『〜聖魔導物語〜』感想文 10/17

五章 いざ、摩訶不思議伽哩塔へ!

例によって、カレー屋に入ると前触れなく五章タイトルが出て、間断なく出立イベントに拘束されます。

カレー屋にいたリーリカとニコリに、摩訶不思議伽哩塔まかふしぎカレーとうへの出発を告げるププル。
あれだけ大口叩いたのに新メニューにできなくてごめんなさいと、もう一度ニコリに謝罪すると、天使な彼は「僕のことは気にしないで、ププルちゃんはお友達を助けてあげて」「僕はププルちゃんが無事に帰って来てくれれば それでいいんだよ」と微笑むのでした。

リーリカは、魔導塔の時と同じようにププルを心配。

リーリカ
気をつけてね……

ププル
# 満面笑顔
だいじょうぶ!
後はカレーを作るだけなんだもん、
楽勝だよ!

リーリカ
あの、でもね、油断は禁物よ?
ププルはトラブルメーカーだから……

ププル
# ムッとして
違うよ!
ボクがトラブルメーカーなんじゃないよ!
勝手に寄ってくるトラブルの方が
悪いんだからね!
# 笑って
心配してくれのはありがたいけど、
リーリカはちょっと考えすぎだよ!

リーリカ
そうかなぁ……
(それをトラブルメーカーって
 言うと思うんだけど……)

ボクがトラブルメーカーなんじゃないよ! 勝手に〜」という、序章でも言っていた台詞を繰り返しています。公式サイトのププル紹介ページにも引用されていましたし、ププルの決まり文句ってことになるんですかね。

ちなみにくぅちゃんは、リーリカを見るなり眼をギラギラさせて興奮し、しがみついていたようです。キモい。
小動物だから許されてるけど、十二分に変態じゃよ。なにせリーリカが近くにいると、匂いを嗅ぐために「くふーっ、くふーっ」と息を荒くし続けるくらいですもの。うげげ。


会話が終わるとカレー屋の通常メニューが出て小休止。(セーブできる。)しかしカレー屋を出るとまたまた強制イベントで、今度はプニィとの会話です。

プニィ
……あのね

ププル
??

プニィ
プニィの話、
ちゃんと聞いてくれる人いなかった……
大カレー神さまを信じてくれる人も
ププルがはじめて
ちゃんと聞いてくれた……
# 微笑む
プニィとププルが出会ったのは必然……。
ルーとライスのめぐり合わせみたい、かも

友達一人もいませんでしたププルは運命の人です宣言キタコレ。
……重っ。セリリ並みに重っ。
アルルだったら(受け入れるにしても)多少なりとも引いたと思いますが、ププルは重圧などモノともしない人なのです。

ププル
あはは、運命を感じるね!
もしかして大カレー神サマが
ボク達を会わせてくれたのかもね!

その軽口を全肯定と取ったロリ電波巫女様は、調子に乗って「ププルは大カレー神さまに愛されてるの。ちょっと嫉妬……かも」と甘えたあてこすりを口にする。めんどくさい子だねぇ。

ププルはそれにも動じない。「大カレー神サマも、信じてくれるプニィのことが大好きだよ!」と、期待する言葉でくすぐってやります。ますます舞い上がったプニィは「じゃあ、プニィたちは祝福されてる二人?」「とってもしあわせ。今ならなんだってできちゃうかも」なんて、プロポーズ成約後の新郎みたいな台詞を言っちゃうのでした。

いつにも増してお花畑になったプニィに見送られて出発するププル。でも、肝心のエターニャには会えていません。

(エターニャにも
 一言言っておきたかったんだけど……)
(今日はいないなぁ……)

って、今から魔導カレー作るなら、食べる彼女を同行させないとまずいんじゃないの? そもそもププルはレシピ読めないくせに…。
一人で出発しちゃうなんて、せっかち過ぎじゃないかなぁ。


不安を感じつつ、久々の奇天烈の森へ。
金色の木々の茂る森の中に、巨大なスプーンやフォーク、何故か巨大ニンジンが屹立する地です。
その入口でクリオラと遭遇。

クリオラ
もう!
どうして塔に辿り着かないのよ!?
方向は合ってるのに……!
何度行っても
結局ここに戻ってきちゃうし……

ププル
あれ?
こんなところでなにしてるの?

クリオラ
……摩訶不思議伽哩塔に
行きたいのだけれど、
何故か辿り着けないのよ
魔導カレーを作るなら
摩訶不思議伽哩塔でなければ
いけないんでしょう?

ププル
うん、そうだよ。
あ、カレー作れるようになったの?

クリオラ
き……気合とギガディス様への愛で
なんとかするわよ!
ギガディス様への愛があれば、
わたくしに出来ないことなんて
あるわけないわ!

くぅちゃん
# 呆れたように
くく〜……

ププル
# げんなり
(魔導カレー作るの、諦めてないんだなぁ)

未だに魔導カレーをただの美味しいカレーだと思っているクリオラさん。
なんたる情報弱者。

……しかし、余章までクリアして振り返ってみると、クリオラのこの感覚は少しもおかしなものではなかったんだなと思うようになりました。特に、彼女は魔族ですから。


さて。
以前ププルが塔へ行こうとした時は、究極食材を持たぬ者は立ち去るんだゾウと、謎の警告が聞こえたものです。しかしクリオラは聞いていないとのこと。夢中になると一直線になるみたいだから耳に入らなかったのかなと思うププル。
(クリオラの名誉のため先に書いておきますが、後に解説されたところによると、彼女には本当に警告がされていません。)

究極食材を持っていれば塔に行けると、わざわざププルは説明します。案の定、クリオラは食材を渡しなさいと無茶を言い出しました。
あはは、この辺のジャイアニズムは晩期魔導のルルーっぽい。

ちょっと料理が上手いからって……
それを武器にギガディス様の心を
トリコにするつもりでしょうけれど、
そうはさせないわよ!
ギガディス様に
伝説のカレーを作るのは、この私よ!

いや、究極食材があってもレシピがなければ作れないんだけど。

そこに「お困りのようだな!!」と何者かの声が。(BGMストップ)
誰!?」「この声は……!」とお約束に驚くクリオラとププルの前に、勇者三人組が登場。(BGM『勇者三人組のテーマ』が流れ出す)

ウードン
助けを求める声あらば!

パンナ
天地の果て、どこまでも!

ナーン
いつでも駆けつけるぜ!

ウードン
ウードン!

パンナ
パンナ!

ナーン
そしてリーダー・ナーン!

ナーン&パンナ&ウードン
# 声を合わせて
勇者、参上!!

ついに三人声を揃えての名乗りが実現し、ビシッとキマりました。今回は純粋な人助けですから、シチュエーションも完璧です。
…ただしBGMはのほほんとした『勇者三人組のテーマ』がダラダラ流れるままで、ファンファーレや効果音の演出はありません。

どうして何度も《名乗り》を繰り返すのかなと不思議に思っていました。
思うに、《名乗り》の完成具合を通して勇者三人組の成長度を表現するのが、シナリオさんの意図だったのかなぁ?


驚くププルに「助太刀してやるぜ!」と声をかけるナーン。「通りすがり」と言ってましたが、例によってププルを尾行したってコトね。(^_^;) ストーキングしつつ、カッコよく手助けできる機会を窺ってたってトコロですか。

ついでに「そこ一のバイトは??」「そこ一のバイトなんてやめたですよ!」と、今更なやり取りをします。ププルは道を示してくれた恩人だから助けるのだそうです。

ナーン
行け!
ここはオレ達が食い止める!
これが今のオレ達にできる
せめてもの恩返しってヤツだ!
帰ったらうまいカレー屋
紹介してくれよ!

なんか死亡フラグみたいなこと言ってますが、勿論、このゲームでそんなもん立ちません。
駆け去るププルを追おうとするクリオラの前に立ちふさがって凄みます。

ウードン
ここは通さないぞ!

クリオラ
外野は引っ込んでなさい!

パンナ
そうはいかないです!

ナーン
あいつにはちょっとばかし、
でかい借りを作っちまったんでな
悪いがねえちゃん、
ここでオレ達と遊んでくれや

クリオラ
……あなた達と話しても無駄なようね
# 笑って
いいわ。
いらっしゃい、遊んであげる

ここでこのイベントは終了。

悪いがねえちゃん、ここでオレ達と遊んでくれや」って。
悪いがナーンよ、君のその物言いは、勇者ってより任侠映画のチンピラみたいだぞ(^_^;)。


奇天烈の森を抜けて、摩訶不思議伽哩塔へ。
今度はギガディス登場です。

# 摩訶不思議伽哩塔の前

ププル
着いたね……

くぅちゃん
くくー……

ギガディス
遅かったな、ププル

ププル
え!? なんでキミがここに!?
どうやってここまで来たの!?

ギガディス
ハハハハハ!
余の力をもってすれば、容易き事よ!

くぅちゃん
# やれやれという感じで
くー……

ププル
# げんなり
そうだね、実はすごいんだよね、
よく思い出したら魔王だし。
すごくて当然なんだよね……
全然そんな感じしないけど……

ギガディス
# 涙目
だ、誰が『腐っても魔王』ですか!
余は腐ってなどいませんよ、お父さん!

くぅちゃん
くー

ギガディス
今度はヘタレって言われた……

ププル
# 厭そうに
で、なんでいるの?
またボクのジャマするつもり?

ギガディス
あ、いやいやいや。
そなたの門出を見守りに来ただけだぞ
さぁ、『伝説の魔導カレー』を
作りに行くが良い

ププル
ま、まぁ、それならいいけど……

ギガディス
今日は特別な日になるからな……

ププル
??
行こ、くぅちゃん

くぅちゃん
くー

# 駆け去るププルとくぅちゃん

ギガディス
ふふっ……。
ついにこの時が来たか、
楽しみであるなぁ……

珍しく、鬱陶しいことをしません。嵐の前の静けさですね。
塔の前に見送りに来たというシチュエーションには、『わくぷよ』アルティメットタワー前でのサタンとアルルの会話を思い出しました。


伽哩塔の中へ。
この塔の壁には、コック帽らしきものを被った象の顔をかたどった、エスニックな文様があります。

伽哩塔5層。

# 地響きと共にフロアが揺れる

ププル
うわわっ!
あ、危なかったぁ……。
ここ、床が抜けてるよ……

くぅちゃん
くー?

ププル
うん、大丈夫だよ
古い建物だしなぁ……。
それとも魔導カレーを作るために
登った人達のせい??
どっちにしろ気をつけて進もうね、
くぅちゃん

くぅちゃん
くー

ププル
ん?
どうしたの、それ

くぅちゃん
く、くー

ププル
ん〜……食材、かなぁ?
食べられるのかな、コレ……

くぅちゃん
くー?

ププル
え〜?
ちょっと生で食べる勇気はないかな……
# 笑って
でもいかにも摩訶不思議ってカンジだよね。
面白いよね
# 満面笑顔
そうだ!
みんなやカレー屋さんへのお土産にしよう!
カレー屋さんなら、
なにか新しいカレーの具材に
できるかもしれないし!

くぅちゃん
くー!

ププル
いくつか拾っていこっと♪

くぅちゃん
くくー!

「食材らしきもの」を拾った!

「食材らしきもの」を拾った!」とメッセージ表示されますが、アイテム欄には反映されません。例によって絵もないので、どんなものかも判りません。
ゲームシステムから乖離しているので、最初にプレイした時、不気味で落ち着かなかったです。

結論から書けば、これはゴルダール絡みのオチをつけるための布石でした。でも、なんとも釈然としなかったです。
小説などの他媒体ならいいでしょう。けれどこれはゲームです。通常、ストーリーに大きな影響を与える《アイテム》は、探索や戦闘など、《プレイヤー自身の意思でこなす》ゲームイベントで入手するものではないでしょうか。それが、通過的に強制発生するシナリオ内で、テキストのみで消化されているのです。

何度も書いてきましたが、このゲームは構造的な仕様部分が、言い方が悪いですがお粗末だと感じます。力の入った(小説的な作法で書かれてしまった)シナリオとバランスが取れていません。材料を取りまとめ、調理して《ゲームにする》作業が上手くいっていないように思います。


伽哩塔9層。
ゼオ登場。

くぅちゃん
# 低い声で
ぐー! ぐー!

ププル
くぅちゃん!?
どうしたの!?

くぅちゃん
ぐぅ〜〜〜〜〜……!

ププル
# 身構えて
な、なにか来る……!?

# 遠くから走ってくる足音
# ゼオが現れる


ププル
あ! ヘン――

ゼオ
変態ではない!
流離さすらいの闇の魔導師、
ゼオ・ウィグルゥだ!

ププル
# 不本意そうに
……嫌だけど覚えちゃったから
フルネームで名乗らなくていいよ

ゼオ
# 嬉しそう
そ、そうか!

ププル
究極食材もないのに、
どうやってここまで来れたの?

ゼオ
フン、俺様に不可能などないわ!

ププル
(ギガディスだけじゃなく、
 この人まで……)
(すっごい魔力さえあれば
 奇天烈の森を突破できるのかな……)
# 不満げに
(なんかずるいなー。
 ボクがどれだけ苦労したと思ってるんだよ)

ゼオ
こそこそ出かける
魔王の後をつけて来たのさ
あの腹立たしい魔女と馬鹿三人が
派手に暴れていてくれたからな。
誰も俺の存在に気付かなかったぞ

ププル
# がっくり
…………

ゼオ
# 汗タラで不本意そうに
フッ……何故だろうな。
尾行スキルが上がっている気がするぜ……。
ああ、何故だろう……

くぅちゃん
くくー

ププル
# やや声潜めて
しっ! 影が薄いなんて、
さすがにそれは言っちゃダメだよ!
ヘンタイさんも傷付いちゃうよ!

ププルに名前を覚えてもらって、実に嬉しそうなゼオくんですが、ププルはその後も頑なに「ヘンタイさん」呼びして、決して名前で呼ばないのでした。
流石ププルさん、ゼオ苛めに容赦がねぇ。猛烈な悪意だぜ。

ゼオ
すでに傷になっとるわ! 誰が変態だ!
しかも小動物にまでコケにされるとは……!
やはり究極の魔力を手に入れ、
お前達を見返すしかないようだな
『伝説の魔導カレー』を作るのは俺だ!

ププル
# ムッとして
魔導カレーを食べると
とっても恐ろしい呪いにかかるんだよ?
怖くないの!?

ゼオ
その呪いとやらは、
魔導カレーを食べた者にだけ
降りかかるんだろう?

ププル
そう聞いてるけど……

ゼオ
ならばそれがどうした!
そんなものを恐れて強さを求められるか!
お前達に散々泥を塗られた
俺の名誉のため!
なにより俺の野望のため!
魔導カレーのレシピと究極食材、
渡してもらうぞ

ププル
# 険しい顔のまま
また返り討ちにしてあげる!

ゼオは、呪いが自分にしか降りかからないなら構わないと言い切る。どんな呪いかの確認さえしようとしません。
これ、何気に彼の内面が窺い知れる言葉で、一つは《己を粗末にしている》、もう一つは《周囲を傷つけようとは思っていない》。
前章の感想に書いたように、彼の妹関連の体験から出た言葉なのかなと想像できるところで、それを知らなくても「エッ?」と思わされる発言ですが、ププルは安定の総スルーです。
せめて「呪われていいはずないでしょ! キミの家族や友達は悲しむんじゃないの」くらい言ってあげてもいいのにね。


ゼオは戦いを仕掛け、ププルは受けて立ちました。
大抵のケームなら、ここで戦闘なりクイックタイムイベントなりに突入するトコロ。でもそうならない。やっぱり、全てシナリオ上のみで処理されます。

ゼオ
フッ……威勢の良い事だ。
残念だが、今度は本気でいかせてもらうぞ
闇の力よ……集え、我が元に
# 闇が集う

くぅちゃん
# 警戒した様子で
ぐぐー!

ププル
この古臭い言葉は……古代魔法!?

ゼオ
今こそその邪悪な力を解き放ち、
全てを滅せよ!
# 闇の力が集う

今まで俺は本気出してなかっただけ今から本気出す、とうそぶくゼオくん。そして今更「この古臭い言葉は……古代魔法!?」と驚くププルさん。

えーとつまり、以前ゼオと戦闘した時は、古代魔法を使ってこなかったってコトですか。即ち「ダークブレイド」「ダークフォース」「ダークネスフレア」は古代魔法ではないと。シェゾのアレイアードに相当する魔法を、ゼオはまだ見せてないってことかー。…そして見せないままゲーム終了、と(苦笑)。


ゼオが呪文を唱えると闇の力が集中します。
ここで《クゥォー》って感じの効果音が鳴ります。余章で大カレー神が力を使う時も同じ効果音が使い回されてました。禍々しい闇の力と神々しい神の力に、同じ音をあてちゃうのかー…。なんとなくトホホ。

集中する闇の力は、紫色の霧の絵を重ねることで表現されてました。ところが、霧が集中してる画面中央に、ちょうどくぅちゃんの立ち絵が表示されてるので、まるでくぅちゃんに闇の力が集中しているように見えるのです。
なんじゃこりゃ。ぷひゃひゃひゃひゃ。

ゼオ
くっくっくっくっ……。
さぁ、命乞いするなら今のうちだぞ

ププル
くっ……!

# ゼオ、一歩ププルに歩み寄る

ププル


ゼオ
ん?
# 地響きと共に床が抜ける
なっ!?
# 落下
あ〜〜〜〜〜〜……!
# ヒューーーと効果音

ププル
# トホホ顔
あ、ここも床モロい……

くぅちゃん
# トホホ
…………

ププル
多分、ホントはもっと
すごい人なんだろうけど……

くぅちゃん
くー

ププル
なんかかわいそうだなぁ……
…………
# 笑って
ま、いっか

くぅちゃん
#笑って、そうそうという感じに
くー、くー!

# ププルたち駆け去る

ゼオが落下した時、「ヒューー」という落下音はありましたが、激突音や着地音は聞こえなかったです。余程深く落ちたのか、魔法かなんかで浮いたのか?

しかしゼオ、脅すだけ脅して攻撃しなかったですね。傷つける気は最初からなかったんでしょう。
シェゾと比べると、ずっと甘い、優しい青年なんだなと思います。

…ってより、ゼオにとってププルは真剣に戦うほどの価値がない存在ってコトなのかなぁ。
アルルは存在自体がスペシャルで、シェゾのライバルであり時に仲間であり、何より、真剣に求める目標そのものでした。でもププルは、ゼオが現時点で求めるアイテムをたまたま持っていただけ。アイテムが不要になったら関わる理由もありません。
《主人公補正》のせいで無敵っぽいポジションにいますけど、クリオラの勇者三人組への言を借りるなら「ちょっと強いだけの一般人」です。大カレー神に愛されてるとかいうのはゼオには関係ないし、究極の魔力を持つのはエターニャですもんね。
(実際、本編ラスト以降のゼオは、エターニャや大カレー神を追いかけています。彼がププルに「お前がほしい」と言うことは、二度とないのでしょう。)

思えばシェゾは、アルルがサタンに迫られると「こいつは俺のものだ」などと妨害に入っていたものです。アルル自身がシェゾの求める存在だったから。しかしゼオが、ププルがギガディスに迫られる場面を妨害したことはありません。

流石に、目の前でププルが魔物に襲われていれば、顔見知りに目の前で死なれるのは寝覚めが悪いとうそぶきつつ助けてくれましたが、ププルが特別だからではない。リーリカでもプニィでも助けたでしょう。

つまり、ゼオにとってププルは《顔見知りの生意気な女子中学生》程度の存在かと。そんなのと、命のやり取りレベルで戦えるわけはありませんよね。


伽哩塔10層。脱出の魔法陣が備えられた休憩フロアです。
例によって、疲れたから一回街に戻って買い物し直そうなどとププルが誘う、罠デモがあります。騙されて脱出しちゃうと奇天烈の森からやり直しですヨ。


伽哩塔16層。
勇者三人組と再会。

ナーン
よ!
やっと追いついたぜ

ウードン
やっほー

ププル
ええ!?
キミ達まで……。
どーやってココまで来たの!?

ウードン
どうやってって……

パンナ
普通に来れたですよ?

ナーン
お前が走ってった方にずーっと行ったら
この塔に着いたんだが……

ププル
もしかして……
ボクを助けてくれたから、
ボクの仲間だと思われたのかな??

ナーン
まぁ、よくわからんが、
あのねえちゃんは足止めしといたぜ

ププル
そうだ、クリオラ!
あの後どうなったの??

ナーン
# 満面笑顔
適当なとこで煙玉使って逃げてきた

パンナ
# 満面笑顔
今回はウードンに任せたですからね、
失敗しなかったですよ!

思うのですが。
ここまで勇者三人組に《忍者道具》を使わせることにこだわるのなら、三人のうち誰か一人くらいのキャラデザインを忍者風にした方が、しっくりきたんじゃないかなぁ。


ププル教の敬虔な信者…もとい、すっかりププルへの友情に目覚めた三人組は、協力させてください、魔導カレーは作れないけれど頂上へ行くまでの攻略を手伝いますと懇願してきました。大喜びする教祖ププル様。

が、そこにクリオラ登場。
またも《カツ、カツ》って感じの効果音と共に登場です。今回は音が高めで、十中八九ハイヒールの音のつもりなんだろうなと思える感じでした。

クリオラ曰く、三人組を追ってここまで来たそうです。

クリオラ
道案内、御苦労さま。
あなた達のお陰よ

ナーン
チッ、案内しちまったか……!

クリオラ
ちんちくりん、いえ、ププル!
究極食材を賭けて、私と勝負なさい!

クリオラがププルを名前で呼んだのって、本編シナリオではここが初めてかな?
ついに真のライバルとして認めたのです、ってことかいな。
それなら、ここでちゃんとププルとの戦闘があった方がスッキリしたかもですね。《他者に守られて逃げてばっかの女》という姿を体現してる今のタイミングで、真の好敵手と認める展開は変じゃないか?

クリオラは再びププルに勝負を挑み、受けようとしたププルをナーン達が止めて、またも「ここは任せて先に行け」的に言う。
おいら達の屍を越えて行けー!」「あなた達…… 私とギガディス様の未来を邪魔する者は、誰であろうと許さなくてよ!! 覚悟なさいっ!」「あいつの邪魔する奴はオレ達が許さねぇ! 勇者ナーンの名にかけて、ここは死んでも通さねぇぜ!」等々、なんか殺伐としたやり取りをしていたら、駆け去ったププルが遠くから「あ、そうだー! ここの床モロいから、あんまりドッタンバッタンしない方がいいよー!」と警告。ナーンとクリオラが「え……」と汗タラしたところで画面暗転してイベント終了でした。

…つまり、彼らは暴力的な戦いを封じられたってオチなのかな?
にらめっこ勝負とかじゃんけん勝負にもつれ込むのかもしれません。


伽哩塔20層。
脱出の魔法陣付きの休憩フロアです。
やっぱり脱出を促す罠デモがあります。ここのは格別に変でした。

ププル
# 心配げに
大丈夫かな、勇者さん達……

くぅちゃん
くー。くくー

ププル
落ちてないかな……

くぅちゃん
# 少し苛立つように
くー!

ププル
# 満面笑顔
そうだ!
勇者さん達が合流した時のために、
回復アイテム補充しとこ!
街に戻るよ、くぅちゃん!

くぅちゃん
# 不満げ
くー……

ここで街に帰って探索をやり直すことになったら、三人組が身を挺してまで先に行かせた意味がなくなってしまうわけで…。何言ってんのこの子。
しかも、「街に戻ろうか?」ではなく「街に戻るよ」と断定口調だし。
マジに意味不明のデモですね。


伽哩塔25層。
エターニャ登場。

ププル
あ、エターニャ!?

エターニャ
陣中見舞いだ

ププル
いや、どうやってここに……

エターニャ
忘れたか。
わしがかつて、何処で魔導カレーを
作ったと思うのだ?

ププル
あ、そっか……
(エターニャは魔導カレーを
 作ったことがあるんだもんね。
 道も知ってるよね……)
(究極の魔力もあるし……)

いよいよ待望の魔導カレーを作るというのに、その話を一切しません。
何故かくぅちゃん(クーシー)の正体について話し合います。

ププル報告。

  • くぅちゃんの胃袋は底なしではなく、ちゃんと満腹になる。しかしすぐにお腹をすかせる
  • おっきなくぅちゃん(大クーシー)はむしろ少食なので、くぅちゃんが特別大食い?
  • くぅちゃんはなんでも食べる。
    お皿ごとカレーを食べたり、ビンごとらっきょを食べようとしたり。油断すると人も…
    (くぅちゃんが大魔王を食べたことは秘密にするとギガディスと約束したので、エターニャにはハッキリ言わない)

エターニャ回答。

  • くぅちゃんはクーシーという魔界の生き物だと聞く
  • しかしエターニャも名前しか聞いたことがなく、実際に見たのはこれが初めて
  • クーシーの研究は進んでおらず、何もかもが謎の生き物である

『キャラ劇 謎の書物』では、クーシーについて書かれた古代の図鑑をププルが読もうとすると、くぅちゃんがすかさず食べて隠滅していました。この、可愛いマスコットとして振舞いつつ自ら正体の隠蔽工作をしてる不穏な感じは、めそ……じゃない、ぷよフィシリーズのポポイを思い出しますね。


会話の最後を、エターニャは「大事なものまで喰われぬよう、気をつけることだな」と締めくくります。それを聞いたププルは今更、卒業試験でくぅちゃんに食われた魔導球のことを思い出し、(魔導球どうなっちゃったんだろう?)と考える。

はい、この二つはそれぞれ、本編ラストへ向けての伏線です。
今最も話題にすべき魔導カレーのことそっちのけで、くぅちゃんの話だけに興じたのは、全てラストに至るための布石なのでした。


伽哩塔29層。
ギガディスが待ち伏せています。
次第に壊れていく感があったギガディス像が、ついに完全崩壊を見せるイベントです。…それも、想像の斜め上方向に。

ギガディス
# 爽やかな声音で
ププル、くぅちゃん、疲れてはいないか?
疲れただろう?
流石、最後の試練と言ったところか。過酷なダンジョンであるな
まだまだ旅路は長い。
疲労困憊のそなたらを
余が存分に癒してくれよう!
# キラキラ満面笑顔
遠慮はいらぬぞ、さぁ、余の胸に!

ププル
# 厭そうな顔
…………

くぅちゃん
# げんなり顔
…………

ギガディス
さぁ!
ぎゅうっとして、ナデナデしてやるぞ!
ほら!

くぅちゃん
……ペッ

ギガディス
# 満面笑顔
フフ……甘いな、くぅちゃん!
何度も同じリアクションをされれば、
繊細な余とて免疫が付いてきたぞ!

くぅちゃん
# オエー、という感じで
ぐげ〜……

ギガディス
# 涙目
あ、それはまだ傷付くのだ……

ププル
……なんでボロボロなの?

ギガディス
# 満面笑顔
そなたを出迎えるために、
先回りしたからな!

ププル
# げんなり
出迎えるって……。
なんでそんなことするの?

ギガディス
そなたの応援にだ!
ブレックファーストも食べずに急いだのだぞ?

ププル
イバるとこじゃないよ、それ……。

なんでボロボロなの?」とププルが尋ねてますが、グラフィック上は普段と変わらないです。相変わらずの手抜き……ゲフン、エコ仕様。
つーか、先回りしたからって何でボロボロになるのだろう?? 魔王のくせに。抜けた床に落ちまくったとか? 飛んだり瞬間移動したりできないのでしょうか、魔王のくせに。

そして、「ブレックファーストも食べずに急いだのだぞ?」と恩着せがましく訴えるギガディス。これは、メタ的に見れば少し後の台詞「ちゃんと、朝ご飯食べとけば、よ、かっ、た……」の準備に過ぎないのでしょうけど、強いて意味を見出せば、今の時間帯が午前中であると示すコトになるのでしょう。昼を回っているなら「昼も食べずに」「朝から何も食べずに」的な言い回しになるでしょうから。

ププル
だから、なんでそんなことするの?
何度も言うけど、キミには関係ないでしょ?

ギガディス
関係ないだと?
大いにあるではないか!
もちろん、二人の愛のためだ!

ププル
あ、愛?

ギガディス
そなたが『伝説の魔導カレー』を
作り上げた時、それが余とそなたの
輝かしき第一歩となるのだ!!
さぁ、ププル!
早く魔導カレーを作るのだ!

ププル
言われなくても作るけど……

ギガディス
これでそなたも心置きなく
余のもとへ、とつげるだろう!

ププル
# 真顔になる
は?

ギガディス
恩人のカレー屋店主のために
『伝説の魔導カレー』を作るのに
忙しいのだろう?
それでは余との
スウィートライフを送れない……
# 満面笑顔
だが、魔導カレーさえ作ってしまえば
そなたは自由!
# ハート目
つまり、魔導カレーを作り終えた時、
二人はついに結ばれるのだ!
この時を待っていたぞ……!
ああ、長かった……!

ププル
もしかして、魔導カレーを作ったら
ボクがキミと結婚すると思ってたの!?

ギガディス
そうだろう?
盛大な結婚式を挙げようではないか!

確かに一章での初プロポーズ時、ププルが魔導カレー作りを口実に拒絶すると、ギガディスは内心で(と、いうことは、魔導カレーを作り終えたら……その暁には!?)と都合のよい解釈をしていました。
けれどそれから今までの間、何度も何度も、結婚の意思はないとププルはハッキリ拒絶してきたはずです。なのにその全てがなかったことにされている…!

ゾッと総毛立つ気がしました。
いや、シナリオ上はギャグとして書かれてるんだろうけど。
でもこの人、本気でおかしくないですか? マジに重度のストーカー言動ってやつじゃないですか。
何言っても通じない。怖いよ。

ププル
違うよ!!
キミとは結婚しないから!

ギガディス
# ハート目
フフ……照れずとも――

ププル
照れ隠しでも冗談でもないから!
キミと結婚する気なんて、
これっぽっちもないから!

ギガディス
# 真顔
な、なんと……。
それは本気で言っているのか?
# 涙目
で、では、余とププルとくぅちゃんと、
くぅちゃんの中のお父さんとの
溢れんばかりの幸福に満ちた生活は?

ププル
# 厭そうに
知らないよ、そんなの。
キミが勝手に勘違いしてただけでしょ

ギガディス
幸せな未来を描いておったのだぞ!?

ププル
# キッとなって
キミとは結婚し・ま・せ・んっ!

ププルの拒絶は率直で、解釈違いの余地がないものです。
それでもギガディスは、決してそれを認めない。
で、それは彼の両親の教育方針らしいです。流石は魔王家。

ギガディス
# 険しい顔で
お、おかしいな……。
お父さんは『押してダメなら、もっと押せ』
と、言っていたのに……

ププル
# 厭そうに
……ちなみにお母さんはなんて?

ギガディス
# 笑って
そんな父を微笑ましく見つめていたぞ

ププル
…………

ギガディス
# 険しい顔で
そ、そうだ……!
今こそ余の甲斐性を見せる時なのだな!
# 満面笑顔
ププル、究極食材を余に渡すが良い!
余が『伝説の魔導カレー』を
そなたに振舞ってやろう!

ププル
はぁぁぁぁぁ!?

ギガディス
余がただの絶世の美形ではなく、
料理も出来る絶世の美形だという事を
教えてやろう!
余の絶品カレーを食べたなら、
そなたも考え直すに違いない!
安心しろ。
余の手料理を食べたお父さんも母上も
『美味しい』と言ってくれたからな!

くぅちゃん
ぐー……

ププル
そりゃ、お父さんとお母さんは
一回はおいしいって言ってくれるよ!
むしろなかなかまずいなんて言わないよ!

魔王の息子たるギガディスが手料理を両親に振舞うというシチュエーションは、とても微笑ましいんですけど……それを盾に「料理も出来る」「そなたも考え直すに違いない!」と主張されても。
って、話がずれています。
料理男子かどうかなんて、今はどうでもいいし、そもそもププルはエターニャの呪いを解くために魔導カレーを作ろうとしているのであって、自分が食べようとしてるわけじゃない。根本的な認識に致命的なずれがある。

最初にプレイした時は、このギガディスにかーなーりー、苛立ったものでした。
ププルの仕事を応援するとか、散々調子のいいこと言っといて、コロコロ態度変えるし、都合のいい解釈しかしないし、ついには悪意なく人の苦労を踏みにじって、それで「これだけしてやったんだから余を愛せ」とドヤ顔をしている。誰がこんな奴と結婚したがるもんか、と。

でも、余章までクリアして振り返ってみると、ギガディスがこんな風に考えたのは、彼目線では普通のことだったのかなと思うようになりました。
彼は、魔導カレーの呪いのことなんて先刻承知だったのだと思います。そのうえで危険ではないと理解していたし、生まれながらの魔王ですから究極の魔力にも興味がない。魔族は長い時を生きるので、食材を百年に一度しか収穫できないのも気にするところではない。
つまり彼にとって魔導カレーは、本当にただの《美味しいカレー》でしかなく。だからププルにご馳走してご機嫌を取ろうなんて、悪気なく考えることができたんだろうと。

けれどそれは魔族の理屈。
一生のうち一度きりのチャンスに賭けて、危険なカレーを一期一会の覚悟で作ろうとしている人間・ププルからすれば、許しがたい暴挙です。
でも、その致命的なズレを、ギガディスはどうしても理解できない。人間を解れない。
……ってところで、超斜め上展開に突入です。

ギガディス
余と結婚して間違いはなかったと
思う日が来るぞ!
いつかきっと!

# ギガディス、一気にププルに詰め寄る。
# 大きな音がしてくぅちゃんの姿が消える


くぅちゃん
くぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜……!!

ギガディス
なっ……!?

ププル
くぅちゃん!?

くぅちゃん
# 起き上がる
く、くぅ……

ギガディス
# 涙目
く、くぅちゃん!!
す、すまない、くぅちゃん!
踏んづけてしまった!
け、怪我はないだろうか……!

ププル
# 哀しげに
ひどい……
くぅちゃんをいじめた……!

ギガディス
い、いや、これは事故であって……!
ププル? お、落ち着くがよい

くぅちゃん
#やっちまえ、という感じに
ぐー! ぐー!

ププル
# 怒って
くぅちゃんを踏んづけて、いじめたな!
もう許さないんだから!!

ギガディス
ち、ちがっ……!
違うのだーーーーー!

# 走って逃げるギガディス。ププルも走って追う

急展開1
ププルが今までと違う角度の怒り方をして、戦闘突入しました。
うっかりとは言え踏んじゃったのは悪いけど、「いじめたな」って言いだして暴力で報復するなんて、どうも斜め上です。
つーか、漫画版『わくぷよ』のオマージュだからなんでしょうけどネ。(^_^;) それを考慮しても強引感があるのは否めない。

(普段は温厚な主人公が、愛する者が傷つけられた時「●●、いじめた」と突然激昂して、普段は出さない本気で敵をコテンパンにする…ってシチュは、古くは『さすがの猿飛』(著:細野不二彦)辺りにまで遡るんでしょうけど、流石に古過ぎて誰も知らなさそうです。…いや、今はデジタル配信されてるから関係ないのかな。
そういえば『真・魔導物語』五巻の天の部族と地の部族の争いの顛末は、『さすがの猿飛』最終エピソードのパク…オマージュでしたよね。)



さて、ププル勝利で戦闘終了。

ププル
# 険しい顔で
反省した?

ギガディス
# 苦しそうに
あれは事故で……

ププル
反省したの!?

ギガディス
# 涙目
はい、すみませんでした……
くぅちゃん、本当に申し訳なかった。
この通りだ、許してほしい……

くぅちゃん
ぐ!

ププル
# 満面笑顔
よし!

ギガディス
# 満面笑顔
ふっふっふっふっふっ……!

ププル
# ムッとして
なんで、そこで笑うの?

ギガディス
受け止めたからだ!
そなたの愛を!

ププル
え!?
なんでそんな話になるの!?
ボクはくぅちゃんをいじめないでって
叱っただけなんだけど……。
もしかして、強く攻撃しすぎちゃった!?

くぅちゃん
くく〜?

ププル
# げんなり
ええ〜?
悪いことしたら怒られるのは当然でしょ?
叱ってくれたから愛を感じるなんて、
ボクはキミのお母さんじゃないよ

ギガディス
# ハート目
余は確信したぞ。
この痛みこそ、そなたの愛なのだと……!

サタンがアルルに惚れたのは、ライラの迷宮で彼女に負けたのがきっかけだという説もあります。
てっきり、それ系でププルに惚れ直したとかいう展開かと思いきや。なんか方向が不穏ですよ?

ププル
# 厭そうな顔
……痛み?

ギガディス
そなたの一撃一撃が、
余の中にあった扉を開けたのだ

ププル
# ぶるぶる震える
うわ、絶対ヘンな扉だ……

ギガディス
そう言ってくれるな。
余は今、生まれ変わったような気分なのだ
とても清々しい!
世界が今までとは違う!
余は解放されたのだ!!

ププル
# げんなり
ゆるんでた頭のネジだよ。
弾け飛んだんだよ、きっと

急展開2
ギガディスは ププルにふまれる かいかんに めざめた!
ギガディスは、マゾヒストに レベルアップした!


よくよく聞き直せば、確かに戦闘ボイスの時点で、ププルに殴られてキモチよさそうな声をあげたり、ばたんきゅー時には「イケナイ世界の扉が開かれそう、だ……」「ププル……もっと、もっと叩いて」とか言っ、て た ケ・ド…………。
え え え。

どえええ!? 何この展開。斜め上過ぎる。

そりゃ、例えばSS版『魔導物語』にも、サディストの女王であるサキュバスに捕らわれて鞭打たれたシェゾが「これ以上やられては クセに…」とこぼし、強く打たれて「あっへぇぇぇっっ〜〜っ!!!」とよがり声(?)をあげる場面なんかはありましたよ。
セガの『ぷよ!』では、ルルーとクルークが「“格闘女王” と お呼び!」「は はい “格闘女王様”!! 」「よろしい! では わたくしの拳をうけて 足元にひざまずきたい?」「は はい よろこんで! できれば オトナのはがいじめを おねがいしますっ!」「フ… かわいいこと 言うじゃない… でも ダメよ ほしがるものは あたえないわ! 」と、真性SMプレイ的な会話をしていたこともありました。

でもそれらは一過性のギャグで、彼らが本当にその趣味に目覚めたという描写はなかったし、後にも引きずらなかったです。(ルルーとクルークは、メダリンク版に少し引きずりましたが、今のところ、そこで消えています。)

けれども、このギガディスのエピソードは違います。
気の迷いでも何でもなく、ガチなのです。
彼は真実この性癖に目覚め、以降、ププルに会うたびにハアハア興奮しながら踏んでくれ蔑んでくれと懇願するようになる。そしてクリオラは、ギガディスのために自分もその道に踏み込むべきかと涙ながらに思い悩む。本っ気でこういう展開なんですよ。

いやあ。
ドン引いた。

性的嗜好は各人の自由です。でもマイナーであることに違いはない。まさかガチでやるとは。
それにギガディスにはサタンという原型がいて、彼には一定のファンも付いていて。それをここまで壊すなんて。いやまあ、所詮は別人なんだけど。でもサタンファンはいい気分じゃなかっただろうなぁ。
などなど、色々感じるところがありました。

ギガディス
ププル、お願いがある

ププル
ヤ、ヤダ。
なんか聞きたくない

ギガディス
# ハート目
くぅちゃんへの反省を込めて、
そなたの可憐な足で、余を――

ププル
# 怒って
イヤだよ!
ヘンな趣味に付き合わせないでよ!

ギガディス
# 涙目
何故だ、さっきは嬉々として
余を攻撃していたではないか!
あんな感じでいいから!
# 満面笑顔
さぁ、ププル!
余と共に新しい世界へいこう!

ププル
# 泣きそうな顔でぶるぶる震えて
ヘンタイさんよりキモチワルイ……

ギガディス
# ハート目
嗚呼、何故だろう……。
蔑まれているはずなのに、心が温かい……

ププル
…………

くぅちゃん
ぐげぇ……

ギガディス
# ハート目。嬉しそうな声音で
そ、そのような目で見るでない……

ププル
# 哀しげに
キミがヘンになっちゃったのは
きっとボクのせいだよね。
打ち所が悪かったとかさ……
でもボクがしてあげられることは
なにもないから!
逃げよう、くぅちゃん!!

くぅちゃん
ぐー!!

ギガディス
# 涙目
ププル!?

ププル
あとでちゃんとお医者さんに行ってね!!

# 駆け去るププルとくぅちゃん

ギガディス
ま、待つのだ、ププル!
# 苦しそうに顔ゆがめ
くっ……!
# ぐうう〜、とお腹の虫が鳴く
ちゃんと、朝ご飯食べとけば、
よ、かっ、た……

ついに、ププルのギガディスへの評価が「ヘンタイさんよりキモチワルイ」になりました。…それでも、今後も変態呼びされ続けるのはゼオだけなのです。世の中って理不尽。

ギガディスが目覚めた道は、ププルには震えが来るほど受け入れがたいもののようです。ゼオをからかうのとはワケが違う。クリオラのように、ギガディスのためにその道に踏み込もうという覚悟もありません。
真面目な話、致命的な性嗜好の不一致。
つまり製作スタッフは、ギガディスをププルの恋のお相手とは、全く想定していないってコトなんですね。


最後に、ギガディスが唐突に「ちゃんと、朝ご飯食べとけば、よ、かっ、た……」と言いますが、これはMSX-2版『魔導物語1-2-3』の、サタンのばたんきゅー台詞のオマージュです。
朝ご飯は大事だよ、うん。


伽哩塔30層。脱出の魔法陣付きの休憩フロア。
疲弊したププルが「もうギガディスも諦めたかな……?」と怯えつつ、「これから魔導カレーをつくらなきゃいけないのに、ボクもう疲れたよ……」と弱音を吐いて、「気分転換にもなるし。いったん街に戻ろう♪」と誘う、例によっての罠デモが展開します。
だから、帰らねーっつーの!


伽哩塔35層。
序章の奇天烈の森で聞こえた、ゾウゾウ言ってる謎のオッサン声が、再び語りかけてきます。

声は、摩訶不思議伽哩塔を護る者・カレーシャと名乗り、「汝、この先進むべからず。このまま進めば、大変なことになるゾウ」と警告して消えました。

レシピと食材を全部揃えたのにどうして?
しかしププルは一切消沈せず、むしろ燃え上がります。

あんなことを言ってくるなんて……
きっと頂上が近いんだね

こんなことで引き返さないよ。
『伝説の魔導カレー』を作って、
エターニャの呪いを解くって決めたんだから
この先になにが待っていようと、
ボクは絶対に諦めない!
絶対、魔導カレーを作るんだ!
行くよ、くぅちゃん!

気炎をあげてダッシュ。
相変わらず、時々急に凛々しくなるププルさんです。
そのやる気を、学校の勉強の際にも発揮してほしかったものだと思います。


伽哩塔40層。最上階です。
水色の象頭人身の恰幅のいいおっさんが、宙に浮いて待ち受けていました。
右手にスプーン、左手におたまを持ち、ターバンを巻いた頭の上には皿に盛ったカレーが載っています。どんなに動いても落っこちない姿勢の良さです。

カレーシャ
よくぞここまで辿り着いたゾウ……

ププル
# 険しい顔で
キミがカレーシャだね?

カレーシャ
そうだゾウ。
我がカレーシャだゾウ
脅しにも屈せず、
ここまで来たことは褒めてやるゾウ

ププル
あれ?
なーんか見たことあるような……
ちょっと待ってね……えーと
…………
あー!
そうだ、カレー神サマだ!!
カレー屋さんによくある像!

カレーシャ
最近はそう呼ばれることの方が多いゾウ

カレーシャは、魔導カレーのレシピを持つ者にのみ警告するのでクリオラのように完全に資格のない者には何も声をかけないと説明し、自分の行動はイジワルでも妨害でもなく、見極めるためであると告げました。

ププル
見極める?

カレーシャ
清く正しくカレーを愛し、作れるかを

ププル
……ボクが『伝説の魔導カレー』を
作るのに相応しいかどうか、
テストするってこと?

カレーシャ
そして究極の魔力を
手にするに値するか否かを……
魔導カレーを作ろうとする者の前に
最後に立ちふさがるのが我なんだゾウ
さぁ、これが最後の試練だゾウ。
見事我を倒し、
『伝説の魔導カレー』を作るんだゾウ!

ププル
# 笑って
うん! カレー神サマを越えて、
絶対に『伝説の魔導カレー』を作るね!
お相手お願いします!

戦闘突入。
ここまで登ってこられるくらい装備を鍛えたプレイヤーなら、二発くらい殴れば倒せてしまうことでしょう。

戦闘中、カレーシャはカレードリンクを飲んで体力回復することがあります。これは旧魔導シリーズで、例えばドラコケンタウロスが戦闘中にカレーを食べて体力回復することのオマージュなんでしょう。

カレーシャがカレーライスではなくカレードリンクを飲むのは、カレーを食べる演技をポリゴンにさせるのが面倒だったからかなと思いますが、それを抜きにしても、戦闘中にカレーを食べるなんて、確かに現実的ではないですよね(笑)。

そんなこんなを考えていたせいか、この場面を見た時、漫画版『魔導物語 はなまる大幼稚園児』(著:押田J・O)のぞう大魔王戦が思い出されて仕方ありませんでした(笑)。戦闘時にカレーを食べる行動を皮肉って、ギャグエピソードに仕立てた奴。

画像引用 『ぷよぷよRPGまんが 魔導物語 はなまる大幼稚園児』(押田J.O./徳間書店)

でも『はちゃめちゃ期末試験』『魔導師の塔』辺りのアルルやシェゾは、戦闘中にカレーを《鍋一つ分》一気食いして体力回復してたんだぜ。
戦闘中にカレーの一気食いくらいできなければ、『魔導物語』の魔導師は務まらないのだ。


戦闘終了後、カレーシャはププルを祝福して魔導カレーを作るよう勧め、「我は邪魔にならないよう消えてるゾウ」と姿を消しました。

ププル
よーし、作るぞー!
くぅちゃん、魔導カレーのレシピ!

くぅちゃん
くー!

ププル
# ページをめくる
…………
…………
そうだった、読めなかった……

くぅちゃん
くぅ……

ププル
ど、どうしよう……。
これじゃあ魔導カレーが作れないよ

アホか。

かつて、この本に新メニューのヒントがあると大口叩いて、その後に《初めて》本を開いて、読めないと気付いて慌ててた時にも呆れたものでしたが。その時から何一つ成長していません。

エターニャと会わずに摩訶不思議伽哩塔に出発した時も「いいの?」と疑問に思いましたが、シナリオが強制進行なのでプレイヤーは従うしかない。塔の中で都合よくエターニャと会った時は「なんで魔導カレーに関する打ち合わせをしないんだ?」と疑問に思いましたが、やはりプレイヤーは何もできません。そして案の定この展開です。

カレーシャにレシピを読んでもらえばとくぅちゃんが提案してくれました。でも留守にしている様子。いよいよ進退きわまった? いいえ大丈夫です。例によってエターニャが、ダッシュで駆けつけるのですから。
そういや、レシピが読めないと最初に気付いた時も、すかさず彼女がダッシュで現れたんでしたっけね。はいはい。

# 駆けてくる足音
エターニャ
ふん、こんな事だろうと思っておったわ

ププル
エターニャ!

エターニャ
レシピの事を思い出しての。
はせ参じたというわけじゃ
ここにおれば出来立てを味わえるしな
# 微笑んで
欲を言えば、本当は二日目のカレーを
食べたいところだがな

ププル
うわぁぁぁ、来てくれてありがとう!
ホントにどうしようかと思っちゃった!

エターニャ
わしがレシピを読むから、
そなたは調理に専念せよ
ほれ、このアルティメット・ホーローで
調理するのだぞ

エターニャは鍋まで持参。
彼女、この鍋をデリ・バリ通販で買ったことにププルが勘づくと、強い調子で誤魔化していましたけれど、意味が解らなかったです。何で誤魔化すの? 通販で鍋を買うのって恥ずかしいことなんでしょうか。
(どーでもいいけど、冒険者が通販でアイテムを買っておくってお気楽なノリは、ライトノベルの『フォーチュン・クエスト』(著:深沢美潮)みたいですね。)


それはさておき。
元々、エターニャがププルを騙して魔導カレーを作るよう仕向けたのは、呪いを解くには一度目とは違う者の作った魔導カレーを食べねばならないためで。エターニャ自身が作る、あるいは深く関与するわけにはいかなかったからでした。
あくまでププルが自分の意思と力で作るものでなくてはならぬ。だからエターニャは助言役に徹し、恐らく一緒に探索や戦闘をして協力することも避けていたんですよね。
でもさー。
ここで二人並んで、エターニャがレシピを読み上げてププルが調理したら、これどう考えても、ププルと《エターニャが》魔導カレーを作ったって定義になりませんか?

しかし、シナリオ中では問題にされません。
というのも、結局エターニャが魔導カレーを食べそこなうオチになるので、そんな理屈なんて無意味になるからです。シナリオさんも、この場にエターニャがいる状況を作れさえすれば、もはや細かいことはどうでもよかったのでしょう。


いよいよ魔導カレーが出来上がりました。くぅちゃんと並んで鍋を覗きこみながら、美味しそうな香りに感激するエターニャ。「わーい! これでエターニャの呪いが解けるー!」と喜ぶププル。
と。横から「わーい」と追随するギガディスが。
なんでキミがいるの!?」と青ざめるププルに、そなたを追って来たのだと朗らかに告げ、いつの間にか設置されていたテーブルセットを示して、皿とスプーンを用意したのは余だぞと得意げです。(彼がテーブルに飾っていた花は、一瞬で花瓶ごとくぅちゃんの胃袋に消えました。)

ププル
うう……面倒な人が来ちゃったなぁ
# 厭そうに
やっとエターニャの呪いが
解けるんだから、邪魔しないでね

エターニャ
# 険しい顔で
わしの悲願なのだ。
邪魔はしてくれるなよ、魔王

ギガディス
ああ、魔導カレーの呪いであるか。
さぞや辛かったであろうな……
しかし、その呪いとは……

特に感慨なさそうにギガディスが何かを説明しかけた時、クリオラと勇者三人組が駆け込んできました。
クリオラを見て「げっ……!」と声を揃えるププル&ギガディス。この辺は気が合う二人です。

魔導カレーが完成しているのを見て悲しげに涙をこぼしたクリオラは、ここでやっと、ギガディスのために作られたものではないと知りましたが、それでも「ギガディス様に食べていただきたかったのに……」と切なげでした。ナーンが「食べたら呪われるんだっつの……」と突っ込んでましたけど、魔族にとっては大したことじゃないんでしょうね、この呪い。


さて。ぐだぐだの長話はいい加減終えて、やっとエターニャが魔導カレーを食すことに。

ププル
# 笑って
エターニャ、早速食べて!

エターニャ
ああ、ありがたくいただくぞ
……ところで、魔導カレーは何処だ?

ププル
え? そこに……
あれ? 鍋は?

くぅちゃん
……けぷっ

ププル
…………

くぅちゃん
げふっ

エターニャ
# 険しい顔で
おい、カレー臭いぞ……

ププル
もしかして……。
くぅちゃん、魔導カレー……

くぅちゃん
くー!

ププル
# 怒って
ごちそうさまじゃないよ!

くぅちゃん
# 不満げに
くー、くっくー

ギガディス
『話が長くてお腹が空いた』そうだ

苦労して作ったカレーは、くぅちゃんが全部食べちゃったとさ。
このオチは『なぞぷよ アルルのルー』と同じですし、少し前にエターニャ自身が「(くぅちゃんに)大事なものまで喰われぬよう、気をつけることだな」と警告していて、いわば予告されていたこと。それでも、なんとも理不尽。

ププルとエターニャはそれぞれ「ダメじゃない! それはエターニャのなのに! ペッしなさい! ペッ!」「吐け、クーシー!!」とくぅちゃんに掴みかかりましたが、吐き出したのは魔導球だけ。

エターニャは、せっかくデリ・バリ通販で買ったばかりのホーロー鍋をも食べられてしまったことにも腹立ちを隠せません。
なにやら恨み事を呟き始めます。

エターニャ
この日のために
永い時を生きる事を選んだのに……

ププル
# 気の毒そうに
エターニャ……
# 真顔になる
ん?

エターニャ
再び『伝説の魔導カレー』を
作る者が現れるまで、
カレーはおあずけか……
嗚呼……。
わしはいつになったら
カレーを食べられるようになるのだ

ププル
え?
魔導カレーの呪いって、
不老不死になっちゃうんじゃないの?

エターニャ
んん? 違うぞ?
カレーの味がわからなくなってしまうのだ

ププル
元の体に戻りたいって……

エターニャ
わしがこんなナリをしておるのは、
呪いを解く方法を探すために
究極の魔力を使ったからだ

ププル
つまり、自分の意思で不老不死になったの?

エターニャ
そうだが

ププル
元の体に戻りたいって、
カレーの味がわかるようになりたい
ってことだったの?

エターニャ
当然だ

ププル
# がっくり
なんだ……

エターニャ
なんだとは聞き捨てならんな。
好物が喰えんのは地獄だぞ

ププル
うん……。
それはボクも地味に嫌だけど……

今まで、魔導カレーの呪いのせいで不老不死になり、そのことでエターニャが苦しんでいるのだと考えていたププル。恐らく、多くのプレイヤーもそうでしょう。
そこで明かされた、どんでん返し。
魔導カレーの呪いとは、カレーの味が判らなくなるってだけのことでした。

予想していたよりも意外性を持たせたシナリオです。
しかし何故でしょう。わーっすごい、そうだったんだ! と盛り上がる方向ではなく、ああ、そうなんだ…と盛り下がる感があるのは……。


エターニャがローティーンの少女の姿で永遠を生きていたのは、本人の趣味でした。そのうえでフリフリの服を着て「超絶美少女占い師」を自称していたのです。
シェゾより重症の《超絶美形ナルシスト》だと思いませんか?


ともあれ、ププルは「ごめんね、エターニャ……。ボクがくぅちゃんをちゃんと見ていれば……」と謝罪します。エターニャは「ププル、そなたが気を落とすことではない」「こうなれば再びカレーを堪能出来るまで、何百年でも何千年でも生きてやるわ!」と笑ってみせ、婆…いえ、長い年月を生きたオトナの貫録を見せつけるのでした。…とりあえずは。


ここで一旦デモは終わり、例によってボス戦の続きに放り出されます。いつも通り、残ったザコ敵を蹴散らしつつ脱出の魔法陣まで辿り着けば迷宮クリアです。
しかし、大いに注意すべきことがあります。
実は、ここの魔法陣で脱出を選んだら最後、五章の残りはおろか、次の終章まるまる、果てはクリアの後のおまけである余章まで、イベントデモが強制でぶっ通し進行し続けます! その間ずーっと、セーブ操作できる隙が一度もないのです。
なんだこれは。ふざけんな(怒)。

あたかも、バス遠足でトイレ休憩やお弁当の時間のないまま、到着時間も知らされずドライブだけを強制させられるかのような……。

システムの不満点の項にも書きましたが、PSVのスリープ機能を使って勝手に休憩すればいいじゃん、とは言わないでください。そういう話をしているのではありませんから。
と言いますか。もしも製作側が最初からそのつもりで、セーブポイントを設定しないで、これだけ長時間デモが連続し続ける仕様に作ったのだとしたら、なおさら腹立たしいです。
もしも、ここで電池切れや操作ミスのアプリ再起動みたいな不幸に遭ったら、五章攻略の最初からやり直しですよ。


話をストーリーに戻します。
摩訶不思議伽哩塔をクリアすると、街ではなく奇天烈の森でのデモになります。
ププルはエターニャと一緒に帰っているようです。同じ帰り道のはずの勇者三人組は、何故か同道してません。

さっきは度量の大きいところを見せたのに、今になって「クーシーを一発殴らせてくれ」「この溜飲を下げるためには、元凶を……ゴシャメギッと」「なに、ちょっとだぞ? ドカーンってするだけだ。ドコーンかもしれない」と言いだすエターニャ。
最初は一発殴らせろと控え目なことを言っていたくせに、だんだん、究極の魔力で一撃ミンチにする(?)方向に。

次の魔導カレーを待つ覚悟は出来た。
が、やはり納得がいかん
わしもププルも嘆いたのに、
何故アレは能天気に
今もああして生きておるのだ?

アレはお前の苦労を
間近で見てきたのではないのか?

気持ちはよ〜く解りますが、蒸し返されると(プレイヤーとしてもくぅちゃんにムカついた記憶が蘇させられるので)シャレにならなくなってきますよ。(^_^;)
ププルは厭そうに「ダメです」と断っていました。彼女はどんな時もくぅちゃん至上主義です。


そこにゴルダールが出現し、またもププルに突進して荷物の一部を奪いました。
ププル、迷宮で遭遇する魔物相手なら無敵なのに、道端のおっさんにはいつもしてやられますね。
つーかゴルダール、摩訶不思議伽哩塔へ行こうとしてたのかな―、一人で。それで奇天烈の森で迷わされて入口をウロウロし続けてたところに、ププル達が帰って来た? 魔物と戦う力もなさそうなのに無謀な人です。

ゴルダールは「究極食材はわしがもらったぞ!」と笑って逃げ去りましたが、彼が持ち去ったのは、例のシナリオ上のみのアイテム「塔の中で拾った よくわからない食材らしきもの」でした。

ププル
食べられるかわかんないのに……。
おじさん、食べちゃったりしないかなぁ

エターニャ
ふん、放っておけ。
あのようなやからは一度
ガツンと痛い目を見た方がよいのだ

ププル
自業自得だよね

(中略)

# デモ終了後、画面暗転
「食材らしきもの」を奪われた!

ププル、意外と冷たい言い方しますね。
作中では「究極のバカと言えるほど心が美しい」「お人好しなほど優しい」と散々言われ、それを自認・自称すらしている彼女ですが、その優しさが発揮されるのは、基本、小さいもの可愛いものに対してのみなのです。

つーか。
ププル、「食材らしきもの」を拾った時は、みんなやカレー屋さんへのお土産にしよう、カレー屋さんなら何か新しいカレーの具材にできるかもしれないと言ってましたよね。
でもここでは、「痛い目を見た方がよい」だの「自業自得」だの、食べるとお腹を壊す前提で会話しています。
つまりププル、食べるとお腹を壊すだろうと認識しつつ、それをスマイルカレー用の食材として渡そうと思ってたってことになります。
ププル……恐ろしい子!



さて。
五章はここで終わりです。
前述したように、セーブ用メニューは今後一切出せません。

上述のイベントが終わると間断なく終章のタイトルが出て、強制的に長編デモがいつまでも続き、そのままエンドロールに突入することになります。
…エンドロールが終わっても、またまた間断なく余章タイトルが出て、またまた長編デモが、相変わらずセーブを許さないまま、いつまでもいつまでも続くことになりますけどね。

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