魔導物語

製作・発売/コンパイル(98/07/23)
SS

魔導物語
魔導物語
(1998/07/23)
SEGA SATURN

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 コンパイルの倒産、和議申請という、大変な状況の中で作られた。かなりとんでもなくハード(というより、色んな意味で絶望的)な状況だったらしいが、それでも諦めずに発売させたスタッフの方々の愛情と根性と努力と手腕には最大の賛辞を。

 世界観が大きく変更され、ぷよぷよシリーズに準じたものになっている。即ち、魔物と人間が共存している。とは言え、戦う敵はやはり魔物なわけで、つまり人間の町に住民として住んでいる魔物と、外に出ると襲い掛かってくる魔物といった、奇妙な二分化が生じており、ちょっとした矛盾が生じている。今回は「襲い掛かってくる魔物は、真の敵のばら撒いた瘴気でおかしくなっている」という説明が付けられているが……その後もこの世界観で『魔導』を描いていこうとしたなら、魔物と戦わせる理由付けに困ったのではなかろうか。

 フィールドは2D、パーティ制、オートマッピング機能無し、画面を囲むアールヌーヴォー風装飾も無し、パラメーターの数値表示――と、ゲーム仕様としての『魔導』らしさの半分くらいを捨て去っている。

◆ストーリー

 勇者ラグナス・ビシャシは最後の戦いに挑んでいた。
 それがこの世界ガイアースに現れたのはいつのことだっただろう。気がつけば世界は侵食され、美しかった世界は灰色に疲弊しきっていた。
 次元邪神ヨグ・スォートス――それは次元の狭間にその本体を置き、無限に生じる分身をあらゆる次元に派遣する、恐るべき次元生命体だ。派遣された分身ヨグスは更に己を八つの分身、ヨグに分ける。こうして、その世界を瘴気で覆い、狂化させ、食らうのだ。
 今、ヨグスに侵されきったこの世界では、人々はただ、光の勇者であるラグナスに希望を見ていた。「古の民」の封印により、この一時、ヨグスは大封印塔の屋上につなぎとめられている。神々の遺物だと言われるこの塔に、ラグナスは単身登っていった。

 封印はヨグスを縛る力を持たなかった。だが、光の剣に己の力の全てを込め……そして全世界の生命の祈りを受けて、ラグナスはヨグスを打ち倒した!
 全ては終わった……だが。
 ヨグスはあくまで次元の狭間に潜む本体ヨグ・スォートスの分身に過ぎない。ラグナスの倒したそれも、無限に存在するうちの一体に過ぎなかったのだ。突如空間を割って現れた別のヨグスによって、ラグナスは亜空間へと吸い込まれていった。

 ――コノママ、永遠ニ、亜空間ヲ漂ウノカ……?

「どうしたの……? そう、大事なものをなくしちゃったんだ。大丈夫、ボクが一緒に探しに行ってあげる!」

 アルル・ナジャは、十六歳の魔導師の卵だ。笛をなくした子供に即座にそう言ってあげるような、優しい女の子である。その日、買い物に行った町で、彼女は勇者の戦いを描いた紙芝居を見た。普通は勇者が魔王を倒してめでたしで終わるのに……勇者はこれからどうなってしまうのだろう?

 それはさておき、最近町の外の魔物達が狂暴化しているという話があった。それに、裏山に何かがぶつかったらしい。
 見に行ってみると、辺りは瘴気に覆われており、見たことも無い肉の芽のような無気味な植物がそれを吐き出していた。その植物を滅ぼせるのはアルルのペット兼友達のカーバンクルだけだ。
 こんな異常事態を目の当たりにして、アルルは事態を解決するべく旅立ちを決意する。
 一方、アルルの友人であるルルーの屋敷でも異変は起こっていた。ルルーの忠実な下僕であるミノタウロスが狂暴化し、彼女に襲い掛かったのだ。
 どうやら、この事件の裏には謎の「目玉お化け」が関わっているらしい。それが例の植物を植えて回っているようなのだ。状況を知ったルルーと、正気に戻ったミノタウロスを仲間に加え、アルルは出発した。

 目玉お化けの正体について教えてくれたのはシェゾだった。それが次元魔王の分身、ヨグであること。完全に滅ぼすことは不可能に近いが、今はとにかくヨグを一体ずつ倒していくしかないこと……。
 何故、シェゾがそんなことを知っているのだろうか。更に、シェゾはまるで別人のような優しさと誠実さを見せてアルル達の旅の仲間に加わるのだった。

 しかし……どうも彼の様子はおかしい。時々、まるで別人のようになる。というより、誠実でヨグについてよく知るシェゾと、いつものひねた性格で、ヨグについて何も知らないシェゾと……この二つの性格が出たり消えたりしているのだ。アルル達は混乱したが、実際のところ当のシェゾも混乱していた。
 実は、シェゾの体には(勝手に)異世界の勇者ラグナスが乗り移っていたのだ。この世界に流されて来た時、彼は自分の肉体を見失ってしまったのである。
 事情を知ったアルル達はサタンに相談しようとするが、サタンの様子もおかしい。まさか、今回の事件の黒幕もサタンなのか……? 

 

ラグナス・ビシャシ ゲーム自体は嫌いじゃない。でもなぁ……。マップが奇天烈過ぎて、とにかく探索しづらいとか。オートマッピング機能が無くてすぐ迷うとか。戦闘シーンの画面切り替えのロードが長くてイライラするとか。更に、戦闘で技を繰り出すとき、動くまでに妙な間があって、長くやってるとすごくトロく感じて腹が立つとか。使える技が少なすぎるとか。パーティキャラがやたらと強制入れ替えされるので、アルルとルルー以外はキャラを育てる楽しみを味わえないとか。(ラスボス戦直前にさえ強制入れ替えされるというのは……いくらなんでもあんまりかと思う。)本来個性豊かなザコ敵達がまとめて登場させられてて、なんかちっとも個性が見えて来なくてつまらないとか。

 絵が変とか。シェゾが(絵的にも性格的にも扱われ的にも)すごく変とか。アルルがお子様っぽすぎるとか。反対にルルーが妙に頭がよくて素敵なお姉さんになってるとか。

 でもなにより言いたいのは、「わしゃ一人で歩けるんじゃい! 歩行器差し出して「はーい、大丈夫でちゅかー。歩けまちゅかー」とでも言うような真似はやめてくれ! ユーザーフレンドリーも行きすぎるとシラけるだけだ!」ってとこだろうか。スミマセン……ユーザーとはかくも傲慢で残酷な存在なのです。

 製作状況が状況だっただけに、仕方が無いけどね……。

 

 ……一応補足。

 クリア後、四周目まで敵がだんだん強くなるモードで遊べるとか、やたらと隠しアイテムがあるとか、ミニゲームの「ぷよカード」が結構面白いとか。

 そういう作りこまれた(?)点も色々ある。

 また、とにかく強くて完璧なラグナスやサタンが好きな人、シェゾは美形キャラではなく顔面崩れのギャグキャラだと思う人、『ぷよ』は好きだが過去の『魔導』は知らない、こだわらないという人は、物語も楽しめることだろう。

 

 このゲームは、本来コンパイル史上でも最大級の、『魔導』シリーズ集大成とでもいうべき大作として発売されるはずだった。だがコンパイルが倒産、和議申請。一時は製作がストップしたが、残留したスタッフが死力を尽くしてストーリー等変更したものを完成させた。

 状況の切迫振りがよく分かることだが、どうやら、元々は旧来の『魔導物語』を改変した新しいハードファンタジーRPG(一般的大作RPG)を作ろうとしていて、しかし経営の悪化から、売れ筋を意識した児童向けぷよぷよRPG路線への変更を余儀なくされたらしく、だが実際には表面的にしか路線変更されていない。結果として、ハードファンタジーと童話が混ざり合わずに荒く掻き回されたような、一種独特な物語世界が現れている。

 発売される予定だったオリジナル版のエピソードは、当時のプロデューサー自らの手により、小説『真・魔導物語』(第一期)としてファミ通文庫から発売されている。

 このゲームの発売後、コンパイルはパラレル的展開を見せていた魔導・ぷよシリーズの世界観を再構築し、それまでのものとは全く異なる、新しい世界観・設定に作り直した。

>>真・魔導物語設定について

 しかしこの新しい世界観は結局うまく膨らまなかった。この当時のコンパイルが『魔導』を実質見捨て、『ぷよ』を中心に据えたこともあり、この設定に沿った『魔導』は以降作られず、外伝である『ぷよウォーズ』や、アスキー系の書籍でのみ その設定が語られるという事態になってしまったのだ。最終的に、作成スタッフらの退職等もあり、この新設定でのアルル・ナジャの物語は、小説版のみで語られるに終わったようである。

 

>>SS版魔導ばたんきゅ〜台詞
>>SS魔導アルルの日記

ぷよぷよ外伝ぷよウォーズ

製作・発売/コンパイル(99/08/27)
GBC

ぷよぷよ外伝ぷよウォーズ

 ぷよ・魔導の世界観を一部借りた、全くの新物語。異世界ガイアースに住む「ダイチ」という少年が主人公のシミュレーションRPGである。

 ぷよが操る”テクター”なるマシン、更にそれを合体させることにより生み出されるバリエーション。これを図鑑化してコンプリートすることが出来る。全体に低年齢層男児向けといった感じ。

◆ストーリー

 惑星ガイアース。かつてラグナスという勇者が守りぬいたこの世界も、長い年月を経て幾度もの戦いや変化を繰り返していた。
 この物語から百年ほど前。遺跡で、ある学者が『ぷよ』なる生物に関して詳しく記した石碑を発見した。この情報をもとに新たに『ぷよ』が生み出され、ペットとして一躍世界に広まった。子供たちの間ではぷよを自作のマシンに乗せて戦わせるテクターバトルが人気である。

 ぷよ愛護協会会長でもある「ハカセ」の一人息子であるダイチは、ぷよ達と心を通わせることの出来る不思議な少年だ。ある日、異様な「ぷよ反応」をキャッチしたダイチは、見たことも無い大量のぷよ(しかも狂暴化している)と、それを率いる仮面の男、アンゴルに遭遇した。アンゴルは何故かダイチを見て驚く。唯一正気に戻ったぷよ、ぷよりんと友達になったダイチは、異世界からやってきて、この世界を支配するというアンゴルの野望を砕くため、自らテクターに乗って出撃するのだった。アンゴルと遭遇した後、何故か突然、ダイチの体はぷよ用のテクターに乗れるくらいに縮んでしまったのである。
 そんなダイチの前に、謎の少年と少女が現れる。ピンクの髪の少女、マリンと蒼い髪の少年、ショウは、ダイチを影から見張り、また彼の何かを試しているらしい。一体、ダイチの何をそんなに警戒しているのか?

 戦いの最中、突如ダイチの姿が恐ろしい獣人に変わり、我を失って暴走しはじめた。
 六千年ほど前――人類の文明は頂点に達し、ついに恐るべき生体兵器を開発した。ぷよと人間の合成生物――それこそがアンゴルと、そしてダイチの正体だったのだ! ダイチはハカセの実の息子ではなかった。古代の遺跡の研究所跡から博士が発見した子供だったのである。
 マリンとショウはアンゴルと同じ異世界からやってきた者で、このガイアースの女神、エルドラによって転生させられ、力を与えられていた。エルドラからダイチの正体を知らされていた彼らは、その様子を見守っていたのだった。

 自らの正体を知ってしまったダイチ。しかし、悩んだ末、彼はあくまでアンゴルと戦うことを決意する。ぷよと人間の合成生物としての自分を否定すること無く。そんな彼の仲間に、マリンとショウが加わるのだった。
 だが、かつて生体兵器の被験体にされた上、エルドラによって異世界へ追放されたと考えているアンゴルは恨みを捨てることが出来ない。そして彼らは最後の対決の時を迎えるのだった……!

 

 アンゴルが追放されていた、そしてぷよやマリン達が元々住んでいた異世界というのが、アルル達の住む魔導世界である、という設定。ちなみにアルルはマリンの憧れの勇者様。この物語によって二つの世界間は自由に行き来できるようになったようだが、どうなるんだろう?

 物語の時期的にはセガサターン版『魔導』のすぐ後のことだそうだ。

 

>>プレイ当時の感想

 

 攻略本は勿論、アンソロジー、おもちゃまで発売されたが………まぁそのなんだ。

(元々、おもちゃの企画が先にあり、提示されていた基本ストーリーをアレンジしてゲームを作ったらしいので、「おもちゃに合わせて発売された」と言うべきかもしれないが。)

 ぷよ・魔導のキャラを完全に入れ替えて新展開……というパターンを試みたのだろうが、存外にユーザーは保守的だったということか。

アルルの冒険まほうのジュエル

製作・発売/コンパイル(00/03/31)
GBC

アルルの冒険 まほうのジュエル

 コンパイルが新体制になってからの初の完全オリジナル魔導。(わくぷよ、SS魔導は旧体制時の企画である。)とはいえ、これを『魔導』に分類するかどうかに関しては意見が分かれるところだろう。単独発売のRPGなのだが、既に『魔導』の文字はタイトルのどこにも見出せない。しかもフィールドは2D式、オートマッピング機能はなく、HP等のファジー表示もなく、サンプリングボイスすらない。『魔導』のゲームとしての仕様特徴の全てを捨て去っている。

 なんでも、本来の企画としては『ぷよウォーズ』と対になるゲームの予定だったようで、『ぷよウォーズ』と同時に開発していたらしい。(真魔導年表にあるシナリオ「ぷよの消えた日」かと思われる。)しかし、結局 内容が変更され、直接的な繋がりは明示されないようになっている。物語中、”勇者さま”が世界を救うのと引き換えに異世界に飛ばされる点、精霊の協力を得てぷよを助けるのがメインの筋立てである点に、元シナリオの片鱗がうかがえる程度である。

※しかし、発売から八年後にシナリオライターが個人サイトで明かした裏設定によれば、この作品に登場する風の精霊ヨウィスと『ぷよウォーズ』のショウは同一人物とのこと。

>>『アル冒』『ぽけぷよよん』における真魔導系裏設定

 

 ちなみに、「ぷよの消えた日」はSS版『魔導』の直後の物語とされていた。『アルルの冒険』の原型がこのシナリオだったことを裏付けるように、ゲーム中のシェゾ、ウィッチ、ドラコの衣装、ルルーの衣装と使用技などは、SS版『魔導』と同一になっている。

 『アルルの冒険』には、「異世界へ移動する勇者=プレイヤー自身」「シェゾが物語の主流に関わるが、ラスボス戦前に外れる」「ラスボスを倒すと決戦場が崩壊、サタンが最後までそこに残って不安を誘うが、最後に颯爽と出現」など、SS版『魔導』と重なった要素が数多い。その点を見ると、このゲームはSS版『魔導』の焼き直しだとも取れる。

 

 機種がゲームボーイであることもあり、対象は完全に低年齢層だと思われる。カードによるバトル、ジュエルとの組み合わせによるコレクション性、もんすたあの育成など、まぁ「売れセン」を狙った作りになっている。

◆ストーリー

 英雄様のお祭りを見に、アルルは英雄の村に出かけました。この村にはサタンやドラコの別荘やウィッチのラボもあり、ルルーたちも祭見物に訪れているようです。……この地に英雄様が封印したという「力」を手に入れようと、一人目論むシェゾも来ているケド……。

 サタンの勧めで、アルルは村の長老に、村に伝わる英雄の伝説を聞いていました。その時! 突然、地鳴りと共に閃光が走り、ぷよぷよたちがカードに変わってしまったではありませんか。これはかつて英雄様が使った魔法と同じもの。ぷよぷよ達を元に戻すには、年に一度村を覆う「障壁」が消え去るまで……つまり祭りが行われているこの一日の間に、五つの「クリスタル」を集めるしかないというのです。
 英雄様の魔法を使った後、姿を消してしまったサタン。そしてアルルにアドバイスをする謎の「マントくん」(誰かに似ているような……?)。苛立ちながらも、アルルは「ぷよくんたちのため」に冒険に出発します。

 けれど、村人たちの様子もなんだか変でした。最初、アルルは「サタンが何かしている」と思っていたのですが、どうやらサタン自身も村人たちに利用されているようなのです。
 実は、村人たちは封印された「力」を解放し、自分たちの「願い」を叶えようとしていたのでした。

 一方、封印された「力」を狙うシェゾは、行く先々でアルルと衝突していました。アルルに敗北したシェゾは、「もっと力を吸収して強くなる」ために、村の子供セプテムのペットを誘拐します。見事セプテムたちを救い出したアルルですが、セプテムはアルルがもうすぐ帰ってしまうと聞いてショックを受けるのでした。

 ついに五つのクリスタルを集め終わったアルル。かつて英雄が「力」を封じたといわれる「精霊の祠」にたどり着くと、そこにサタンが待っていました。単なるゲーム気分で魔法を使ったサタンでしたが、実は封印された力が大変「危険なもの」であることを知り、アルルと一緒に封じることにしたのです。
 ところが、そこにセプテムが走りこんできました。「ごめんなさい、アルルお姉ちゃん!」アルルと離れたくない。ずっと一緒に暮らしたい。そんな願いを、セプテムは叶えたかったのです。
 目覚めた「力」は願いを叶えるべく動き始めます……。アルルは「力」に囚われたセプテムを、そして危機に陥った世界を救えるのでしょうか。

 

 登場キャラは、勿論『魔導』のお馴染みのキャラクター達なのだが、一方で新キャラも数多い。しかも「もんすたあ」は殆どが新キャラである。育成という要素がある以上、半ば主人公と対等な位置にある既存の魔物キャラ達を使うのも不自然だったからなのだろうが。

 ちなみに、既存の魔物キャラはこれらカードに封印されたもんすたあを使役するカードマスターとして登場している。もんすたあが新キャラばかりなのに対し、こちらはかなり懐かしの、あるいはマイナーなキャラばかりである。(デモンサーバント、デュラハン、セイレーン、バンパイア、木人、オトヒメ等)。ドラコやウィッチ、セリリなど、お馴染みのキャラの多くはサブイペントキャラに回され、カードバトル大会(つまりは「おまけ」)でかろうじて戦えるのみとなっている。

 

 PC-98版魔導にあった人間と魔物達の敵対関係はいよいよ完全に消え去り、アルルは危機に陥った「ぷよたちを救う」べく冒険を開始する。なにしろこのゲームのアルルは「ぷよの言いたいことがなんとなく分かる」と言い、「ぷよくん」なんて呼んで対等な友達のように付き合っているのだ。(小学館の学習雑誌に連載されていた『とっても! ぷよぷよ』とかなり強い類縁性を感じる。あの漫画も、ぷよぷよとの付き合いが全ての物語の主軸に入っていた。)

 しかも、戦闘はただアルルが魔物を倒すのではなく、アルル自身が魔物を育て、召還して戦わせるといった趣向で、いわばアルルと魔物が同一の立場に立って協力している。最後の戦いの時、アルルは叫ぶ。

「カードのみんな……。お願い、ボクに力を貸してっ!」

(尤も、単に魔物を召還して戦わせていると考えれば、かつての『大魔導戦略物語』と同じ方法である。)

 

 なお、もんすたあ事典があったり、イベントを進めるためのアクションアイテムがあったりと、システム的にはSFC『はなまる大幼稚園児』を思い起こさせるものがある。マップも似てるし。

 

 『わくぷよ』やSS版『魔導』が、これまでの『魔導』『ぷよ』十年間の集大成的内容だったことと考え合わせれば、システムばかりではなく、登場魔物の大半を一新したこの『アルルの冒険』から、真実の意味での「新生魔導物語」がスタートしていたと言えるのかもしれない。

 実際、長い『魔導物語』の歴史の中で幾度かあったであろうターニングポイントに、このゲームは位置しているようだ。

 

>>アルルの冒険デモログ

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