- 虹を指さすと指が腐る。(韓国)
- 虹は神聖なもの。それを指さす不敬をすると、ひょう疽になる。(韓国)
- 子供は虹を指さしてはならない。指先におできが出来る、または耳が裂けるか腐る。月を指してもいけない。(中国 漢族)
- 虹は”東に横たわった竜”で、それをさすと指をなくすかもしれないから、指さしてはならない。(中国南部 チワン族)
- 虹を指さすのは不幸なことで、指が落ちる。ただし、すぐにめんどり籠を指さすと回避できる。(東南アジア ルシェイ族)
- 虹を指さすと、指が山刀か鋭い竹で切り落とされる事故に遭う。ただし、その指を自分の肛門に突っ込めば回避できる。(東南アジア ラケール族)
- 虹は、蟹を食べようと水場に降りてきた神である。指さすと指が落ちる。(東南アジア テンドゥ・コニャク・ナガ族)
- 虹を指すと、指が曲がる。(東南アジア アオ・ナガ族/台湾 ブヌン族/フィリピン タガログ・タヤバス族/インド ビルホール族、バイガ族)
- 虹は、湿った場所から立ち昇る、精霊たちの息である。指させば、その者には二本の指のくっついた子が生まれる。ただし、すぐに砥石に噛み付けば回避できる。(東南アジア レンマ・ナガ族)
- 西に立つ虹は死者の国の王ク・テである。彼は邪悪な男で、妻と共に義理の息子を殺して食べようとして返り討ちにあい、死んで死者の王となった。ク・テは西の虹として現れると、一本の管を下ろして結婚式用の酒を吸い上げる。ク・テは、多くの人々が葬式も出してもらえなかったことを知っている。朝早く西の虹が現れ、雷や地震を伴っていたとき、人々は罰が下ったとして恐れ、仕事に行くこともタブーとなる。もしもそんな虹を指さしたなら、その指は失われるだろう。ただし、すぐに指をへそに差し込めば助かる。なお、東に立つ虹はク・テの妻のテウ・クウェーである。彼女は妊娠中に死んで虹になったため、水を飲むために地上に降りていく。妊娠中に死んだ女の霊は、虹神にもらう以外の飲み物を口にできないという。
- 虹は神霊の橋である。指すと指が腐る。ただし、地面に穴をほげば回避できる。/虹を指さすと、指が腫れる。ただし、すぐに指を地面にこすり付ければ回避できる。(台湾 サイシアト族)
- 虹に向かって手を差し出してはならない。(台湾 ツオウ族)
- 昔、酔った男同士がケンカをし、一方が一方の指を切った。切った男が帰ろうとすると、切られた男は「俺はまだ死なないから復讐できるぞ」とあざ笑った。それでもう一本指を切ったが同じことになる。とうとう五本の指を全部切ってしまったがまだ言うので、首を切って首袋に入れた。しかし首は相変わらず話すので、頭に煮えたぎった木豆の煮汁を注いだが、まだ喋る。今度は青菜の煮汁を注ぐと、やっと話さなくなったので、男は安心して「やつは死んだ」と言った。ところが、首は髪の毛で男を捕らえると、そのまま水に引きずり込んだ。こうして首は虹となり、引きずり込まれた男は川の轟きの音になった。虹の赤い色は血の色、茶色は木豆汁の色、青色は青菜汁の色である。だから虹を指さすことは禁じられている。その手が焼けて火傷をするから。虹を指すなら、指を曲げて拳にすればいい。(台湾 ブヌン族 *ブヌン族にはかつて首狩りの風習があった。この話は首狩りの起源説話でもある。なお、ブラジルのカシナウア族にも、切り落とされた男の首が死なずにつきまとい、その滴る血が虹になったという話がある。)
- 昔、貧しくて服が用意できず、裸のままの夫婦がいた。妻はついに他人の服を盗んだが、夫はこれを恥じて、二人で虹になろう、と言った。夫婦は人々にこう言い残した。「私たちは暴風をせき止める。また、あなたたちが私たちの悪口を言えば怒り、指さしたら指が曲がるだろう」 妻は盗んだ服を着て美しいので虹の上側に、服のない夫はみすぼらしいので虹の下側にいる。(台湾 ブヌン族)
- 昔、ネウンという娘が赤・黄・紫の糸を盗んだ。母にひどく叱られ、ネウンはそのまま天に昇った。太陽が「お前はどこから来たのか」と尋ねたので、五本の指で「あそこから」と指したところ、そのまま虹となって天にかかった。だから、今でも虹を指してはいけないと言う。(台湾 ブヌン族)
- 昔、神々の王バタラは地上に暮らしていた。ある日、彼は馬にまたがって天の彼の国へ去っていったが、その際、決して彼を指さしてはならない、そうしたら罰すると命じた。そうして天使たちに半円形の美しい橋を作らせて上っていったが、人民はそれを見て驚き、王の戒めも忘れて指でさした。すると指は虹の形に曲がり、二度と治らなかった。それ以来、人々は虹を恐れるようになったという。(フィリピン タガログ・タヤバス族)
- 妊婦が虹を指さすと、指のない子供が生まれる。ただし、虹を指さす前に噛んでおけばよい。(フィリピン ブキノドン族)
- 虹は悪霊たちの道である。虹が出ているとき外出すると、悪霊によって病気になる。また、虹を指さすと不幸に見舞われる。ただし、すぐに指を濡らせば回避できる。(フィリピン)
- 虹を指さすのは愚かなことである。その指は腐って落ちてしまうだろうから。(インドネシア ドゥスン族)
- 虹を指さすと、指が落ちる。あるいは腕が麻痺する。(インドネシア バレ・トラジャ族)
- 虹を指さすと、指が落ちるか曲がるか病気になる。ただし、指を噛めば回避できる。(インドネシア 西トラジャ族)
- 虹を指さすと虹に切り落とされて指が落ちる。(インドネシア ト・ワナ族)
- 虹を指さすと、指の短い子か孫が生まれる。あるいは指が硬直したり落ちてしまう。(インドネシア ヌガダ族)
- 虹を指さすと、指が曲がる。また、虹を見つめてはならない。見つめなければ虹も危害を加えないだろうから。(インドネシア ト・ロイナン族)
- 虹を指さすと、指が死んだり落ちたりするかもしれない。だから、直ちに指を肛門に挿し込まなければならない。(インドネシア マンガライ族)
- 虹は弓矢を持った海の精霊たちで、その弓矢は飛魚である。虹を指さしてはいけない。指がしなびてしまうから。(ソロモン群島)
- 虹を長い間見つめたり、指さしてはならない。さもなければ目が見えなくなったり、腕の下に腫れ物ができる。(ニューギニア ブカウア族)
- 子供は虹を指してはならない。母親が死ぬ原因となる。(ロイヤルティ諸島)
- 虹を指さすと指が腐る。または、追いかけてくる。虹が出たら、虹に向かって鎌で切る仕草をするか、地面に描いた虹を棒で切るとよい。(日本 アイヌ)
- 虹を指さすのは天神を犯す行為である。なので、してはならない。(北・中央アジア オロチョン族)
- 子供が虹を指すと指が腫れるという。(内モンゴル)
- 子供は虹の色を数えたり指さしてはならない。指が曲がったり落ちたり、病気になってしまうから。(北米)
- 虹を人差し指でささない。指すと、指がボールのように腫れるらしい。唇やひじでなら さしてよい。虹に限らず、月や星を眺めたり、星を数えてもいけない。星を数えたら死んでしまう。(北米 テトン・ダコタ族)
- 虹は雷神の衣装である。虹を指さすと指の下の関節が腫れて、永久に不恰好になる。(北米 チェロキー族)
- 虹は雷を助ける。虹を指さすと爪が腐り、もう伸びなくなる。(南米 ウイトト族)
- 虹の正体はブイメというウナギのような魚である。世界が大火で滅んだとき、様子を見ようと水から出て来て、天地を繋ぐ仲介者となった。指さすと魚に戻って噛み付き、爪を化膿させる。(コロンビア デサナ族)
- 虹は巨大な電気ウナギの影である。もしもこれに触ったなら、死んでしまう。このウナギは、”ブム”と音を立てて消える。(ブラジル・カラジャ族)
- 虹を指さすと指が腐る。(南米アマゾン トゥカノ族)
- 虹を指さしてはならない。天使の目を突いてしまう。もしもそんな失礼なことをしたら、虹は消えてしまうか、指が抜け落ちるか、指が硬くなるか、指が腐り落ちるか、雷に打たれる。もしも虹を指さしてしまったら、直ちにその指に噛み付けば罰を回避できる。同様に、天・太陽・月・星を指さしてはならない。(ドイツ)
- 虹を指さすのは悪いことである。(イギリス)
- 虹を指さすのは好まれない。(ギリシア)
- 人さし指を伸ばして人・獣・墓・天・電光・虹を指さしてはならない。指さすのは呪詛であり、報復として指が腐ったり、不幸なことが起こるからだ。小さな子供が虹を指すと、その呪詛は両親に返る。(南西アフリカ ベルグダマ族)
- 人や虹を指でさしてはならない。指を伸ばした手のひら全体で指し示す。(アフリカ ロアンゴ)
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