『〜聖魔導物語〜』感想文 4/17

◆音楽・効果音

良いと思った点

サウンドトラックCDをゲームと同時に買いました。
気に入って、今もよく聴いています。
特に好きな曲は『ブレイブ・ハワー』『摩訶不思議伽哩塔(序』、そして『奇天烈カルダモン 〜ププルのテーマ〜』です。
《カレー》という作品テーマによく合致していて、確かに『聖魔導』のために作られているように感じますし、前者二曲は、エキゾチックな曲調が『魔導物語1-2-3』のタイトルテーマ曲をも思わせるからです。

程よく電波な『奇天烈カルダモン 〜ププルのテーマ〜』は、一キャラのキャラクターソングで終わらせるには勿体ない、もっと上位の、ゲーム全体のオープニングテーマに相応しい曲だと思いました。

これに可愛くてよく動くアニメを付けたOPムービーがあったらなぁ。見たかったなぁ。
アニメを付けるなら歌詞は二番がいいですね。「マージョラムにからまれたり」の辺りはクリオラ、「オレガノなんて自己主張は」の辺りはゼオのシーンだなぁ、きっと。カッコよく登場した勇者三人組が一瞬後にズッコケるシーンも必要だなぁ。などなど、妄想が膨らみました。

実際のOPテーマ曲は『聖魔導』の内容とは無関係の、アイドル声優の歌になっています。アイドル声優を売るため、アイドル声優ファン向けに作られた、何にでもなぞらえられそうな、ごく普遍的な感じの歌。
そして、それに付けられたOPデモは、声優の名前がでかでかと表示される、声優とそのファンのためのデモ?
聞くに、ギャルゲーのOPデモっていうのは、どれも大体ああいう感じなんだそうですね。私はそっち系のゲームをやったことがないので、新鮮というか、不思議な感覚で見ました。

アイドル声優ソングがOPテーマになるのは、大人の事情ってやつなんでしょう。別に悪くはないけれど、声優個人に興味のない私としては、作品のためにあつらえられた歌だともっと嬉しかったかなぁと思いました。


余談。『とろぽよ不思議少女 〜プニィのテーマ〜』『くぅちゃんのテーマ』はキャラクターソングとしては良い出来でも、ゲームのBGMには不適だと感じました。賑やかな歌ですから。

同じキャラソンでも、ギガディスの『The young and unequaled king 〜魔王のテーマとバッハ〜』は、歌詞が英語なので聞き流せて、BGMに使われていても違和感がなかったです。むしろ、よく合っていると思いました。

不満を感じた点

  • ゼオ、クリオラのテーマ曲がない
    サブキャラの勇者三人組のテーマすらあるのに…。
    しょんぼり。

    エターニャのテーマもないですね。
  • 効果音がショボい
    これは好みの問題になるのでしょうが、効果音が、どうも好きになれませんでした。

    アイテムメニュー開閉、選択。そしてアイテム使用、魔法陣発動などの音が、どれも似たような、金属片を叩いてるみたいな音。

    それはいいとして、イベントデモでの効果音。
    う〜ん。ピンとこない。それぞれの音がそれっぽくない。

    昔のゲームは機能や容量が足りてなかったので、適当な合成音や電子音を使い回して、聴く人の想像力で補わせて効果音に使ってましたよね。そういう感じ。

    《その音だとはっきり判る》ものじゃないから、何を示しているのか判りにくい。
    例えば、第四章でまんぷくイチョーの森に入る前、ギガディスが現れるシーン。彼がカッコつけてルナヒカリ(メッキラリ)を出す前に、変な音が三回鳴るんですけど、これは何の意図なの? 未だに解りません。ファンファーレか何かのつもりなんでしょうか。でもそういう音ではありませんでした。

    同じく第四章の迷宮クリア後デモ。街の広場にクリオラが登場する時、《ゴツ、ゴツ》って感じの、何かを叩くような音が二回鳴る。これは何の意味なの? …想像力を働かせるに、ハイヒールの音のつもりとか? しかしそれっぽくありません。クリオラが何かを殴りながら現れたとかいうわけじゃないですよね。

    贅沢を言えば、第五章・ゼオが魔力を集める音(余章で大カレー神が呪いを解く場面にも流用されてたと思います)、余章・雲のじゅうたん出現・搭乗・出発時の音、同じく余章のゼオに落ちる金ダライの音などは、シナリオテキストで説明されているから何の音なのかは判るけれど、もうちょっと耳ざわりのいい、あるいは《らしい》音だとよかったなぁと思いました。

    私は今まで、ゲームやアニメの効果音というものを気にしたことがありません。でも今回は、どうにも引っかかって、違和を感じて、モヤモヤしてなりませんでした。その理由の推測は次で。
  • 効果音の付け方・選択(演出)が、自分の感覚と合わない
    個人的な好みの話を続けて恐縮ですが、シナリオデモでの効果音の付け方や選択に、どうにも引っかかる点がありました。

    序章、卒業取り消しになったププルが一人で街に帰るシーン。タッタッタッ…と小走りの効果音が付けられているけど、しょんぼり・とぼとぼ歩く足音の方がよかったんじゃないかなぁ。(この少し前に、友人のリーリカが帰る場面でもタッタッタッ…と小走りの効果音になってて、どうしてみんな小さい子供か自衛官みたいに走るんだろうと不思議に感じました。)

    同じく序章、エターニャ初登場のシーン。やっぱりタッタッタ…と小走りの足音と共に登場します。
    神秘的な美少女占い師なんですから、ゆっくり歩いてくるか、振り向くと足音もなく立っていたとか、神秘性や重々しさが感じられる演出の方がいいのでは。ってか、普通はそういう演出になりますよね? 小走りに駆け寄ってくるって、何だそれ。(ここには、特に激しく違和を感じました。)
    せっかくの神秘キャラなのに、ひどく軽々しくなってしまっています。

    魔王たるギガディスの登場・退場時も、タッタッタッ…と小走りの効果音が付けられていることがあり、気になりました。
    魔王で、いい大人なんですから、もっと重々しい方がいいんじゃないかなぁ? ゴオッと風と共に舞い降りるとか、テレポートみたいなのでブォンッと現れるとか……。
    ギガディスには威厳も力もないということを示すために、あえて子供か犬みたいに走ってくる演出にしてるってことなんでしょうか。

    自分が今まで見たり聞いたりしてきたものと、どうも効果音の選択が違う。当然こうなるだろうという感覚が合わない。これは何なのか?
    てっきり、容量が足りなくて効果音を少ししか収録できず、やむなく小走りの足音を使い回しているのかと思いました。
    ところがです。数えるほどですが、ごくまれに《ゆっくり歩いてくる足音》も使われているではありませんか!

    ってことは、つまり。
    小走りの足音ばかりが使われていたのは、やむなくとかではなく、演出さんのセンスだったってことかー!

    感覚っていうものは、人それぞれですね。

    この点に激しい違和を覚えたために、効果音そのものさえもが気になるようになってしまったのだと思います。
  • カレー調理時の多重音楽がうるさい
    これは音楽というよりシステム周りの話になる気がしますが、こっちに書いておきます。

    迷宮内でカレーを調理するとき、専用のブリッジ(ごく短い曲)がかかります。それはいいんですけど、元々流れている迷宮のBGMが、音量も下がらないし止まりもしない。ガンガン流れ続けてるんです。
    結果、賑やかなブリッジと迷宮BGMが混じり合って、めちゃウルサイ。ぎぃ〜〜。

    ブリッジがかかる間だけBGMを止めるか音量を下げるかするプログラムを組んでて欲しかったです。組む余裕がないのなら、思い切ってブリッジは流さないようにした方が良かったんじゃないかなぁ。
    製作者の方々はうるさいと思わなかったんでしょうか? どんな理由なのかは量り知れませんが、単純に、雑だなぁと思いました。

    …と書いていると、設定でBGMや効果音はOFFにできるんだから、自分で音を切ってればいいじゃんと言う人がいるかもしれません。実際そうしてましたのでご容赦ください。
  • 最後に、これは贅沢なワガママ。
    旧魔導物語シリーズから、BGMを一、二曲くらい、アレンジ復活させてほしかったです。
    この点は、セガの方がファンサービスがいいですね。
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