はてなどう > 魔導データ館 > 魔導キャラファイル > 最初期魔導のトリビア > 真・魔導物語設定について > 『アル冒』『ぽけぷよよん』における真魔導系裏設定
真・魔導物語設定(以下、「真魔導設定」)は、1998年に公表された、当時のゲーム『魔導物語』の公式設定である。
『魔導物語』『ぷよぷよ』を最初(1989〜1992)に製作した米光一成(猫庭王米光)氏らが早い時期にコンパイルを退社して以降、シリーズは複数のコンパイルスタッフによって作り継がれていくことになった。社内には設定製作を行う部署が置かれ、そこで設定が作り足されていき、別の複数のスタッフがシナリオを書いて、それぞれ少しずつ異なる流れの物語世界を紡いでいた。
真魔導以前のコンパイルのぷよ魔導系設定への姿勢は、いい意味でも悪い意味でも"ゆるゆる"で、非常におおらかであったと、ユーザーの視点から見て思う。米光氏の作り上げた世界を原作・基本として、後は単発アンソロジー的に自由にやっていたと言っていいかもしれない。
ゲーム中で描かれる物語が、それ以前のものと矛盾しているなどというのはザラなこと。物語が直接続いているのにキャラクターの性格がガラリと変わっていたり、タイトルごとにキャラクターの口調がバラバラだったり。身長体重スリーサイズに至っては、どんどん改定されていた。物語は設定に縛られず、むしろ、設定が物語の後から付いてくる形であった。
真魔導設定も当初はそんな複数の魔導の流れの中のひとつで、1996年の『はちゃめちゃ期末試験』が初出となる。織田健司(堕王健司)氏の作り出した、それまでの魔導とは異なる、緻密な設定と大きな構想の上で展開するハードでシリアスな物語は、概ね好評をもってユーザーに受け入れられ、氏はその続編の『ルルーの鉄拳春休み』を製作、次いで、SS版『魔導物語』のシナリオを担当した。最初に書かれたシナリオは『はちゃめちゃ』の直接の続編だったが、最終的に決定稿とされたのは、過去の『魔導2-3』のリメイク作であり、物語の頭からの作り直し。また新しい流れの魔導の誕生であった。
当時SS版『魔導』のプロデューサーだった松岡毅氏は、『Disc Station』15号の記事でこう発言している。
物語のなかの設定というものは過去の魔導物語のなかで炎の卒園児とか、はなまる大幼稚園児とかいろいろあったわけですけど、ぶっちゃけた話、魔導の根底をなす部分以外は、あの辺の世界観は踏襲してません。(中略)新しい魔導世界を作っていきたいと思っています。(中略)システム面の変更もガンガンやるつもりです。で、セガサターンの魔導物語という1つの線を確立しようと思っています。
できれば、新しい魔導物語を遊ぶ前にDS12号に収録されている『はちゃめちゃ期末試験』を遊んでですね、魔導物語の可能性についていろいろ想像してみてもらいたいな。今までの楽しいだけが魔導・ぷよの世界だと思っていた人は、はめきん(はちゃめちゃ期末試験の略)をプレイしてですね、あ、なるほど、こういう線もありなんだということを知っていてもらうとSS魔導の世界にますます入り込みやすいかと思いますので、DS12号買ってね、やってみてね
「今までの楽しい」魔導とは違う、ハードな「新しい魔導世界」が「あり」だったのは、設定への縛りが"ゆるゆる"だったからこそであろう。
この状況を一変させたのが、98年のコンパイルの倒産、和議申請である。殆どのスタッフが会社を去り、残ったスタッフに魔導存続の荷が負わされることになった。当時のコンパイル公式サイトに社長がユーザーの意見にレスを返すコーナーがあったが、SS版『魔導物語』の発売後、そこで社長が「現在、社内で魔導物語の世界観を再構築中です」という発言をしていた記憶がある。織田氏の魔導自体は和議以前から存在していたわけだが、それを正伝――原作・基本の位置に据えて、他のスタッフの製作した過去作をその世界観の枠の中に当てはめていく、というような作業がなされたのは、この頃だったと推測する。
こうして、98年の末に発表されたのが「魔導物語年表」(以下、「真魔導年表」)である。風変わりなことに、織田氏が書いた小説『真・魔導物語』の巻末に付録として添付、という形で公開された。これらの設定が「真魔導設定」と呼ばれる所以である。
このようなことが起こってしまったのも、会社が傾くという非常事態の中で様々なタガが外れてしまった、とにもかくにも製作側が尋常な状態ではなかった、ということの表れなのだろうが、年表の公開はコンパイルの犯した痛恨のミスであったと思う。
なにより、「ネタばらし」である。しかも、作品化していない(作品化の予定のない)構想を今後の"絶対的な"展開・結末として提示してしまったために、ユーザーも、(その期待や不満を受ける)製作側も共に、後々までこの設定に縛られることになった。
和議以前の『魔導物語』は、「アンチ大作(王道)RPG」を謳い文句としていた。アルルは勇者ではないし、魔王はペットを溺愛する花嫁募集中の男で、戦いは世界の存亡には関わらない。ところが、SS版『魔導』以降、それが変わる。アルルは世界を救う(?)特別の運命を持った勇者で、仲間たちと共に世界を滅ぼそうとする敵と壮絶な死闘を繰り返すようになった。作品性そのものが異なる方向に変わったわけだ。(この変化は、コンパイル社長の意向でもあったらしい。)
年表が公開されると、作品性の急激な変化についていけずに取り残されるユーザーが現れた。一方で、柔軟な感受性を持つ、あるいは旧魔導シリーズをプレイしたことのないユーザーは、むしろこの新しい設定を大歓迎したし、変わったことに気づかずに、シリーズの最初からこの設定だったのだと勘違いする者すら多数現れて、ユーザーの間の認識にも大きな溝が生じることになった。
この状況を助長したのが、真魔導に対するコンパイルの姿勢である。真魔導設定とは一体何なのか。また、それをゲームではなく小説の形で書いている『真・魔導物語』はシリーズの中でどう位置づけられるものなのか。それをコンパイルは決して明示しようとはしなかった。真魔導は内容的に旧シリーズとはもはや別物だが、真魔導年表やそれを掲載した『魔導物語ファンブック』(アスペクト)を見ると、MSX-2版から変化なく続いている魔導・ぷよゲームシリーズの唯一の正伝として公開されているように見えてしまうし、小説のタイトルにも「真」と、いかにも正統性を主張した言葉がついている。更には、真魔導は年表と小説を書いた織田氏の個人創作物としての側面さえ持っていた。氏自身も、コンパイル社員として製作した年表を小説の巻末に載せる一方で、あとがきなどには「(真魔導は)自分にとっての魔導」だと書くなど、会社として書いた一次作品なのか個人として作品世界を借りて書いた二次作品なのか、はっきりさせないまま扱っておられたように見える。
一体、どうなっているのか。矛盾を無視して無理やり旧シリーズから繋げた正伝なのか、単にパラレルなリメイク新シリーズなのか、はたまたゲームとは無関係の二次商業小説なのか、それとも小説が「正伝」になってしまったということなのか。ユーザーは大混乱したが、コンパイルはそれを放置した。
これは、この当時の魔導・ぷよシリーズとそのユーザーへの、コンパイルの態度の不誠実さを露呈する事態でもあった。会社としては当たり前のことではあるが、最重要点は様々な制約の中で少しでも多く「売ること」であり、ユーザーの心情は二の次だったのであろう。この結果、新しいユーザー(小説ファン)を得た一方で、一部旧シリーズユーザーの根強い反感を買い、離反さえ招くことになった。
これらユーザーの反発に対して、織田氏はファンサイト掲示板に現れてこう述べている。
魔導物語の世界観設定に関してなのですが…… 間違い無くこの世界でいちばん、魔導物語という媒体に関して時間をかけて取り組んできた自分が個人的に主張したいことは それこそ本数冊分に渡るほどありますし、正直受け取り側の方々に対して、ある程度納得のいくご説明をして差し上げたいのはやまやまなのですが……
残念ながら、それは不可能です。 (中略)魔導物語のような、すでに何年も前から社内よりも、むしろ社外でひとり歩きしているような媒体に関しては、もっとも自分の感性と合致したある作品のみに視点をしぼり、それにすべての基準を合わせるユーザーさん側と、それまで世の中に出たすべての作品の整合性を取りつつも(ビジネスライクなコメントですが もっとも重要視すべきは物語の内容ではなく、商品としてです) 各媒体や時節、その他たくさんの大人の事情(笑)に合わせて 対応しなくてはいけない作り手(自分)側とでは、作品に対する スタンスが決定的に異なりますし……
多分一般の方には、なかなか理解してもらえないとも思います。 でも、退社してなお魔導物語に取り組んでいる今の自分が 『何の考えもなく現在の世界観を作り上げたのではない』と いうことだけは、分かって欲しいって感じました……。 そうでないと、今まで自分がやってきたことや、今もなお続けている作業があまりにも辛過ぎます……。
氏はこの時点でコンパイルを退社していたが、小説『真魔導』シリーズの執筆は続けていた。
察するに、氏は苛酷な環境に疲れ果て、その反動から真魔導にこだわり過ぎていたのではないだろうか。和議直後からコンパイルが『ぷよ』製作終了するまでの氏の『魔導物語』に対する仕事・貢献は誰もが認めるところであろうし、会社側も貴重な収入源を逃すまいと退社後の小説執筆を特に請うた(『魔導』を任せた)という事情があったようだが、それにしても、SS版『魔導』用に書いたが没になったシナリオをゲームの正伝として発表してみたり、「この(年表の)結末でなければ、自分にとっての『魔導』ではない」などとファンサイト掲示板で述べるなど、自分の構築した世界へのこだわりを露出させ過ぎていたように見える。
そして、それは傾いたコンパイルの綻びが許してしまった、通常ならあるべからざる事態であっただろう。
強いこだわりと、それに伴う個人名の突出は、実際の状況はどうであれ、あたかも魔導・ぷよシリーズの物語世界が、「コンパイルの複数スタッフ」のものではなく、織田氏個人の創作物になったかのような印象をユーザー間にもたらした。そして、それは一部ユーザーの猛烈な反発を呼んだのである。
これが、この対立劇の真相だったのではないだろうか。細かい設定やエピソード一つ一つが気に入るか気に入らないかは騒ぎのキッカケに過ぎず、テコ入れが妥当だったかそうでないかは表面的な論点に過ぎなかった……。そう、騒ぎが遠く去った今は思うのである。
真魔導設定に関するユーザーの見解は、発表当時から定まることがなかった。ゲームの正伝か、小説のみの設定か。というのも、これらの設定はアスキー系の(小説『真魔導』関連の)書籍に掲載されていたが、ゲーム公式側――『コンパイルクラブ』やコンパイル公式サイトで(文庫本発売の宣伝以外で)紹介されたことは、一度もなかったからである。(社員のみ閲覧できた社内ネットの織田氏個人ページには掲載されていたらしいが。)
コンパイルは、真魔導の位置づけをなんとしても明示しなかった。
個人的には、真魔導設定の主な問題点はここにあったと感じている。『はなまる』などの単発的なリメイク作とはワケが違う。十年も続いていたシリーズだったのだ。テコ入れのために「シリーズ全体」をリメイクするというのなら、過去作と区別し、「リメイク新シリーズを開始する」と告知してほしかった。公式に区別してくれていたら、旧シリーズユーザーも、これほど不安や不満を感じることはなかっただろうし、新規ユーザーが旧シリーズと混同するようなこともなかっただろう。
そう。ここに最大の矛盾があるのだが、真魔導は、リメイクであると同時に正統続編でもあろうとしていた。過去作に縛られず自由自在に物語・キャラクター設定を改変(リメイク)する一方で、「十年続いた歴史」をも、まるまる捨てまいとしていた。であればこそ、過去作(オリジナル)の方を逆に真魔導の設定で縛り、年表にあてはめていたのだろう。
だが、本来は違う設定で製作されていた過去作をリメイク設定に押し込めるのは、いわば「捻じ曲げ」でもある。強引な捻じ曲げは年表自体にも矛盾を生じさせていたし、過去に遡ってまでの改変は、過去作をその当時の設定のままで愛好していたユーザーにとっては、「別解釈の押し付け」に他ならなかった。
どうしてこのようなことをしたのか、ユーザーには分からない。商業的な理由だったのかもしれない。ただ、前掲のファンサイト掲示板での「それまで世の中に出たすべての作品の整合性を取り」という発言や、『コンプリート・コンパイル』(エクシード・プレス)での以下の発言から察するに、織田氏自身は、パラレル的に展開していた過去のシリーズ、その全てをまとめて再構築し一本化した、というつもりでおられたようだ。
(前略)感情移入しやすいようにキャラクターは、ひとつひとつきちんと設定したつもりです。
「魔導」にしろ「ぷよ」にしろ、これまでのものはストーリー性が全面に出てきてないですよね。「ぷよ」はパズルゲームなので当たり前なんですが(笑)。
それで、今回の「魔導」(*管理人注・SS版『魔導』のこと)をプレイし終わったプレイヤーは、「アルルはこんな子だったんだ」とか「ルルーはこんな奴だ。シェゾはこんな人間だ」という感想をもつでしょうね。
結局「魔導」や「ぷよ」といったこれまでのゲームをここでまとめ上げた、という感じが強いです。
キャラクターの設定は、ユーザーのみなさんから寄せられた4コマ漫画も参考にさせてもらいました。「コンパイルクラブ」や攻略本など可能な限りいろいろな媒体に目を通しましたね。それはもう大変な作業でした(笑)。
それに今回は6回シナリオを書き直しているんですよ。いろいろな訳があったんですけども、最終的にクオリティの高いものができたと思います。自分としてはまだ不満なところもあるんですけど、ある意味「魔導」の集大成的なゲームが出来てよかったと思いますね。
この発言を参照するに、織田氏にとっての「魔導・ぷよシリーズ」は、二次創作物(パロディ)をも含めたものであったようだ。
不完全で貧弱な世界観を膨らませ、壮大なファンタジーにする。しかも、キャラクターに関する様々な意見や解釈をまとめ上げて取り入れ、「みんな」が満足出来るようにさえしたもの。……それが、氏が意図したところの真魔導設定だったのだろう。
真魔導設定は、ゲーム『魔導物語』『ぷよぷよ』シリーズの正伝設定として発表された。そこに書かれたエピソードを今後の「絶対的な展開・結末」だと提示されてユーザーは動揺したが、しかし、実際にはこの設定の適用がはっきりと確認できるのは、設定製作者の関わった数本のゲーム(はちゃめちゃ期末試験/鉄拳春休み/SS魔導/ぷよウォーズ)と小説のみである。そのうち三本は真魔導設定が唯一の公式となる以前に製作されたものなので、真に年表に従って製作されたゲームは『ぷよウォーズ』一本だけだと見て構わないだろう。
コンパイル最晩期の『アルルの冒険』や『ぷよクエスト』には、少なくとも表面上は真魔導設定上の世界観は露出していない。厳密には、真魔導年表寄りの裏設定は存在していたようだが、表に出ずに終わっている。
その後、『魔導物語』の一千年後としてコンパイル〜アイキが製作した『ポチッとにゃ〜』も、ユーザーに明かされた部分を見ている限りでは、真魔導の世界設定を踏襲はしていなかったように感じられる。真魔導設定がカッチリ適用されているならば、一千年後の世界は創造主サタンを戴く、彼の支配の元で時間のループしたぷよ世界のはずなのだが、天界があって神々が自由に地上に影響をおよぼし、『分岐劇場』ではプリムたちもどんどん年をとっているなど、どうも真魔導のそれとは異なる世界観だとしか思えない。
コンパイルは02年の夏に『ぷよ』の製作販売を終了したが、この年から『コンパイルクラブ』に「コンパイルクラブは『魔導物語』をプッシュします!」というコピーが入るようになり、100号と101号に「そろそろ次が遊びたくない?」と『魔導物語』の過去作を特集。一号空けて、103号で『ポチッとにゃ〜』を新作発表している。この時特集紹介された『魔導』は、MSX-2版『1-2-3』と『A・R・S』であった。(*真魔導年表が発表される半年ほど前、98年夏発行の『DS19』では、『魔導物語』の正伝はMSX-2版『1-2-3』『A・R・S』『はちゃめちゃ』の三本だと公式発表されていたものだが……。)真魔導設定がこの時点でも有効であったならば、ゲーム版の『1-2-3』は小説『真魔導』によって別の物語に語り直され無効化されているのだから、紹介すべきではない。小説『真魔導』と『はちゃめちゃ期末試験』、SS版『魔導』の特集を組み、年表を添えるのが妥当であろう。だが、そうはされていない。
『ポチッとにゃ〜』の設定製作者は、『A・R・S』やGG版『魔導A』、『鉄腕繁盛記』他のシナリオを担当したうゑみぞ氏である。新しい設定製作者が立ったことで、設定が更に改変(または、旧設定に回帰)したと考えられる。真魔導設定がそれ以前の設定を退けて現れたものであったように、ポチにゃ設定が現れたことで、真魔導設定も「過去に存在した設定の一つ」の位置に下げられたと考えるのが妥当であろう。
以上のことから、真魔導設定は現在は絶対的な上位性を持たず、他の旧設定と同列の、「複数のパラレルな魔導」の一つになっていると思われる。
しかし、この設定は小説というゲームよりも長期再読しやすい媒体、そして年表というインパクトある形で発表されたために、現実にはゲームとして殆ど実現化されていないにもかかわらず、実際に製作されたゲームの設定よりも根強くユーザー間に浸透している感があり、個人的にはそれが恐ろしい。かつては角川版小説が、外部作家のオリジナル設定小説であったにもかかわらず、一部ユーザーにはゲーム設定以上に浸透し、準公式作品的に認識されていたきらいがあったが(実は、真魔導設定も角川版小説の影響を強く受け、小説オリジナル設定や表現を多数受け継いでいる)、それと同様の現象が起こっている。
真魔導年表における魔導暦は、"アルル・ナジャ"が生まれた年以降をA.A.、生まれる以前をB.A.とすると定義されている。 なお、年表に書かれてあるが作品化はされていないタイトル付きの物語は青で、小説としてのみ作品化されたものは緑で表記した。
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創生期 |
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B.A.15000 |
現代。(西暦1999〜2000年頃) 『魔導物語NOW』(未発表物語)
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B.A.11???〜
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ラグナロク勃発。人類の文明が飽和状態に達し、黙示録の戦いが始まる。悪魔王ルシファー(現サタン)率いる聖なるものと、人類庇護者リリス率いる邪なるものとの戦い。 *人類の視点から見れば、ルシファー側が悪、リリス側が正義なのだが、神の視点から見ればルシファー側が聖、リリスが邪となる。したがって、神よりも上に位置し、善悪を超越した存在である創造主の視点からは、このように入り交じった表現となる。
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B.A.11000〜
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人類の文明が完全崩壊。リリスの命を引き換えにした奇蹟によって魔界、人間界、次元の狭間が混同した『魔導世界』が新たに創世され、結果的に創造主の文明崩壊の輪廻から一時的に解放されることに……。このことにより天使長であったルシファーは神の怒りを買い、12枚の翼を引き裂かれ天界から追放されることになる。
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B.A.10000〜 |
歴史の再生。『人為らざるもの』と『人なるもの』、様々な種が入り乱れての新たな歴史が作られ始める。
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B.A.7000〜 |
超古代魔導文明期(神世期)。様々な種の安定と精霊の力によって、人類の文明はまたもや目ざましい繁栄を遂げていく。
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B.A.5000頃? |
異世界ガイアースから"ぷよぷよ"たちが転送されてくる。
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黎明期 |
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B.A.1500〜
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古代魔導文明期。これ以前の文明と歴史は超古代文明の衰退、種の変革(?)と共に完全に姿を消す。現魔導世界に住む者たちが多少なりとも把握している歴史はこれ以降となる。
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B.A.1000〜
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古代魔導の誕生(?)。魔族そのものを取り込むことによって発動する、新たな魔導が確立される。
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B.A.700
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戦いの時代。古代魔導の発達に伴い、剣と魔法と英雄の活躍する伝説の時代が到来する。
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B.A.350
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英雄譚最盛期。 『真・魔導物語外伝 金色の勇者』(小説)
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B.A.150 |
『魔導物語A・R・S』(ゲーム)
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B.A.34 |
『真・魔導物語』(小説)
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安定期 |
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B.A.2 |
アルルの両親が結婚する。
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A.A.1 |
アルル・ナジャ誕生。
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A.A.5 |
アルルの父、行方不明になる。 『魔導物語A・R・S』(ゲーム) 『魔導物語A ドキドキばけ〜しょん』(ゲーム)
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A.A.7 |
『魔導物語1-2-3』『魔導物語I 三つの魔導球』『魔導物語I』『魔導物語 はなまる大幼稚園児』(ゲーム)
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A.A.13 |
アルルの魔導師としての能力・記憶がワケあって一度全て消去される。
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A.A.15 |
『魔導物語A・R・S』(ゲーム)
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A.A.16 |
『真・魔導物語』(小説)
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A.A.17 |
『魔導物語 EPISODE II CARBUNCLE』『魔導物語1-2-3』『魔導物語II アルル16歳』『魔導物語III 究極女王様』(ゲーム) 『真・魔導物語』(小説) 『腐導師再び編』(未発表シナリオ)
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活動期 |
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A.A.17 |
『魔導物語 はちゃめちゃ期末試験』(ゲーム) 『ルルーの鉄拳春休み』(ゲーム) 『魔導物語 魔導師の塔』(ゲーム)
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A.A.18 |
『ガーディアン編』(未発表シナリオ) 『トレジャーハント編』(未発表シナリオ) 『腐導師再び編―改』(未発表シナリオ) 『格闘非情編』(未発表シナリオ) 『勇者と聖域編』(未発表シナリオ)
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A.A.19 |
『カタストロファー編』(未発表シナリオ) *1…世界の終焉に向かって活動する七体の狂戦士。ブレイカー、バスター、キラー、デストロイヤー、イレイザー、クラッシャー、スレイヤーの七名。 *2…セイバー(女、アルルの友達。トライブレードのリーダー)/エッジ(男、ルルーの父親)/ソード(オカマ、シェゾの幼馴染で異父兄弟)の三名で構成される凄腕の剣士。 *3…人類史上最強の剣士であり、セイバーの本当の父親。
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激動期 |
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A.A.21 |
『神の審判編』(未発表物語) ラストラグナロク勃発。あらゆる時空を超えた創造主との戦いの始まり。
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A.A.500ごろ? |
『創造主編』(未発表物語)
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新生期 |
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A.A.1000〜 |
創造主消滅から500年後。サタンが在りし日の魔導世界を元に"新生魔導世界"を創造する。基本的にこの世界においては、アルルは永遠の16歳。 『魔導物語 道草異聞』(ゲーム) 『ぷよぷよ』(ゲーム) 『ぷよぷよ通』(ゲーム) SS『魔導物語』(ゲーム) 『ぷよぷよSUN』(ゲーム) 『ぷよの消えた日編』(未発表シナリオ) 『ぷよぷよ外伝 ぷよウォーズ』(ゲーム) 『ぷよぷよ〜ん』(ゲーム)
その他、DSのぷよ魔導系ゲーム、『なぞぷよ』シリーズ、『わくわくぷよぷよダンジョン』は全て新生期に属する。
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16歳、7/22生まれ、身長158cm、体重46kg、B80 W58 H80
一流の魔導師を目指して目下修行中の少女。家族は母カリンと祖母マリア。
十二歳のときに魔導に関する能力と記憶を封印されたため、魔導学校に向けて出発した時点では基本魔法すら使いこなせない落ちこぼれだった。
とにかく元気がよく、外見も精神性も実年齢より幼い。善悪の判断はしっかりした「よい子」だが、どんな時でも自分に真っ正直なので、現実に存在していたら、ややはた迷惑な性格かもしれない。
髪の毛をまとめている青い布は、幼い頃に行方不明になった父のスカーフの一部で、魔導学校目指して出発する際に祖母からもらった。今ではアルルのトレードマークであり、愛用品である。父を探しにいけるような一流の魔導師になるのが夢。
一人称はカタカナで「ボク」。相手のことは「キミ」と呼ぶ。
実は「悪魔王ルシファーと、サタンの妻としての烙印を押された人類庇護者リリスの奇跡の産物、輪廻外超生命体」であり、「創造主に対抗できる唯一無二の存在」。その力は普段は封じられているが、危急の際には爆発的な力となって現れる。
ラグナスにごく淡い恋心を抱いている。
その他、曖昧に示唆されただけの設定もある。
・アルルの母親カリンは、大陸に名をはせた高名な魔導師だった。更に、"カリン"は偽名であり、かつては別の名を名乗っていた。
・アルルがカーバンクルの言葉を理解できたり、サタンやシェゾに執着されるのは、彼女の魔導師としての素質以外にも「特別な理由」があるから。 →アルルが「リリスの力を引く」「輪廻外超生命体」だから、という意味かと思われる。
・アルルが自分のことを「ボク」と言ったりして男の子っぽく振舞うのは、行方不明になった父親に関係する。→母親に対して、子供なりに父親の代わりになろうとした、という意味?
ここでのアルルは「外見は幼児体型、言動は幼く純粋で、総じてとても16歳には見えない」という、白痴美的なキャラクターとして設定されている。オリジナルのアルルは中性的ではっきりとものを言う、スタイルもいい美少女だったのだが……。『魔導』がデフォルメキャラの『ぷよ』に取り込まれ、ユーザーの若年齢化に合わせたキャライメージの幼児化が行き着くところまで行ってしまった結果なのだろう。
真魔導設定では各キャラの一人称や口調も厳しく定められており、SS魔導開発時にはシナリオ作業のためにキャラの口調の正誤表まで作られていたそうだ。ここではアルルはカタカナで「ボク」「キミ」と言うと定められている。
小説では、しばしばアルルのことを「亜麻色の髪の少女」と書いてあるが、亜麻色とは薄い金色のことなので、濃茶の髪のアルルをそう表現するのは不適切である。
18歳、2/24生まれ、身長169cm、体重52kg(自己申告)、B90 W57(アルルより細いのが自慢) H86
やや高飛車で血の気が多いが恋には純情、という困ったお嬢様。芯は結構家庭的で女性的。
魔法は使えないが、格闘の腕は一級品。
サタンを巡ってアルルを恋のライバル視しているが、それは決してドロドロしたものではなく、彼女なりのスポーツマンシップにのっとったもの。その気持ちもやがて変化して、今ではライバルというより、むしろ「手のかかる妹」のように思っているはず……だとか。
幼少の頃、両親が仕事で忙しくて殆ど不在であり、心のよりどころはたまに訪ねて来る祖母だった。祖母がルルー6歳の誕生日に他界すると、母が仕事をやめてルルーの側に付いたが、母も数年後に他界。その後、父と少なからぬ縁のある男がやってきて、ルルーの家の執事となり、母の遺言に従って彼女を育てた。彼のことをルルーは「じい」と呼んでいる。
一人称は「私」と漢字で書いて「わたくし」と読ませる。
魔力がないので魔法が使えない……とされているが、実は大きな魔力を秘めている。魔導学校に入学後は、「るるーすぺしゃる」という、物質転送のオリジナル魔法さえ開発した。
和議以前のシリーズでは、ルルーはアルルをライバル視して何かと挑戦してくる怖いおねーさんだったのだが、ここでは「乱暴だが気性のさっぱりした、実は家庭的・母性的な、アルルの"イザというとき頼りになる姉"」というキャラクターに変貌し、ライバルの座を降りてしまっている。また、「格闘家」という要素が非常に強化。小説における彼女の、己の肉体を砕き血の霧を撒きながら敵を叩き潰していく描写は凄まじいの一言。
ルルーの家庭環境はかなり複雑らしい。「凄腕の剣士で、トライブレードの一員である"エッジ"」の名がルルーの父親として年表の中に見えるが、小説『真魔導』を読むと、両親共に死亡とあり、しかし実の父親は彼女の格闘の師匠で、その正体を隠して彼女と闘うことになると示唆されている。
容姿について、「目はややタレ目」と文書で設定されている。そういえば、『ぷよ通』当時の主に村長さわ女史の絵では何故かタレ目に描かれていたので、そこからきているのか。オリジナルの『魔導物語』のルルーは、どちらかと言うとツリ目なのだが。
180歳、3/16生まれ、身長(魔導物語)184cm/(ぷよぷよ)178cm、体重(魔導物語)71kg/(ぷよぷよ)68kg
シェゾ・ウィグィィの名は「神を汚す華やかなる者」の意味。
14歳の時、廃都ラーナの地下迷宮で闇の魔導師ルーンロードに出会って、以降、闇の魔導師として生きている。己の魔導力を高めるために精進を怠らない日はないが、それは修練ではなく、他人の魔導力を吸い取る、という傍迷惑な方法で成されている。アルルの"異質なもの"を内包した魔導力を察知し、吸い取ろうと現れたが、テンポを乱された上カーバンクルの妨害に遭って失敗。以来ずっと、虎視眈々と彼女(の魔力)を狙っている。
目的のためには手段を選ばない冷酷な面を持っているが、自己中心的な、やや子供じみた面もある。本人はいたってシリアスに闇の魔導師をやっているが、アルルやルルーが絡むとテンポをかき乱され、ギャグキャラに格落ちしてしまう。また、言葉が足りずに誤解されることが多い。
一人称はカタカナで「オレ」。
家族構成は不明だが、年表の中に「凄腕の剣士で、トライブレードの一員である"ソード"」の名が、シェゾの幼馴染で異父兄弟として見える。ソードはオカマ。
和議以前のシリーズでは「不詳」とされてきた年齢が「180歳」と明かされたが、ユーザーの間からは「180年も生きてきたにしては言動が馬鹿すぎる」という批判が噴出した……。作者の発言によれば、ここでのシェゾはワケあって長く眠りの状態にあったので、精神年齢は外見のままなのだそうだ。なお、シェゾの肉体が年をとらない最たる秘密は装備している闇の剣にあるとのこと。
ここでは、闇の剣は「ソード・ワン・オブ・ミリオン」の二つ名を持つ
シェゾの使う闇魔導「アレイアード」は、ここでは「天使の翼を折る」という意味で、本来は魔神に対抗するための唯一の技だったらしい。
ここでは、シェゾ・ウィグィィの名は闇の剣を継承するともれなく付いてくる
ルーンロードは死んだ魔導師たちの思念体で、己の魔力を何代にも渡って無限に増大させることを存在目的としており、寄生した人間の欲望を増長して狂気に走らせ、生じた負の力を糧にし、やがて魂を取り込む。取り憑かれた人間はそれまでルーンロードが吸収してきた人間の魔導系能力を全て受け継ぐと言う。……つまり、真魔導のシェゾは実はルーンロードの影響下にあって、魔力に固執するのもそのためだ、ということなのだろうか。
小説を読むと、シェゾはアルルが「世界にとって異質なもの(輪廻外超生命体)」であることに薄々気づいており、人間の自分にはアルルの魔力を奪うことが出来ないと、物語序盤の時点で悟っている。それでも、その後もアルルの魔力を狙うポーズをとるわけだが。作者の発言によれば、「かなり後に起こるある変化により、シェゾはアルルと相対する ことによって、現魔導世界のパワーバランスを取る存在となっていく」のだそうで、非常に過酷な運命が待っている予定だったらしい。
衣服の色まで文書で設定されていて、『ぷよぷよ』では白、『魔導物語』では黒、となっている。が……。実際のゲームでは逆もある……というより、オリジナル『魔導』のシェゾは白衣装だったということは、誰もが知っていることであろう。
?歳、?/?生まれ、身長25cm、体重?kg、Bなし W38 H37、頭囲31cm 耳長12cm 尾長4cm
額に「ルベルクラク」という祕宝石を宿した謎の生物。ルベルクラクは六角形の真紅の石。この石を手にした者は富と幸福を得られるという。
ルベルクラクは莫大なエネルギーを秘め、ビームやバリアを放つことも出来るが、エネルギーを使い果たすとカーバンクルは死んでしまうらしい。
性別不明。無骨格生物っぽく、形状は様々に変化する。特に、舌は自在に伸びる。
カレーが大好物。「ぐー」としか喋れない。
元はサタンのペットだったが、大事にしすぎたサタンが宝箱の中に閉じ込めたため、怒って出て行ってしまった。元々はリリスに従う存在であり、リリスの力を引くアルルに出会ってからは、彼女を守護している。
祕宝石は四つ存在するらしい。
赤(ルベルクラク)……カーバンクルの額に付いている。カーバンクルの命の源。
青(アゾルクラク)……SS『魔導』で、サタンからラグナスに渡されたペンダント。魔を退ける力を持つ他、空間を操る。
緑(ベルジクラク)……小説『真・魔導物語』に登場。生物の欲望を増幅・暴走させ、それを吸収してエネルギーに変える。
黄(不明)
ちなみに、「祕」宝石であって「秘」宝石ではないらしい。(小説では「秘宝石」になってるが……)
10万25歳、?/?生まれ、身長188cm(角含まず。また、伸縮可能)、体重76kg
人は彼を「魔界のプリンス」と呼ぶ。基本的に面倒くさがりだが、他人から見てくだらないと思われる目的の類には、想像を絶するほどのマメさを発揮し、騒ぎを起こす。どうでもいいことに莫大な魔力を無駄遣いするのが趣味であるとか、ないとか。
花嫁募集のために世界各地に塔を建て、そこに迷い込んできたアルルを気に入って、以来、妃にしようという願望を持ち続けている。とはいえ、それ以上にカーバンクルを愛してやまない。
魔導学校ではマスクを着けて「マスクド校長先生」としてふるまっており、その際にはやや言葉遣いが変わり、落ち着いた印象になる。
角の色は金色。
一人称はカタカナで「ワタシ」。
かつては、頂点に達した人間の文明を滅ぼすため神に遣わされた天使たちの長であったが、人間を守って戦った魔導師の少女リリスを愛した。リリスの命と引き換えに世界は滅亡の運命から逃れ、このことで神の怒りを買った彼は十二枚の翼を引き裂かれて天界から追放されたという。「サタン」とは堕天して「魔王」となった人為らざる者の総称で、彼自身の本来の名は「ルシファー」である。
彼がカーバンクルに執着するのも、カーバンクルがリリスの遺したものだからであり、アルルに惹かれるのもリリスの面影に負うところが大きい。
リリスの遺志を継いで魔導世界とその住人たちを守り、魔導世界消滅後には、かつての魔導世界に良く似た仮初めの世界(ぷよ世界)を創造。このネバーランドで永遠に遊んでいる。
「悪魔王ルシファーと、サタンの妻としての烙印を押された人類庇護者リリスの奇跡の産物」であるアルルを、その正体を知った後も妃にしようとしているとか、誰も年をとらない都合のいい思い出の世界を創造したのはエゴイスチックではないかとか、そのくせその存在意義に疑問を抱いて、わざと世界に滅亡の危機を招いてアルルたちが必死に戦うのを見て満足しているとか、再生された世界では何故かシェゾだけ本物より背が低くなっているがワザとチビに再生したのかとか。
このように、ここでのサタンは色々といわくがあって素敵なのだが、反面、「これはどうか」というところがぽつぽつある。
年表を素直に受け入れると、ぷよぷよシリーズのサタンの年齢は「10万1千25歳」のはずである。
17歳(大)/10歳(小)、4/1生まれ、身長175cm(大)/123cm(小)、体重69kg(大)/21kg(小)
実直で正義感溢れる、勇者のお手本のような人物。
呪われただとか力を封印されただとか、様々な理由をつけて、しばしば「一時的に子供の姿になった」と語られる。
魔導(ぷよ?)世界と同一時間軸上の平行世界であるガイアースの勇者で、ガイアースの女神エルドラの神託を受け、世界を危機に陥れた次元魔王ヨグスを倒すため、15歳の誕生日に故郷を旅立った。二年の激闘の末ヨグスを打ち倒すが、その直後、別の次元のヨグスが現れ、亜空間に引き込まれてしまう。気を失って漂っているところをサタンに引き寄せられ、ヨグスと共にぷよ世界に出現、再生アルルたちと共に次元邪神ヨグ・スォートスと戦った。
この時サタンにアゾルクラクのペンダントをもらい、時空を渡る能力を得た。
一年後、18歳のとき、原因不明ながら1400年近くも時間をさかのぼった魔導世界に出現、そこでは彼の出現が伝説として予言されており、その予言のとおりに闇の魔導師ルーンロードを倒した途端にこれまた原因不明ながら、そこから四百年ほど未来の魔導世界に転移、記憶喪失になってかつての再生アルルたちとの記憶を失ったまま本物アルルたちとパーティを組んだ。
一人称はカタカナで「オレ」。
彼が身につけている装備品は、いずれも凄まじい魔力が宿っている伝説の武具。中でも精神感応金属であるとされる神の金属・オリハルコンから生成された「
アルル、ルルー、シェゾが三人がかりで戦ったヨグスを一人で倒したラグナスの戦闘能力はずば抜けており、人間キャラクターの中では最強といっても過言ではない。
仲間を持たずに一人で戦う勇者。冒険の都度、ヒロインとの出会いと悲しい別れを体験する。また、ガイアースでは勇者であるゆえに疎外されていると感じており、異世界のアルルたちはそんな自分に対等に接して、癒してくれると考えている。
作品性の変化の象徴ともいうべきキャラクター。ラグナスは元々は魔導物語シリーズには存在せず、『ぷよぷよSUN』が初出のキャラクターなのだが、初出時とは性格も能力も180度異なっている。
SS『魔導』の取説には、ラグナスについてこう書いてある。
「彼はキーマンであると共に、皆さん自身であると言えるのかも知れません。」
アルルたちの活躍する魔導世界に、その外の世界から飛び込んできた異邦人であり、既存のキャラクターたちと交流し、重要な立場を持ち、能力的に凌駕さえする。そんなユーザー自身の「
?歳、2/24生まれ、身長210cm、体重277kg
ルルーに忠誠を誓う牛男。右目の上に縦傷がある。
恐ろしげな風貌とは対照的に、「気は優しくて力持ち」を地でいっている。過去にルルーに窮地を救われており、その恩からルルーに対しては滅法弱い。
本気になったときの戦闘力は凄まじいが、普段はルルーの小間使いをしている。
一人称は「オレ」だが、ルルーの前でだけは「自分」と言う。
特に旧設定からの変化はない。一人称がまとめられている程度か。
15歳、10/31生まれ、身長158cm、体重45kg、B81 W58 H81
「おいっス」などのドリフ的口調と「〜ですわ」といったお嬢様言葉が入り混じった、不思議な喋り方をする魔女。
自分に正直だが、プライドが高く、ちょっとおせっかい。
持っているホウキは身長よりも長い。
一人称はひらがなで「わたし」で、相手の名には基本的に「さん」を付けて呼ぶ。
彼女は魔導師とは異なる過程の修行を積む、西の大陸に住む「魔法使い」の一族の末裔。一族では、一人前の魔法使いと認められるまでは個別名を与えられず、男はウィザード、女はウィッチと呼ばれる。つまり、ウィッチは半人前の魔法使いということである。
一人前になると、親あるいは師匠から「普段名乗るときの名前」と「真の名」の二つを授けられる。魔法使いたちは言霊(ことだま)を重んじ、真の名を明かすことを極端に嫌うからである。中には、真の名を一生隠し通す者もいるという。
旧設定では「13歳」だったのだが、ここでは二つほど年をとっている。
ウィッチは、オリジナルの『魔導物語』では単なるザコ敵キャラに過ぎず、よって種族(職業?)名だけで個別名がなかった。それにここまで詳しい設定が付いてしまったわけで、人気がキャラクターを育てる、という好例である。
16歳、8/2生まれ、身長162cm、体重?kg、B78 W54 H?
半人半竜の活発な少女。格闘好き。負けず嫌いだが、あまり物事にこだわらない、熱しやすくて冷めやすい面もある。例えばセリリなど、女々しい性格の者とはウマが合わない。
口から炎を吐き、その温度は感情によって変化する。
アルルの「自称」ライバルで、美少女コンテストに執拗にこだわる。それには秘密があるそうだが、これは明かされなかった。
チャイナドレスを好む。猫目。
一人称はカタカナで「アタシ」。
提示された部分では、特に旧設定からの変化はない。恐らくは、「美少女コンテストにこだわる理由」という部分に色々と細かい設定がなされていたのだろうが。
14歳、9/13生まれ、身長147cm、体重38kg、B75 W55 H79
鳥の翼をもった、歌うことが大好きな少女。天使のような外見とは裏腹に、飛ぶ鳥も落とす超絶オンチ。しかし、本人にその自覚は全くなく、むしろ上手いと思っている。
マイペースな性格で、間延びした、歌うような口調で話す。
一人称は「わたし」で、相手の名には基本的に「さん」を付けて呼ぶ。
特に旧設定からの変化はない。
(デウス)24歳程度/(アスモデ)2万歳以上、?/?生まれ、身長(デウス)180cm/(アスモデ)伸縮自在、体重(デウス)67kg/(アスモデ)身長に比例して変化
小説『真・魔導物語』の完全なオリジナルキャラクター。デウスは、ぷよ魔導シリーズには珍しいメガネキャラ。
ラグナロクの際に封印された魔神(天使)の一人らしい。ルシファー(サタン)とは戦友であり、旧知の仲。魔神の王だの破壊魔神だの呼ばれる実力派。様々な学問や工芸技術に秀でる。
シェゾに封印を解かれて復活。更に、シェゾが闇の剣で切り裂いたため、「人なるもの」と「人為らざるもの」の二つに分裂してしまった。人なるものは人間の考古学者デウスになり、人為らざるものは魔神アスモデになった。アスモデはデウスを取り込んで破壊魔神アスモデウスに戻ろうとしたが、アルルの純粋な心と異質な力に触れて変質し、デウスでありながらアスモデでもある、魔人アスモデとなった。以降、サタンと共にアルルを見守り続けている。
一方、シェゾに目をかけており、様々な助言をしたり、特訓に付き合ったりしている。シェゾが成長して魔神を殺せる危険な存在になるのが、何故か楽しみらしい……。
一人称は、デウスのときは「わたし」で、語尾に「〜でぅす」と付ける。アスモデのときは「我」。
サタンに請われて魔導学校の教師に就任。担当教科は歴史。
創造主(あくまで小説と年表からの推測なので、作者の意図を読み誤っている可能性がある。)
この世を作った「創造主」は、まず人間を作り上げたが、おごった人間がやがて神の領域にまで踏み込んだため、怒ってこれを滅ぼした。次に創造主は「聖なるもの(人間を庇護するもの)」と「邪なるもの(人間を破滅に導くもの)」という二つの人為らざる種族を創り、これに人間を導かせた。「聖」と「邪」は創造主の思惑を知らないまま、時には光が統治を果たし、時には影が蹂躙を果たして、争い続けながら人間を導いた。
これが、創造主の定めた「因果律(運命)」である。人間が発展しすぎないように、輪廻に導かれるように、ある程度まで世界が成熟すると破壊させ、始まりに戻した。
我々の住むこの現実世界も、創造主の因果律に縛られた幾億万の世界の一つである。数千年後の未来、この世界も「聖なるもの」に滅ぼされることになったが、リリスという魔導師の少女が「邪なるもの」の力を借りて「聖なる」天使たちと戦い、抵抗した。激しい戦いで全てが滅びようとしたとき、リリスは己の命と引き換えに、滅び行く世界を「人」「聖」「邪」全てのものが融合し共存した混沌世界に作り変えた。これが「魔導世界」である。不安定ながら世界は滅びず、創造主の思惑を超えた事態がここに起こったのだった。
そして、それから1万1千年後。一人の少女の誕生により、再び滅亡の因果律が動き始めるが……。
*注意すべきは、創造主と「聖なるもの(神や天使)」は別の存在であり、「聖なるもの」も所詮は創造物に過ぎず、創造主の存在を知らずに活動している、という点である。
惑星神
『ぷよウォーズ』を見る限り、世界(惑星)には、それぞれそれを管理担当する惑星神が付いているようだ。一つの世界に一人とは限らず、上司(全能神)の指示のもと、複数の下位神(惑星神)が付いていて、人間の文明が発達しすぎて惑星の命を脅かすほどになると、惑星の脱皮(惑星の表層を消失させること)を行い、文明を滅ぼし去る。脱皮の間の期間が長いほど優秀な惑星神とされ、全能神に認められると昇進して、自分の「リド(宇宙)」を持った全能神の一人になることが出来るのだという。
もっとも、この「異世界ガイアース」の神々のシステムが「魔導世界」にも適用されるのかどうかは分からない。あらゆる時空や宇宙、惑星を含む全ての世界を「創造主」が作ったのか、それとも、「創造主」の作ったのは「魔導世界」のある宇宙だけなのか……。
魔物と人間
魔導世界では、魔物と人間は表立って争ってはいないものの、微妙な対立があるようだ。基本的に、人間の町に魔物は住んでいないが、まれに住んでいる魔物またはハーフは、人間から苛めを受けていることが多い。とはいえ、ミノタウロスはごく普通に行動しているし、人間の町で開催された美少女コンテストの参加者が殆ど魔物で、しかし観客(人間)たちは誰も不満を述べなかったので、どの程度の対立なのかよく分からない。
アルルはこだわらない性格なので、魔物とも分け隔てせず付き合う。ルルーやシェゾは、大きな力を持っていて彼ら自身がいわば人間社会からはみ出ているので、やはり魔物を分け隔てしない。この三人は、ある意味では人間と魔物の架け橋になっている。
ぷよ世界では、人間と魔物は同じ町に住んでいて、完全に融和している。
ぷよぷよ
ぷよぷよは元々ガイアースの生物だったが、その体内に眠る特殊なエネルギーに注目した人類は、それをあらゆる分野に用い、ついには軍事目的使用するに至った。六千年前、そのためにガイアースの文明は神に滅ぼされることになったが、女神エルドラの意思により完全崩壊は免れ、ぷよぷよたちは異世界に送られた。この異世界が魔導世界だという。(エルドラは時間と空間、命を司るのだそうで、つまり、"時の女神"なのか?)
遥かな未来、文明の再生したガイアースでは石盤に書き残されていたデータを元にぷよが再生され、ペットとして広まり、その特殊エネルギーは子供のおもちゃ「テクター」の動力源とされた。
やがて、ぷよ世界からぷよと人間の合成生物アンゴルと共にオリジナルのぷよぷよたちが帰ってきたが、何故か、ガイアースでは人語をペラペラ喋れるようになっていた。ガイアースの再生ぷよに比べ、オリジナルぷよたちのエネルギーはより"強い"ようである。
地理
魔導世界には、「生きとし生ける者の故郷とも言われる、遠い東の果ての"生命の島"」「西の海を越えた更に先にあるという"砂漠の国"」「別名、天使の墓場とも言われる南の大陸こと"失われた大地"」「世界の一番北の極寒の地"氷の都"」などがあるという。
アルルの故郷はアーリア地方と呼ばれる地の辺境。
魔導学校
世界中あらゆるところから魔導師を目指す者が集まると言われる、最も有名な学校。しかし、知名度とは裏腹に、その詳細について知る者はいない。魔導師を目指すものにとっては絶対であり、その他の者には畏怖たる象徴。
特殊な書類選考により、類まれなる魔導力の持ち主以外は願書を受け付けてすらもらえず、入学試験を受けられることさえ僥倖である。
アルルとルルーがたどり着いた魔導学校は、海に浮かぶ島に存在していた。
校長はマスクドサタン。
魔導の定義
魔導師は、空気中の精霊力を収束・変換して魔法を放つ。魔導は精霊の力を発動させるための原理であり、魔導に何らかの人為が加わったものを魔法と呼ぶ。
「魔法を使う者は数多いが、魔導を知る者はあまりにも少ない。しかし本当の魔導を知らねば、真の魔法は使えない」
また、シェゾの使う古代魔導は現代の魔導とは体系が異なり、使う者すらいないとされ、人の手による発展がないので「古代魔法」ではなく「古代魔導」と呼ばれる。
用語
魔導世界に住む、神話や伝説に登場するような生き物たちを総じて「魔物」と呼ぶが、『ぷよぷよ』登場キャラたちのような、人間に対して比較的フレンドリーなイメージのキャラたちは、カタカナで「マモノ」と呼ぶ。
人類を「人なるもの」、天使を「聖なるもの」、魔を「邪なるもの」と呼ぶ。更に、聖なるものと邪なるもの双方を「人為らざるもの」と呼ぶが、「為」という漢字を使っているのは、神が最初に作り上げたのが人類なので、これらの存在が「人に為れなかったもの」という意味を持つためである。
主な参考資料:『魔導物語'98』・『真・魔導物語』全八巻・『真・魔導物語外伝』(ファミ通文庫)、『魔導物語ファンブック』(アスペクト)、『コンプリート・コンパイル』(エクシード・プレス)、はてなどうメイン掲示板