『〜聖魔導物語〜』感想文 12/17

余章 招待状はカレーの香り

前章どころか五章から、セーブポイントのないまま強制進行し続けるイベント。スタッフロールが流れ終えてすら止まりません。間断なく余章タイトルが表示され、そのまま長編イベントに突入。
ああ、いつになったらセーブできるの〜。


今章はププルの部屋から開始。朝、くぅちゃんとププルが目覚めた場面らしいです。昨日は魔導カレー完成&ププル卒業を祝って、カレー屋さんが色んなカレーを出してくれて、みんなで遅くまで騒いだから眠いんだそうで。前章ラストのスマイルカレーでの場面のことと解釈していいのかな?

その時、カタンと小さな音が。郵便受けかららしく、「あ、手紙だ! お母さんからかな?」とププルが小走りに取りに行きました。
ところが、表書きを一読して「招待状??」と怪訝な声をあげます。

えーと……おめでとう。
見事、『伝説のカレー』を作ったあなたを
天空聖殿へご招待します?
……??
差出人は……
大カレー神んんん!?

大カレー神サマから招待状って!?
ナニコレ、ドッキリ!?
そ、そうだ!
エターニャならなにか知ってるかも!

ぐったり転がってお腹が空いたと訴えるくぅちゃんを「朝食なんて後、後! くぅちゃん、行くよ!」と急かすと、脇目も振らずに家を飛び出したのでした。
いやいや、朝食はちゃんと食べなきゃ。ギガディスもサタンも、朝ごはんちゃんと食べておけばよかったって言ってたじゃん。

そしてもう一つ気になったんですが、この世界って「ドッキリカメラ」みたいなものがあるん?


イベントはそのまま続いて、場面が街に移動。
エターニャとプニィが一緒にいるところに駆け込みました。
ププルが言う《昨日のカレーパーティー》が前章ラストのことなら、彼女たちも同席していたはずなのに、ププルみたいに寝坊はしていないんですね。

エターニャは招待状からただならぬ魔力を感じると言い、プニィも「うん、大カレー神さまのかんじ……」と肯定しました。

ププル
ねぇ、招待状ってことは、
大カレー神サマに会えるってことだよね?

プニィ
うらやましい……

ププル
え〜、なになに……?
『摩訶不思議伽哩塔の入口で、
 以下の呪文を唱えてください』
『天空聖殿までお連れします。
 快適な空の旅をお楽しみください』

プニィ
おむかえつき……。
豪勢、かも

そこにギガディスとクリオラ登場。

ギガディス
# 駆け寄る
おはよう、ププル、くぅちゃん!
爽やかな朝であるな!

ププル
# 嫌々という感じで
うん、おはよう……

ギガディス
# ハート目
嗚呼……一日の始まりに
そなたに出会えるとは……。
今日は良い日に違いあるまい!

ププル
# 厭そうな顔で見返す
…………

ギガディス
# ハート目
おお……。
ププルが余を三日放置した生ゴミを
見る目で見つめている……

クリオラ
そ、その熱視線でギガディス様を
トリコにしているのね!?

ププル
# げんなり
そんなことしないってば

勇者三人組も現れ、ギガディスの様子を気持ち悪そうに見ています。

ナーン
生ゴミって……。
そんな目で見られてうれしいか?

ウードン
# 汗タラ
おいらなら立ち直れないなー

パンナ
世の中は広いですねぇ。
関わりたくないですけど

エターニャ
# 微笑んで
なんだ。
トリオ・ザ・勇者ご一行もおったのか。
お前達の勇者コントはいつ見ても飽きないな

ナーン
コメディアンじゃねぇから!

エターニャの台詞は、(トリオ・ザ・パンチなどの)昭和のコメディアングループをイメージしたものなんでしょうけど、旧魔導の《トリオ・ザ・バンシー》も彷彿とさせますね。
ナーンはクリオラが「ヘンな男」に夢中なのが心配なのだそうで、パンナとウードンは暇だし面白そうだから付いて回っているだけだそうです。

ちなみに、ギガディスの倒錯趣味に迎合しようとするクリオラを、ナーンはこんな風に諫めてました。

クリオラ
# 涙目
ギガディス様には私がおりますわ!
な、なんなら、わたくしが、ふ、踏み――

ナーン
待て、クリオラ!
早まっちゃいけねぇよ

クリオラ
で、でも、ギガディス様が
求めているのよ! 痛みを!

ナーン
この魔王が踏み外しちまった
道を元に戻してやるのが、
あんたの役目じゃねぇのか?

クリオラ
そ、そうなのかしら……?

そうかなあ…?
性的な趣味は、人命に関わるとかいうものでない限り他人が口を挟むことではないし、「元に戻」せるものでもないと思うのですがね。
それはそうと、ナーンのこの立ち位置、ちょっとミノタウロスみたいかも。


話戻って。
何をしていたのかとパンナ達に訊かれて、「実はね、かくかくしかじかなんだ」と答えるププルさん。「ギャグマンガじゃないんだから そんなのでわかるわけないでしょう!」とお約束にクリオラに叱られて「えー……メンドクサイなー」と言いつつ説明。何がそんなに面倒なのか。

話を聞くと、ギガディスは「面白そうな話であるな」、クリオラは「美味しいカレーの作り方を伝授していただけるかしら……?」、勇者三人組は「神サマに会えるんだってよ!」「神様に会えたら、勇者として箔がつきそうですね!」「美味しいカレーいっぱいあるかなぁー」と大はしゃぎ。何故か自分達が行く気になっています。
更には、ゼオが登場しました。

ゼオ
その話、詳しく聞かせてもらおうか!

クリオラ
あら変態

ゼオ
# ムッとして
誰が変態だ!

ププル
# 真顔で
あ〜、なんか足りないなぁって
思ってたんだよね。
ヘンタイさんだったんだ

エターニャ
そういえばいなかったな

プニィ
静かで平和な朝だったのに……

ゼオ
だからっ……まぁ、いい。
そこにある呪文を唱えれば
大カレー神に会いに行けるんだな?

ププル
そうだけど……
大カレー神サマに会ってどうするつもり?
カレーに興味ないんでしょ?

ゼオ
フッ……決まっている。
大カレー神の魔力を奪い、
俺が究極の魔力を手に入れる!

プニィ
他力本願……

ププル
# ムッとして
そんな人には絶対に渡せないよ!

ゼオ
ならば奪うのみだ!
その手紙をよこせ!

ププル
ダメだってば!

# エターニャがゼオを殴る

ゼオ
がっ……!?

エターニャ
安心しろ、峰打ちだ

ゼオ
杖は、鈍器っ、だろうがっ……!
# 気絶

クリオラ
# 笑って
変態は撃退できたし、
天空聖殿とやらに行きましょう

そうか。ププルはゼオがいないと「なんか足りないなぁって思」うのか。そして相変わらず頑なに「ヘンタイさん」呼び。どんだけ捻じ曲がってんの(苦笑)。

他の連中だって勝手に行く気になって好き勝手言ってるのに、ゼオだけ問答無用で気絶するほど殴る。
まあ、ププルから招待状を奪おうとしたからではあるけど。(ゼオも阿呆ですよね。目的は伏せておいて、何か耳ざわりのいい言葉を並べて一緒に連れて行ってくれと頭を下げてればいいのに。良くも悪くも嘘がつけないんだわ。)
それ以前に、現れただけでパンナを除く女性陣が一斉に口撃の集中砲火。彼、女の子に大人気過ぎです。

そんで、思うんですけどゼオって気絶し易くないですか? ここだけじゃなくて、他の色んな場面で、魔物に体当たりされたとかタライが頭に当たったくらいでしょっちゅう気絶してるんですよ。落ち癖がついてるっぽい。この人、血圧が低いか血管に狭窄があるんじゃないかなぁ。心配ですね。


で、こっから話が長くてくどいです。無駄会話(遊び会話)も多いし、グダグダしたカンジ。
でも、少しでも多くキャラのやり取りを見たい人には、むしろこの無駄加減が嬉しくも楽しいのかなぁ。
私は、五章からぶっ通しでイベントが続いていることもあって、あまり楽しめなかったかもしれません。


正直、ここでのプニィの言動には好感が持てませんでした。
エターニャの説得でみんなは渋々同行を諦め、プニィはダダ一つこねずに「いってらっしゃい。おみやげ、楽しみかも……」と殊勝にププルを見送る。

(ああ。ププルとくぅちゃん、結局朝ご飯食べないまま冒険に出発かぁ。)

ところがギガディス達がいなくなるとすぐにプニィは、大カレー神に会いに行こうとエターニャをそそのかしだすのです。

プニィ
招待されたのは
『伝説の魔導カレー』を作った人
おまえは昔、魔導カレーを作った。
プニィは大カレー神さまの巫女。
なにも問題ない

エターニャ
# 目を丸くして
そなた、行く気満々か。
だが、本当に行けると思っているのか?

プニィ
# 笑って
一緒に行く人増える。
ププルなら喜ぶかも

エターニャ
まぁ、ププルはそういう奴だからの。
だが……

プニィ
なにも、問題、ない

エターニャ
# うなだれる
そういうものかのう……

プニィ
早くしないとププルたち見失う。
行くなら急いだほうがいいかも

エターニャ
# 顔上げて
……よし、行くだけ行ってみるか

プニィ
# 満面笑顔
うん!

一緒に行きたかったのなら最初から言えばいいじゃないですか。後でギガディスが「我々を追い返し、二人だけでププルを追うとは卑怯な!」と言ってましたが、まさにその通り。
他の人達には諦めさせておきながら、自分達は特別だから行く権利があると陰で言い出すのも嫌な感じですし、自分ひとりで追いかけずエターニャを巻き込むのも、責任をなすりつけている感があって小狡いです。
(ギガディスも、二人を卑怯だと責めた時「ずるいぞ、占い師! と、少女!」とエターニャの方を先に怒ってましたよ。)
いやまあ、エターニャが行きたがっている様子を見て背を押してやったという見方もできるんでしょうけどね。でもなー、やっぱ狡いと思うの。

で。
帰ったはずの連中も全員近くに隠れていて、「なによ、結局行くんじゃないの!」「こっそり行くなんてズルイです!」「ふふふ……やはりここは余がそっと見守ってやらねばな……。陰ながら!」等と言いつつ追っていく、と。
最後に、気絶していたはずのゼオが起き上がって無言で駆けていきます。状況は把握してるんですね。少し前までプニィにつんつんされてましたけど、本当はいつから正気付いていたんでしょう?


ここで、長過ぎた連続イベントにようやく一区切りが付きます。
マイルームでサウンドテストが聞けるようになりましたとメッセージが出て、街メニューが開きます。セーブができるようになりました。やれやれ。
街メニューからワールドマップを選択すると、いつものような行き先選択は出ず、強制的にイベントの続きが始まります。


摩訶不思議伽哩塔の前に佇むププル。手紙を広げ、そこに書かれた呪文を真剣な顔で読み上げます。

クーテーデンセイ・ニ・タイキーナ!
マイウーレーカー・タイターベ!
モークーモークー・カマーンッ!

…これ、古代カレー語なんですかね?
「天空聖殿に行きたいな、うまいカレー食べたーい、雲雲(もくもく)カモーン」?
もしこれが古代カレー語だと言うなら、案外勉強し易いモノかもしれません。

呪文を唱えると、《ぷにょん・ぷにょん》とボールが跳ねてるみたいな効果音を立てながら雲のじゅうたんが出現。それに乗ったププル達を、遥か上空の天空聖殿まで運んでいきます。

ププル
すごい、すごーい!
あ、ほら、街が見えるよ、くぅちゃん!

くぅちゃん
# 動揺している声音
くっくー!

見せ場的な場面だと思いますが、例のエコ仕様によって、絵は一切ありません。真っ暗画面に台詞だけが表示されています。いっそ潔いですね。
そんで、くぅちゃんは意外と高所恐怖症?


さて。一足違いでププルに追いつけなかったエターニャとプニィ。
けれど、エターニャがすかさず同じ呪文を唱え、別の雲のじゅうたんを呼び寄せました。え、そういうのアリなの?(汗)

そこにギガディス達が登場。
彼らに卑怯な行動を咎められても微動だにせず

エターニャ
なんだ、ついて来ておったのか

プニィ
人を指差すな、ツノ魔王

とシラッとしている《婆ちゃんコドモ》コンビ。特にプニィのふてぶてしさは他の追随を許しません。

怒ったクリオラは「あなた達がそのつもりなら、わたくし達は私達で行かせてもらうわ」と宣言し、エターニャは「やれるならやってみろ」と言い返す。ギガディスは「魔王たる余に出来ぬ事などないのだ!」と高笑いしながら呪文を唱える。エターニャもですが、呪文をチラッと聞いただけで完璧に復唱できるなんて、記憶力が素晴らしいです。

ところがどっこい。何度唱えても雲のじゅうたんは降りてきません。どうやら魔導カレーを作った人にしか雲は呼べないらしい。

すると、ギガディスが驚きの行動に出ました。頭を下げて「……我々も乗せてはくれないだろうか。いや、一緒に連れて行ってください」とエターニャに頼んだのです。パンナは「魔王さん、プライドあるですか?」と厭な顔をしてましたけど、私はギガディスって度量が広いんだなぁと思いましたよ。自分だけじゃなくて、みんなの分も頼んだんですもの。

流石のエターニャも半ば呆れつつも断れず、「好きにしろ」と応諾。大喜びするクリオラと勇者三人組。頭下げた甲斐があったね、ギガディス。

ところがです。いそいそと全員が雲に乗った途端、重量オーバーのブザーが鳴り響いたではありませんか。
重い者から降りろ、ということで、最初にウードンが降ろされました。それでもブザーは止みません。次はギガディス…ってところで、クリオラが彼を護るために大口撃を開始したのです。

クリオラ
ここは脇役であるあなた達が
辞退するところでしょう!

ナーン
なぬーっ!?

パンナ
誰が脇役ですか!

クリオラ
誰って?
わかるでしょう?
ライスは?

ナーン
は?

クリオラ
ヨネは? マイは?
ハンもリーもリーソもいないの?

ナーン
えっと……

クリオラ
『ライス』がいない時点で
あなた達の立ち位置は確定していたのよ!
あとパンチェもいないし

ナーン
# 汗タラ
な、なんだってー!?

パンナ
# 汗タラ
パンナならいるですよ!

エターニャ
ところでお前のご父君ふくんの名は、
チャパティーか?

ナーン
どうしてわかった!?
いや、それ今関係あるのかよ!?

エターニャ
まったくないな。
わしが気になっていただけだ。
あー、スッキリした

クリオラ
# ハート目
麗しくお強い魔王様に、
その婚約者であるわたくし……
# 真顔
呪われた身の謎の占い少女。
それと、えっと……不思議少女!
ほら、物語で言えば私達は主役級よ?
それに比べてあなた達は
自称勇者のただの冒険者ではなくって!?

ナーン
ううぅ……!!

クリオラ
ちょっと強い一般人

ナーン
ぐはっ……!

パンナ
気にしてることをズケズケと!

クリオラ
脇役らしく『ここは譲るぜ!』とか、
『アタシ達のことはいいから、
 早く行くです!』とか言いなさいよ!
まぁ、あなた達に秘められた力とか、
封印されし過去とか、
世界を巻き込む出生の秘密とか、
逆に欠けた記憶とかがあれば、
世界はあなた達を中心に
回り始めるかもしれないけれど
残念ながらここから先は私達の時間よ!!

ナーン
く、くそ……!
オレ達の成長物語、始めたかった……!

正直、この辺の論理展開はピンとこなかったです…。
《ご飯》もしくは《米》を意味する名前のメンバーがいないからって、それが何だっていうのか? 意味が判らない。当然のように「リー」「リーソ」「パンチェ」といった耳慣れない単語を並べたてるのも親切とは思えなかったです。置いてけぼりでポカーン、って感じ。

「リーソ riso」はイタリア語で米ってことらしいので、「リー」「パンチェ」もその類なのでしょうが、私には解りません。そうやって外国語(もしくは、それをもじった造語?)を並べることに何の意味があるのでしょう? 単に、勇者三人組の名前候補だった単語ってことなのかなぁ?

あと、この場面でもう一つ気になったのが、ナーンがクリオラを好き(?)だという設定が、もはや働いていないってこと。
例えばミノタウロスがルルーにこういうことを言われたら、好きな人に冷たいことを言われたこと自体にも傷付く描写があると思いますが、この場面のナーンにはそういう機微は感じられません。
あくまで淡〜い感情なんだってことかなぁ?


まあともあれ、正直意味不明の理屈に言いくるめられて、クリオラ曰く「平和的に」辞退した三人組。
反論一つできないってことは、彼らが「自称」勇者で「ちょっと強い」程度だっていうのは事実なんですね。ラグナスには、代々勇者の家系に生まれたとか女神の神託を受けたとか凄い武器を持ってるとかいう設定がありましたけども。

ナーンは自分がふがいないせいだと仲間に謝罪し、パンナは「大丈夫ですよ! リーダーの不甲斐なさなんて、小学校の時から知ってるですから!」と、フォローのつもりでとどめを刺しています。うむ。へっぽこ夫婦漫才。
彼らの様子を見るギガディスは「クリオラ、もうそのへんで……」と若干引き、プニィとエターニャは「こわいかも……」「ああいう女にはなるなよ」と会話。(ぶっちゃけ、プニィはクリオラとは別方向で毒舌・攻撃的な女ですがね、とっくに。)
誰一人として「脇役ってどういうこと?」みたいなメタ論理への突っ込みは入れないし、「それは言い過ぎでしょう」とも言ってあげない。つまり、全員でクリオラの理屈を肯定しているのでした。

この後、雲のじゅうたんを見送る勇者三人組の会話があって、場面終了。ここでやっとワールドマップの選択メニューが出て、「天空聖殿」を選んで先に進めます。


天空聖殿に到着したププル。大カレー神の声が語りかけてきます。

わたしは大カレー神カレー。
この天空聖殿のあるじカレー
ここ天空聖殿は、『伝説の魔導カレー』を
作った者のみが訪れることを
許されている場所カレー
天空の台所とも、
神々の住まう城とも呼ばれる
とても尊い聖域なんだカレー

その口調が、かつてプニィに憑依したカレー精霊と同じだと気付くププル。あの事件はカレー精霊ではなく大カレー神自身の仕業だったのだと判明。

それはともかくとして。
テキストだけで読めば、確かに語尾に「カレー」と付いてて同じ口調ですけど、イントネーションやリズムとかの演技は全く違うんですよね、大カレー神と憑依プニィって。
アニメとかだったら声優さん同士で演技のすり合わせをするんでしょうが、ゲームだとバラバラに収録するって言うし、こんなことになっちゃってるのかなぁ。


そこにエターニャ達が到着しました。
あれだけ長時間もめてたのに、到着はそんなに差がなかったんですね。

出発前、プニィが「もう(大カレー神を)本気でうらんでない。おまえからもうじとじと電波出てない」とエターニャを評してましたけど、やっぱり彼女は、大カレー神を前にするとイラッとしてしまうようです。

思いがけない顔ぶれを見て驚くププルに、「ププルとくぅちゃんが心配だったのだ!」「わしは大カレー神に苦情を言うため」「大カレー神さまの巫女だから」「大カレー神に教えを乞うのはこの私よ!」などなど、ここに来た理由を口々に述べるエターニャ達。
…と。最後に「その前に大カレー神を倒すのは俺だ!」と、ドヤ顔でゼオが言い放ちました。

ププル
ちょっと、キミ、なに言ってるの!?

クリオラ
変態!?
いつの間に……!

エターニャ
街に置いて来たはずなのに……

ププル
気付かなかったの!?

ゼオ
フッ……!
貴様らごときに気付かれる俺様ではない!

ププル
キミ、影が薄いから誰にも見つからずに
ここまで来れたんだね!

ギガディス
なるほど!

クリオラ
流石ね、普通じゃないわ……

ゼオ
ちがぁぁぁぁぁぁぁぁぁうっ!!

この「ちがぁぁぁぁぁぁぁぁぁうっ!!」って台詞、声優さんの演技がイマイチ抑えた感じで、本気で言ってない感がありありで、あまりいいとは思えなかったです。ゼオの声優さんの演技って、全体的にフワフワしてるんだよなぁ。

いつの間にか付いて来ていたゼオ。実は、雲のじゅうたんを見送る勇者三人組の場面で、ウードンが「雲になんか引っ付いてるような……」と言ってたんですよね。つまり、雲のじゅうたんの下側かどっかに張り付いて来たらしい。
…なんつー強靭な握力・体力! つーか、雲のじゅうたんの上には四人乗ってて、地上には三人がいて、離陸前・離陸後と、至近距離からじっと見てたんですよ。どうやったら気付かれずに張りつくなんて芸当ができるの?(もめてる隙に裏側に回って張り付いてたのかな?)
ププルはすかさず「影が薄い」と理屈づけて馬鹿にする材料に変じちゃいましたが(彼女のゼオ苛めのスキルは半端ない)、普通に凄いと思うんだけどなぁ。(ゼオって「にぎやかだったのに、急にいなくなっちゃって ちょっとさびしいかんじ」なんだから、実際は影は薄くないと思うの。)
あと、彼は高所恐怖症じゃないってことですね。


大カレー神を倒して魔力を奪うと豪語する、馬鹿正直過ぎるゼオくん。こいつ猪突猛進過ぎる。クリオラはクリオラで「ふ〜ん……。確かにすごいけど、ギガディス様のお城ほどじゃないわねぇ」なんて聖殿を見回して言っています。「も〜、こんな失礼なこと言って、大カレー神サマ怒らないかな……」と心配するププルでしたが、今のところ、大カレー神は全く気にしていない様子です。彼を盲信する巫女プニィ曰く「大カレー神さまは偉大なの。心も大きいから大丈夫かも」だそうです。…ホントかな?

大カレー神
# 声音弾ませて
こんなに大勢の客人が来るのは
初めてだカレー。
みな、歓迎するカレー

しかし、残念だが、
皆をもてなすことは難しいカレー。
そこで――
私のもとに一番に辿り着いた者に
『うますぎ昇天カレー』を
ご馳走するカレー

なんだそりゃ。
ププルは「ボクが一番になればいいんだもんね♪」と納得してましたけど、本来の招待客であるププルにはシード権を与えて、他の客人を競わせればいいのに〜。大カレー神のカレー鍋はそんなに小さいのでしょうか。

って。実は最終的に全員に《うますぎ昇天カレー》を振舞ってましたんで、これは大カレー神の悪戯心らしいです。…ゼオやクリオラの無礼な発言に多少は怒ってたのかもしれないですね(苦笑)。

クリオラ
ふふ……面白いわ。
勝負よ、ププル!

ププル
# 笑って
絶対負けないもんね―!

大カレー神
さぁ、皆の者、どんと来いカレー!

ギガディス
# 満面笑顔
ププル、余と共に参ろう!
魔王たる余がそなたと組めば最強コンビに!
他の者など蹴散らして――

クリオラ
さぁ、参りましょう、ギガディス様!
このクリオラ、ギガディス様のために
微力ながらご尽力いたしますわ!
# ハート目
そして二人で
美味しいカレーを食べましょうねっ?
二人でっ!
# 無理やり引っ張っていく

ギガディス
ププルー! くぅちゃ〜ん……!

ゼオ
# 笑って
もう尻に敷かれているのか、情けない奴め

くぅちゃん
# 情けなさそうに
くっくー

ゼオ
俺は一人で行かせてもらう。
慣れ合いはごめんだからな

ププル
# げんなり
はいはい、勝手に行ってよ

ゼオ
大カレー神は俺のものだ!
もとい、大カレー神の魔力は
俺がいただいた!
ついでにうますぎカレーとやらも
俺がいただいてやろう

ププル
なっ!?

くぅちゃん
ぐー!

ゼオ
後から来て悔しがることだな!
くく……ふははははははははははっ!
# 走り去る

ププル
# 怒って
なんだよー!
カレーなんてどうでもいいって
言ってたくせにぃ〜!
ヘンタイさんにだけは
絶ッ対負けないんだから!!

くぅちゃん
ぐー! ぐー!

ププル
プニィ、エターニャ!
ボク達も急ごう!

プニィ
ププル、がんばって。
プニィたちもがんばる

ププル
え? ……え?

プニィ
プニィ、占い師といっしょに行く

ププル
え、え……一緒に行こうよ?

エターニャ
ふむ……闇の変態は例外として、
ちょうど二人組で三組出来たな
# 微笑んで
競争としてはこれくらいの方が
盛り上がるのではないか?

プニィ
ププルにはくぅ太郎がいるし

エターニャ
と、いうわけで、
プニィはわしと行きたいそうだ

ププル
# 目を丸くして
ボク達あんなに仲良しだったのにー!

エターニャ
# 満面笑顔
すまぬなぁ

プニィ
じゃあね、ププル。
最上階で待ってるかも

# プニィとエターニャ、駆け去る

ププル
# トホホ顔
みんなで楽しく行けると思ったのにぃ……

くぅちゃん
くっくー?

ププル
# キッとなって
ハッ! そうだね!
ボク達も行かなきゃ!
# 駆け出す

プニィとエターニャがププルと一緒に行かないのは、ぶっちゃけゲームシステム上の都合。ストーリー的には不自然ですよね(苦笑)。プニィがエターニャと親しくなったのだとしても、誘ってくれたププルを振ってまで一緒に行く必然性がないですもの。皆で一緒に行って何が悪いの?
大カレー神が「基本に二人組で頼むカレー」とか言ってれば、もうちょっと理屈は付いたのかなぁ?


で。
ボクが一番になると言いつつも、のんびり構えて慣れ合い心たっぷりのププルでしたが、ゼオに対してだけは「ヘンタイさんにだけは絶ッ対負けないんだから!!」と、ライバル心をメラメラと燃やすのでした。

なんかゼオって、良くも悪くもププルの琴線に触れまくるみたいですね、本人意図せずに(笑)。

ずっと前にゼオが言った「カレーなんぞに興味はないが、究極の魔力を手に入れるための過程だ」という言葉を執念深く覚えていて、カレーを馬鹿にする者が美味しいカレーを食べることは許さないって理屈ですけども、そんな彼女が、競争の末に対面した大カレー神のある言動を前にどんな態度をとるか。これが、この先の見ものになっております。
私、ププルって勝手な人間だなーと思ったですよ。まあ、人間ってのは不完全なものか。

・・・
ところで、ここの場面でもう一つ気になったのは、この世界の魔族と神は、対立もしていないけれど親交もないんだなぁってことでした。
魔王であるギガディスが上位神っぽい大カレー神の神殿に押しかけたのに、互いに一言も挨拶しないんですよ。不自然! しかもクリオラは前述したように暴言吐きまくり。魔王の妃になるんならそういう発言はよくないのでは? でもギガディスも咎めない。いいの??
それとも、ギガディス的には大カレー神なんて取るに足りない下位の存在なんでしょうか。サタンにとってのぞう大魔王みたいなもの?
・・・


さて。ここから先は迷宮探索となります。
天空聖殿10層。
エターニャ&プニィ組と遭遇。どうしてプニィがププルを振ってエターニャと行ってしまったかを説明する、フォローエピソードになっています。

ププル
# 恨みがましく
プーニィィィィィィィィ……。
エターニャァァァァァ……。

プニィ
な、なんかこわいかも……

エターニャ
とりあえず、人の名前を伸ばすな

ププル
…………

エターニャ
そう拗ねるな。
別にお前をハブったわけではないわ

ププル
# 真顔
いや〜、
なんか二人のツーショットって
見慣れないなぁって……
二人とも大カレー神サマのことで
色々あったじゃない?
# 笑って
仲良くなってくれてうれしい半面、
ちょっとジェラシー感じちゃうなぁって

プニィ
# 笑って
こっち、おもしろいの。
こっちの話、おなかいたくなる

ププル
エターニャの話が? 面白い?
(なにがプニィのツボにハマったんだろう?)

エターニャ
# 真顔で
まぁ、なんちゅうか本中華。
わしとしてもわけわかめなのだがな、
気が合ったということではないか?
確かにわしらは大カレー神のことで
いがみ合っておった
が、近しいものを感じておらぬでも
なかったしなますてー

プニィ
# 満面笑顔
あはははは!
やめて、おなかいたい、かも……!
ふふっ……!

ププル
# 目を丸くして
(プニィの全開スマイル!!)

エターニャ
と、このようにあまりやり過ぎると
プニィが呼吸困難に陥るのだが……
# がっくりして
ププルは笑わぬのか?

ププル
え……

エターニャ
むう……昔はこれでナウいヤングは
ドッカンドッカンだったものだが……

ププル
ご、ごめん。
ボクはちょっとわかんないや……

エターニャ
これがジェネレーションギャップ、
というやつだな……。
それともプニィが特別なのか……

プニィ
# 満面笑顔
ぷふっ……!

ププル
ジェネレーション感じちゃうなぁ……

プニィは、エターニャをコメディアンとして好いているそうです。へえ……。

それからエターニャがププルを慰めるべく、今度は三人で遊びに行こうと提案。わざとくぅちゃんを数に入れていないのに、ププルは安定のスルーで「やったね、くぅちゃん! みんなでおでかけだよー!」とはしゃいでエターニャをむっつりさせます。その一部始終を観察しているプニィ。
で、互いに頑張ろうと別れますが、何故か左右別々の方向に駆け去ってました。目的地は同じはずなのにね。


天空聖殿20層。ギガディス&クリオラ組と遭遇。

# 遠くから
ギガディス
ププルー!

くぅちゃん
# げっ、という風に
ぐ!

ギガディス
くぅちゃーん!

ププル
# げんなり
はぁ……

ギガディス
# 駆けよる
久しぶりであるな!
余も会いたかったぞ!

ププル
# 厭そうに
ボク達は会いたくなかったよ……

くぅちゃん
# 厭そうに
ぐ〜

ギガディス
# ハート目
嗚呼……。
二人が余を薄汚く這い回る虫ケラを
見る目で見つめている……
いっそ一思いにその可憐な足で
踏みにじってはくれまいか……?
ぐりぐり、ざりざりと!

ププル
# げんなり
な、なにを言っても
ポジティブに受け取るなぁ……!

クリオラ
# 駆けよる
ギガディス様!
単独行動はおやめくださいな!

ギガディス
# 汗タラ
クリオラ!
す、すまん……

クリオラ
もう!

くぅちゃん
くっくー

ププル
ヘンタイさんが言ってた通りだね

クリオラ
あの変態がなんですって?

ププル
奥さんの尻に敷かれてる
旦那さんみたいだってさ。
かかあ天下の夫婦ってヤツ?

クリオラ
# うっとりして嬉しそうに
なっ、なっ、なっ、何言ってるのよ!?
私はこう見えて亭主関白派よ!

ププル
へぇ〜……

くぅちゃん
くー……

ギガディス
# 汗タラ
あのような者の言葉を
真に受けるんじゃありません!!

ププル
# 真顔で
キミもさ、ホントにクリオラが嫌なら
逃げればいいのに。
逃げようと思えば逃げられるんじゃないの?

ギガディス
# ハート目
プ、ププル!?
余と愛の逃避行を――

ププル
# 表情変えず
うん、まったく考えてないから
本気で逃げないってことはー……
# 微笑んで
キミもクリオラのこと
結構思ってるってことじゃない?

ギガディス
# 汗タラ
よ、余は全ての女性に優しいのだ!
紳士であるからな!
つ、つつつつまり、そういうことなのだ!

クリオラ
ええ!
クリオラはわかっておりましたわ、
ギガディス様の不器用な愛を……!

くぅちゃん
# ほくそ笑む
くっくっくっくっ……

ギガディス
な、何を言うか、くぅちゃん!

ププル
くぅちゃんが『お似合いの夫婦だね』って

クリオラ
# うっとりして
まぁ!
お聞きになりましてギガディス様!?

ギガディス
# 涙目
聞きたくなかった……

クリオラ
小動物、違う、ギガディス様の
可愛いくぅちゃんや、あの変態から見ても
私達、ふ、夫婦のようですって!
まだ婚約しているだけなのに、
もうそんな風に見られているなんて……
やっぱり私達は、運命の真紅の糸で
結ばれているのですね!

くぅちゃん
# ウザそうにププルに訴える
ぐー

ププル
# げんなり
今のうちに行っちゃっていいよね?

くぅちゃん
# 明るく
くー!

# 駆け去る二人

クリオラ
そうだわ!
最上階に着いたら式を挙げましょう!
正式なものでなくて、二人きりの!
私達を邪魔する者は、皆殺し――
ではなくって! 誰もおりませんし!

ギガディス
# 半泣き
うう、さらっと怖い単語が聞こえた……。
助けて、お父さん……

これ、シナリオ側はギガディスとクリオラのカップルをまとめにかかってますよね?(笑)

ギガディスの倒錯趣味は全く治まりません。
って言うか、矛盾してると思いません?
ギガディスはププルに精神・肉体的に暴力を振るわれると性的興奮を覚えるそうです。でも、クリオラの口撃やらには引いて怯えている様子を見せるんですよね。むしろ、攻撃的な女性が理想なんじゃないの? 容姿も好みらしいし。

ギガディスはクリオラの何を恐れるのか。想像ですが、独占欲の強さと行動力じゃないかなと思いました。他の婚約者たち全員に手を引かせたことに、ギガディスは恐怖したらしいですし。彼女と結婚したら複数の女性たちの間でフラフラ遊んでいられなくなる。クリオラはギガディスには怖いことは何もしないけれど、愛人たちは徹底的に排除することでしょう。それが嫌なんじゃないかなぁ。

で。余章のギガディスは、いやにビクビクしてクリオラに従っていますよね。
でも、クリオラはギガディスには一切暴力的なことは行いません。即ち、殴られるのが怖くて従っているとかではない。
ププルが言う通り、本当に拒もうと思えば不可能ではないでしょうに、結局彼女に従っている。
やっぱり、例えは悪いけれど破れ鍋に綴じ蓋で、ぴたりと合う部分があるってコトなのかも?

少女の猪突猛進なアプローチに若干引きながらも、突き放すこともできず、結局なんだかんだ気にかけている。こういう関係性は、色々あった《サタン&ルルー》の中でも好きなものだったので(『わくぷよ』なんかはこういう感じですよね)、ちょっと嬉しい。
ただ、最後にギガディスに「助けて、お父さん」と言わせちゃってるのは、ギガディスが洒落にならなく不幸に見えちゃうので、あまり好きではないです。


天空聖殿40層。ゼオと遭遇。

ゼオ


ププル
あれ?
もっと進んでると思ったんだけど……

ゼオ
…………

ププル
あ、またなにかに潰されたり、
落とし穴に落ちたり、雲から落ちちゃったり、
トラブルが起きてたの?
それとも大カレー神サマの
秘密の本とか、すっごいアイテムを
盗み出そうと……

ゼオ
俺はただの不幸な迷子だよッ!

ププル
# がっくり
そんなに力強く宣言されても……

ゼオ
だが、お前がここにいるという事は、
この道で合っていそうだな……

ププル
うわ、ホントに迷ってたんだ……

くぅちゃん
# あーあ、という感じで
くー

ゼオ
# 汗タラ
モタモタしていたら
他の奴らに先を越されてしまう……
# 笑って
俺はなんとしても一番に
大カレー神のもとへ行かなければならない

ププル
そんなのボクだって同じだよ

ゼオ
なんだと!?
大カレー神を倒し、
奴の魔力をいただくのは俺だ!

ププル
一番になったら大カレー神サマに
チャレンジできるとは
誰も言ってないと思うんだけど……
それにボクは美味しいカレーが食べたいだけ。
キミと違って大カレー神サマの魔力が
ほしいわけじゃないから

ゼオ
ならば忠告してやろう。
小娘、ここで引き返せ
いずれここは戦場となる。
いや、この俺様が戦場にするのだ
ここは本来お前のような子供が
来るところではない!
今のうちに引き返せ

ププル
# がっくり
いや、ボクは大カレー神サマから
招待されてここにいるんだけど……

ゼオ
フッ……。
お前が力を求めぬと言うなら
巻き込まれる前に――
# カラン、と何かが落ちる音
ん?

# 地響き

ププル
え、なに!?

ゼオ
な、なんだ……!?
# ガイン、と金属音
んがっ!

ププル
かなダライ!?

# ガラン、くわくわくわと音

ゼオ
な、なんでこんな物、がっ……!
# 倒れて気絶

大カレー神
そこ、トラップがあるから
気をつけるカレー

ププル
ト、トラップ!?

大カレー神
昔、イタズラ好きのカレー精霊を
捕まえるために仕掛けたカレー

くぅちゃん
くー

ププル
# がっくり
最初に言って……

ゼオの「俺はただの不幸な迷子だよッ!」は『魔導物語A・R・S』の十四歳シェゾの台詞のオマージュ。
それはそれとして、ゼオは方向音痴なのでしょうか? 結局ゴールも最下位でした。
でも、例えば摩訶不思議伽哩塔に現れた時などは、特に迷っている様子はなかったです。
思うに、大カレー神に化かされているとか?
ゼオにだけ道がおかしいとかマップが記録されないとか。
理由は、彼の無礼な言動に、大カレー神が本当は少し怒っているから…なんて。

その根拠にもなるのが、今回のかなダライです。このタイミングでピンポイントで頭に落ちるって。しかもすかさずアナウンス。これやっぱ、わざとですよねぇ(苦笑)。

ここの金ダライの効果音は、あまりいい出来ではないと思います。
そして先に述べたように、ゼオ、簡単に気絶し過ぎ。


・・・
さておき。
本編シナリオでププルがゼオを決して名前で呼ばないように、ゼオの方もププルを名前で呼びませんね。一度「お前、ププルとか言ったな?」と確認したくらいで、本編シナリオはおろか『キャラ劇』ですら「小娘」「お前」「こいつ」としか呼んでいない。
クリオラは最終章になってようやく「ちんちくりん」呼びをやめて「ププル」と名前で呼ぶようになりましたけど、ゼオは余章クリアに至ってすら、ププルを「小娘」以上の存在とは認識していないと。
なんなんだろうなぁ、これ。最後まで名前も呼ばせないなんて。シナリオさんのこだわりなんでしょうけど、何の意図なのか掴みかねる感じです。
・・・


天空聖殿60層。再びエターニャ&プニィと遭遇。
何故かナマコがいるそうで(絵がありませんが、海水入りの水槽があるってこと?)、二人はそれを指でつつくのに夢中です。
エターニャ曰く、「わしらはナマコ的なモノを見るとつつかずにはいられぬ」そうで、これはその習性(?)を利用した大カレー神の卑劣な罠だそうです。
ププルもナマコつつきに誘われましたが辞退して先へ進みました。

ここでププルが(あの二人、なにしに来たんだろう……?)と思ってましたが、ププルを自分達より先へ行かせるためにわざとやってたんじゃという気がしなくもないです。招待されたのはププルだけなのに、プニィたちのワガママで余計な連中が付いて来て、こんなことになっちゃってるんですものね。これでププルが《うますぎ昇天カレー》を食べ損ねたら、友人としては悔やむに悔やみきれないってコトじゃないかな?


天空聖殿80層。いったん全員集合のエピソードです。
まずはエターニャ&プニィ組再登場。

ププル
もう少しってところかな

くぅちゃん
くー、くくー

ププル
ちょっと休憩する?

# 駆けてくる複数の足音

プニィ
ププル、久しぶりかも

ププル
ナマコの罠は抜けられたんだ?

エターニャ
それが……いていたら……
突然、ナマコから……。
ナ、ナマコが……!

ププル
な、なにがあったの!?

プニィ
# 厭そうに
白いのにゅるり……

ププル
ナニソレ……!?

ナマコには、身を守るため自ら内臓を放出するという生態があります。トカゲのしっぽ切りやイカの墨吐きと同じ。エターニャがそれを知らなかったらしいのが意外ですが、どんなに長生きしても知らないことは知らないか。

続いてギガディス&クリオラ組再登場。

# 駆けてくる足音

ギガディス
# 涙目
ププルー! くぅちゃん!
会いたかった! 会いたかったぞ!

クリオラ
あら、同じくらいのペースで
来ていたのかしら

ギガディス
くぅちゃ〜ん!

くぅちゃん
# 威嚇するように
ぐー、ぐー!

クリオラ
# 余裕ある声音で
あらあら、ギガディス様ったら。
くぅちゃんが嫌がっていますわ

くぅちゃん
ぐ、く?

ププル
え……どうしたの?
いつもならボクに突っかかってくるのに

クリオラ
人聞きの悪い言い方はやめてちょうだい
# うっとり
あれからずっと私とギガディス様の
今後の事を話し合っていただけよ
わたくし達の愛は深まったのよ……!

ギガディス
# 涙目
…………

エターニャ
(だからげっそりしているのか……)

クリオラ
そして決めたの!
私達が一番に最上階に辿り着いたら、
私とギガディス様の式を挙げるって!
まぁ、正式な式は
もっと素敵なギガディス様のお城で
盛大にやるんだけれど
一応ライバルのあなたに
勝った記念をしようかと思って
どうしてもと言うなら、
あなた達も参加させてあげても
構わなくってよ?

# ププルたち全員、関心なさげに

ププル
へぇ〜、おめでとー

エターニャ
ぱちぱちぱちぱち

くぅちゃん
くー

ギガディス
違うのだ……。
余は一番になって、
そなたにマリッジカレーを……

クリオラ
ププル、私はあなたより先に最上階へ行くわ!

ギガディスも年貢の納め時ですね(笑)。

最後にゼオが再登場。

# 駆け寄ってくる足音

ゼオ
盛り上がっているようだな

クリオラ
あら、遅かったわね。
最上階で私とギガディス様が式を挙げるの
不本意にも顔見知りに
なってしまったのもなにかの縁。
呼んであげなくもないわよ?

ゼオ
ああ、勝手にやってくれ。
正直に言うが、まったく興味ない

クリオラ
あら、そう

ププル
# 真顔で
ねぇ、頭大丈夫?

エターニャ
# 愉快そうに
ついに心配されるようになったか

ゼオ
違う!

ププル
大カレー神サマのトラップに引っかかって、
頭の上にかなダライが落ちてきたんだよ

エターニャ
# 満面笑顔
金ダライだと!?
また古いコントをしておったのか?
倒れる柱といい、安定のベタベタだな!

ゼオ
余計な事を話すな!

プニィ
いたいのいたいのとんでけー

ゼオ
やめんかっ

普段、苛めの集中砲火を受けている彼ですが、今回はププルとプニィから頭(笑)をいたわって(?)もらっています。ある意味、愛されてるってことかもしれません。こんな調子じゃ、そのうちストレスでハゲそうですけども。(『キャラ劇 コウモリ傘』でのリーリカの見立てによれば、ゼオの家系にはハゲている人がいて、彼もハゲることを恐れているに違いないそうです。正否は不明。)


この後は雑談が続きます。
最上階を目前に全員揃ってしまった(実際は、ここは80層でゴールは256層なんだけど…)、ゴールまで一緒に行くか、いややっぱり競争だ、って話が一つ。

で、相変わらず「俺の目的は大カレー神の魔力のみ」と言い切るゼオを横目に、ププルが(こんな失礼な人なのに、よく大カレー神サマ怒らなかったなぁ)(誰かと話すの久しぶりなのかなぁ?)と思う話が一つ。
怒ってたと思うよ、タライ落としたくらいだし。

更にププルが、勇者さん達はどうして来なかったのかと尋ねる。「雲が定員オーバーしたから、平和的に話し合って辞退してもらったのよ」とクリオラ。ギガディスとゼオがそれぞれ(平和的話し合い……?)(『平和』ってなんだったかな……)と内心で突っ込み。ププルは表面では「……ふ〜ん、そうだったんだ」と無難に頷きつつ、内心で(クリオラにムチャクチャ言われたんだろうなぁ、勇者さん達。なんでライスがいないのよ、とか)と見抜いてました。
ププルってクリオラと思考回路が同系なんですね。私には、ライスがいないとかいう話が口撃材料になるなんて思いもつかないです。つまり、ププルも普段からそう思ってたってコトになりますもの。

最後に、クリオラが「なんか磯臭くない……?」と不審がってプニィとエターニャが微妙な空気を漂わせる間があり。

これら雑談が済むと、プニィがいきなり「よーい、どん」と唱えて一人で抜け駆けしていきます。相変わらず小狡いお子様です。ペアを組んでたはずのエターニャすら置いてけぼり。追ってププル、クリオラ、ゼオ、ギガディス、エターニャの順で駆けて行って、ここでのエピソードは終わりです。


天空聖殿256層。
理不尽な強制終了の嵐を越えてようやく辿り着いた最終イベントです。
戦闘はすぐには始まらず、かなり長いイベントデモが始まります。

そこには、肌色の象頭人身のおっさんが待っていました。表情と服装と小道具は七福神の大黒(大国主)様風。即ち、笑みの福相で白い狩衣に頭巾、大きな福袋を背負い、右手には小槌の代わりにカレーボート。頭のてっぺんには、カレー神と同じように皿に盛ったカレーが載っています。やっぱり、どんなに動いても落ちません。背後には何故か「CURRY」のネオンサインを背負って(光背?)、浮遊する積み米俵の上にあぐらをかいています。

画像引用:『〜聖魔導物語〜』(PSV)

一番に到着したのはププル。間を置かずにプニィ、次いでエターニャがゴールでした。他の面々は未だ影も形も見せず。

大カレー神を見るなり、エターニャは激しくなじり始めます。

貴様が大カレー神か!?
なんだ、あのふざけた呪いは!
何故カレー好きの探求者を
絶望させる呪いを仕込んだのだ!

すると大カレー神は平然としたまま言ったのです。

あれは呪いではないカレー

あれは魔導カレーを食べた副作用カレー
考えてみるカレー。
突然、究極の魔力を手に入れるのだ、
感覚が麻痺してしまう事もあるカレー
だが、汝が言ったように、
カレーを愛し、魔導カレーを食べたのに、
一生カレーの味がわからないのは
まさに呪いカレー。
それではあまりにも可哀想カレー
だから私に会いに来れば、
治す事にしていたカレー
魔導カレーを作った者には、
全員招待状を送ったカレー。
お前にも送ったはずカレー?

そう言われると心当たりがあったエターニャ。
呪われたと知って自暴自棄になっていた頃、妙な手紙が届きましたが、どうせダイレクトメールだと思って、腹立ちまぎれにビリビリに破いたうえ究極の魔力で跡形もなく消し去ってやったというのです。

ふっ、ふふふふふ……。今までの苦労は一体なんだったのだ? あー……」と脱力するエターニャ。「自業自得かも」と冷酷に切り捨てるロリ電波巫女様。

ププル
大カレー神サマ、これからは招待状に
『副作用治します』って
ちゃんと書かなきゃダメだよ?

大カレー神
うっかりしていたカレー。
次からはそうするカレー

エターニャ
うっかりって……

プニィ
# 笑顔
大カレー神さま、おちゃめかも

…………。
個人的感想として、魔導カレーの呪いがカレー限定味覚障害だと判って盛り下がり感がありましたが、ここで更に盛り下がりです。
そりゃ確かに今まで散々、プニィが大カレー神さまは悪くない、呪ったりするはずないと言い続けていましたよ。でもね。《病気の子供はいなかったんだ。よかった!》って単純に思える人間ばっかじゃないってことですよ。
どこまでしょぼくなるの、この話。


自業自得と切り捨てられ、徒労感に暮れるエターニャ。すると、大カレー神が「安心するカレー。今ここで汝の呪いを解くカレー」と言ってくれました。
同じく魔導カレーを食べた者であるくぅちゃんと並ばせて、解呪の呪文を唱えてくれます。

ユー・ワンモア・サンタク
マイウーレーカー・サイターベナ。
ヨゥッ!

「あなた、もう一度うまいカレーを沢山食べなさい」か。
この「マイウーレーカー・サイターベナ」というフレーズは、戦闘中の特殊攻撃(ゴッドタックル)のボイスとしても使われてましたね。

やっと解呪されてスッキリ大感激のエターニャ。
ところが、またまた大カレー神は言うのです。

大カレー神
いや、汝はあまりにも永い時間、
副作用の効果を受け続けてきたカレー
しっかり解けるまで、
しばらくかかるかもしれないカレー

ププル
しばらくって、どれくらい?

大カレー神
# 声のみで「うぬぬぬぬ……」と唸ってから
……10年くらいは見た方がいいカレー

エターニャ
# 険しい顔で
10年だと?
# 微笑んで
はは、なんだ、その程度か。
あっという間ではないか!

前に述べた通り、この奇妙な解呪遅延の設定は、今後エターニャをププル(くぅちゃん)の傍から離さないための方便なんでしょう。


それから大カレー神は、みんなで《うますぎ昇天カレー》を食べながら語り合おうと誘ってくれました。競争で一番になった者だけにというのは嘘だったようです。無為に競わせて面白がっていたわけで、意地が悪いという見方もできますが、ププルたちは気前がよいと受け取った模様。

上機嫌のププルは言いました。

ププル
そんなにおいしいカレーなら、
田舎のお母さんやおばあちゃんにも
食べさせてあげたいなぁ……

大カレー神
汝の家族は皆、カレーが好きカレー?

ププル
うん!
みんな大好きだよ!
あ、でもお母さんが作ったシチューも
大好きだよ!
とってもおいしいんだ!

ここから、急展開です。
大カレー神の態度が無茶な理由で一変します。

大カレー神
何故カレーにしないカレー……

ププル
え?

大カレー神
何故そこにルーを入れて、
カレーにしないんだカレー!?
魔導カレーを作ったくせに、
他の食べ物を褒めるとは
どういうことカレー!?

ププル
ええ!?
だってカレーはカレー、
シチューはシチューだよ?
どっちもおいしいよ!

大カレー神
認めないカレー!
これは全カレーへの裏切りカレー!!

ププル
心狭っ

大カレー神
先程の発言を撤回し、
カレーに謝罪するカレー!
世界で一番素晴らしいものはカレーだと、
カレーしかないと言い直すカレー!!

ププル
# ムッとして
確かに一番好きなのはカレーだけど、
シチューもグラタンもパスタも
ハンバーグもオムライスもおいしいもん!!
カレー以外にも
おいしい物はたくさんあるんだから!

大カレー神
な……ななな、なんという侮辱!
もう許さないカレー!
お仕置きカレェェェェェェェッ!!

エターニャ
おい、誰か大カレー神は
寛大みたいなこと言ってなかったか?

プニィ
そ、それとこれとは別かも!

で、大カレー神との戦闘に突入。
イベントが長いから、もう戦闘があることを忘れかけちゃってましたよ(笑)。

カレー神の時と同じように、ここまで登ってこれたプレイヤーならば、何回か殴れば勝利できることと思います。
無論、ここまで来て戦闘敗北でやり直しなんて絶望でしかないので、それでいいです。強制終了に怯えながら256層ぶん続く単調作業には精神を削られます。

それはそうと、大カレー神が「ルーを入れて、カレーに」と言ってます。ふむ。彼にとってのカレーってのは、欧風もしくは日本風のカレーなんですね。
この世界のカレーは日本風カレーが基準かな。
《どこでもカレー》で作るメニューにはグリーンカレーも入ってましたけど。


戦闘勝利でイベント後半へ。

プニィ
# 眉根寄せて
大カレー神さま、おとなげないかも……

大カレー神
反省しているカレー……。
他の食べ物のことで暴れるとは……
最近魔導カレーを作る者が少なくて、
さみしかったカレー。
ついはしゃいでしまったカレー……

殊勝なことを言っていますが、大カレー神のキャラ絵は《笑顔》の一枚しかないため、謝罪しながらもずっとニコニコ。イマイチ反省しているように見えないという(苦笑)。

つーか、昔は魔導カレーを作る人って多かったのか〜。
究極の魔力持ちがうじゃうじゃしてた時代があったのかなぁ?


さて。ここでようやっとギガディス達が到着。
こんなに遅くなるなんて、どこで何してたんでしょう?
クリオラとゼオが無礼発言をしてた点を考慮するに、大カレー神の作為を感じないでもないですね(笑)。

# 駆けこんでくる足音

ギガディス
先程まで凄い音がしていたが

エターニャ
ププルが大カレー神を倒したのだ。
いや、お仕置きかな

ギガディス
な、なんと……!
# 涙目
なんと羨ましいぃっ!

ゼオ
小娘、貴様……!
究極の魔力を狙っていたのか!?

ププル
# 怒り冷めやらぬ様子で
だって大カレー神サマ、
カレー以外認めないって言うんだもん

ゼオ
# 汗タラ
……は?

ププル
だからそれはおかしいよね、
他にもおいしい食べ物たくさんあるよね、
ってなったんだよ

ププル、正直、ギガディスにくぅちゃんを踏まれたときより怒っている(笑)。


大カレー神は繰り返して謝罪し(笑顔で)、お詫びにププルの願い事を一つだけ叶えると言いました。「くれぐれも常識の範囲内で頼むカレー」と付け足して。

こういう状況になると、周囲の面々が我先に自分勝手な願いを口に出すかなと思いきや。言ったのはギガディスだけ。「で、では、余とププルの円満な家庭を……!」と勢い込んで、くぅちゃんの飛び蹴りにすっ飛ばされる。
大好きなくぅちゃんに蹴られて大満足じゃないですかね。

ギガディスの原型であるサタンは、どちらかと言えば人の願いを叶える方の立場でした。でもギガディスにはそんな力はないってこと?

さて。
ププルは何を願うのか。

ププル
# 笑って
そうだ! 大カレー神サマ!
遠くに行っちゃったお父さんに、
ボクは元気でやってるって伝えて!

大カレー神
おやすい御用カレー!

エターニャ
# 暗い顔で
大カレー神、死者に伝言を届けられるのか?

ププル
え? 死者?
お父さん、生きてるよ

エターニャ
え!?
し、しかし……以前……

ププル
あれ? 言ってなかったっけ?
ボクのお父さん、ボクが小さい頃に
お仕事で離れて暮らすことになっちゃって
それからなかなか会えないんだ。
世界中を旅してるみたいだから
全然連絡取れないし
ボクも魔導学園に入るために
家を出て来ちゃったから余計にね
もうずっと会えてないから、
この機会にメッセージを送れたらなーって

エターニャ
ま、まぎらわしい言い方しおって……!

プニィ
かんちがいのはじはじ電波

エターニャ
# 怒りギャグ顔
ええい! 勝手にわしから受信するな!

これまで、ププルが《幼き日の父との思い出》《今は会えない父への思い》を、しんみりした様子で語るエピソードは、本編でも『キャラ劇』でも執拗なまでに繰り返されてきました。また、ププルの原型たるアルルに同様の設定があります。ですから、ほぼ全てのプレイヤーが、ププルは小さい頃にお父さんと死に別れたんだと理解していたことでしょう。
それが、本編終了後のオマケ(余章)の最後の最後になって、このオチです。

この物語では他にも、シリアスな設定だと見せておいて「大したことじゃありませんでした」とひっくり返す展開が繰り返されてきました。
先に述べましたが、誰もが《病気の子供はいなかったんだ、よかった!》と喜べるほど素直ではありません。
今までの《ひっくり返し》の連続にあまりいい印象を抱いていなかったのに加え、とどめにこれが来て、私は正直、ちょっと腹が立ってしまいました。ストーリー感想の冒頭に書いた「余章をクリアしたら、「はァ?(怒)」と思ってしまった」というのは、このことです。

しかし、お父さんが生きてピンピンしているというのなら、先程《うますぎ昇天カレー》を家族にも食べさせたいと語ったとき、どうして「田舎のお母さんやおばあちゃんにも」としか言わず、お父さんの名を挙げなかったんでしょうね。重度のファザコンらしいのに。


エターニャ(と同じ勘違いをしていたプレイヤー)の道化ぶりが愉快だったのか、「こんなに楽しい時を過ごすのは久しぶりカレー!」と大笑いしやがる大カレー神。満を持して《うますぎ昇天カレー》を召喚します。前に書いたとおり、ゼオが闇の力を集めた時と同じ効果音です。まがまがしぃー。
絵はやっぱりありません。きっと、心の美しい人にしか見えないカレーなのでしょう。

それから、ギガディス×クリオラ、ゼオ×ププル的な(?)会話がちょっと。
まずはギガディス×クリオラ。

大カレー神
さぁ、みんなで食べるカレー!

クリオラ
# 哀しげ
私達結局登って来ただけなのに……
いいのかしら?
式も挙げられそうにないし……

ギガディス
大カレー神本人がそう言っているのだ。
お言葉に甘えようではないか

クリオラ
# ハート目
は、はひ! そうですわね!
結婚式はギガディス様のお城で
盛大にすればいいですものね!

ギガディス
# 汗タラ
そ、それよりも今はもてなしを堪能しよう!

クリオラ
はい!

クリオラを拒みきれないギガディス(笑)。結婚話は着々と具体化しているようです。

それから、ゼオ×ププル(?)。

ゼオ
こんなところまで来て、
得た物は一杯のカレーか……

ププル
あれ?
なんだ、キミも食べるの?

ゼオ
こんなことに付き合わされた
迷惑料代わりに喰ってやる

くぅちゃん
# 不服げに
ぐー! ぐっぐー!!

プニィ
勝手についてきたくせに、
えらそうかも……

ププル
# ムッとした様子で
大カレー神サマー!
この人、ちょっと前まで
カレーをバカにしてました―!

ゼオ
だぁぁぁぁぁっ!?
言わんでいい! 言わんでいい!

相変わらず、ププルはゼオ苛めの手を緩めない。《お人好しなほど優しい》のなら、「そんなこと言って、ホントはキミ、カレーが好きなんでしょ」とか「まあまあ。みんなで一緒に食べると、もっと美味しいよ」くらい中和してあげてもいいのに。「なんだ、キミも食べるの?」なんていやに突っかかった物言いするし、良くも悪くも気になる子を苛めちゃう小学生か。

そもそも、ゼオはカレーを馬鹿にしたことありません。「カレーなんぞに興味はないが」と言っただけで、魔力とカレー(食べ物)を引き比べれば彼にとって重要なのは魔力の方だって話でした。スマイルカレーで普通に食べてましたし、度を超えて好きなわけじゃないってだけなんだと思う。食べ物としての評価はそれこそ「シチューもグラタンもパスタもハンバーグもオムライスもおいしいもん!!」ってコトじゃないんでしょうか。なのに、一体いつまでそれをネタに。ププル執念深いなっ。

これを見ていると、カレー以外の料理を褒めたからって暴れた大カレー神を怒る資格は、ププルにはないんじゃないかと思えてきます。出発時にも、《うますぎ昇天カレー》もいただくぞ宣言をしたゼオに「なんだよー! カレーなんてどうでもいいって言ってたくせにぃ〜! ヘンタイさんにだけは絶ッ対負けないんだから!!」と怒ってましたっけ。でも、カレー至上主義の人間以外は美味しいカレーを食べちゃいけないなんて、了見狭いと思います。

まあ、ここでププルが大カレー神に告げ口しようとした理由の半分は、プニィが言う通り《偉そうでムカついた》ってコトなんでしょうけど…。

で。もう一個気になったのは「この人、ちょっと前までカレーをバカにしてました」と言ってること。
ってことは、前はカレーを馬鹿にしてたけど今は違うとププルは思ってるってことですよ。どんな根拠なんだろ。前日のカレーパーティーで美味しそうに食べてたからとかかな?


ゼオは大カレー神を倒して魔力を奪う目的だったのに、結局何もしませんでした。一番で上がれなかったから? 自分で勝手に決めたルールだったのに真面目ですね。それにププルに告げ口されかけて大慌てで止めたのも不思議です。元々戦う気だったのですから、大カレー神が暴れたらむしろ好都合なはず。
思うに、もうすっかり《うますぎ昇天カレー》を食べる気分になってたから? 「えらそう」な態度でしたが、本当はさあ食べるぞとうきうきしてたのかも。お腹減ってたのかもしれませんね。


さて。シナリオもいよいよ最後です。

# 画面暗転
# うなだれているエターニャ単体表示


エターニャ
はぁ……
(こんなに簡単に済むことだったのに、
 己の失態でわしはずいぶんと永いこと
 踊らされていたようだ……)

プニィ
どうして食べない

ププル
とってもおいしいよ!

くぅちゃん
くー!

エターニャ
# 顔上げる
ああ、そうだな
…………
# 微笑んで
……うまい

ププル
# 満面笑顔
でしょー?

エターニャ
(もしかしたら、わしは……)
(この者達と共に、
 このカレーを食べるために
 今まで生きてきたのかもしれない)
(そのように考えてやっても良いか!)

本編ラストの最初の締めと同系で、ププル、プニィ、エターニャの友情に持ち込んでの結末。何故か視点がエターニャに行っちゃってて、ラグナス視点で終わってたSS版『魔導物語』を思い出しました。個人的には、あくまでププル視点でまとめてほしかったかなぁ。


・・・
以上でストーリーは全て終わりです。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。


『わくぷよ』では最初のEDでも真ED(アルティメットタワークリア)でもどちらもスタッフロールが流れる仕様で、てっきりこのゲームでもそうなると思い込んでいたので、イベントが終わるとボス戦BGMの鳴り響くガランとした256層フロアに放り出されて、半端なく動揺しました。
なにこれ?
余韻をもたらす演出は一切ありません。
奥の宝箱を開けると「天空を極めたで証」が入っていますが、アイテムとしては全く役に立ちません。せいぜいアイテム図鑑コンプリートに必要なだけ。この賞状、アイテム図鑑で見ても専用絵すらないしょぼさです。

なんだろう…なんだろう、このどうしようもない盛り下がり感……。


天空聖殿初回クリア時の私の成績は↓でした。

画像引用:『〜聖魔導物語〜』(PSV)

おしまい。

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