『〜聖魔導物語〜』感想文 11/17

終章 くぅちゃんに始まり、くぅちゃんに終わる

前章、魔導カレー完成場面で、魔導カレーに呪われた者がまた食べてもいいのかと不安がる勇者三人組に、ププルがしたり顔で「魔導カレーに始まり、魔導カレーに終わるんだよ」と言ったものですが、終章タイトルは「くぅちゃんに始まり、くぅちゃんに終わる」でした。ちなみに序章タイトルは「卒業試験とくぅちゃんのゲップ」でしたね。


前章から間断なく開始した終章です。
迷宮攻略はなく、操作メニューも一切出せず、強制進行イベントを読み続けるしかプレイヤーに残された道はありません。


魔導学園からスタート。
BGMが前章ラストで流れていた『栗色の扉』のままなので、ますます切れ間なくダラダラ続く感が強くなっています。

魔導学園にはリーリカとサフラン先生がいました。
リーリカを発見して喜び興奮するくぅちゃん。キモい。
そしてププルは、先生に魔導球を手渡します。

ププル
それで……その、色々あって
魔導球を返しに来たんですけど……

サフラン先生
それは魔導の塔の魔導球ですよね?

ププル
はい、くぅちゃんが飲み込んでしまった物です

サフラン先生
……それで、色々とは、つまり……

ププル
# 弱った顔で
上からです!
上から出てきました!

サフラン先生
そ、そうですか……。
何はともあれ、無事に出てきて幸いです

ついに魔導球を先生に渡すことができました。
やっぱりププルの話は本当だったのね! 先生!」と喜びながら呼びかけるリーリカと、「ププルさんは嘘をついていない。ただ不幸にも証明できないだけ。リーリカさん、あなたの話は本当でしたね」と頷く先生。

サフラン先生
……ププルさん

ププル
は、はいっ!

サフラン先生
卒業試験、合格です!

ププル
ほえ?
……ええ!?
いいんですか!?

サフラン先生
魔導球がここにあるということは、
あなたが卒業試験をクリアしたという
確かな証拠です

先生はリーリカに指示して、魔導球の欠片のような物を取ってこさせました。それは魔導球の原料の《魔導石》で、魔導の塔に挑んだ卒業生に与えられる卒業記念品だそうです。
この石さえあれば、ガチャを回してレアカードをゲットできるのかもしれません?

…って、一介の生徒に過ぎないはずのリーリカが、なんでそんな貴重品を持って来る役を担ってるんでしょうか?
まるで職員みたいに立ちまわっていますね。
そのうえリーリカは、魔導石を落とさないようにと、自分で縫った袋さえプレゼントしてくれました。

この袋も魔導石も、絵がないのでどんなものなのかは判りません。最後まで手抜…エコ精神に溢れたゲームです。例によってアイテム欄に追加されることもなく、シナリオ上だけで処理されます。


強制的に場面は転換し、スマイルカレー店内に。
客が大勢つめかけて大盛況になっています。
ププルがプレゼントした、摩訶不思議伽哩塔で拾ってきた鍋やおたまで調理したところ、前よりもっともっと美味しいカレーが作れるようになったのだそうです。

プニィは、それだけじゃない、ニコさんのがんばってる姿を見てお客さんが戻ってきた、それに大カレー神さまも応援してると褒めそやしてました。

そんななか、ププルから卒業記念品を強奪してご満悦のくぅちゃん。袋がリーリカの手作りだからお気に入りなのだそう。半ば仕方なく、でも気前よく、ププルはそれをくぅちゃんにプレゼントすることに。

そこに、エターニャがやって来ました。
お別れの挨拶だそうです。もうこの街にいても仕方ないし、くぅちゃんを見ていると人としてイケナイ感情に支配されそうになるんだとか。

おのれ……!
ププルがおらねばお前なぞ……!
ゴガシャーンってして、こんがりした後、
ぶぎゅるっぶっちってしてやるのに……!

物騒なコトを口走るエターニャの前で、ププルは平然としたまま

(ホーロー鍋弁償しようと思って
 注文しちゃったんだけど……。
 ボクがもらっちゃっていいかなぁ)

なんて考えているのでした。


そうこうしているうち、ニコリにカレーを勧められたエターニャの様子が一変しました。
以前と同じように断りかけたのを、何かに気付いてハッとなり、急に撤回。自らカレーを注文したのです。
そして一口。

おいしい……!
わかる、わかるぞ……!
おお、なんと美味なる味わい……!
これぞカレーだ……!

なんと、カレーの味が判るようになっていた!?

魔導カレーに呪われて以来、
カレーの味はおろか、
香りさえわからなくなっていたのだ
だが……今はカレーの香りがわかる。
店に入る前は何も感じなかったというのに、
何故なにゆえ、急に……?

ププル指摘。
魔導カレーを作った時も、香りに感激していたではないか。

プニィ、当たり前のように回答。
呪いが解けたのはくぅ太郎(くぅちゃん)の傍にいるおかげである。
くぅ太郎が前まで持っていて、今も少し持っている不思議な力の影響だ。

それを聞いて、ププルは気付きました。
くぅちゃんの持つ不思議な力とは、魔導球や魔導石の力だと。
魔導石が呪いを相殺しているに違いありません。

そこで、先刻くぅちゃんにあげた魔導石を取り戻してエターニャに渡そうとしたのですが、くぅちゃんは断固拒否。奪われまいと一息に呑み込んだのでした。
悲鳴をあげるププルとエターニャ。くぅちゃんはザマーミロと言わんばかりに嘲笑います。

しょ、小動物……そこに直れ。
貴様の腹、か、掻っ捌いて、
魔導石を取り出してくれようぞ
なに、大人しくしていれば
痛くはしないぞ……?
確約はせんがな!
ただわしの腕は今、小刻みに
ふ、震えてしまっているからな……。
ちょっと手元が狂ってしまうかもしれんなぁ

このエターニャの尋常ならざるキレかけっぷりに、流石にちょっとだけビビった様子のくぅちゃんでした。

それはともかく、この場面のエターニャの声の演技、あまりいいとは思わなかったです。もっと怒りをこらえている感じだと良かったなぁ。


今にも怒りで脳の血管切れそうなエターニャでしたが、プニィはシラッと「くぅ太郎のそばにいればいいかも」と告げます。ププルも「そ、そうだよ! くぅちゃんの隣で食べればいいんだよ!」「仲良く一緒にカレー食べて、仲直りしよ、仲直り♪ ね?」と、悪びれないくぅちゃんを目で牽制しながら必死に追随。なにしろくぅちゃん至上主義ですから。

それでエターニャは。

……はぁ。
わかった、ププルに免じて手打ちと致そう
# 微笑んで
今はまず、スマイルカレーを堪能しよう。
再びカレーを味わえるように
なったのだからな、喜ばしいことよ

おお、退いた。
オトナですね。胃潰瘍になりそうだけど。

しかし子供なロリ電波巫女様は、すかさず「今、大カレー神さまに感謝した」と嬉しそうに指摘。動揺して反論するエターニャに、「図星つかれて動揺してるかも」と重ね言ってはニヤニヤするのでした。
このガキ、つくづく空気読まねぇ。友達いなかったってのも無理からぬ。

ここで、中和剤ププル投入です。
あははは! エターニャって照れるとツンツンするよね!」と笑い飛ばして空気を変えました。言葉を無くしたエターニャに畳みかけます。

ププル
でも魔導カレーの呪いがなかったら、
ボク達出会えなかったかもしれないんだよ

エターニャ
……そうかもな

プニィ
# 笑って
大カレー神さまに感謝……

ププル
# 満面笑顔
うん! 感謝感謝だね!

エターニャ
# 微笑む
ふん……
わしが大カレー神に感謝、か
まぁ……それも悪くはないか

力技で《麗しき友情》オチにまとめた感。
つーか、何が何でも大カレー神アゲ方向にしなければ気が済まないロリ電波巫女様が、正直ちょっと小憎らしい。(ごめんなさい。)
自業自得であろうと、エターニャが魔導カレーの呪いで苦しんだのは事実なんだし。なんで「大カレー神に感謝」する方向を強要するんでしょうね? そんな疑問を感じるので、微量の違和感がある結論です。


それはさておき。
先生、質問です。

エターニャは魔導カレーの呪いでカレーの香りさえ判らなかった。で、魔導カレーの呪いは魔導球(を呑んだくぅちゃん)の傍にいると相殺されると。

だとすると、矛盾していませんか?
だって二章で、エターニャはスマイルカレーを訪れている。店内ではププルがカレーを食べていて、くぅちゃんも同席していました。
くぅちゃんの傍にいると呪いが相殺されるなら、この時点でカレーの香りを感じていなければおかしいはずです。

…まあ、魔導石による呪い相殺には時間がかかるんです、みたいにこじつけることは可能ですよ。でも、そうした例外設定でいちいち理屈付けなければ綻びてしまう物語というのは、読み手側からするとスッキリしないです。


メタ的な観点に立てば、エターニャの呪い解除にくぅちゃんが必要だという展開は、彼女をレギュラーキャラとして今後もププルの傍に居続けさせるための方便なのでしょう。
余章で呪い解除されたのに、効果が出るまで十年かかるなんて奇妙な話になってるのもそうで、今後十年はエターニャとププルが離れられないってコトにしたかったんだなーと。
つまり、『聖魔導』がシリーズ化するとして、エターニャ(と、アイドル声優ユニットの片割れが声を担当してるプニィ)は、絶対にププルとセットで出続ける。そういうことなんですよね。

旧魔導ファンの私は、こいつらがレギュラーになるのかぁ、どんどん違う方向に行くんだなぁ、別のゲームになっていくんだなぁと感じて、うら寂しいような面白くないような気分になりました。身勝手な感傷でございます。


デモはまだまだ続きます。
強制的に画面暗転。真っ暗画面の中で主婦たちの噂話が展開し始めます。
そこそこ一番のオーナーが食中毒で寝込んだそうです。寝込んだのは彼だけで、店とは無関係のことなんですが、何故か店が食中毒を出したという認識で噂され、もう家族にもあの店で食べさせないようにしなくちゃ、他の人にも教えてあげなくちゃと大騒ぎ。
主婦たちの中で「発言力のない若奥サマ」だけが事態を正確に把握していて、街じゅうに噂を広めるのに懐疑的なんですけど、「発言力がない」ので黙って流されるという構造になってます。


真っ黒だった画面に、そこそこ一番の背景画が表示されます。
主婦たちの会話を聞いていた様子で、苛立たしげなゴルダール登場。
ププルから奪った食材で作ったカレーを食べたらしく、まだお腹の調子が悪いそうです。

そこにニコリが登場。なんとお見舞いに来たのだとか。
しかも特製のおじやまで持参していました。

ニコリ
# 駆けよってくる
こんにちは、ゴルダールさん

ゴルダール
ニコリ!?
なにをしに来た!
落ちぶれたわしを笑いに来たのか?
さぞや気分がいいだろうな……!

ニコリ
あははは。
あなたはどんな時も変わりませんね。
安心しましたよ
寝込んでいるという話でしたけれど、
すぐに元気になれそうですね
あなたを笑いに来たわけでも、
敵情視察でもありません。
ライバルのお見舞いに来たんですよ

ゴルダール
ライバルだと?

ニコリ
そうです、僕達はカレー神様のもと、
お客様においしいカレーを
提供する同じカレー屋です
敵ではなく、ライバルではありませんか。
困った時はお互い様でしょう?
さぁ、これを食べて。
早くいつものゴルダールさんに
戻ってください
野菜たっぷりカレー風味おじやです。
弱った体も元気にしてくれる優しい味ですよ
弱ったあなたなんて、あなたらしくない

ゴルダール
…………
……ふん。
ニンジンは花型にして出直して来い

# 画面暗転して、ぷつっと終わってしまう

みなさんは、このエピソードを見てどう思いましたか?
私はとても気持ち悪かったです。

お花でも持ってお見舞いに行くだけなら、腑には落ちませんが、まぁアリなのかなとは思えます。ニコリさんは天使だねぇ、私なら行かないけど、ゴルダールも嬉しくないだろうしと思いますけれども。
けれど、病人食を手作りして持って行くなんてのは流石に行き過ぎ。もはや異常だとすら感じます。
そう感じるのは、私の心が貧しいのであって、世の人の多くはそうするものなのでしょうか?

ニコリがゴルダールをライバルと呼んで親身にお見舞いできるのって、結局、スマイルカレーが大繁盛して立場が強くなったからです。優しいとかいう話ではなく。
強くなければ敵に塩は送れません。自分の足元が定まらない人間は、口先の優しさは別にして、人を助ける力を持てません。
私はそう思うんですが、これも私の心が貧しいってことなのかなぁ。

なんにしても、家族でも友人でもないのに、手作り料理を持ってお見舞いってのは気持ち悪い。理想を超過して宗教臭さすら漂うライバル論も気持ち悪い。そう思ってしまいました。
このエピソード必要なのかなとすら思います。ゴルダールが食中毒を起こしたそうだよと噂に聞くくらいでいいじゃないとか。

ここまでするんだったら、例えば、ニコリとゴルダールは学生時代からのライバルだったみたいな特別な因縁を設定するとか、ゴルダールを孤独で不幸な年寄りとかにして同情するに相応しくしておいてくれた方が納得できました。
心が貧しくてすみません。


・・・
それはそうと、ゴルダールが食中毒を起こしたのはププルが伽哩塔で拾った「食材らしきもの」で作ったカレーを食べたからで。
でも、この「食材らしきもの」、ププルはスマイルカレー用のカレーの具材にするつもりで持ち帰ってたんですよね。
つまり、ゴルダールが奪わなかったら、寝込んで街じゅうに悪い噂を流されたのはニコリの方だった…かも。
そう考えると、ゴルダールはニコリの恩人で、ニコリは何処かでそれを察知していたのかもしれません。

ちなみに『キャラ劇 すごい米びつ』によれば、ププルが迷宮で拾ってニコリにプレゼントした《中身の尽きない米びつ》は、実は近くの別の米びつから米を盗るアイテムで、そこそこ一番の米がどんどん減っていたそうで。ププルは後で真相に気付きましたが、知らんぷりを決め込みました。
つまり、ニコリが気前よくタダでププル達に振舞うカレーのご飯は、ゴルダールから盗んだものなのです。今後も盗み続けるのでしょう。
どっちが悪人なんだか。
・・・


再三、画面が強制転換します。
またまたスマイルカレーに戻りました。なんつー忙しなさ。
今度は、ギガディスら旧魔導オマージュキャラたちを交えたバージョンのエンディングというわけです。

ギガディス
# 満面笑顔
ププル、くぅちゃん!
今日も良い天気だな!
天気が良い日は散歩ついでに
ダンジョン巡りに参ろうではないか!
# ハート目
そ、そして罵ったり、過激なツッコミをする
というのはどうだろうか!?
主にププルから! どうだ!?

くぅちゃん
……ペッ

ププル
# 厭そうにしつつ
くぅちゃん、それ逆効果じゃない?

クリオラ
# 涙目
ギガディス様に
そのような特殊なご趣味が……!?
し、知らなかった……
# ハート目
でも、ギガディス様のためなら、
わたくし……どんな茨の道でも
突き進んでみせますわ!

ナーン
# 汗タラ
いや、あんたまで
ヘンな道に入らない方が……

クリオラ
負けないわよ、ププル!

ナーン
や、やめとけよ、ク、クリオラ!

パンナ
あ、リーダー無視されたですね。
勇気出して名前呼んだですのに

ウードン
突き進んじゃってる人に
真っ当な意見は
聞き入れられないからねー

ププル
# 真顔で
ねぇ、ナーンどうしちゃったの?

パンナ
気が強くて一途な美人にゾッコンラブです

ププル
好きになっちゃったの?

パンナ
この前、あの人と戦った時に――
『なかなかやるな』『ヘッ、お前もな』
みたいな会話があった辺りから
あんな感じになったです

ウードン
でもどうなんだろう……。
夕陽の丘でバトルして友情が芽生えた
パターンにも見えるけどねー

パンナ
こんなナーンを見るのは初めてですから、
アタシ達としては生温かく見守るです

ププル
ふ〜ん……。
ボクには直接関係ないみたいだし、
放ち――見守るのがいいかなぁ

ギガディスの変態性癖の目覚めが一過性のギャグではなく真性であること、ナーンがクリオラに恋した(?)ことが語られました。
そして相変わらず、可愛いもの小さいもの以外には素っ気ないププルさん。(ナーンは小柄・童顔で可愛らしい少年だと思うけど、ププルの趣味ではなかった模様。)

ナーンの件は、恋ではなく盛り上がりすぎた友情かもしれないという、変な逃げ道が用意してあります。
個人的には、ナーンとパンナのカップリング展開を期待していたので、ちょっと残念でした。
クリオラの一途な面に惚れたってことは、自分に振り向いてもらいたいとは思ってないってことかな。ギガディスを迷わず想い続ける姿を好きになったってことなんでしょうね。


それから、ププルはふとゼオのことを思い出しました。
考えてみれば、伽哩塔の床が抜けて落下したのが最後で、最上階で魔導カレーを作った時もとうとう現れなかったです。究極の魔力にあれだけの執念を燃やしていた彼が。
……もしかしなくても、全身強打で長時間気絶してたとか、大怪我して動けるようになるまで何日もかかったとか、首ちょんぱしちゃってくっつくのに時間食ったとか、謎の古代迷宮に迷い込んでジュエルガーディアンと戦ってたとか、結構シャレにならない事態に陥ってたんじゃなかろーか。(^_^;)

ププル
放置と言えば、ヘンタイさん、
あの後どうなっちゃったんだろう?

くぅちゃん
くくー……

ププル
にぎやかだったのに、
急にいなくなっちゃって
ちょっとさびしいかんじ?

エターニャ
究極の魔力でも求め、
再び旅に出たのではないか?
店主、おかわりだ。
次はバーニングカレーを頼む

ゼオがいなくなるとちょっと寂しいと感じたププル。彼ってそんなに賑やかだったかなぁ? それに、前回の別れから日数は大して経過してないと思われるけど、もう寂しくなっちゃうのか。

新たに注文した激辛カレーをパクつくエターニャに、毎日カレーを食べてばかりだなぁと流石のププルも呆れ気味になった時、プニィが告げました。

プニィ
ぴぴぴ……。
ヘンタイ電波をキャッチ、近いかも

ププル
え?

# ドアベルを鳴らし、ゼオが歩み入ってくる

ゼオ
邪魔するぞ!

ププル
ホントに来たぁ!

ニコリ
いらっしゃいませー

ゼオ
占い師! お前が欲しい!
もとい、お前の究極の魔力が欲しい!

ニコリ
ごめんねー、うちカレー屋だから
エターニャちゃんは売ってないんだー

ゼオ
# 汗タラ
え、いや……

エターニャ
おい、店内で騒ぐな。
迷惑だと思わぬのか。
まずはカレーを注文せよ

ゼオ
……今日のオススメをもらおうか

エターニャ
店主、ついでにわしの代金を
こいつにつけてくれ

ゼオ
ふざけるな!

エターニャ
ふざけるな、だと?
# ギャグ怒り顔
それはこちらの台詞だ!
何年ぶりのカレーだと思っているのだ!?
わしの至福の時を邪魔するな!!

ゼオ
ぐっ……!

プニィ
濃厚なまけまけ電波……

ププル
# 笑って
もう圧し負けてるもんね。
カレーの時間を邪魔された
エターニャには誰も勝てないよね

プニィ
当然かも。
カレーの時間を邪魔するのは
もっとも許しがたい悪なの

ニコリ
ププルちゃん、プニィちゃん、
おかわりいかが?

プニィ
# 笑って
ほしいかも

くぅちゃん
くー、くー!

ニコリ
くぅちゃんもおかわりする?

くぅちゃん
# キラキラして
くっくー!

ププル
# 満面笑顔
ボク、スターライトカレー!

# 全員集合してカレーを食べている一枚絵表示

画像引用:『〜聖魔導物語〜』(PSV/コンパイルハート/ゼロディブ)

# すぐに一枚絵が暗転、スタッフロールへ

まずはカレーを注文せよ」と言われて、怒りを呑み込んで従ったゼオは、やっぱりシェゾより我慢強くて素直な青年ですね。

ププルのみならず、エターニャもゼオ苛めがお好きです。前回は変態の濡れ衣を着せましたが、今回は理不尽に支払いを押しつける。
どうやらかなりの量のお代わりをしているようですし、これ幸いとタカろうとしているのでは? 舐められきった哀れなゼオ。誰も彼の味方をしてくれません。

まあ、余章での説明によればこの集まりはププルの卒業お祝いパーティーだそうなので、天使な二コリは元々タダにしてくれるつもりだった可能性が高く(米はゴルダールから盗んでますし)、ゼオも不幸に遭わずに済んだ希望は持てますけれど。

つーかロリ電波巫女様よ、あなた関係ないのに「もっとも許しがたい悪なの」とかしたり顔で言っちゃって、調子に乗ってるんじゃないですよ。ユーモアならともかく、この子まず本気で言ってるからなぁ。


今まで、ゼオが現れると渋い顔をしがちだったププルでしたが、今回は楽しげな様子です。自分が狙われなくなったから? いえいえ、今までなら狙われたのが友達でも問答無用で突き飛ばしてたはず。

これはアレか。セガの『ぷよ!』で、久方ぶりにシェゾと再会したアルルが「かわらないね〜 なんか ほっとして チカラがぬけるな」「シェゾ ヘンタ〜イ! でも なつかしーから 今日だけ もっと言っても いいよ♪」と変なテンションになってたのと同じ現象でしょうか。

…って、メタ的に見れば単に、もう風呂敷を畳む段階だったから、ププルを絡ませるまでしなかっただけなんでしょうけども。

なんにせよ上機嫌のププルは、カロリーと炭水化物を厭わず、自らもカレーのお代わりを注文。エターニャやプニィ、くぅちゃん、ゼオと共に堪能するのでした。…ってところで本編は終了。
なんとびっくり、《ゼオの仲間入り》が本編ラストを飾るエピソードでした。


・・・
個人的には、ゼオがエターニャに執着するようになって、ププルには話しかけもしないってのが寂しかったです。元キャラのシェゾは、あくまでアルルに執着し続ける、ある意味《一途な》キャラで、そこが私は好きでしたから。
ププルの方は「急にいなくなっちゃって ちょっとさびしい」なんて可愛いこと言ってるのに、ゼオは彼女をその他大勢としか思ってないとゆー…。

…いや待て、ププルにゼオ苛めの傾向があることを踏まえると、彼女が寂しいと思っちゃうのは、からかって遊ぶ相手が欲しいからですか?
エターニャはカレーを食べるためにくぅちゃんの傍から離れない。くぅちゃんは何故かププルから離れない。ゼオはエターニャの究極の魔力を狙ってる。となると、自然にププルの周囲にゼオが出没することになる。
で、ププルがゼオを苛め、自分こそを苛めてほしいギガディスは悶え、クリオラは涙して、ナーンはハラハラする。
そんな関係が構築されたってことなのでしょうか。旧魔導ぷよ以上の不毛のサークルですね。
・・・


最後に表示される一枚絵、ごく短い時間しか見ることはできず、すぐに暗転してスタッフロールに切り替わってしまいます。
一周目の時、あれれ、よく見れなかったよ。でもクリア後にギャラリーモードとかがオープンして見られるようになるんだろうなとタカをくくっていたら、そんなモード存在しなかったです。がびーん。


この絵をよくよく見ると、カレーを食べているのはププル、くぅちゃん、エターニャ、プニィ、ゼオだけで、ギガディス達は食べてない。そしてゼオにだけ飲み物が出されてない。ここでも苛めが…!? ついでに、くぅちゃんはいつも腹のポッケに入れてる自前のスプーンで食べてるのね、店のスプーンではなく。

パンナやウードンが、クリオラに恋した(?)ナーンを生温かく見守っています。デモイベントでは、声優さんの演技もキャラ絵の表情もシラッとしたものでしたし、若干引いた感じで冷静に見守っている印象だったんですが、一枚絵ではニヤニヤ気持ち悪いくらい笑いながら見ていて、解釈が全く違いますね。

個人的には、ゼオがカレー食べながら変なポーズ取ってる、度を超えたナルシストみたいに描かれているのが残念でした。ゼオってこんなキャラだっけ? 《超絶美形ナルシスト》だった『ぷよ通』系シェゾ辺りのイメージなのかなぁ。


正直なことを言うと、このゲームの一枚絵、全体的に、ちょっと、がっかりな感じでした。ごめんなさい。
色は綺麗に塗ってあるし、背景は緻密に描かれたものが合成されています。でも、キャラ絵そのものや構図の感じがラフと言うか、ザザっと描いてある印象を受ける。特に《ギガディスのプロポーズ》《父の思い出を語るププル》辺りは。
なにしろ人気有名イラストレイターさんの絵なのですから、そう感じる私がおかしいのでしょう。あくまで個人の感想です。



さて。
スタッフロールが終わると、てっきりタイトル画面に戻ったりセーブ画面が出たりするのかと思いきや…。
そういった《間》は一切なく、間断なく余章のタイトルが出て、そのまま強制的に次のイベントが始まってしまいます。本編クリアの余韻もへったくれもありません。
つーか、まだセーブさせないのか〜。

しかも、この余章冒頭のイベントがいやに長い。一旦まとまった話を蒸し返して、延々理屈こねた挙句にやり直したり。キャラを出し過ぎ、無駄話させ過ぎとも思っちゃいますが、むしろファンサービスとして沢山キャラ出して色々喋らせてるのかな。

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