三つの愛のオレンジ】の日本版とでも言うべき話群。川を流れてきた水気たっぷりの果実から生まれた娘が主人公で、[偽の花嫁]系の物語が展開する。ただ、殺された娘の再生のモチーフがとても希薄になっている。

伝承は北海道と沖縄をのぞく日本全国に分布し、実に様々なバージョンがあるが、娘が機織をよくすること、芋が好物であるといった設定は共通しており、根底にある確固とした下地をうかがえる。

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主に西日本に分布している。[偽の花嫁][その後のシンデレラ〜偽の花嫁型]【蛇婿〜偽の花嫁型】との類似を強く表す。

瓜から生まれた瓜子姫は嫁入りを控えている。そこにアマノジャクがやってきて、姫を木の上に縛り付けたり衣装を剥いで取り替えたりしてすり替わる。しかし、木の上の姫の声、あるいは鳥の鳴き声によって真相が知らされ、アマノジャクは罰され、姫は救い出されて嫁入りする。

  1. <小さ子の誕生>a.川を流れてきた b.畑でとれた)瓜から、小さな可愛らしい姫が生まれる。
  2. <小さ子の特異性>姫は普通の子供とは違う、神の子である。
    • 異常な成長…最初は赤ん坊もしくは小人だが、かなりの短期間で娘に成長する
    • 巫女性…機織りが得意
    • 地の女神?…山芋もしくは むかご(山芋の実)が好物
  3. <人食いの侵入>両親の留守中に《アマノジャク》がやってくる。
    • 扉越しに「入れろ」「入れない」の押し問答をするが、結局中に入られる →[狼ばあさん]
  4. <姫の拘束>《アマノジャク》は姫を果実取りに誘い出し、果樹に(a.縛り付けて b.逆さ吊りにして)自由を奪う。
  5. <すり替わり>"アマノジャク"は姫の着物を着て、変装してすり替わる。
  6. <偽姫の異常性>偽姫は(a.食べ方が下品 b.機織りが下手)なので怪しまれる。
  7. <真相の告発>偽姫が(a.嫁入り b.祭・芝居見物)に行こうとすると、木の上から本物の姫が歌う。姫は救い出される。
  8. <罰と死・転生>《アマノジャク》は罰される。植物への変化・由来
    • 逃走。
    • 爺に追われて天に行き、毎日地上に雑草を生やすようになる
    • 切ったり突き転ばしたりし、血まみれになって転がって、以来 かや・蕎麦・ススキの根元は赤くなる
    • 牛と馬に片方ずつ足を縛り付けて引き裂く
    • 髪を木に縛って動けなくする
    • 畑に埋められる。そこに榎の実が落ち、榎の大木が生える

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主に東日本に分布しており、死体化生説話か[継子と鳥]との類似を色濃く表す。爺と婆に姫の死体を食わせて嘲って逃げ去るところは【カチカチ山】や【親指小僧・童子と人食い鬼型】を思わせる。

瓜から生まれた《瓜子姫》が一人で仕事をしている。そこに《アマノジャク》がやってきて、姫を殺して食べてしまう。鳥の声などで家族は真相を知り、姫の死骸を発見する。あるいは、姫を殺して皮を剥いでまとい、姫の代わりに《アマノジャク》が嫁入りする。しかし鳥の声などによって正体が露見し、罰される。姫は甦らない。

  1. <小さ子の誕生>a.川を流れてきた b.畑でとれた)瓜から、小さな可愛らしい姫が生まれる。
  2. <小さ子の特異性>姫は普通の子供とは違う、神の子である。
    • 異常な成長…最初は赤ん坊もしくは小人だが、かなりの短期間で娘に成長する
    • 巫女性…機織りが得意
    • 地の女神?…山芋もしくは むかご(山芋の実)が好物
  3. <人食いの侵入>両親の留守中に《アマノジャク》がやってくる。
    • 扉越しに「入れろ」「入れない」の押し問答をするが、結局中に入られる →[狼ばあさん]
  4. <姫の殺害>《アマノジャク》は姫を殺害する。
    1. 果実取りに誘い、果樹に登らせて、わざと木を揺らしたり枯れた枝に誘導して墜死させる
    2. 食い殺す
      • ここで物語終了
      • 死体を木の上に置くか、ぶら下げておく
      • 血まみれになって死体が茅野に転がる
  5. <すり替わり>"アマノジャク"は剥いだ姫の皮を着て、変装してすり替わる。姫の死体の残りを料理して、姫の両親に食べさせる。
  6. <真相の告発>鳥が歌って真相を告発する。これは無い場合も多い。)
  7. <罰と死>《アマノジャク》は罰される。
    1. (姫の代わりに嫁入りする)
      • 化けの皮が剥げてニセ嫁だとわかる
      • 醜態をさらし、バカ嫁だと追い出される
    2. 罰される
      • 爺が斧で打ち殺す
      • 屋根の上から大石を落として殺す
      • 大釜に湯を煮立てて、中に押し込んで殺す
      • 眠っていたのを家ごと焼き殺す
      • 傷つきながらも山に逃亡する
    3. 「縁の下の(瓜子姫の)骨を見ろ」、と嘲りながら逃亡する
  8. <転生>姫の植物への変化
    1. 死体を埋めたところから梨の木が生え、爺と婆の「上がれ、下がれ」の声で自由に動き、殿様が来る
    2. 姫の死体が大きな胡瓜に変わる
    3. 死体から胡瓜が生えて大変沢山の実をつける


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上記以外の展開になるが、【瓜子姫】的な要素を持つ話。


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