「グリーン・グリーン」のあとがき


 今回のテーマは、「迷子の気持ち」でした。



 皆さんは、「グリーン・グリーン」という歌をご存知でしょうか。「ある日 パパとふたりで…」で始まり、サビに「グリーン グリーン」と入る、あの歌です。
 NHK「みんなのうた」から知られ、学校の教科書にも取り上げられたので、日本人で知らない人はあまりいないのではないかとは思うのですが。
 歌詞の内容は、要約すると以下のような感じになります。(作詞/片岡輝)

 ある日、"ぼく"は緑の丘で、パパと人生の喜びと悲しみについて話し合う。パパは、辛い時にも泣いてはならないと諭す。ある朝パパは永遠に去り、”ぼく”は生きる悲しみを本当に知った。いつか大人になったら、”ぼく”も自分の子供と人生について語り合うだろう。その時も、丘には緑が萌えているだろう。

 ところで、この歌は日本ではいかにも爽やかな子供向けの歌という印象が強いのですが、実は元は1963年にザ・ニュー・クリスティー・ミンストレルズというアメリカのフォークグループが発表した、厭世的な歌だったのだそうです。原詞の内容は日本語詞とはまるで異なり、「自分が去っても泣くな」と人に告げるところと、サビに「グリーン グリーン」と入るところ、そして「緑」「丘」というキーワードがあることくらいしか共通項がありません。
 原詞の内容は、要約すると以下のような感じです。(作詞/B.Mcguire Respark)

 生まれたとき、俺はママに言った。「俺が旅立っても泣かないで欲しい、女が俺を留まらせることは出来ないのだから」。この広い世界で俺は孤独で、さまよい続ける。丘の向こう側で、彼らが”緑”と言っている。俺ももっと青々とした場所へ旅立とう。日が暮れようとも知ったことではない。谷や岩だらけの道だが、疲れたときにはそこがベッドになるだろう。
*最初、『俺が生まれたとき、ママは言った。「私が去るとき泣いてはならない、誰も留めることは出来ないのだから」。』と要約してたんですが、kmさんに誤訳であるとご指摘を受け、修正しました。ありがとうございます。

 ……というわけで。
 今回はこーゆー話でした。(身も蓋もない)

*あ、作中に出てくる歌は、原詞版の歌詞をイメージしてはいますが、私がでっち上げた適当なフレーズです。



 今回の話は、私が今までに書いた『魔導・ぷよ』ものの二次創作の中では、捏造含有率が突出して多いです。自分の考察や思い入れやらをいっぱいいっぱい詰めようとしたら、こんなことに。

 なお、この話では魔導世界の基本学校制度を、日本と同じ小学校六年の中学校三年制、四月に始まって三月に終わる年度式……と想定しています。シェゾは三月生まれなので、修学旅行に参加して闇の魔導師を継いだ十四歳時点で魔導中学三年。卒業前後に十五歳になり、この話ではその夏、ということになっています。


05/5/8 すわさき

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