ポチッとにゃ〜

製作/アイキ 発売・移植作業/AC版〜タイトー、エイブル、ビスコ PS2版〜バンダイ(03/12/19〜04/10/28)
AC/PS2

ポチッとにゃ~

 現在『ぷよぷよ』の開発権利・キャラクター版権を所持するセガが、コンパイルに『ぷよ』の開発の許可をしなくなったため、コンパイルはセガと袂を分かち、新たにタイトーと提携した。そして、『ぷよ』に代わるコンパイルの代表ゲームとして発表されたのが『ポチッとにゃ〜』である。

 だが、02年の8月に「9月にNAOMI基盤で稼動する」と言っていたものが延期に次ぐ延期、03年の頭にはコンパイルが解散の意向を示してその営業権を有限会社アイキに譲渡、MVS基盤に移植(変更)されていたことが明らかになり、その移植作業の関係で関連企業がタイトーの他にエイブル、ビスコと増えた。結局、当初の予定から一年以上経過した03年12月、ようやく稼動にこぎつけた。

 最初の製作発表から一年以上の年月が経過したため、コンパイル時代から稼動を待っていたユーザーの間には苛立ちと諦めムードが漂っていたのだが、アイキ自体にもこの状況はいかんともしがたかったのか、正確な稼動予定日すらユーザーには知らせないというのに、未だ世に出てすらいなかったこのゲームのキャラクター人気投票だのミニドラマだのを公式サイトで断続的に展開しては「祭りだ、祭りだ」と盛り上げようと空騒ぎを続けていて、なんだか悲しく感じたものだった。

 

 『ぷよ』とはまた違う落ちものゲームで、落ちてくる同じ色のブロックをなるべく長くでこぼこに繋げ、任意で”消す”ことにより、相手フィールドにお邪魔ブロックを落として攻撃する。繋げたブロックの分岐の数が多く、分岐の位置が発火点から遠いほど高い得点が得られる。

◆ストーリー

 アルルたちの活躍した時代から1000年後……。
 天界には様々な神様たちが住んでいますが、中でも、犬神ポチッと猫神にゃ〜はみんなのアイドルです。彼らはライバル意識を燃やし、1000年ごとに、そのミレニアム中どちらが天界のアイドルとして君臨するか、ポチッとにゃ〜祭なる勝負を行って決定していました。

 プリムは13歳の魔導師のタマゴの女の子です。猫神にゃ〜に”かぼちゃプリン”で買収された彼女は、にゃ〜陣営の選手としてポチッとにゃ〜祭に参加することになったのですが……。

 

 AC版は稼動店舗が少なく、ごく一部のユーザーの目にしか触れることはなかった。PS2版が発売され、家庭で遊べるようになったのは、最初の発表から実に二年以上経過してのことだった。

 このゲーム、キャラクターは非常に可愛らしく、オープニングデモは童話風の演出がなされている。しかし、実際にプレイしてみると難易度がかなり高く設定されており、一番低い難易度に設定してさえ、低年齢層が楽しく遊ぶには相当厳しいように感じる。

 どうも、メーカー側は対戦やインターネットランキングにしのぎを削るような、パズルが得意でやり込み型のコアユーザーを中心に見ている感があり、なのに体裁はライトユーザー向けになっているという、バランスの奇妙さが生じている。欲張った結果なのか、何も考えずに『ぷよ』のユーザーが当然引き継げると思っていたからなのか……。

 

 ストーリー・キャラクターに関しては、魔導・ぷよのオマージュが出発点になっていて、発表当初は全体に”どこかで見たような”モチーフばかりだった。

 もっとも、最初に発表されてからAC版が稼動するまで一年半近く、更に家庭機種版発売までには二年が経過したため、キャラクターの印象は当初発表されたものからかなり変化し、PS2版では独自な様相になっていたと言える。

>>キャラクター設定

 とはいえ、実際に発売されたゲームではこれらの設定はあまり生かされておらず、説明も殆どされず、取説にキャラクター紹介すら載っていない。コンパイル〜アイキのマニアしか設定を把握できない状態になっている。

 

 このゲームの世界設定は、”『魔導物語』の1000年後”である。”1000年”には特に意味はないのか。それとも、真魔導設定で”『ぷよ』の世界は『魔導物語』から1000年後”とされていたのに由来しているのだろうか?

 しかし、天界から神々がお気楽な理由で降りてくる様子は、創造主サタンに管理された箱庭世界にはそぐわない。思うに、真魔導設定とは無関係な、また別の流れの「魔導物語の続編」だったのだろう。

 ちなみに、公式サイトに掲載された『どっちに分岐? 劇場』を参照するに、プリムたちのいるのはアルルたちの住んでいたところの隣の大陸であるようだ。

 『コンパイルクラブ』に掲載された情報には、いずれ「過去と未来がリンクする」とあり、キャラ版権の問題がクリアできたら再びアルルたちを登場させたいという構想があったらしく思われる。(もしくは、プリム主役の『魔導』用に、闇の剣と闇の魔導師関連のエピソードを用意していたようなので、そのことを指していたのか。)

 恐らく、今後この世界・キャラの活躍するRPGが新しい『魔導物語』として売り出されるのだろうと予想されていたが、実際に04年9月、アイキ公式サイトやメルマガで、プリム主役の『魔導物語』の構想があったことが明らかにされた。しかし、どうやらそれは構想のみに終わったようである。

ポチッとにゃ〜Webミニゲーム

製作/コンパイル、アイキ(02/10頃〜)
Flash他?

 コンパイルとアイキの公式サイトでは、『ポチッとにゃ〜』の正式稼動前から、幾度も「前夜祭」だの季節ごとの祭りだののイベントを行ってきた。その際、複数のミニゲームが公開されている。

 これらのゲームは参加登録制であり、登録者以外にはどんなゲームなのかは分からない。しかも、イベントの期間中のみの公開だ。

 私は一度も登録したことはないので、これらのミニゲームを遊んだことはないし、記録もしてこなかった。よって、実はここで語れることは何もないのだが、一応、そういったものがあったということは、自分の覚えている限りにおいて記録しておくことにする。

 

リヴのFlash(正式名称忘却)

 Flashで製作されたもので、アクセスするとリヴが様々なメッセージを表示してくるというもの。コンパイル晩期、03年10月頃の「ポチにゃ〜前夜祭」で公開され、これは無登録で遊べた。
 ゲームというほどではないが、一定アクセスが溜まると任意でビームが放てる、というゲーム的要素があった。

ジュラード大捜査線

 アイキ公式サイト、03年「春のポチにゃ〜まつり」で公開されたもの。
 パラディススの依頼で、ジュラードを探して「冥界新聞」を届ける、というゲームだったようだ。

ポチにゃ〜のかくれんぼ

 アイキ公式サイト、03年「春のポチにゃ〜まつり」で公開されたもの。『ジュラード大捜査線』の試作品だったとのこと。
 隠れているポチッやにゃ〜を探し出して ちやほやする、という内容。

パンプキーたたき

 アイキ公式サイト、「Xmas祭2003」で公開されたもの。
 プリムの"かぼちゃプリン専用カボチャ畑"がパンプキーに荒らされたため、パンプキーを退治する、というような内容だったらしい。

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