PSP版『ぷよぷよ７』感想文

　例によって主にストーリー部分の感想をゆるゆる書いていきたいと思います。あくまで個人の感想なので何の役にも立ちません。暇潰しにご利用ください。

　今回も、絵はとっても可愛いし、雰囲気が明るくて楽しげなのもいいし、キャラの大人版や子供版が見られたのも嬉しかったし、ルールがコロコロ変わるので飽きずに遊べましたし、お話もシュールで面白かった。ストーリーが長い代わりか、クリア後はストーリーのどのステージからでも戦える仕様も親切だと思いました。難易度も「ふつう」で遊んで特に困ることがないですし、対戦ごと・ステージごとにランクが付くのも楽しいです。

　これが前提です。ですので、以下は贅沢な妄言です。

●ゲーム進行を常に妨げられる、というストレス

　ぷよFiveズがズラッと並んだロード画面の出現が頻繁に感じられ、面食らいましたしストレスも覚えました。旧ぷよシリーズではなかったものです。

　同様に、ストーリーで一つのステージを終えるたび、その他の対戦を一度終えるたび、いちいち「セーブを行いますか？」「データを上書きしますか？」という確認画面が出るのには閉口しました。同様のストレスは『チュー』（PS2版）でも感じましたが、『チュー』は各シナリオが独立していたおかげで話の途中で妨げられることは無かった。しかし今回は長いストーリー１本が幾つかの章に分かれている構成なので、話の途中なのに「セーブしますか？」と口を挟まれる感じで苛立ちました。

　そういえば『みんなでぷよぷよ』も、長いストーリー１本が数ステージに分かれている構成で、ステージが終わるごとに「タイトル画面に戻りますか？」という選択肢が出て苛々させられましたっけ。最初から細かく分かれてメニュー表示されてるならともかく、１本の話だと認識しているのに細切れに水を注されるのは勘弁してほしかった。

　今回の「セーブ画面」に関しては、デフォルトを自動セーブにして、オプションに「セーブを手動にする」という項目を付けてくれればいいのに、と思いました。

　とにかく、デモから対戦画面に移るたび、対戦を終えてデモに戻るたび、ステージが終わって次の章に移るたび、いちいちロードやセーブ画面になって、些細ではありますが結構な時間を取られ、それが積み重ねられていくのはストレスになりました。

　こんなにロードしなければならないのなら、対戦開始時にぷよのフィールドが上から落ちてきてバウンドするとか、デモの背景でスプライトアニメーションが細かく動くなどの演出は要らなかったです。

　以上のことを考えていて思い出したんですが、『チュー』って割と重いソフトでしたよね。特にリプレイ機能は重かった印象があります。そのぶん、演出もシナリオもモードも盛りだくさんで、今のところ、その点ではぷよシリーズで最高峰だと思いますが。『チュー』が何故か携帯アプリに移植されないのはそのせいもあるんでしょうか？　飛び抜かして『ぷよ！』の方が先にアプリ移植されちゃいましたが。

●テキストに頼り過ぎた漫才デモ

　りんごは頭脳系キャラと言うことですが、かなり饒舌で台詞回しや語彙がユニークで面白かった。反面、テキストの面白さに頼り過ぎているように感じ、ところどころ気になった……のを通り越して、実はちょっぴりストレスを感じました。

　小説と漫画の違いはなんでしょうか。漫画には絵がある。だから漫画では台詞を減らし、絵で見せる工夫をします。漫画と映画の違いはなんでしょうか。動きと音があります。ですから、漫画より幅広い視覚的表現、そして音による表現を行います。

　コンピューターゲームのデモは、簡易的ですがアニメーションの一種です。絵と動きと音が付いている。ですから、視覚や聴覚に訴えた表現を私は期待してしまいます。

　しかし『ぷよ７』のデモは、それらの面の演出がとても弱かったです。これは、前作の『ぷよ！』も同様でした。

　そちらの感想にも書きましたが、ぷよシリーズ初期は二頭身キャラのアニメーションで表現していた漫才デモが、『ぷよよん』からは数パターンの立ち絵を使った紙芝居デモになった。表現の幅が圧倒的に狭まっています。それでも『チュー』はよく工夫して、惜しみなく立ち絵やイラストも描きおろしてありましたが、『ぷよ！』はそれがなくなり、『ぷよ７』でもそのまま……。

　特に今回は、りんごが台詞でワーッと説明するだけの場面が多く、ラジオドラマ的…どころではなくリアル漫才的だったと言えるのかもしれませんが、演出不足を感じる場面が多く、何のためのデモアニメーションなの？　と少々うんざりした次第でした。

　大昔の『ぷよ通』『ぷよSUN』ですら、ストーリーに合わせてアニメーションを描き下ろしていたんですよ。パノッティに操られたアルルが踊るとか、スカートめくられるとか、トリオ・ザ・バンシーがサッと着替えるとか。アルルにからかわれたシェゾにキノコが生えるとか、ラグナスのズボンが落ちてパンツが見えるとか。

　少なくとも、「フェーリが五寸釘を舐めている」場面は、専用絵を描き下ろすべきだったと思います。それは絵で表現して場面のスパイスにし、テキストでは説明しなくてもよかったとさえ思いました。

『ぷよ７』のデモは決められた数パターンの絵以外、一枚も描き下ろしてない。数パターンの絵を使い回しての表現はゲームでは定番ですけども、用意されたパターンが、どうにも少なすぎる。

　おまけに、声の方は抑えた感じでりんごが考えこんでいる風なのに絵は白目ギャグ顔でびっくりしてたり、ちぐはぐな場面もありました。

　要は、テキスト・声・絵にズレがある。

　それはそうと、今回、テキストが多くてボタンを押す回数も多かったのか、ストーリーモード自体が長かったからか、デモは見たいけど、トロトロ表示されるそれを待ってボタンを延々押し続けるのが辛く感じられました。ボタンひとつでデモを倍速にする機能がほしいです…。

　ストーリーは長い一本にするよりは、『チュー』のように、短いのと中規模の数本がある方が嬉しいです。あまり長い話は疲れるし、もっと色んな話が見たい。

　今回は違うキャラ視点のデモが二周目から見られるようになってましたが、殆どは内容が本筋のデモと変わらないものだったので、かなり面白くなかったです。同じものを何度も見せられている感じでした。（全く違う感じになってたのは、すけとうだら視点でルルーやサタンと対峙するデモくらい？　あと、アミティやレムレスがりすくま先輩に対峙するデモはまあまあの変化。その程度だったよーな。）

　おまけをつけてくださるならば、視点変化よりも、後日談や番外編の短いシナリオがある方が嬉しいです。『ぷよよん』のかれーすとーりーみたいなのとか。

　今回の話で言えば、例えば、りすくま先輩は実は科学部で物理部じゃないとかの設定は本筋で全く触れられてませんから、そういう話とか。奇をてらわずに最初は練習シナリオにして、りんごがまぐろやリス先輩、最後にスケTかカーバンクルと戦うだけの短い話、次にアルルをエコロから解放するメインシナリオが始まって（どうせなら、カーバンクルがりんごを導いてくれたらよかったのに。そのくせ、最後にノリでダークになって登場するとか）、そのクリア後にぷよフィ組と魔導組それぞれの短い外伝シナリオが出現する、なんて配分だったら嬉しかったなぁ。（好き勝手言ってます。ワガママです。）

　アミテイが記憶喪失になった理由も知りたいし、シグやラフィーナとアミティが会話するデモがなかったのでそれが見たい。そして、ルルーがサタンと会話するデモや（いい加減、ちょっとくらいルルーにもいい目見させてほしい）、アルルと、ルルーやシェゾのライバル以上友情未満の会話とか。会話を見せてくれるだけでも嬉しいのに。

●無駄を省いてエコロじかる？　ぐるぐるぐるー

　今回は、絵もボイスも乏しかったという印象があります。

　いや待て、各キャラごとにちび・普通・でかの３パターンのカットインイラストや連鎖ボイスを用意しなければならなかったんだから、少ないなんてとんでもない！　と怒られそうですけども。

　でも、ユーザーとしてはもう少し色々カットインが見たかった、のが本音。

　本音ついでに。シェゾの衣装デザイン、ちびもでかも、マントやベルトがちょっと違う程度でみんなほぼ同じなのは　あんまりではないかと。ちびか でかに旧ぷよシリーズでお馴染みの白衣装とか着せてほしかったですよ。

　なんでぷよフィ系セガぷよのシェゾは頑なに『わくぷよ』＆『ぷよよん』ミックス衣装なのだろう。白衣装の名残はマントの裏地が緑色なところくらい。魔導シリーズのシェゾは、結構いろんな衣装着てるのになぁ。

　また、連鎖ボイスが１キャラ３パターンもあるのに、（ドラコとクルークを除いて）全く同じ技・魔法しか使わないのもつまらなかったし、勿体ない感じがしました。地球組・ぷよフィ組は仕方ないとしても、魔導組は使いきれないくらい沢山の技や魔法を持ってるんですから（セガに版権があるのだろう『わくぷよ』のでも）、それらを使ってほしかったなぁ。オリジナルでもいいですし。サタン様に久々にサタンクロスを使ってみてほしい（笑）。それに、アルルとダークアルルの魔法は、一部でいいから変えてほしかったです。ジュゲム追加とか。

　絵について、ついでに。

　オプションの鑑賞の項目に、キャラクターの立ち絵やカットインイラストの鑑賞が出来る項目がほしいですー。『みんなでぷよぷよ』などにはあったのですし（ボイス鑑賞と共通でしたが）、次作では復活＆強化されますように。

　以上です。ワガママばっかでヤレヤレな感想でしたが、お付き合いいただいてありがとうございました。