蛙の王女 |
王位を得ようとする若者は神の娘を娶る。しかし彼女は異形であった。異形の妻は一心に夫を援助し、最後に美しい姿に変身する。
【シンデレラ】にも近しい話だが、あちらでは変身する姫は人間だったのに対し、こちらでは異類だ。また、主人公も娘ではなく若者の方である。
異類婚姻譚の一種で、【たにし息子/蛙の王子】の女性版とも言える。しかし物語が複雑化して「嫁比べ」「失われた妻を探す旅」[ラプンツェル]のモチーフが混入するなど、味わいはかなり異なったものになっている。
冥界下りの要素が強いが、冥界への旅はかなり簡略化されている。冥界が必ずしも美しい世界ではないこと、冥界の姫もまた、醜くおぞましい相を持っていることが忌憚なく語られている。
[蛙の王女]にも[親指姫]にも似ているが、[たにし息子/蛙息子][親指小僧]の女性版にも思える。
子のない夫婦が神に祈って授かった娘は、蛙だった。しかしこの娘は不思議な力で両親を助けて働き、素晴らしい歌声を披露する。その声に惚れ込んだ王子は、彼女をぜひ嫁にしたいと申し込むが、父王の課す花嫁テストが待っていた。
物語前半の視点は蛙姫寄りになっているが、後半になると王子寄りになる。
この話型には属さないが、蛙の娘と結婚した男の話を、参考として紹介。
蛙の王女に関する雑学あるいは考察?