『〜聖魔導物語〜』感想文 2/17

◆システム・仕様

良いと思った点

  • イベントのテキストを遡って読める
    イベントデモをスキップ(早送り)できるだけでなく、一時停止したり、(そのイベント内なら)過去ログ閲覧できる。
    ゲームテキストは読み返しが不自由な点がネックなので、非常に親切だと思いましたし、便利に使わせていただきました。
  • メッセージウインドウのテキストを遡って読める
    戦闘中の「ププルは●●に▲のダメージ! ププルは●●を倒した!」みたいなテキストは、狭いメッセージウインドウを高速で流れて行くのでなかなか読むことができません。特にカレーを食べた時のメッセージは、膨大なテキストがガーッと流れて行くのでとても読めない。何の能力値が上がったのか、どんな特典効果があったのか、全然把握できない。
    最初は、読めないよー、不親切だよ―と思ってたんですけど、そのうちSTARTボタンを押すと過去ログが読めることに気付いてひと安心。便利に使わせていただきました。
  • 画面タップでアイテムメニューを直接開ける
    通常操作だと、まずメインメニュー画面を開いてからアイテムメニューを選択しなければなりません。メンドクサイです。なにしろ、アイテムを捨てるか使うか食わせるか、そればかり腐心し続けなければならないゴミ処理作業ゲームですもの。

    「メニュー開く→アイテムメニュー選択→アイテムメニュー開く→アイテム選択する」を何百回と繰り返し続けるのは結構なストレスなので、一発でアイテムメニューが開けるのはとても助かりました。

    尤も、アイテムメニューを直接開くショートカットは、15年前の旧魔導キャラによるローグ風ゲーム『わくわくぷよぷよダンジョン』にすら普通にある機能なのですから、ない方が変かもしれません。
  • 作れるカレーの絵が美味しそうで、メニューが豊富
    美味しそうな色んなカレーが作れて、とっても楽しかったです。

    ただ、出来るカレーの性能が、メニューによってあからさまに違いすぎるのはどうかと思いました。どうしても、まったく作らなくなるカレーが出てきてしまいます。作る手間はどれも変わらないのに数十ターンで(特典効果含め)効果終了が決まり切っているなんて、無価値にもほどがある。結果、無価値カレーの食材はゴミに。拾った端からくぅちゃんというゴミ箱に捨てねばならず、面倒ったらない。
    カレー効果の持続時間は、メニューではなく、別の要素で決定される方がよかったんじゃないかなー。もしくは、持続効果の低いカレーは食材二つだけで作れる利点があるとか。

    それと、食材の種類が多いのは楽しいけれど、ライスやスパイスの数種類あるどれを使っても効果が変わらないってのも無意味だと思いました。たとえばライスの種類(大盛りか小盛りかモチモチしてるか)が持続時間に、スパイス(漢方薬)の種類が特典効果に影響を及ぼし、メイン食材はメニューを決定して、点数がカレー効果の大小そのものに影響するとか、そういう何かがあってもよかった気もします。

    低点数時の「予想外カレー」は、飽きを回避してくれて楽しかったですが、点数が低いままなのはどうかな―とも思いました。0点のカレーが普通と変わらない効果って、なんか納得できない…。それより高得点でも「残念なカレー」になるのに。
    予想外になった時点でもう一度乱数振って点数決め直す(低点数は除外)とか、「採点不能」と表示するのでは駄目だったんでしょうか。

    あるいは、「予想外」時のみに出現する裏メニューがあっても楽しかったろうなと思います。シナリオに出てくるスターライトカレーとか、らっきょを煮込んだ創作カレー(食べるとヘンな効果が出る)とか、偶然が生んだ一期一会カレー(驚くほど良い効果)とかなんとか。夢は広がりますね。

    悪い効果のカレーは「残念なカレー」一種類しかありませんでしたが、『わくぷよ決定盤』の「激マズカレー」「激辛カレー」「くされカレー」のように数種類あっても良かったと思います。作るのに失敗したカレーと時間が経って腐ったカレーが同じっていうのは、なんか納得できない感じでした。
  • マップを塗りつぶすのが楽しかった
    個人的に、魔導物語シリーズで好きなのがフロア探索してマップを塗りつぶしていくことだったので、今作でもそれができて嬉しかったです。

不満を感じた点

  • ゲーム起動までに手間がかかり過ぎて煩わしい
    アプリ選択→「はじめる」を選択→タイトル画面表示→「ネットワーク機能が無効になりました」と表示され、WEB接続が切断される→Vitaのロード画面→コンパイルハートのアニメーションロゴ→ゼロディブのロゴ→CRI WAREのロゴ→無断配信禁止の注意書き→ オープニングデモ→タイトル画面表示→セーブデータ選択→「ロードしました」と出てOKボタンをタップ→Vitaのロード画面→「PlayStation ® Networkに接続中です」と表示され、WEBに接続される→中断データの場合、再びロード画面→ゲーム開始

    長いわ!(怒)
    Vitaのゲームは大体こんな感じではありますが、『聖魔導』は、より多くボタンを押したり待ったりせねばならないように感じました。

    多くのゲームでもそうではあるんですけど、OPデモを毎回 無理矢理見せようとしなくていいのに。タイトル画面を放置してれば自動で流れだすんですから、それだけでいいじゃないですか。
    特に『聖魔導』では、メーカーロゴと合わせてキャンセルボタンを毎度四回押さねばならず。

    また、最初にネットワーク接続を切断するのは他ゲームでも同じですが、『聖魔導』はセーブデータ読み込み時にまた接続する。これは何なのでしょう? 結局つなぐのなら最初に切る必要ないじゃないですか。それに、ここで接続が確立しなくても何不自由なく遊べる。つまり不必要だと思うんですが、毎回無駄に切ったり繋いだりで、そのぶんロード画面が出て待たされるとゆー。

    それから、Vitaのシステムアップデートがある場合、(延々とボタンを押して、待って、やっと辿り着いた)セーブデータの読み込み後にアップデートを要求され、頭からゲームソフトの起動をやり直さねばならなくなるのにも閉口しました。今までの作業、全部 御破算ですか、と。
    アップデートの不要必要の判別は、最初に「はじめる」を選択した時か、せめてタイトル画面表示時に行ってほしいものです。
  • アイテムメニューをキャンセルすると、メインメニューに戻る仕様
    せっかく指タップ一発でアイテムメニューを開けても、そこから一発で通常画面に戻る方法がありません。
    「アイテム選択・使用終了→キャンセル→メインメニュー→キャンセル→通常画面」と、常にキャンセルボタンを二回押さねばなりません。メンドクサイです。
    どうせなら、アイテムメニュー画面をタップすると一発で通常画面に戻れるようにしておいてほしかったです。
    15年前の『わくぷよ』だと一発で通常画面に戻れたんだけどなー。
  • カレーを作る時、微妙な条件の差で「ここでは作れない」となる仕様
    くぅちゃんが隣にいただけで拒絶。
    そもそも自動的にくぅちゃんがくっついてくる仕様なのに、何の嫌がらせか。しかも、くぅちゃんをどうどかせばいいのか、ガイドもない。

    カレーを作る時は常に、
    「メインメニュー開く→カレー作りを選択→拒絶される→場所を変える→メインメニュー開く→カレー作りを選択→拒絶される→場所は変えずにププルの方向変える→メインメニューを開く→カレー作りを選択→OK出る」
    …などなど、アレコレ試して繰り返さねばならず、苛々し通しでした。

    カレー作りに必要なスペースの範囲が表示されるとか、何より、くぅちゃんは自主的に範囲から退避する仕様にするとか、そういう配慮がほしかったです。これは本当に不親切だと思います。
  • ダッシュ機能がお粗末
    デフォルトではのろのろ歩行の操作キャラを、高速で走らせることのできるダッシュ機能。RPGではおなじみのもので、15年前の『わくぷよ』にも搭載されていました。『聖魔導』にも勿論ありますが、これが、非常に使いづらかったです。

    『わくぷよ』のダッシュは、特定のボタンを押しながら移動すると走り、ボタンから指を離すと歩行に戻るのがデフォルト。一度ダッシュするとボタンから指を離しても壁にぶつかるまで走り続けるようにもできますが、設定で「ダッシュ停止」をOFFにする必要があります。
    対して『聖魔導』は、一度ダッシュさせると、ボタンから指を離しても壁にぶつかるまで走り続けるのがデフォルト。それ以外の設定に変更することができません。これしかないのです。

    これがもう、本当の本当に不便で、苛々し通しでした。

    一応、分岐点があったり、床にアイテムや魔法陣があったり、魔物がいたりすれば止まる仕様になっています。狭く長い通路を端から端まで駆け抜けたいときには便利です。しかし、部屋を探索したいときにはこの上なく不便! ダッシュ移動中にアイテムや宝箱、出入り口を見つけても、止まることができない。部屋の端までいって壁にぶつかってから、のろのろ歩いて戻ってこなければならない。(ダッシュを使うと、直線位置が1マス以上ずれていた場合、再び通り過ぎてしまうから。)
    また、分岐点等で止まる機能も便利なようで不可解な点が多く、何もないところでふっと止まったり、止まると思ったところで止まらなかったり。

    操作キャラを思い通りに動かせず、手足を縛られたような感覚で、不便で不便でなりませんでした。15年前の(現代から見て)低スペックゲームで出来ていたことができないなんて。こんな手の抜き方は感心しません。

    ついでに。オプションにあるのが「ゲーム速度」の調整のみで、ダッシュ速度だけを変更する項目がないのも不便でした。
  • ミニマップが見辛い
    画面左下にミニマップが表示され、プレイヤーの任意で不透明、半透明、非表示に切り替えができる。これは『わくぷよ』と似た仕様で、マップの色構成も似ています。
    しかし、とにかく見辛かったです。そもそも画面が小さいからですが、マップの色と、背景となる迷宮の色が被ることが多く、ゴチャついた背景の時など色が混じって何だか判らない。特に、部屋から通路に繋がる出入り口を示す部分が見辛く、それがあることに気づかず無為に迷宮を行き来してしまったことが多々ありました。

    異なる色構成パターンを何種か、あるいは単色背景や縁取りのあるパターンを用意して、プレイヤーが任意で選べるようにするなど、何か配慮しておいてほしかったです。

    ちなみに15年前の『わくぷよ』のミニマップは白く縁取りされていて、見易いよう工夫されていました。
  • メッセージウインドウがミニマップや合成メニューを覆い隠す
    メッセージウインドウは、戦闘やアイテム使用時に表示され、普段は消えているものです。ところがなかなか消えず、先に進みたいのにミニマップ下部が覆い隠されて見えにくかったり、合成メニュー下部が覆い隠されて読めないことが多々あり(合成後の効果や数字が確認できず、一度メニューをキャンセルしてやり直す羽目に)、苛々しました。

    テキストウインドウを消そうとボタンをあれこれガチャガチャ押しますが、なかなか消えてくれません。恣意では消せないっぽい。しばらく放置すると自然に消えるものの、待つのは鬱陶しい。

    これ、なんとかできなかったんでしょうか。作った方たちは気にならなかったのかなぁ?
  • アイテム拾得の拒否ができない
    アイテムの上を通ると自動的に「拾う」。欲しくないアイテムも拾わざるを得ない。
    部屋ならアイテムを踏まないようにすればいいだけですが、通路だと踏まざるを得ず、仕方なく拾って、アイテムメニューを開き、捨てる作業をしなければならない。だってすぐにアイテム欄がいっぱいになるんだもの。
    無価値カレーの食材なんていらない。特に竜の肉やブロックアイスはいらない。くぅちゃんに食べさせるとダメージになるし、敵に投げてもターン数を無駄にするだけの微ダメージだし、何の役にも立ちゃしない。

    拾う・アイテムメニュー開く・捨てる。拾う・アイテムメニュー開く・捨てる。拾う・・・

    もー、うんざりでした。

    きっと多くの人は何とも思わなかったことなんでしょうが、何かのボタンを押しながらアイテムを踏むと拾わずに通過できるとか、そういうシステムがあったら親切だったなと思いました。
  • 装備品以外の未鑑定アイテムが、使用しても鑑定済みにならない
    未鑑定の薬や巻物を使用すると、正式なアイテム名が判明する。なのに鑑定済み扱いにならず、次に同じものを拾っても未鑑定のままです。

    同じ未鑑定アイテムを複数持っていたならば、一つを使用してアイテム名が判明すれば、残りは鑑定済み状態でアイテム欄に記載されます。ところがそれらの消費後、再び同じアイテムを拾うと、またも未鑑定状態に戻っています。えぇ〜〜!?

    これは仕様なのかバグなのか。

    アイテムには使用すると一撃死しかねないものもある。決死の覚悟で未鑑定アイテムを使ったのに、無意味とは。

    街から持ち込んだアイテムと同じものを拾っても未鑑定状態なのも、なんだかなぁと思います。同じものをこの場に持ってるのに判別がつかないなんて、ププルはどんだけアホなんですか。
  • 魔導師が主人公なのに、魔法がオマケ扱い
    主人公のププルは魔導師の卵で、タイトルには堂々と《魔導物語》の文言がある。なのに《武器で殴る》のが基本で、魔法はオマケ的なスキルに過ぎず、そのうえ拳法、剣技、鑑定と同列扱いになっています。重視されていません。

    『わくぷよ』で好きだった要素に、実に沢山の術技が使えた点があります。アルルは魔導師になるという目標を明確に掲げ、その専門教育を自らの意思で受けてきた少女で、このゲームでは25種もの魔法を駆使することができました。魔導シリーズでも最大の魔法数です。それを使い分けるためのメニューもとても使い易くて、どの魔法で切り抜けるか、場面ごとに知恵を絞っては戦略を練ってゲームを進めたものです。

    しかし『聖魔導』では、覚えられるスキル30種のうち魔法扱いは16種だけ。しかも、実際に迷宮内で使えるスキルは、たったの8種。迷宮に入る前に特定の場所(マイルーム内の勉強机)でセットしておかねばならず、迷宮内で入れ替えることは不可能。なんてメンドクサイ。更に、スキル使用回数は一種につき1〜5回に固定されていて、回数の回復は、魔法陣やアイテムなど四つほど方法がありはしますが、結局運に頼る部分が大きい。通常的に使って戦略に組み入れることは困難です。

    そもそも、魔法でなければ切り抜けられないような場面がなく、使わ(え)なくても何一つ困りません。(装備品やアイテムで十分なうえ、アイテムがやたらと落ちている。)魔法の存在意義がなく、オマケに過ぎないものに落ちてしまっています。《魔導の物語》なのに。

    チュートリアルの迷宮で最初に入手する武器が《剣》で固定されているのも大いに疑問でした。《魔導師を養成する》学校の《卒業》試験なのに、ゲーム開始時点で、ププルは魔法が一つも使えない。そのうえ、盾を構え剣で殴るよう誘導される。
    文芸設定とシステムが根本的に噛み合っていない、気持ちの悪い状況だと思います。

    このゲームの戦闘系の仕様を作った方は、「ローグ風ゲームと言ったら装備を鍛えて殴るもの」「ゲームの武器と言えば剣、防具と言えば盾」というところに固執してしまったのでしょうか。
    このゲームはシステム先行ではなく、キャラクターありきのキャラゲーのはず。ローグ風システムになったのすら、過去の『わくぷよ』を踏襲してのことだと思うのに、キャラ設定を軽視して奇妙な状態にしてしまった。

    今改めて、魔導師のアルル、魔法剣士のシェゾ(専用武器持ち)、格闘家のルルー全員が共通して使える装備として「指輪」「お守り」を設定した『わくぷよ』スタッフの方々のセンスの高さに感服する思いです。キャラ設定視点で見て全く違和感がありませんでしたから。
    (念のため。魔導シリーズで最初に装備品の指輪を設定したのは『魔導物語 はなまる大幼稚園児』です。)

    もう一つ、『聖魔導』スタッフの方々が剣や盾に固執したのは、《着せ替え要素》に囚われていたからかなとも思いました。指輪やお守りだと外見に反映されませんものね。
    たしかに、装備を変えると外見が変わるのは楽しい。しかし個人的には、キャラ設定を損なうくらいなら、武器防具の着せ替え要素はいらなかったです。
    っていうか、武器は《杖》だけで十分じゃないですか。それだけでも着せ替え要素は楽しめるはずです。盾は魔導師にはあまり似合わないので、防具は髪飾りあたりにすれば無問題。あるいは指輪にしてアイテム図鑑でデザインの違いを確認できるようにしても良かったんじゃないかなー。
    防具の装備・非装備が一目で確認できねば戦闘時に困ると言うなら、G-MODE版『魔導物語』みたいに、指輪の装備状況を常にアイコン表示するとかの方法もありますし。

    何はともあれ、魔導師が主人公なのに魔法を重視しないのも、剣と盾を装備させるのも、色々なことを軽視されている感があって、かなり面白くなかったです。

    杖も用意はされていましたが、剣に比べて弱いから見劣りする。だってシステム的に殴るのが基本で、魔法なんてまず使わないんですもの。どうしても物理攻撃力主体で戦うことになる。だから多分、多くの人が剣(特に、便利な刻印の付いた「青い大太刀」あたり)を選択して鍛えていただろうと思う。そのように誘導されてしまう作りになっている。それもまた腹立たしかったです。《魔導師の卵》というププルの設定を何だと思っているのかと。

    憎らしかったので私は杖を鍛えましたが、どうせならキャラクターイラストでププルが持っている花の帯のような杖を持たせたい。画面の小さな絵で見るに、どうも「コーラルロッド」がそれっぽいのですが、何の説明も特別性もない。しかも五つのスロット全てに最初から刻印が入っている仕様で、自分好みの杖に育てられないという。
    既に刻まれた刻印を消すアイテムかサービスが欲しかったなぁ。

    花帯の杖は、卒業のお祝いの一つとして「ププルの杖」みたいな名前で本編クリア時に先生からもらえるとか、中盤で助けたプニィが友情の証にプレゼントしてくれるとか(プニィの髪飾りとデザイン似てるから)、なんかイベントがあったらよかったなぁ、なんて思いました。特別に入手するものなら鍛えるのもより楽しくなったでしょうに。あるいは、単にチュートリアル迷宮で最初に入手する武器を「コーラルロッド」にするとか。

    贅沢を言えば、余章迷宮のみで拾える強い杖だとかで、旧魔導に因んだ魔導杖シリーズとか、「ウラノススタッフ」とか「シェゾの杖(ARSの)」とか、旧シリーズファンとして思い入れのできる装備があれば嬉しかったですね。
  • 魔導学園掲示板のクエスト(?)がしょぼい
    第二章の迷宮をクリアすると、ププルの部屋にサフラン先生が訪ねて来て、魔導学園に寄せられる依頼をこなす手伝いをしてほしいと頼むイベントが起こります。
    サフラン先生
    魔導学園には、
    日々様々な依頼が寄せられます
    授業の一環として、
    あなた達生徒も参加していますよ。
    覚えていませんか?

    ププル
    ああ、ゴミ拾いとか
    お祭りの準備とか手伝いました!
    楽しかったなぁ

    サフラン先生
    そういった街での仕事以外にも、
    街の外に行く――
    少し危険な依頼もあるのです

    ププル
    そういうのをボクが行けばいいんですか?

    サフラン先生
    お願いできないかしら?
    もちろん、あなたの都合のいい時でいいの
    魔導学校への依頼の解決に生徒であるアルルが派遣されるというシチュエーションは、同人二次創作ではおなじみのもの。『聖魔導』ではそれを公式化したんだな、色んなミニクエストに挑戦できるようになるんだとワクワクしました。
    が。
    実際は、メインストーリーの迷宮クリアとか、特定回数戦闘不能になったとか、特定値以上敵にダメージを与えたとか、そうした課題(?)をクリアすると着せ替え衣装の部品を入手できるというもので。
    はぁ? 魔導学園は関係ないし、依頼でも何でもないじゃん。話が違う。

    ここでもまた、文芸設定とシステムの不合致が起きています。

    これもまた、当初はシナリオで説明したとおりにミニクエストを行わせる予定だったのが、製作が間に合わず、こんな形で誤魔化したんじゃないかと感じました。
    そうでなく、最初からこの形にするつもりだったのなら、シナリオ(説明)の方がヘンだと思います。(^_^;)
  • 必殺技の演出が地味
    これは好みの問題になるかと思いますが、ププル・敵ボス共に必殺技の演出が地味で、ボス戦も盛り上がらないし、少しつまらなかったです。

    『わくぷよ』は、主人公三人に二つずつ必殺技扱いの大技(魔法)があって、使うと画面全体に広がる美麗なムービーエフェクトがかかりました。いかにも特別な技を使ったって感じで気持ちが良かったし、綺麗だから見るのも楽しかったです。敵ボスにも大がかりな専用ムービーエフェクト演出を持つ者がいました。

    『聖魔導』だと、バーストショット、ゲートオブスフィア、スターダスト辺りのエフェクトが派手な部類に入るかと思いますが…。綺麗という感じではないし(スターダストは可愛いと思います)、規模も小さい。
    カレーシャや大カレー神の複数効果の雷撃もえらく地味です。
    もっと大きくぶちかます大技演出があっても良かったのになぁと思います。

    ※追記
    後のバージョンアップ(三回目?)で修正されたように感じましたが、映像で比較したわけではないので勘違いかも。
    カレーシャや大カレー神の雷撃が派手になり、スターダスト等のエフェクトも大きめになったような気がしました。
  • アイテム図鑑のイラストの大半が共通アイコンで済まされている
    図鑑掲載のアイテムの多くが、カテゴリごとの共通アイコンイラストで済まされていて面白くありません。

    特に武器・防具は、せっかく全てに異なるデザインが用意されているというのに、どんなデザインなのか図鑑からは確認できない。なのに文字の説明では、刃の形が特殊だとか繊細なデザインがどうとか、興味を惹くことが書いてある。痒いところに意図的に手を届かせない仕様にしてあって、意地が悪いです。

    らっきょ、福神漬け、野菜系、水晶系、ぷにまんの皮系、人形系、ひとっとびの本、大事なもの系(キャラ劇用アイテム)など、一部には個別のイラストが用意されていましたから、もしかしたら図鑑用のイラストを全て用意するのが間に合わなかった(または、途中で仕様変更した)のでしょうか。それとも、迷宮内で使うアイコンを流用しているからでしょうか。
    なんにせよ、未完成、もしくは手抜きのように感じます。

    あと、アイテム図鑑が迷宮から出て街の図書館に行かなければ閲覧できない仕様なのも不親切だと思います。理由は次で述べます。
  • アイテムの説明が不親切
    私はユニークな説明文って好きですが、効果がてんで判らない、もしくは誤った理解に誘導される説明文のアイテムが幾つかあったのは困りました。水晶系、雑貨系のアイテムに多かったです。
    レジェンダリークリスタル
    かっこいい名前のアイテム。中二の心を掴んで離さないが、それだけだ

    竜の牙
    竜の尖った牙。持っていても意味はない。強そうな名前なのにな

    精神力の球
    この意味の無さに、アイテムに頼るなという無言のメッセージが……
    たとえばこの三つ、何の意味もないと説明されてますけど、どれも味方キャラ(くぅちゃん)に良効果のあるアイテムです。
    判りにくいとか不親切というのを通り越して、怒りすら覚えませんか? ちゃんと説明しないどころか、プレイヤーを騙してる。

    アイテム図鑑には「使用効果」という一行項もあるので、まだ理解の手がかりがありますが(ただし他者に投げた時の効果は無視され、ププルに効果がないなら「使用効果:なし」としか記されない)、前述したように、迷宮から出て街の図書館に行かないと読めません。迷宮内で使うときには、上記のような言葉足らずの説明文しか読めないのです。ゼオ・ウィグルゥもびっくりです。
    秘伝の巻物
    「これは秘伝の巻物ですよ」と、書いてある

    炎の欠片
    なんか強そうだが、特に何も起こらないよ。たぶん
    こうした思わせぶりで意味不明の説明文は、「プレイヤー自身で効果を確かめてほしいから、ネタバレしないようあえて隠します」という意図なのかもしれません。しかし、プレイヤーに無用なストレスを与えるだけの結果になっているように思います。

    ちなみに、装備の合成に使う「刻印」の効果の説明が、ゲーム中にも取説にもないのは不親切だ、という声が高かったようで。二回目の修正パッチで、図書館で説明を閲覧できる仕様に変更されました。
    ですが、刻印の説明を知りたい人達は、《合成する時に》説明を読みたいのでは?
    合成は図書館では出来ません。図書館でしか説明が読めないのでは無意味です。
    なんでそうも利便性を欠いた、プレイヤーにストレスを与える仕様にしたがるのだろうかと思います。
  • モンスターハウスがだらだら続く
    ププルが新しい部屋に入った時に発生の判定が行われるようです。煙と共に大量の魔物が出現、取り囲まれる。(魔物出現のとき処理落ちが発生し、一拍か二拍、シーンとなってることが多いです。)
    同じ要素は『わくぷよ』にもありましたが、もっと頻繁に起こる、出てくる魔物が少なめ、そして《だらしない》印象です。

    まず。階層移動してロードが終わると、直後にモンスターハウスになることがある。この場合、部屋の真ん中で魔物に取り囲まれることになるので、戦略を練るどころではありません。階層移動直後のモンスターハウス発生は除外した方がいいのでは?

    次に。広大な部屋で発生した場合、プレイヤーの視界に入る前に、魔物たちがみんな部屋から出て行ってしまう。(ミニマップの赤点でのみ、その様子が見える。)部屋が広いので、慌てて追いかけても追いつきません。何だこりゃ?

    モンスターハウスが発生すると、BGMが専用曲に切り替わります。それはとてもいいんですけど、発生した魔物を殲滅しても曲が元に戻らず、階層移動するまでそのまんまなんですよね。なんともシマラナイです。
    どの時点で《モンスターハウス終了》とみなすか判定するプログラムを組む手間を惜しんだのかなと思いますが、ピシッとケジメある感じだったらベターだったなぁと思います。

    そういえば、モンスターハウス発生時、部屋の出入り口が岩で塞がれる時と塞がれない時があって定まりませんでした。難易度レベルか何かがあるんでしょうか。
  • サプライズフロアが重い
    新しい階層に移動したとき、たまに「サプライズフロア」が発生します。そのフロアにいる間「スキルが使えない」「装備の変更ができない」「アイテムが使えない」「床のアイテムが消失」「動きが遅くなる」「魔物が多い」といったマイナス効果が強制され、プレイヤーにストレスを与えるシステムです。

    その是非については後述することにして、システム面の感想。
    気のせいなのかもしれませんけれど、サプライズフロア発生時は、ゲームの動きがもったり重くなることが多くて鬱陶しかったです。「スキルが使えない」フロアに入った途端、ププルの動きがカクカクになったり。

    何より嫌だったのは、動きが遅くなるフロア。ここでは仕様として、ププルの動きがカクカクになってしまう。「歩くだけでも疲れるフロアだ……」と表示されますが、実際、脳がしんどかった。
    ププルの動きをカクカク遅くするよりは、ププルの方は普通に動かして、敵の動きの方を二倍速にしてほしかったです。機械に負荷がかかるというなら、視界内の魔物の動きだけを早くするとかでいいじゃん。……と思うのは素人の浅はかさでしょうけど、なんとかならなかったのかなぁ。
  • プレイヤーの意思を無視して次の章に進む
    ダンジョンクリアして街に戻り、店などに行くとイベント開始。それは普通のこと。ところがそれらのイベント後、間断なく次の章が開始。タイトルがバーンと出て、こちらの意思や都合はお構いなしに、長時間のイベントが始まってしまいます。

    ダンジョンクリアやイベント消化などの特定の条件をクリアした後、プレイヤーが《任意で特定の行動をとる》と次の章が開始されるとか、何かワンクッションある仕様にしてほしかったです。

    疲れたもう終わろうとか、時間がないしひとまずここまででとか、章をクリアした余韻を感じたいとか、セーブしたいセーブしたいよとか、拾ってきたアイテム整えたい・装備合成したいウズウズとかいう時に、次のストーリーへの進行を強制され、長時間拘束されるので、自分のペースで進められている感じがしなくて愉快ではありませんでした。
    (進めたくないならPSVをスリープにすればいいじゃんと言う人がいるかもしれませんが、そういう話をしているのではありませんのでご勘弁を。)
  • 無為に長い余章迷宮
    クリア後、例によって間断なく「余章」が始まり、オマケ迷宮の「天空聖殿」に行けるようになります。オマケとは言ってもストーリーはそのままつながっていて、長〜いデモがあり、本編の真のオチはこれをクリアしないと判りません。『わくぷよ』の「アルティメットタワー」を意識したものかと思います。

    この天空聖殿、256層あります。
    アルティメットタワーは100階でした。とは言え『わくぷよ』は主人公が三人、合わせて300階。そう思えばボリュームは少ないとも言えます。
    が。
    100階ずつの区切りがあって、主人公ごとに違う戦い方やイベントが楽しめたアルティメットタワーと、256層ぶっ通しで進めなければならない天空聖殿は、プレイ感がまったく違いました。

    忌憚なく言います。天空聖殿はただの苦行です。

    スタートから80層までは、20層おきに漫才デモイベントが起こり、合間にはこれまで戦ったボスキャラとの(イベント無しの)中ボス戦も配置されていて、飽きる暇がありません。
    ところが80層での「もうすぐゴールだよ」という内容を最後に、デモイベントはゴールの256層まで発生しなくなります。100層にて(イベント無しの)ギガディス戦が発生しますが、以降はそうした中ボス戦すら起きない。戦闘可能の中ボスキャラは、まだゼオとクリオラが残っているのに、何故か彼らは出てきません。
    即ち、100層までは何かしらイベントがあるのに、以降の155層は何もない。

    この奇妙な構成から推測するに、元は100層でクリアする(100層で大カレー神と戦う)予定で製作されていたのを、土壇場で256層に変えたのではないか。だからシナリオ部との連携が崩れ、こんな不細工なことになったのでは。

    もし本当にそうなら、変更を決定した人に生ダコを投げつけたい気分です。

    100層以降の天空聖殿は、無為でしかありません。
    理由1。迷宮内の様相(迷宮のテンプレート)が変化しない。飽きる。(『わくぷよ』だと色々変化したのに…)
    理由2。天空聖殿専用のBGMもない。使い回しだけ。飽きる。(『わくぷよ』だと色々あったのに…)
    理由3。魔物が変化しない。そもそも同系統の魔物がレベルアップしながら出続けてるだけですが、135層以降はその変化すらなくなり、ずーーっと同じ魔物たちが出続けます。一応、150層を越えて初めて出る唯一の魔物・クロウベアキングとか、ぷにまん系だけのフロアとかもありますが、変化に乏しく。飽き飽きです。(『わくぷよ』だともっと工夫が以下略)

    理由4。ププルやくぅちゃんのレベルが99で止まる。
    プレイの仕方によりますが、大体100〜140層辺りで上限に達してしまいます。以降の100層以上、全くレベルの変わらないププルで同じ敵相手に戦い続けるという、空虚な作業を強いられます。

    どうして上限をこんなに低く設定したのでしょうか。
    100層でクリアなら問題ないでしょう。でも256層プレイを強制しておいて、この頭打ち。あんまりです。

    人間は、何かしら達成感がなければ楽しみを感じられません。

    256層もの苦行は、恐らく「やり込みゲーム」を用意したつもりなんですよね。ならば無限にレベルが上がる仕様にすべきだったのでは。そしてラスボスを異様に強くする。日本一ソフトウェアのゲームみたいに。
    そうしたら、自分のププルをどれだけ強くできたかで、達成感が得られたでしょう。

    あるいは、『ぷよフィ2』の「天空の階段」みたいに階層を無限にして、ラスボスは出さずに中ボスをぐるぐる出して、「どれだけ登れたか」だけを競う形にすべきだったろうと思います。
    (図書館の「プレイ履歴」に「「天空聖殿」最大踏破数」なる項目があるところをみると、そうした意図もあった? でも機能してないと思います。)

    現状の設定では、256層は長すぎです。レベル99で上限固定なら100層がベスト。せいぜい130層くらいで充分ではと思います。

    ププルのレベルが止まっても、装備品の合成や成長に楽しみを見出せればいいのでしょうが、そうもいきません。なにしろ、迷宮内で合成するにはくぅちゃんがそのスキルを覚えていなければならない。そして、くぅちゃんがどのスキルを覚えるかは《運》でしかない。しかもレベル99に達すれば以降は一切スキルを覚えない。つまり、256層のあいだ合成スキルなしで進行することも珍しくないわけです。

    実際、私はその状態に陥りました。
    130層辺りでププルもくぅちゃんもレベル上限に達し、くぅちゃんは合成を覚えていない。

    例えば、天空聖殿限定で稀に迷宮内に大クーシーが出現して、金銭を払えば合成してくれたり、アイテムを部屋に持ち帰ってくれるような救済措置があってもよかったと思うのに、そういうのは一切ありません。

    装備の強化すらできないとなれば、何の楽しみもない。ただ256層を登って時間を失っていくしかない。迷宮も魔物も音楽も変わり映えしない。サプライズフロアやモンスターハウス等の飽き解消用なのだろう仕掛けすら、序盤からずっと同じままで、もういい加減 飽き飽きでストレスでしかない。
    大変な苦痛でした。そのうえ251層でアプリケーションエラーになって強制終了したし……。
    このゲームが魔導物語シリーズの新作で、自分が魔導物語ファンサイトをやっているんでなければ、二度と触りたくなかったですとも。

    キャラは成長しない。環境は変化しない。ただ長時間、同じ作業を強制される。同じ魔物を倒して、メニュー開いて閉じて、アイテムを《くぅちゃんというゴミ箱》に投げ捨て続ける。
    これ、何が面白いんだろう……?
    そんな空虚な気持ちばかりが膨らんでいく苦行。

    アルティメットタワーは、三キャラ分クリアしてからも何度も潜っては楽しんだものでしたが、天空聖殿をクリアした時は、もう二度と潜りたくないとしか思えませんでした。


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