【かぐや姫】の物語は、日本人にはもっとも知られた「日本昔話」の一つだろう。だが、実際の民話としての分布は乏しく、「民話になれなかった物語」と表現されることもある。それでもここまで知名度が高いのは、古典『竹取物語』の評価が高かったことと、何より、国定教科書に子供向け童話として掲載されたことが大きいのだと思われる。

ともあれ、竹から生まれ、満月を眺めて泣き、父母を残して月へ帰っていく不思議で悲しい物語には鮮烈なイメージがあり、現代でもなお、生きた物語・キャラクターとしてリメイク・アレンジが行われ続けている。

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竹から生まれる娘の話である。

基本的なのは、「子供の無い老人が竹の中から娘を授かり、幸せになる」という筋。この後、『竹取物語』では殺到する傲慢な求婚者を次々と退ける展開になり、そこが最もノリがよく華やかな部分なのだが、民話の[竹姫]の場合だと、求婚者のくだりは無視されがちである。あくまで、「折角授かった素晴らしい娘だったが、実は定められた期間降臨しただけの神の化身であり、親を残して自ら昇天してしまう」という、少し悲しい結末がメインなのだ。

しかし、チベットの「斑竹姑娘」のように、竹娘が竹取と幸せな結婚をする、珍しい例もある。

うぐいす姫>>物語を読む

[竹姫]とほぼ同じだが、こちらは竹ではなく、鶯の卵から生まれてくる。民話としては伝わっていないようで、中世の文献に数多く見られるタイプである。

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かぐや姫に関する雑学あるいは考察?



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