オレンジやレモン、りんごなど、いい香りのする果物の中から現れた女の子が、一度はライバルに残虐な方法で殺されながらも、何度も甦り生まれ変わって、最後には恋人を取り戻す話。いわゆる[偽の花嫁]話型の一端。

後半部は[その後のシンデレラ〜偽の花嫁型]【蛇婿〜偽の花嫁型】とよく似ているし、【瓜子姫】や【桃太郎】等の小さ子譚とも関わっている。

瑞々しい果実から生まれるところや、何度も生まれ変わる不思議さが面白くて、大好きな話だ。

三つの愛のオレンジ>>物語を読む

この物語の形成については、オリエント起源で、その後イタリアで完成された……という説があるようだ。三つのオレンジのある不思議な庭園、水を求める乙女、すり替わる黒い娘……といった形式は、確かに西欧のもののように思える。しかしその核にある、植物より生まれた娘と結婚、妬む女による殺害、植物、動物を経ての転生と再生……のモチーフは、実際、インドで頻繁に見られる。

  1. <王子の出発>王子が、三つのオレンジまたは花嫁を求めて旅に出る
    1. 王子は自分の血を白いものの上に落とし、それを見て《白くて血色のよい》花嫁を得ようと決心する
    2. 水汲みの老婆の水瓶に石を投げて割ったために、怒った老婆に《三つのオレンジを探さずにいられない》呪いをかけられる
    3. 女の腹より生まれたのではない娘を探す
    4. 特に理由なく、狩の途中などに偶然、三つのオレンジを手に入れる。3へ
  2. <超自然的援助者>道中で(a.魔女・山姥にの家を訪ねて b.動物を助けて c.聖人と行き会って)助言を得、三つのオレンジを入手する。
  3. <小さ子の誕生>オレンジを割ると、中から娘が現れて水を求める。二度失敗するが、最後のオレンジ娘を妻にする。
  4. <偽の花嫁>黒い娘がオレンジ娘を殺して入れ替わり、王子は偽の花嫁と結婚する
    1. 王子は迎えに来ることを約束して一旦 城に戻り、娘は水際に生えた木の上に隠れて待つ。そこに黒い娘が水汲みに来て、娘を殺害して入れ替わる
    2. 結婚後、侍女が王妃をだまして服を取り替えさせ、水に突き落として殺して入れ替わる
    3. オレンジ娘は「城に帰っても、親のキスを受けたり 物を食べたり 眠ったりしてはならない」という禁忌を王子に課す。しかし王子は禁忌を犯してオレンジ娘のことを忘れてしまい、別の娘と結婚してしまう
  5. <転生・真相の告発>オレンジ娘は獣や植物として転生を繰り返し、再び王子に見出される
    1. オレンジ娘は白鳩(金の魚)に変わる。偽王妃はそれを殺して料理させ、死骸を捨てたところから木が生える。この木から娘が再生する
  6. <罰と死>後日談・黒い娘の処遇
    1. 処罰される
      • 「二頭の馬の尾に繋がれて引きまわされ、粉々になる」「火刑」「樽に入れられて川に転がり落とされる」「落とし穴に落ちて死ぬ」
      • 宮殿を放り出される
    2. オレンジ娘が許して、自分の侍女にする


りんご娘>>物語を読む

「三つの愛のオレンジ」に比べると、より未分化で古代的な匂いがする話。血なまぐさい。【箱の中の娘】を参照。

  1. <小さ子の誕生1>子供のない夫婦が神に祈ってりんごまたは植物の苗を授かる
  2. <小さ子の誕生2>《王子》がそのりんごまたは植物を気に入って自分の部屋に置く。中から美しい娘が出現し、《王子》の恋人になる。
  3. <娘の殺害>妬む女が、《王子》の留守中に娘(果実・植物)を切り刻み、血の海になる
    • 妬む女は王子の以前の恋人もしくは母
  4. <娘の再生>娘は復活し、《王子》と結ばれる
    • 召使が魔法の薬を使った
    • 奪い去られた指(小枝)を取り戻した
  5. <罰と死・転生>妬む女は罰される。植物への変化。


変わりダネ>>物語を読む

かなり変形していて変わっているもの。果実から娘が出現して《王子》と結ばれる。異類婚姻譚と小さ子譚の中間の感じ。


三つの愛のオレンジのあれこれ>>文章を読む

 「三つの愛のオレンジ」「りんご娘」に関する感想と考察?




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