ぷよぷよ!!クエスト(iOS版)の感想を書きます。

寄稿:匿名希望

まずは、遊んでいない方々へ向けて簡単なストーリー、ゲーム内容の説明から。

このゲームの主人公はプレイヤー自身です。アルルでもアミティでもりんごでもありません。
ゲームを起動すると、まずアコール先生(このゲーム全体の進行役)から簡単なレクチャーを受け、主人公は「ぷよつかい」の一人となって、プワーフアイランドという不思議な島を冒険する。そういう内容です。

プレイヤー自身が舞台の中に降り立っている設定なので、ゲーム中に出てくる登場人物は全員、プレイヤーに対して話しかけてきます。
その為、従来のシリーズでお馴染みの、複数のキャラクター同士による対話劇は殆どありません。

この形式はぷよぷよフィーバー2と同じですね。
あれも、プレイヤー自身がプリンプタウンを訪れた一住人となって町内を移動していき、町の住人もプレイヤーに対して話しかけてました。

今回のゲームの舞台であるプワーフアイランドは、今までのぷよぷよシリーズの舞台とは、ちょっと似ているようで違う世界のようです。
この事はゲーム中で「こうだ!」とはっきり明言されておらず、ただなんとなく、きっとそういうものなんだろうなぁと解る程度です。

だから、「プリンプ地方はプワーフアイランドという島の一地方だったのか!!」という真相ではないです。
ええ、たぶんきっと。
たぶんきっと、と付けたのは、そういう細かい部分は受け取る人が好き勝手に解釈すればいい、というゲーム開発者側からの意図がこのゲームからは感じられるからです。このあたりのボカし加減は、実に魔導らしいと思います。

おなじみの登場人物達も色々で、最初からプワーフアイランドに住んでいるような人がいれば、逆に異世界から飛ばされてきた人もいます。
(ゲーム内容の都合で異世界に飛ばされるという方法、もうすっかりおなじみの手段になりました(笑)。オワニモって便利な魔法だなぁと感心します。)

だからこの島には、自分達と同じような同一人物がそこかしこにいるようです。
一見すると実にいいかげんなようですけど、冒険の中では「同キャラ対戦」が平然と展開するので、あまり深くツッコマない方がいいかと。
魔導時代だって色んな人生を送ってるアルルがいたですしね。それらが同じ島に偶然集まったようなものです。

そもそも、主人公であるプレイヤーが戦う手段そのものが、「他のぷよつかいを召喚するカード」を使って、キャラクターを「異世界から呼び出して」戦ってもらうというものなので。
そう、アルルやアミティ達は、カードの中から召喚されます。他のプレイヤーも、手持ちのカードからアルルやアミティを召喚します。遊戯王かよ!!

しかもカード図鑑などで一枚一枚ずつ詳細を見ると、「なんだか知らない世界に飛ばされたみたい〜」という台詞を言ってたりします。
こういった台詞はカードを育成してレベルを上げていくと次第に変わっていき、最終的には「君の為にがんばるからね!」とプレイヤーに対して信頼度を深めたものになっていきます。
こういう形式は嫌いではない…というより私はこっちの方が好みだったりします。

そういうわけで、このゲームでは明確なストーリーは無い、という事は全然ありません。むしろがっちり組まれています。
ただ、今までの魔導シリーズとは、語り方そのものが違うというだけで。
ゲーム内では登場人物達がお互いに会話するような場面は殆どありませんが、「こいつらは私が見ていない所で、たぶんきっと色々な事を話し合っているんだろうなぁ。いつもどおりの漫才デモのノリで。」と、大きく想像を膨らませられる余地があるわけです。

ゲーム部分について

配信前は、散々「パズル&ドラゴンズのパクリ」と非難され、何かと比較したがるいやらしい人もいるようですが、このゲーム、割と良く出来ていて、むしろパズドラが構築した「パズドラ型」のネットワークゲームの中では一番良く出来ています。
他の類似品はどれもこれも上辺だけ見習っただけで、パズドラの実施的な面白さまで模範したものは殆ど無かった中で、これはきちんと出来てます。
ゲーム内容はきちんと遊べ、パズドラと同じようにサービスの展開、内容の更新をきちんと行い、それでいて特徴的な部分を差別化できているので。

むしろパズル部分や戦略性などはパズドラよりも良く出来ている部分が目立ってきます。
批判したい人は、そこを批判の要素として挙げたりしますが、そういう人は「パズドラを真似するな!」「パズドラと同じにしろ!」とダブルスタンダードな事を言っていて矛盾しているのが実に可笑しいです(笑)。

パズル部分では「ぷよぷよ」というよりもどちらかというと「なぞぷよ」に近いですね。
従来のぷよぷよのように、自分で連鎖を組み立てていくゲームではなく、今詰まれているぷよの配列から、最も効果的にぷよを沢山消せるのはどれなのかを見極めるゲームです。
この違いに気づかないぷよプレイヤーが、「こんなのぷよぷよじゃねーよ」と言い放ってクソゲー扱いしてたりもしますが、まぁ、そこはぷよぷよというゲームに対する認識の違いでしかないかな、という感じです。大部分の人はそういう事を気にしないで楽しんでますね。

結局、このあたりはあれこれ語っても仕方ないので、まぁ実際遊んでみるのが一番かと。

オンラインゲームとして、ゲームそのものの難易度について

何をとって難易度が高い、低いとするかは一概に言えません。
ある部分では難易度がとても低いですし、ある部分では難易度が高い・・・というより極端にキツい部分があるというものです。
ゲームの進行そのものはお手軽にサクサクと進みます。戦闘システムもそこまで難しくないですし。

ただ、そこはオンラインゲーム、あっという間にゲームクリア出来ない作りになっています。

というのも、ゲームの中盤から、急激にボスキャラの強さが劇的に強くなるんですね。始めは弱点など気にせずにどんどん攻略出来ていたのに、ある部分を境にしてあっという間に仲間が全滅させられるような強さに変貌していき、多くのプレイヤーがそこからは辛酸を舐める羽目になります。
そして、そこからはどうやったら攻略していけばいいのか考えさせられ、手持ちのカードを増やす為に、ある人は強力なカードを求めてゲーム内のくじ引き(俗に言うガチャです。アイテム課金はここで行われます。無料のサービスもあります)を行ったり、またある人は手持ちのカードのレベルを上げる為にせっせと経験値稼ぎのためのおじゃまぷよ狩りを行ったりするのですが…
そこがまたイヤらしくて、カードの育成もある時を境にしてどんどんキツくなっていきます。そう易々と目標達成はさせてくれないわけです。

オンラインゲームはいかにしてプレイヤーを長く繋ぎ止めておくかが課題なので、そういうものなんだと割り切って遊ぶのが一番かと。
アイテム課金ゲームなのですが、無課金でも全く問題なく遊べますので。私は全くお金を払わずにゲームクリアしました(笑)。
あとはのんびりカードのコンプリート目指したり(それもそこまで血眼になってません。コンプできなければそれはそれでいいや、なので)レベル上げに勤しんだり。もちろんビタ一文払わずに続けるつもりです。

キャラクターについて

えー、まずぶっちゃけちゃいますが、このゲーム、アルル、ルルー、ドラコ、ウィッチ、シェゾ、カーバンクルの6人は出て来ません。
ストーリーにも一切絡みません。
厳密に言うと、アルル達は「データとして」最初に入っている状態なだけで、普通に遊んでいても絶対にお目にかかれません。

ポケモンのミュウみたいなもの、つまり「イベント配信のみの、特別限定キャラ」なのです。

キャラのカードの種類は色々ありますが、大まかに分けて
「雑魚カード」
「ボス格のモンスターカード」
「人型キャラのカード(フィーバー)」
「人型キャラのカード(魔導)」

となっていて、中でも古参ファンに人気が高いと思われる人型の魔導カードほど、レアリティが高くてなかなか入手できない存在となっています。
自由に使わせてくれないなんてイヤらしいなぁーと思うも結構ですが、レアリティが高いという事はその分能力も高くて、つまりとっても強いのです。
魔導キャラは能力的にとても優遇されているので、運よくカードを入手した人にとってはとても頼もしい存在になります。

中でもアルル達、初代のメインキャラはその中でも特別待遇、とどのつまり、VIP扱いなんですね。
決して古参ファンを裏切るような扱いではないわけです。

一方、フィーバーキャラはどういう扱いなのかというと、最初に選べる三体のポケモンのようなもので、ゲームの序盤から終盤まで主力キャラとして扱う事になる「プレイヤーの一番のパートナー」的な存在です。キャラの能力も、すごく強いのではなく、とても使いやすい性能というもので、まさに新世代の主人公といった所。

私は初期の魔導物語の頃から親しんでいますから、アルル達には強い思い入れもありますが、だからこそ新規シリーズであるフィーバーのキャラにはアルル以上に新しい可能性を期待している人間なので、こういう立ち位置でそれぞれのシリーズのキャラを出してきたのは歓迎しています。

まだ現時点では、最初の限定カード「レムレス」の配信が終わったばかりで、次は誰が配信されるのか楽しみな状態といったところです。

ん?ぷよ7キャラはどうしたのか、ですか?
ゲーム内部にはデータすら入っておりません。
だから”現時点では”いないという状態です。
現時点では、としたのは、今後(おそらくアルル達の配布サービスが終わった頃を見計らって)大幅な追加データが来るだろうと予想される為です。

ぷよぷよクエストは、この手のコレクションものの携帯ゲームでは圧倒的にカードの種類が少なくて(しかも大部分のカードがレベルアップによって上位のレアカードへと成長可能、よってお金を払ってレアカード目当てにガチャを引く必要がない)完全コンプリートはそう難しくないだろうといわれてるんです。
だから、セガさんは次に何を追加するかをしっかりと考えているはずです。サタンもフェーリもいないですし。

まだまだサービスは始まったばかりですから、今後の展開待ちという感じです。

まとめ

説明的な事が多くなりましたが、このぷよぷよクエスト、私は好きです。よく出来た良作です。
ゲーム性よりも物語を重視する方にも、ぜんぜんオススメできる内容です。

確かにいつもの漫才デモはありません。
連鎖ボイスといった贅沢なものは実装されてません。
パズルや戦闘では運に左右される部分も多いです。
お目当ての魔導キャラは殆ど出てこないのでキャラファンは不満かもしれません。
カードの育成には果てしない時間と労力がかかるため、すごく大変に感じる事も多いです。

でも、そういう困難も気にならないくらいに面白い部分も多いです。
特に、自分の理想とする仲間パーティーを組んでゲームを遊ぶという部分は、かつてサターン版魔導物語の時に多くのファンが期待し、そしてその希望が全く無い残念な出来だった「自由にパーティーを編成してバトルに挑む」がきちんと入っている。それがやっと実現したのは大きいです。
やはり、ゲームというのものはストーリーばかりが先行して作られると、こういう、「プレイヤーが自由に遊べる部分」がどんどん無くなってしまうのだなぁと思うわけでして。

何よりも私がこのゲームで一番気に入っている部分…
久々に復帰した旧ぷよぷよの、あの愛嬌のあるモンスター達、また今回初登場したモンスター達…
それらがアルルやアミティを中心として、一同にわーーーーーーーーーっと集まった時に現れる、ゲーム全体に漂う独特の空気感。
それはかつて、昔のぷよぷよや魔導物語が持っていて、そしてコンパイルがある時を境にして忘れてしまった、「愛らしいモンスターが沢山出てくる、思わずそこに住んでみたくなるような賑やかな世界」が、きちんと再現されているのですから。

うんうん、魔導物語って、こういう世界だったよなぁ…と昔を知っている私はしみじみ感じたのでした。

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