。と、脳内補完(笑々)。

 

『ぷよ!』と言えば、アコール先生がルルーに「ルルーさん ぜひ 格闘の特別じゅぎょうをおねがいしますね」と言い、ラフィーナには「ラフィーナさんなら きっと あの先生のワザを 修得できるとおもうわ」と言ってましたよね。

ラフィーナの目指す美容と格闘の両方を、高レベルで備えているのだもの。ルルーがプリンプ魔導学校の非常勤講師という立場で現れたら、きっと、いい師弟関係が結ばれるに違いない。アコール先生に対する以上に懐いたりするんじゃなかろうか。

そう期待していたので、メダリンクでの三種のデモで二人がイマイチ仲良く描かれなかったのはがっかりしました。「(ルルーの生徒になるのかとアルルに問われて)ワザはおしえてもらう かもしれませんけど なるつもりはありませんわ」と言ったり、いざ教師と生徒として対峙すると不遜に立ち向かうばかりで師への礼を取る様子はなかったり。攻守逆転デモでは格闘女王の座を険悪な感じで競ってたり。しょんぼり。でも公式なんだから受け入れるよりないなぁと。

ところが、今作でラフィーナとルルーは再び《初対面》として描かれていました。メダリンク版での出会いは黒歴史化したみたいです。

こちらでは互いを似た者同士と認識し好意を抱きあって、まるで様子が違います。

仲良く描かれてるのはすごく嬉しいですけど、師弟関係まで消えちゃいました。ああ……。ままならないものですね。

 

さて。ルルーのサタン絡みの面に関しては、今回、大いに不満でした。

さかのぼればぷよフィシリーズでの初登場たる『ぷよ!』にて、ルルーはサタンに鼻にも引っかけてもらえぬ準ストーカー的な描かれ方で、「ルルー 悪いが わたしのことは あきらめてほしい」「ぷよ地獄で あたらしい であいがあることを いのってるぞ…」とまでサタンに言わせる内容でしたから、大きなショックを受けたものです。

コンパイル時代は、『ルルーのルー』一作だけ、サタンが冷たくルルーを振る内容のものもありますけど、他の数十作ではそうではありませんでした。アルルと対等の妃候補として扱われ(GG魔導3)、お姫様だっこの空中飛行で家まで送ってもらい(魔導R、鉄拳春休み)、行く先々で不審者的変装をしながらもサタンが見守ってくれていたり(鉄腕繁盛記)、ミノタウロスの大怪我から初めてサタンに不信の目を向けたルルーが、誤解が解けてサタンと目と目で心通わせるエピソードがあったり(SS魔導)。

要は、アルルとは別次元で、サタンはルルーとも確かに心を通わせていたということ。サタン×ルルーも充分見込みアリですよというニュアンスが、コンパイル時代は当たり前にあったと思うんです。けれど『ぷよ!』では皆無。既に負けが決定しているのにスト―キングをやめない、みじめでイタい女、といわんばかりの扱いでした。

ついでに言うと、『ぷよ!』ではルルーがアラサーであろうアコール先生に「あなた ワカいのに えらいのね」と鷹揚に言っていて、年齢設定もなんかおかしかったです。アミティにマダム、クルークにおばさん呼ばわりされてたし。ルルーは、サタンに「鉄拳の美少女」と呼ばれたこともある18歳の乙女ですよぅ。

 

今作のルルーは若々しいミニスカート姿で、おばさん呼ばわりされるエピソードは全くありません。おにおんには「こねこちゃん」呼びされていたり。ちゃんと年相応に扱われている感じでした。テーマ音楽も可愛い♥ よかった。

サタンも『ぷよ!』の時ほど冷たい拒絶はせず、ペアぷよの掛け合いボイスでは「うむ。悪くない」と満更でもない感じです。サタン編ではきっぱり拒絶するものの、ルルーに絶対に諦めませんわと言われて「…すきにするがいい また あいてをしてやろう 」と僅かな譲歩を見せてくれました。ルルー編では、ルルーの一途なアピールにたじたじとなりながらも少し努力を認める展開で。私が期待していたものと言えました。

なのに。なんでこんなにモヤモヤとした気分になるのでしょう。グギギ……。

理由は二つです。

一つ目。《恋するルルー》に固定された立ち絵の表情が、適切だと思えない。

サタンを想ってラプラブ妄想にふけったり、サタンの前でモジモジしたり。そんな《恋するルルー》の表情が、意地悪そうに眉を吊り上げ大きく口を開けた、実に傲慢な、昔の少女漫画のライバルキャラの高笑いみたいなものでした。少しも可愛くないし、そもそも恋する乙女の顔に見えません。

《恋するルルー》の場面はとても多かったので、専用絵を用意してほしかったのが本音ですが、それがダメでも他にもっと可愛い笑顔の既存絵があるのに。高笑い系にだって眉が歪んでないもう少し優しい顔のパターンがあるのに。どうしてよりによって、こんな険のある表情を選んだのでしょう!

きっと感性の問題なのでしょう。製作スタッフさんにとっては、ルルーは恋する時にああいう傲慢そうな(または、興奮して崩れたような)顔で笑うべきキャラなんですね。でも私はそう思いませんので、いちいち違和感があり、ルルーが貶められているような気さえしてきて、俄然面白くありませんでした。

こんなことをモヤモヤ考えていましたら、魔導大事典への投稿として送られてきた『ぷよ!!』感想で全く同じことを書いていらっしゃる方がいて。その方の投稿によれば最初のNDS版では違う表情で、PSP/3DS/Wii版から、例の意地悪そうな高笑い顔に変更されたのだとか。

がびーん。修正してこれだったんかい!!

セガスタッフさんにとって、ルルーは余程の下劣キャラなんですかね。恋する乙女として可愛い表情をすることもあり得ないと思われてるなんて。暗黒笑顔のフェーリにだってレムレスにぽっとして顔がまっピンクになる、可愛い特殊パターンが用意されてたっていうのに。

二つ目。《ルルーの粗暴性》を誇張し過ぎ。

ルルー編のラスト。サタン城に突入したルルーは己の家庭的な面をアピールしたつもりで怪力や暴力的気質をアピールしてしまい、サタンをドン引かせます。

ルルーがサタンのために料理や掃除をして怪力で物を破壊してしまう系のネタは、コンパイル時代からギャグ系の商業二次でチラホラあったものです。しかし今作のものは、それらと似ているようで違っていました。

かつてのルルー怪力ネタは、なんだかんだでルルーが可愛かった。サタンがそれにゾッとしたとしても、ギャグとして楽しく見ていられる範疇でした。

対して今作は。シャレにならないのです。

ウシいっとうなら すでで さばけるくらい おりょうりも たしなんでますし
どやした あいては きちんと うみにすてるくらい キレイずきなんですぅ

ドラゴンでもしめあげて コトコトにこんで シチューにしましょう

はぁ? ウシを素手でさばく? ドラゴンを締め上げてシチューにする?

ルルーは格闘家ではあるけれど、山で暮らす野生児でもなければ、イノシシやクマを素手で引き裂く怪物でもないですよ。コンパイル時代は、山ごもりの修業の後は街に降りてお店で魚料理を食べてた女の子ですもん。(ちなみに、お金はサタンが置いていってくれました。その後も変装して見守ってたり。)

それに、どやした相手を「海に捨てる」って。はぁぁぁ!? ルルーはヤクザか何かですか!?

セガスタッフは、ルルーをなんだと思ってるんでしょう。本来は大きなお屋敷に住んでいるお嬢様キャラなんだってことを忘れてませんか。

牛を素手でさばくだの、殴った相手を海に捨てるだの。異常な描写が具体的すぎて、心底ドン引いてしまい、笑えませんでした。これはルルーの怪力ぶりを笑うギャグじゃない。そんなことを美点と思っているルルーの異常性を見せつけるサイコホラーです。

笑えなさに拍車をかけるのは、サタンの態度でした。妄想を語るルルーに「おい… きいてないな こいつ」と苛立ったり(個人的には、サタンがルルーを「こいつ」呼ばわりしたのがショック)、しまいに「はなしを きけ!!」と心底怒った表情と声音で怒鳴りつけたり。

ルルーを本気で嫌がって怒鳴りつけるサタン。こんなの、コンパイル時代にはなかったことです。ルルーの押しに弱った顔を見せることはあっても、なんだかんだで、コンパイルのサタンはルルーに優しかったから。(レムレスとフェーリの関係に近い面があるかも。)

サタンに追いつけるよう修行したと言うルルーをサタンが「…たいしたヤツだ 」と認める。ちょっと漫画『とっても! ぷよぷよ』を思い出させる展開ですね。そこで終わってくれていれば、ささやかに幸せでルルー主役編としてイイ話だったのに。どうしてその後に、サタンがルルーを拒絶し、怒鳴り、本気で嫌がって涙目になるという蛇足を付けてしまうんでしょう。

『ぷよ!』よりは扱いが良くなったものの、ルルー主役編であろうとサタンに本気で拒絶される結末なのは変わりなし。フェーリ編みたいに、しばらく一緒にいられて幸せとか、そういうささやかな幸せオチで充分だったのに、それすら許してもらえない。

セガスタッフさん方にとって、ルルーは《サタンに愛されない》ことが決定づけられた女なんだなぁと、認識を重ねた次第でした。

もうこれが今の公式ですから仕方ないけど。どうしてこうなった。

 

サタン絡み以外のルルーのデモは、どれも面白かったです♪

りすくま戦の時言ってた「まいばん だいてねたり はなしかけたりしてる サタンさまにんぎょう」は、『SUN』の負けカットで抱いてたサタン人形のイメージなんでしょうね♥

一つだけ気になったのは、カーバンクルとのデモ。アルルのところへ案内しろ、さもなければ燻してハムにするぞとルルーが脅します。

カーバンクルはルルーの愛するサタンの大事なペット。のみならず、本来はサタンとの婚約の証でもあります。また二年前、ルルーが16歳の時、一時的にコンビを組んで死地から脱出したこともありました。それが縁でサタンと出会い、恋に落ちたのです。

そういう背景を思い出すと、ルルーの性格ならああいう脅し方してもおかしくないよねぇと思う反面、ちょっと乱暴過ぎかもと思いもしました。どーでもいいコトですね。(^_^;)

さかな王子

海の世界の王子様ではなく、地上の国の王子様だったんですね。

異形に姿を変えてまで王族の責務から逃避しているくせに、その権威を当然のように振りかざす、愚かで鼻もちならない王子様。

『ぷよ!』の時そんな感想を書きましたが、今作ではそこに突っ込みが入っていて留飲が下がりましたです。

オトモが「身分をわきまえろ」と言い、レムレスが「王子の自覚はありますね?」と問う。

さかな王子自身はちっとも理解していませんでしたけど、周囲に指摘してくれる人がいるなら安心です。スッキリ。

 

そういえば『ぷよ!』で、姿を変えてから味覚も変わって美味しそうに見えるようになったと、さかな王子がどんぐりガエルを食べようとしたことがあります。ギエエ、中身も異形化してるんだと思ってましたら、今作でフォロー(?)が。

さかな王子は、どんぐりガエルをあくまで《ドングリ》だと思ってるんですって。カエルだと説明しても「嘘をつくとは」と言うばかりで理解しません。

……って『ぷよフィ2』の頃のネタに戻っただけですかね。(人間姿のさかな王子が腹が減ったからドングリを拾えとシグに命令。それはカエルだと言われても理解しない。)

元から《ドングリ》が好きなだけということになって、異形になることで味覚が変わって《どんぐりガエル》が美味しそうに見えるようになった、という設定は消滅したんでしょうか?

どっちにしろ、「お言葉ですが、生きていて人語を解するものを食べようと、執拗に付け回す時点で、紛れもなく思考が異形化していると突っ込んでも宜しいでしょうか?」とりんごなら言いそうです(笑)。

 

個人的には、シェゾやサタンとのデモが愉快でした♪ 彼らは見た目は綺麗でも、闇に属する者らしい怖い空気も持ってると思うんですが、お構いなしにワガママ言い放題。流石のKY力です、王子!

おにおん、どんぐりガエル、カーバンクル

人間の言葉を喋れない魔物キャラたちです。もう一つある共通項は、《ぷよ勝負》自体を目的に各地をさすらう筋立てであること。

どんぐりガエル編とカーバンクル編は通常運転で、ケロケロぐーぐー鳴くだけで対戦相手とコミュニケーション。対しておにおん編には幾つかの工夫が施され、おにおん語の翻訳字幕付きでした。面白かったです。

おにおん語翻訳字幕のハードボイルド口調は、『ぷよ!』おにおん編で、ルルーが翻訳したものと同じ。今まで色んなキャラがおにおん語の簡易訳をしてましたけど、してみるに、ルルーが一番正確に理解してたってことですね。流石は魔物たちの女王です。

※PC-98版『魔導物語1-2-3』で、ルルーは人間に迫害される魔物たちに、自分たちを守ってくれる女王様だと慕われている。ルルーの《女王》という設定の原点はここ。

……と思ったら、今作のルルーはおにおんの言葉が解らないってことになってますねェ……。『ぷよ!』時点でもルルー編では解らない風になってて設定不統一でしたが。今作、ルルーの理解能力は『ぷよ!』ルルー編から、おにおん口調は『ぷよ!』おにおん編から採ったってこと? ややこしいです。

『ぷよ!』でアミティに「弟・おにてぃー」呼びされてましたが、踏襲されることはありませんでした。代わりか、今作ではりんごがおにおんを「たまねぎさぶろう」呼び。何故さぶろう……。

アミティのどんぐりガエルへの「ケロティ兄さん」呼びの方は、今作でもペアボイスで踏襲されていました。定着したってことかな。

 

サタン編で、サタンがアルルを負かして、ついに妃にせんと迫った時、カーバンクルが割り込んで(ビームを撃って?)アルルを守ったのを見て。なんか懐かしい気がするなー、これも過去作に元ネタがあったんだっけ? と記憶を探ったけれど、該当するのが出てきません。うーん。

対シェゾで似たようなのがあったのは覚えてるんですが。小説『真魔導』で、最初の出会いで眠りの魔法をかけられた時、或いは、後に本気を出したシェゾにアルルが負けてついに魔導力を奪われそうになった時。カーバンクルが割り込んでシェゾの魔法を反射して妨害した場面とか。『わくぷよ』で、マジ告白されたと勘違いして隙だらけになったアルルにシェゾが勢いで「お前が欲しい!」と迫ったら、カーバンクルにビームで撃たれたやつとか。でも、サタンのはどうだったか……。

カーバンクルがビームでサタンを撃つだけなら『わくぷよ』真EDや『ぷよBOX』ぷよクエのラストがそうでしたが、アルルの危機を救ったわけじゃない。強いて言うなら小説『ぷよSUN』で、子供に変身してアルルと一緒にお風呂入って抱きつこうとして、間違えてカーバンクルにすりすりしてビームに撃ち抜かれたやつが近い? ちょっと違うか。

自分の書いたもの含む同人二次創作には確実にあるネタなんで、その記憶とごっちゃになってるのかも。

なんにしても、こうして見ると、アルルってすごくギリギリのところで自分の身を守ってるんですね。

ユウちゃん&レイくん

彼らは、ぷよフィ系キャラ中でも特に成長・変化したキャラではないでしょうか。登場するたびにパターンに変化が起きていて楽しいです。

幽霊らしからぬ明るさで親父ギャグが大好きという面を核として、初登場時は《踊りを見せたがる》、『ぷよフィ2』『ぷよ!』では《ダジャレクイズを人に仕掛けてくる》。そして今作での新要素。《人を殺して幽霊にしようとする》。うわわ、マジ悪霊じゃないですか〜!(笑)

ユウちゃん自身に悪意はなく、幽霊になるのは幸せだと思ってピカピカの笑顔で殺そうとしてくるのが、ブラックで面白かったです。レイくんの方はユウちゃんの異常性を理解しているようなのに、止めはしないのがまた怖いし。

 

にしても。ユウ&レイ姉弟は生前は性格が逆だったとか、ユウちゃんにその頃の記憶がないっていうのは『ぷよフィ2』時点で語られてたことですけど、加えて今作のまめちしきで、レイくんは幽霊になったショックで大事なことを忘れていると語られましたね。どんな裏設定があるんでしょうか。

 

それはそうと、今作で彼女たちの出てくるステージ(クランデスターン屋敷&オソロ墓地?)、常に夜みたいですけど、どうなってるんでしょう。

レムレス、アコール先生、フェーリ

余談から入りますけど、私、レムレスって元は、今の扱いほどピカピカの善人キャラじゃなかったと思ってるんです。

だって、紅いマモノの封印された本を持てば魔力が上がるとクルークに勧めたのも、さかな王子を望まれるまま異形に変えたのも彼ですから。ラフィーナも軽く騙して、ばれる前にプリンプから出ようと笑っていましたよね。

勿論、肉体をマモノに乗っ取られたクルークを助けに行ったのですから(アミティに半ば押し付けたようにも見えたけど)、悪人というわけでもない。でも正道の人ではなかった気がします。比較的無責任に騒動の種をまき散らしてしまうトリックスターとでも言うか……。本当の意味で《怪しい魔法使い》だったと。

それが『ぷよ!』になると、闇の魔導師シェゾと対峙して「光の属性 彗星の魔導師」と名乗りを上げ、「ゆたかなミライを想い ねがう気もちが 希望だからね そして そのお手伝いをするのが 僕たち 魔導師の おしごとさ」と爽やかにのたまう聖人キャラに。《子供にお菓子を差し出して誘う》という面も、子供好きだからではなく、《大好きなお菓子をみんなに食べてほしいから》老若男女に配り歩いているという動機に変化(?)し、怪しさはほぼ消滅しました。

 

そんな彼は、『ぷよ!』にて、レムレスとは永遠の運命で結ばれていると主張するフェーリに「ミライがわからないから 明日が 楽しみになるんだよ」と言っていて。

私はこれを、占いを重視することの否定だと解釈しちゃってました。なので、今作のレムレスが深刻な事態を前にフェーリの占いの力に便り、あまつさえ「あまりに ほしが さわぐ」「星(ほし)たちは そのくろいかげが やがて プリンプの へいわをおおきくみだす そうつげているようだね」などと、自ら占星術を行ってさえいたのに拍子抜け。

なーんだ。レムレスはバリバリの占い肯定・実践派だったのか。

彗星の魔導師だから星見の力があるってことですか。もしかして、レムレスとフェーリが所属しているという隣町の魔導学校って、占星術系が盛んなんでしょうか?

 

レムレスと言えば。配り歩いているお菓子が自作で、とても上手なのだと語られて、ちょっと驚きました。

考えてみると連鎖ボイスは元々製菓用語でしたし、『ぷよ!』で「揚げナスのチョコレート掛け」だの「カレーコーティングキャンディー」だのを作るとも言ってました、確かに。でも、かつて配ってたお菓子が棒キャンディーや板チョコなど既製品的なものばかりでしたから、基本的に店で買っていて、たまに趣味で変わったものを作るんだなくらいに思いこんでいたのです。

今作でシェゾがひょいとウェディングケーキを作っていたのも驚きでしたけど、それを勝手に食べて「とってもおいしかったよ でも やっぱり じぶんでつくるのが いちばんだ♪」とダメ出し(?)し、「せっかくだから おいしいケーキの つくりかたをおしえましょう」と上から目線なのにも驚きました。

えーと。つまりレムレスのお菓子作りはプロ級だってこと? 食べるのと同じくらい作るのも好きで、自作のお菓子は自慢で、周囲に食べさせて回らずにはいられないってことですか?

……いやいや。ポポイがレムレス作のお菓子は美味しいけどとても甘いと言ってましたし、レムレスは普通の甘さのお菓子じゃ満足できないってことなのかも。だから市販のお菓子でもシェゾの手作りケーキでもダメで、自作するしかないとか。

外国のお菓子は日本人には頭が痛くなるくらい甘いって言いますけど、レムレスのお菓子もそのくらいなのかもしれません。

 

レムレスの苦手なものは「自分の家」だと、『ぷよフィ2』で語られていました。素直に考えれば、伝統ある名家で厳格な父がいたりして、それに反発して家を出ている、ってテンプレ設定が浮かびます。

今作には、個人的にその辺を連想させる台詞がありました。アコール先生の手作りクッキーをけなされて怒ったポポイが、「ぼっちゃんは かえれニャー!!」と言う。想像したような名家のお坊ちゃんだという可能性があるのかな?

もしそうだとすれば、家から逃避中のさかな王子の姿を変えてやったのも、いいかげんな気持ちからではなく、彼なりに共感する部分があってのことだったんでしょうか。

とすると、今作でやんわりながら さかな王子に説教していましたし、そのうちレムレス自身も逃げるのをやめて家に帰り、家族と話し合うことがあるのかもな、なんて想像しました。

 

アコール先生のこと。

『ぷよ!』での驚異の理不尽エンディング十数連発で、ニコニコ笑いながら人々を弄ぶ腹黒キャラめと、ちょっぴり忌々しく思ってた(笑)んですが、今作で好感が持てました。

彼女は世界の危機に気付いていたけれど、アミティ(の赤ぷよ帽)やシェゾのような超感覚、或いはレムレスの占星術のような、特殊能力によってではなかった。生徒達の噂話に注目し、地道に足で調査を続けて真相に辿り着いていました。サタンとエコロの危険性を察知して警告はしましたが、阻止には至らない。せめて危険に生徒が近付かないようブロックするに留まっていました。

よかった。彼女は賢いし強いし飄々としているけれど、決して《何でもお見通しで、何でもできて、笑顔で事態を弄ぶ》超人キャラってわけじゃなかったんだ。なにより、愚かなまでに生徒の安全を第一に考えている人だと感じられたのが良かったです。(逆に言うと、世界に危機が迫っているのに誰にも相談せず、ただ、自分の生徒が危険に近づかなければ良しとするような、ちょっと困った人でもありましたけれど。)

 

レムレスに気を付けてくださいねと言われて「だいじょうぶ わたしは 先生ですからね」と返していたのは、子供(レムレスはまだ学生)を安心させるための大人の強がりだっただけかもしれませんけど、どこか意味ありげにも感じられました。この閉ざされた楽園プリンプにおいて、《先生》という立場でいる限り彼女は最強でいられるのかも? 裏返せば、学校の枠を超えた事態には手を出せないのかも、なーんて。ポポイと何か契約してたりするんだったら面白いのになぁ、などと中二病的な妄想をしました。

 

フェーリは、今までの中で一番可愛く描かれていたように感じました。しろいフェーリなんて、天使コスプレな姿違いまで用意されてましたし。

フェーリ編ではレムレスとデートができて良かったですね。こういう話、好きです♥

おや、と思ったのは、二つあったフェーリVSアコール先生の対戦デモのどちらも、《アコール先生に意図的にレムレスとの恋路を邪魔されていると思ったフェーリが戦いを挑む》という内容だったこと。フェーリ、アコール先生を恋のライバルだと思うようになってる?

 

それにしても、レムレスとフェーリはいつまでプリンプにいるんでしょう(苦笑)。元々レムレスがアコール先生に届けものに来ただけで、『ぷよフィ2』のラストでは二、三日中に帰ると話していたっていうのに。

魔導キャラ達だけでなく、レムレス達も帰れなくなっているとか? 閉ざされた楽園プリンプは、入ったらなかなか出られぬ蟻地獄だったのか!? なんつて。

このままいるならいるで、プリンプ魔導学校に交換留学生として一時編入したとか、新たに届けものに来たとか、プリンプの何かを研究してるとか、そろそろ設定整理が来てもいいような気もします。

すけとうだら、ドラコケンタウロス

この二人のストーリーはどちらも、《赤くて派手な、すけとうだらの服飾品を、探し回る話》でした。ドラコ編は繰り返しのパターンが楽しく、たら編は、たらの変な推理がおかしかった。面白かったです♪

ドラコが赤い水着を探し回るのは、《赤い水着を着て日焼けに出かける》内容だった『SUN』やさしいコース(ドラコ編)のオマージュなんでしょうね。ちなみに今作のドラコは羽が緑色で、『ぷよぷよ〜ん』版の配色になっています。

 

すけとうだらの水着のこと。

誰もが突っ込んだことでしょうが、例にもれず私も「普段マッパのくせして泳ぐときだけ水着着るのかよ!」と思いました(笑)。『楽しいムーミン一家』を思い出しましたよ。(ムーミンは普段何も着ていないのに、海水浴の時だけ水着を着る。)あくまで、TPOに合わせた《おしゃれ》だってことなんでしょうね。

その水着がフリフリだというので、『ぷよぷよDA!』のたらが、白鳥の湖的なバレリーナ衣装だったことを思い出しました。たらってフリフリした乙女チックな服が好きなんでしょうか? しかも、『コンパイルクラブ』掲載の『ぷよDA!』紹介漫画で、バレリーナ衣装はたらの自作だと語られてましたっけ。……ということは、もしや水着も自作?(汗)

 

すけとうだら編は、たらの推理(?)が面白かったです♪

あかくて さきがくるっとした かみがたをしているアンタは オレさまのクツを ひとめみて なかまだと おもいこみ もちさっていった…
そうだろう!

オシャレや はでなものが だいすきなアンタは オレさまの クツに ひかるものをかんじて つい ふらふらともちさって よなよな クツの においをかいでいる…
そうだろう?

じつは オレさまの だいファンであるところの アンタは オレさまに あこがれるあまり まがさして クツをぬすみ よなよな おがんでいる…
そうだろう!!

さいきん なんでもかんでも ほしがりやの ヘンタイと いわれている アンタは オレさまの クツの あまりの なまめかしさに おどる オレさまの びきゃくをおもいだし おもわず てにとり もちかえっては よなよな オレさまを おもいだしている
そうだろう!!

推理(?)が変態くさい。りんごの言う通り、人と魚類は解り合えないのか。

たら、「夜な夜な〜している」ってフレーズが好きですねー。つーか、靴が無くなったのは今日で、一夜も迎えてないだろう!(笑)

 

ドラコとたらの生態のこと。

たらが、おにおん戦後に「きずぐちをしおみずで あらって おちついたら すいりをつづけよう」と言っててビックリ&納得でした。人間なら傷を塩水で洗うと痛いものだけど、流石、魚類のたらは違うんですね。

ドラコは、お腹がすいた時に商店街へ行こうとは全くせず、どんぐりガエルやおにおんを襲っていたのが驚きでした。えらい野生児になっちゃったなー。異世界に来ちゃって苦労してるんですかね。ビーストドラコになる日は近い……。

『魔導物語』の頃は、戦闘中にカレーライスをすごい勢いで食べて回復したり(戦闘中の早食いではアルルたちにも負けない・笑)、カレーや福神漬け差し出して許しを乞うたりするキャラでしたけど、今なら魔物を差し出して許しを請うのかしらん。

 

セガに製作が移っての第一作『みんなでぷよぷよ』で、いつもの美少女コンテストネタを持ちだしたアルルを、もう古いと嘲笑ったドラコでしたが、結局、《ドラコと言えば美少女コンテスト》に戻っちゃいました。安心の定番ネタってことなんでしょう。

コンパイル時代のドラコは常に美少女コンテストネタってわけでもなかったのですが……。もうこれが《ドラコを示す記号》になっちゃったんですね。シェゾの「お前が欲しい」と同じく。

ウィッチ

担当声優が新人さんになりました。ウィッチは脇キャラですが、何故か三大ヒロインと共に初回特典サントラ版の主題歌を歌い(ヒロインキャラのラフィーナやルルーはハブられているのに…)、イベント(WEB放送)にもしばしば出演と、あからさまに優遇されています。どんな力関係があるんだろうと気になっちゃったくらいです。

 

今作は基本的に『ぷよSUN』オマージュでしたけど、ウィッチに関しては、ほぼ『ぷよよん』オマージュでしたね。マッドサイエンティスト気質で変な薬を作ってて、ドラコの尻尾を薬材にすべく襲ってくる。開いた本を片手にした立ち絵ポーズも『ぷよよん』から。衣装の腰部分がギザギザカットの裾デザインになっているのも。

ちなみに、これは偶然でしょうけど、腰が太めの赤帯で後ろに大きなリボンがあるのは、SS版『魔導』でのデザインと同じだなぁと思いました。

シナリオ上では「おばあちゃんのひみつノート」なるものがしばしば登場。昔からのファンなら、魔導にのみ登場したウィッチの祖母・ウィッシュを想起してニヤリとできるところです。『ぷよ1』の台詞を喋ったりもしてましたし、ファンサービスなんでしょうか。

昔からのシリーズファンとして一点だけ引っかかったのは、自らを「魔導師」と名乗っていた点。コンパイル時代は魔導師と魔法使い(魔女族)は区別されていたんですよね。それを前提として、今作でもまめちしきで語られていた「(魔法使いは魔導師とは異なる魔法習得過程を持つ一族なので、)一人前になると真の名がもらえる(慣習がある)」という真魔導設定があるわけで。ちょっと残念です。

 

勝手ながら、レムレスはウィッチを元に作られたキャラだと思っています。服の色が『ぷよよん』版ウィッチみたいですし、《星》に関わる魔法使いであることも、ほうきを持っているのも同じ。(男の魔法使いがほうきを持つデザインなのは珍しい。)初登場『ぷよフィ2』の最強連鎖技のカットインがほうきに乗って飛ぶ絵だったのも『SUN』のウィッチを彷彿とさせることでした。

で、本家であるウィッチが本格参入した今作から、レムレスのほうきが杖に変更されていました(笑)。流石に、お揃いはまずいと思ったのかしらん。

それはそれで面白かった気もするんですが。「やあ。かわいいほうきをもったおじょうさん。こんにちは」「あら。アナタもわたくしと同じ魔女の一族、ウィザードですの?」「なんのことだか わからないけど、ぼくの名前はレムレスっていうんだ」「自分の名前があるなんて、かなりの実力者ですわね」なんてウィッチと問答したりとか〜。そしてフェーリは「レムレスせんぱいと おそろいになろうなんて、ゆ・る・さ・な・い…!」とか暗黒怒りしそう。どんだけ妄想してるの私。

 

今作から、ウィッチに新たな要素が追加されてましたね。それは《センスが悪い》ということ!(笑)

役立たずの悪趣味な薬ばかり作ってレムレスとアルルに「センスがよくなるクスリが ほしいところだね?」と言われただけでなく、誰もが悪趣味だと評するサタン城を「おどろおどろしくて とってもステキな おしろ」と高評価。シェゾに「こいつのセンスも たいがいだな…」と言われてました。

……はっ、待てよ。コンパイル時代のウィッチは執拗にシェゾの服を欲しがり、ついにはシェゾ本体をも「ステキですわ〜」なんつって追い回したこともありましたよね(ぷよりんぴっく)。そしてウィッチのセンスは悪い。……と、いうことは……(汗)。ゲフンゲフン。

アルル、サタン、シェゾ

今作のこの三人のストーリーは、完全に『SUN』オマージュでしたね。結果としてアルルの勇ましさ、シェゾのヒーロー気質(?)、サタンのギャルモテ願望(笑)がアップしていた気がします。ぷよシリーズ本伝では『SUN』のストーリーが一番好きなので、より楽しかったです。

 

笑顔で困るか誤魔化すかばかりでなく、はっきりものを言って、きっちり怒ることもできる。勇ましく真っすぐなアルルは、アミティとのキャラの差別化も際立ってて良かったと思います。そうそう、昔のアルルにはこんな面がありましたよね。

そういえば、今作に用意されていたアルルの「りりしい」声違い連鎖ボイス。初期魔導アルルのイメージだという感想が主流っぽいですが、個人的にはそう思いませんでした。昔のアルルは凛々しくはあるけど飄々としたユーモアもあって、こんなにも肩を怒らせてギリギリ力を入れてる感じの子じゃなかったよーな? ちょうど最初期魔導の再プレイをしていたこともあって、そう思いました。

 

サタンは『SUN』版に沿いつつも、ギリギリのところでキャラ破壊の線引きがしてあって、カッコよさはしっかり保たれてあると感じました。人によっては壊れ方が足りないと思うところかもしれませんが、私はこんな風に、全部壊さないでいてくれる方が好みです。煮込み過ぎず、素材の味を生かして固めなのがイイ。(笑)

エコロにあっさり丸め込まれ、憑依されちゃったサタン。『ぷよよん』でもドッペルアルルに操られてましたっけ。商業二次なら、漫画『とっても! ぷよぷよ』でデビル君に肉体を乗っ取られてましたね。意外にガードが甘いんでしょうか。(でも、隙のなさ過ぎる人より、自分的には好き。)

「おじさん」と言われると怒り、「おじさま」では平気。不思議。

思えば、リデルに「おにいさま」と呼ばれると不快そうで、シェゾに「オッサン」と呼ばれるのは、それ自体は頓着してない感じでしたね。(シェゾは他にも色々、サタンにとってムカつくことを言うからかな。)あ、そういえば『魔導2』でアルルに「おっさん」と言われた時も頓着してなかった。「おじさん」「おにいさま」はナシだけど「おじさま」「おっさん」「おにいさん」はアリ? ……なんてゴチャゴチャ言ってたら「ええい、やかましい。私のことは《サタン様》と呼べ!」とか怒られそう。

それにしても、前述しましたが、りんごとは知り合いなのにエコロとは初対面なのは、やはり解せないです。

 

今作のサタンがカーバンクルちゃんヘヴン全開だったのは楽しかった♪ SS版『魔導』ばりに、サタン城の居室にカーくんぬいぐるみが並べられていたら完璧でした(笑)。

画像引用『とっても!ぷよぷよ』(小学館/たちばな真未)

姿違いの「きいろいサタン」(カーバンクルの着ぐるみ姿のサタン)で、漫画『とっても! ぷよぷよ』を思い出した人、結構いたんだろうなぁ。

 

そういえば、今作のサタン城の正式名は「DXデラックスサタン城」なんですね。『みんなでぷよぷよ』では「Gグレートサタンキャッスル」でしたっけ(笑)。

次は「風雲サタンキャッスル」とか「サタン城EX」とかでしょうか? サタン様のセンス、嫌いじゃないです。

 

シェゾのこと。

今回はシェゾがほんっっっ……とうに優遇されていて、ファンとして嬉しい限りでした。前作『ぷよ7』で感じていた不満が解消されている感じ。なにより、《アルルに執着するキャラ》という基本に戻ってくれてたのが嬉しかったです。

今作中で「さいきん なんでもかんでも ほしがりやの ヘンタイと いわれている」と皮肉られてた通り、ぷよフィシリーズのシェゾは執着する範囲が各方面に拡散。反対にアルルへの執着は薄められた感じでしたから。『ぷよ7』のシェゾが、アルルのアの字も言わなかったのは寂しいことでした。しかし、真の(?)ヘンタイシェゾが戻ってきた!

ありがとう公式! ありがとうシナリオライターさん!! あーりーがーとーおー!!! ('▽`*)/

 

ちょっとカップリング視点の感想を書きます。嫌な人は スキップ▼ してくださいね。

今作は本当に、シェゾ×アルルだったと思います。厳密に言うと、シェゾのアルルへの執着が明らかに恋愛寄りに描写されていて、しかもボリュームがあった。

オレがてにいれるまえに ヤツ(サタン)がおまえ(アルル)をたおしては いけないからな」「(ルルーに対し)あんしんしろ あのオッサン(サタン)に アルルはわたさん」「(サタンに対し)アルルはわたさん」「おまえに アルルを うばわれるわけにはいかん アルルを いただくのは この オレだ!

魔力を手に入れたいだけなら、アルルが結婚したって何の問題もない。なのに婿候補のサタンに敵愾心バリバリで、正面から「渡さん」宣言を何度も。

多くの人が指摘しているところですが、このノリはGG/ケータイアプリ版『魔導2』を彷彿とさせます。シェゾのサタン「オッサン」呼び、サタンに迫られるアルルを助けに現れた時の「そいつ(サタン)から はなれろ!」の台詞も共通。自分を巡って言い争うサタンとシェゾを前に、今作アルルは「ボクは どっちのものでも ないよ!」と困っていましたが、『魔導2』では「うぇぇ、どっちもイヤだぁ!!」と言ってましたっけ。

ともあれ、今作のシェゾは『魔導2』の頃以上に熱烈で、いかにもツンデレ的です。

オレは おまえ(アルル)とともにある!」と、《君がサタンに奪われないか心配なので一緒にいたいです》宣言まで行い。りすくまに「しつれいですが あいのこくはくなら ちょくせついったほうが いいのでは?」と言われて、大汗をかき声が裏返るくらい動揺して、反論しきれずに勝負になだれ込むエピソードもありました。りすくまは「すなおに なってみること それも 愛…」と言ったものです。

一方で、《強敵と書いて友》的なアルルとの関係も描写されていたように思います。これも嬉しかった♥

シェゾ編では、どちらがサタンをこらしめに行くかでアルルと勝負します。この時の二人の表情の楽しそうなこと。アルルはシェゾに敗北してしまいますが、「サタンのところには ボクもいくからね シェゾひとりじゃ たぶん ムリだとおもうし」とむくれつつ付いてきて、シェゾも受け入れ、アルルの魔力を奪おうとはしません。

 

今作のアルルがシェゾに優しかったのも、シェゾ×アルル的な空気を助長していたと思います。一緒に行動し、彼が変態的台詞を吐いても苦笑して流し、「ごめんね りんご シェゾは コーフンすると ことばを せいだいに まちがえるんだ」なんてシェゾの代わりに謝ったりして、むしろフォロー役に回っていました。

反対にサタンには厳しくなっていましたが、これらは『SUN』の影響なのでしょう。あのゲームではシェゾは目的を同じくする好敵手、サタンは懲らしめる対象、というポジションでしたから。

とはいえ今作にもサタン×アルル的場面はしっかり作られています。サタンの真剣な告白にアルルが一瞬ドキッとなったり、瀕死の(演技をした)サタンを真剣に心配したり。前作はサタン×アルル独り勝ち状態でしたし、こちら派へのファンサービスは欠かされることがないですね。

 

ところで。今作のラスボスペアの目的は、《世界中の人の心の奥底の欲望や願望を暴き、全て叶える》こと。欲望や願望を暴くのはエコロ担当で、願いを叶えるのはサタン担当だそうで。

それを咎められたサタンは言います。

みな かなわぬねがいを かかえて いきる それは かなしいことだと おもわんか?
あの くろいかげと きょうりょくすれば みなの ねがいも わたしの ねがいも かなうのだぞ

わたしのねがいは… アルル おまえだ
おまえに うけいれられること それが わたしのねがいだ

一見真剣な告白に見えますが。サタンの願いを叶えるのはサタン自身なわけで。

「お前が言うことを聞かないから、魔力を使って精神操作をするぞ」という告知ですよねコレ(汗)。しかも世界中の人も巻き添えにするという。魔王っぽい告白と言えるのか?

続けてサタンは言います。

そしてさらにいうなら すべてのギャルに うなるほど しんこくにモテたい
すべてのギャルが うすぎの びじょになって このサタンさま ひとりをとりあうのだ! はーっはっはっはー♪

これも、魔力で自分の願いを叶えるってことですよね。世界中の若い女性を「薄着の美女」に変身させて、サタンを愛するよう精神操作をするってこと……?(大汗)

つーか、サタン一人を取り合うって、愛人たちを競わせたいのか。確かにGG/ケータイアプリ版『魔導3』でも、アルルとルルーを競わせて悦に入ってましたけども。

 

いえいえ。サタンはそういう人じゃないですよ。きっと。……たぶん。

つーか、どんな願いでも叶えることが出来て、まずは自分の願いを叶えたいと言うなら、とっくにやってるよなぁという話で。

『SUN』のサタンはギャルにモテたいあまり、営業努力と称して小麦色に日焼けするべく太陽を大きくしてましたけど。こんな感じで、サタンが人の願いを叶えようとしても、結局は自分で努力する形になるんじゃないかなぁ。例えば、キキーモラが「世界中をピカピカにしたい」と願ったら、最高級モップが与えられる程度の。……と、思いたい。

それにしても、世界中のギャルに唸るほどモテたいなんて。ハーレムとファンクラブ持ってるくせに、まだ足りないのかー。なんたる精力家。さすが魔王です。

真面目な話、アルルがサタンと結婚するなら、愛人が沢山いることを許容しないといけないのでしょうね。

 

セガぷよのシェゾと言えば、カフェオーレだのカルボナーラだの、飲食物の名前を変なイントネーションで言うのが二作続いていて、このまま定番化するのかしらとハラハラしておりましたが。今作の「ウエディングケーキ」は普通の発音でした。

残念に思っている人は多いみたいですけど、私はホッとしましたです。

ヘンな発音は面白いし、そのくらい別にいいと言えばいいんですけど、複数スタッフがリレー式につなげていくシリーズ物では、こうした「ヘンな特徴」が誇張され続け真に受けられて、「必ずそうしなくちゃいけない」みたいな縛りになってしまい、しまいにどうしようもないくらいキャラが壊れることがあるもんで……。コンパイル晩期のシェゾで懲りましたです。適度なところで切り上げてもらえてよかった。

そういえば、今回シェゾが変な発音をしなかった代わりなのか、サタンが「スイートホーム」をヘンな発音で言ってましたね〜。これって、声優さんご自身の考えなんでしょうか。それともセガ側から指定があったのかな?

 

シェゾのセガぷよからの個性と言えば。

『ぷよ!』にて、どんぐりガエルが可愛い、癒されると言い出し、連れて帰ろうとしたデモがありました。シェゾにも小動物を愛でる気質があったんだなぁ、意外性があって可愛いなぁと、当時ニヤニヤさせられたものです。今作ではそれが踏襲され……ただけでなく、「誇張され真に受けられ」ちゃったような……。う、ううううむ……。

唄うどんぐりガエルを見て「なんて あいらしい いきものだ」と言い、負けても「…くやしいのに すべてゆるせる かわいさだな」と嬉しげ……というところまでは、別にいいのです。ウフフと微笑ましく思うだけです。

ところが、おにおんとの対戦でも同じことを言い出して、ええ? と思いました。

おにおんを見て「ちいさくて かわいいなあ♪ 」と言い、対戦して負けても「カワイイおにと ぷよ勝負 なんだか メルヘンな ゆめのような きぶんだ♪」と嬉しげ。ネタとしてはどんぐりガエルのデモと全く同じ。なんぞこれ。なんで繰り返すんだろう?

そしてとうとう。りすくま先輩にまで可愛いと言いだしやがりましたよ!

く… そんな りすだかくまだか わからない かわいいかおをされても オレのせいじゃくを みだすやつは ゆるさん
かわいく こくびを かしげるんじゃない!

こればっかりは納得でき〜〜ん!!

だって、りすくまって可愛いですか? アレはオヤジキャラでしょ!(本当に中学生の年齢なら《とっつぁん坊や》か?) 『ぷよ7』ではアミティやレムレスに「見たことのない生き物」と言われ、わりと不気味系の扱いで。つーか私にはキモ系キャラに見えるので、なんでよりによってシェゾがこの不気味なオヤジだか とっつぁん坊やだかに、少女のようなツンデレ反応を示すのか、理解できないのです。

っていうか。シェゾは、ちょっとでも可愛い要素のあるものにいちいちトキメく、隠れメルヘンファン(オトメン?)になったんですか?

彼がそういう気質なら、ぷよ世界観中でトップクラスに可愛いはずのカーバンクルにデレないのはおかしくないですか?

うううう。嫌だ、嫌だよう。次作以降、シェゾがちょっと可愛げなキャラやアイテムにいちいちデレるキャラになってたりしませんよ―に。エスカレートしてメルヘン大好きオトメン扱いになりませんように。

 

それはそーと、、おにおん編一回戦(アミティ戦)と最終戦(シェゾ戦)って、デモの骨子が全く同じですね。《可愛いと言われて怒ったおにおんが勝負を挑むが、相手は負けてなお可愛いなぁと嬉しそうにするので悔しがる》とゆー。意図的に揃えてるんでしょうか。

結果的に、《アミティとシェゾは実は感性が似てるんです》疑惑が浮上しちゃいましたよ。(^^;) メダリンク版ではアミティがシェゾに親切でしたし(シェゾが言葉を言い間違えることを理解し、言い間違えないよう応援した)、気が合うのかもしれません。

 

今作のシェゾは水晶の洞窟に住み着いてましたね。シナリオライターさんは、『SUN』のシェゾは洞窟に住んでたと解釈する派なんでしょうか。

私は、シェゾは洞窟に住んでたわけじゃないと解釈する派なので、少し残念でしたが、《魔力を含んだ水晶が淡く輝く》という水晶の洞窟は、綺麗なイメージですし魔力好きのシェゾに合うので、これはいいかと思いました。(『BOX』ぷよクエの不潔な洞窟は最低でしたが……。)

それにしても、この洞窟でウエディングケーキを作るとは。大きなケーキなんでしょうから、かなりちゃんとした設備がないと出来ませんよね。最低でもかまどがないと。自分で作ったのでしょうか。煙抜きはどう……? シェゾは台所からこだわる料理男子?

シェゾが実は料理上手というネタは、コンパイルの当時から同人二次創作ではよく見かけたものです。ですから、意外性というよりは懐かしさを、そして、同人設定が公式設定に進化したかのような感慨を覚えました。

っていうか。男性キャラを料理上手設定にするって、非常に女性的な萌えですよね。今作にはシェゾ、レムレス、まぐろと、三人も《料理が得意なイケメン》がいます(笑)。

エコロ

今作のエコロにはイラっとしました。正確には、エコロの描き方に。

『ぷよ7』のエコロをどうこう思ったことはありません。《悪役という記号》として見ていたからです。それでいくと、今作のエコロには不快感を抱かされたのですから、記号ではなくなったということなのでしょう。

結論から書きます。エコロを庇い過ぎだと思います。

今作のエコロは半端な記憶喪失です。自分が時空の旅人で、人に憑依して操れること、ぷよ勝負が好きなことは覚えていますが、今までの悪行は忘れ果てています。よって、彼に「反省」はありません。

自分の目的は「楽しいこと」だと考えた彼は、独善的な行動を繰り返しますが、すぐに人に嫌がられると楽しくないと「自主的に」気付き、自分の目的は人を喜ばせることだったと思い出します。

つまり、エコロは常識に欠けた部分があるだけで「最初から」一切悪意がなく、むしろ人のために行動していたと言うのです。アコール先生もエコロを「そんなに わるいひとでは なさそう」と評し、シェゾも「じゃあくなにおいを かんじない」と言っていました。

はぁ? 『ぷよ7』のラスト、りんごに負けた腹いせに、全ての並行世界をぷよで埋めようとしたじゃないですか。抵抗し続けるアルルに憑依して肉体を乗っ取り、長期間操ったじゃないですか。悪意は存分にあったと思いますよ。

そうしたことを無視して、「最初から」エコロは悪くなかったと語った物語そのものに、不快感を覚えました。

「自分だけ楽しくても、他の人が楽しいとは限らない」「みんなが楽しくなれるのでなければつまらない」ということを、今回の事件を通して「最後に」エコロが悟るみたいなベタな流れの方が、私には嬉しかったです。

今作でも、最終戦の後 叱られたのはサタンだけで、エコロはどさくさに退散。むしろ「みんなに忘れ去られてしまう可哀想な存在」と言わんばかりの描かれ方で、それにもイラっとさせられました。可哀相ぶりたいなら、叱られてから消えてください。

 

エコロは使い捨ての記号的悪役だと思っていたので、引き続き登場したことも、「声違い」「姿違い」バージョンまで用意されていたことも驚きでした。物語での扱いも前述のとおりですし、よほど製作側がこのキャラが好きなのかと勘ぐってしまったくらいです。

ところで、プロローグのラスト、りんごたちがプリンプに転移してくる場面。三つの流れ星の後、遅れて一つ星が落ちている。それがエコロなんでしょうが、つまり彼は『ぷよ7』事件の後ずっと、りんごの傍に隠れていたってことですか。今作ではいやに りんごに執着してましたし……。怖っ。



以上で感想は終わりです。お付き合いありがとうございました。

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