深淵の風景のあとがき


うひ〜〜、前編と後編の発表時期の期間を空け過ぎ。

時間をかけて書いていたというわけではなく、単に面倒になってほったらかしてあったという(^_^;)。やはり駄目だ。私は連載とか前後編はやっちゃいけないネ。(一応、「トラブル★テリブル バレンタイン!」よりは一週間ほど先に上げてあったのですが、出来がよろしくないのでなんとなく出すの止めていた…でもいつまでも未完のままにしとくのもやだし。書き直すのもやだし。(オイ))

さて。「よくあるパターンのお話」いわゆる黄金パターンの中に、眠りに囚われてしまった人物の精神世界に、別の人物が救出のために入る、というものがあります。少し変化すると、過去に行くとか「ミクロの決死圏」とかになるケド。要するに、現実と連動した少し違う世界に入って影響を及ぼす話、ですね。

そういう話で「敵」を作ろうとした場合、夢を操る魔物――夢魔がそのやり玉に挙げられることが多いです。で、「魔導」の夢魔というと、インキュバスとサキュバスですよね。

しかし、今更彼らが夢の中で悪さして退治される話なんて作っても違和感あり過ぎる。

……じゃ、インキュバスが夢の世界の水先案内人になる、ってのはどーかな?

この話の発想の切っ掛けは、実はこんなもんでした。(^_^;)


アルルは女の子たった独りで魔物の跋扈する世界に飛び出し、シェゾやサタンやルルーなど、ヘンでかなりキケンな連中に会っても怯まず、打ち倒し、その場を乗り切っていけるような(しかも彼らと後には友達付き合いできるような)、そんな実力と精神力と根性を持った女の子です。何故彼女がそんなに頑張れるかというと、一流の魔導師になるという夢があるから。

では…そんな夢を持たない、持つ必要のないアルルがいたら、どんな感じだろうか?

自分の夢のために万難を排する強さ――ある意味エゴイズム。今回の夢の中のアルル――心の深淵に住まうアルルは、それを持たない女の子です。誰かのために必死になれる強さや優しさは持ってる。でも、それだけ。

それは少しも悪くないけれど――例えばシェゾ辺りだと、そんなアルルをどう感じるだろうか?

それがテーマの一つでもありました。

今回のシェゾとアルルは、カップリングというよりは「強敵と書いて友」のイメージで書いています。正反対の力と行く末を持っていて、でも「世界一の魔導師になる」という一点においてのみ同じ道を歩んでいる。んでお互いにゼッタイ譲らない。うーん見事なまでの熱血ライバルですよね。

ライバルとしてのこの二人の関係というのもとても好きです。この関係を忘れずに書いていきたいなぁとか思っています。


この話、ごく素直な書き方をすればすぐ読み終わっちゃうよーな短い話ですが、今回はハサミでチョキチョキ切り刻んで、順番をバラバラにして糊でペタペタ貼るような真似をしてしまいました。何故かというと………なんとなくしたくなったんで。(なんて深遠な理由だろうか?)


01.2.18 すわさき

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次回は「蒼き闇」の修正版をアップする予定〜。(いい加減片づけないとねー)

ところで、アルルの心の深淵にサタン様やカーくんはいたのに、ルルーやシェゾがいなかったことを、みなさんはどう考えますか?

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