『〜聖魔導物語〜』感想文 6/17

一章 冒険の始まりはドタバタと共に

全然関係ないですが、一つ残念に思ってたことを思い出しました。
「ばたんきゅー」「脳みそぷー」「大打撃」といった、《魔導シリーズらしい》言葉が使われてなかったことです。
使ってくれればよかったのになぁと、ゲーム中に「Critical hit」と表示されるたびに思ってました。
SS版『魔導』のキャッチコピーの一つは「ロープレ世界に大打撃!」だったんだぜ。(どーでもいいい情報)


さて、第一章。
序章のラスト、伽哩塔に行けないからスマイルカレーに行こうとププルが言ったら、間断なく第一章のタイトルが出て、そのままイベントが続きます。

タイトル画面が消えると、街の広場でプニィと話す場面になってます。

あれ? カレー屋に行って伝説のカレーを作ることにしたって説明するんじゃないの?
それとも、既に前章から一晩〜数日経っていて、カレー屋での説明場面は省略されたってことなのかな??

モヤモヤしながらも、ロリ電波巫女プニィさまのちょいキモな御託宣を拝聴するしか、なす術がありません。

プニィ
電波受信中……電波受信中……
今日のププルのカレー電波は、
わくわくどきどき電波……

ププル
新しいこと始める時って、
ワクワクドキドキするよね

プニィ
ププルは今日も絶好調かも

ププル
うん!
すっごく楽しみなんだ

くぅちゃん
くー!

ププル
くぅちゃんも楽しみだってさ

プニィ
……ごちゃごちゃした電波を受信した、かも

ププル
ゴチャゴチャした電波?
それもボクの?

プニィ
ううん……。
でもこれからごちゃごちゃ電波
めろめろで暑苦しくて、
きんきんしててのんびり。
ごちゃごちゃしてる……

ププル
出かけた先に何かあるってことかな……?

プニィ
とってもやかましくなるかも

役に立たない預言でござる。

首をかしげながらも元気に出発するププル。そんな彼女を「気をつけてね、ププル……。陰ながら応援してるからね……」と、コソコソ見守るリーリカなのでした。
いや、なんで陰ながらなの?(笑) 普通に声かけて見送ればいいのに。
明子姉ちゃんモードが順調に発動しています。


ここでイベントが終わり、街のメインメニューになります。

このような出立イベントを、今後もずっと、前章ラストから間断なく続く形で見せられることになります。
思うんですが、新章突入後、プレイヤーが《初めて「ワールドマップ」を開いたら》出立イベントが発生する配置にしてた方がよかったんじゃないの?


カレー屋に話しに行く件はどうなったんだろうと気になって、カレー屋に入ってみましたが、イベントは起こりません。やっぱり省略されちゃったのかな?


というわけで、ワールドマップを選択して「オボロの森」へ。森を抜けると「甘い森だったね、もっとオボロ食べておけばよかったね」とププルが語る(個人的には謎の)小イベント。(そのイベントについてはこっちで。)連続して「カチコチン洞窟」入口でのイベントになります。

ププル
ここがカチコチン洞窟だね

くぅちゃん
くー、くー!

ププル
ん?
あ、なんかこっち来た

# メガネの女の子が駆け寄ってくる
???
こんにちはです。
一人旅ですか?

ププル
ううん、
この子と一緒だから二人旅かな?

くぅちゃん
くー

ププル
キミ達は?

# 人懐っこそうな白髪の少年
???
オレ達は冒険者みたいなもんだな。
オレはリーダーのゆう――

# メガネの女の子が少年を攻撃(殴った?)

# 白髪の少年、涙目
???
ぐはっ……

ププル
??

# メガネの女の子
???
ごめんなさいです、手が滑ったです

# 白髪の少年、汗タラで強張りつつ
ナーン
リーダーの、ナーンだ……

# メガネの女の子
パンナ
パンナです。
パーティーの知恵袋とでも言っておくですよ

# 恰幅のいい少年
ウードン
おいらはウードン。
よろしくねー

ププル
ボクはププル。こっちはくぅちゃん。
よろしくね!

くぅちゃん
くー!

ナーン
もしかしてお前、
これからこのダンジョンに入るのか?

ププル
うん、そうだよ!
この中にボクの探してる
究極食材があるんだ!

パンナ
そうなのですか。
でもその前に、
お花を摘みに行かれた方がいいですよ

ププル
え? え? なんで?

ナーン
# ニヤッと笑って
おいおい、いいのか?
これからダンジョンに入るんだぜ?

ププル
え、どういうこと??

ナーン
これだからトーシロは困るぜ

パンナ
ですから、
『お花を摘みに』行かれては
どうですか?

ププル
ボク達、遊びに来たわけじゃないんだけど……

パンナ
だからですね……。
トイレを済ませた方がいいと
申しているのですよ

ププル
あ……!

パンナ
まったくもう……

ウードン
ちょっと遠回しだったかな―?
うん、行っといた方がいいと思うよ

ププル
そ、そっか、寒そうだもんね。
ちょっと行ってくる!
# 駆け去る

ウードン
ごゆっくりー

ナーン
んじゃ、オレ達は……

パンナ
この隙に、ですね……

ウードン
行っちゃおっかー

# 画面暗転
# しばらくして駆け戻ってくるププル


ププル
あれ? いない……。
お礼言おうと思ったんだけどなぁ

くぅちゃん
くくー

ププル
んー……ま、いっか

勇者三人組登場です。のっけからププルを騙してくる役回りですが、これまで出た不審人物たちに比べると、真っ当な人間性が感じられます(笑)。

彼らは今後、最も多くププルと対決することになるのですが、何故か最後まで戦闘がありませんでした。


カチコチン洞窟の探索を開始。3層(休憩フロア)に進んだところで、早くもイベント発生。道に迷って困っているププルの前に、初代不審者…もとい、ギガディスが現れます。

???
そこな可憐な娘よ

ププル
うわっ!?
びっくりしたー!

くぅちゃん
# 嫌そうな表情
…………

???
どうやら難儀している様子だな

ププル
えぇっと……。
この洞窟の一番奥に行きたいんだけど……

???
道がわからず困っている、と

ププル
う、うん……そうなんだ

???
それならそこの角を曲がって、
まっすぐ行けばいいのだ

ププル
あ、ありがとう……

???
ははは、お安い御用だ!

ププル
詳しいんだね、ここのこと。
助かっちゃった!

???
# 苦しそうな顔になり
くっ……!

ププル
どうしたの??

???
# 表情戻して
い、いや? なんでもないぞ?
困った時はお互い様と
母もよく言っていたしな
# 笑顔
で、では、さらばだ!
# 駆け去る

ププル
ホントにありがとねー
# 怪訝な顔になって
……でもなんでこんなとこに人が??
もしかして洞窟探検が
趣味の人だったのかな?

くぅちゃん
# 嫌そうな顔
…………

ププル
ま、いっか、助かっちゃった。
道もわかったことだし、行こっか

くぅちゃん
…………

ププル
くぅちゃん?

くぅちゃん
く、くー


# 場面転換。
# 駆けていたギガディス、立ち止まって

???
はぁ……はぁ……

ふ、ふふふ……!
ふははははははははは!

か、会話したぞ!
偶然を装って、困っているあの娘と、
会話したぞ!

出来ればもう少し話しておきたかったが、
余のキーゼルバッハめ……

あ、名乗り忘れた……

ま、まぁ、良いか。
また偶然を装って話すきっかけに
なるやもしれんしな

こ、こんなところで会うなんて
奇遇だな、運命を感じるな、とか……

いや、もっと良い言い方は……。
だが余は絶世の美形。
きっと何を言ってもかっこいいな!

ああ、鼻血が……

まだ名乗っていないので、名前欄は「???」のままです。
初対面でキスと結婚を迫ったサタンに比べると、ずいぶん純情ですね。

そういえば、漫画版『わくぷよ』のサタンは、幼いアルルに恋して、以降十年以上、彼女との結婚を夢見つつストーキングし続けていたという設定でしたっけ。
物陰からププルを見染め、付きまとうようになったギガディスの設定は、それに近い感じがします。

ギガディスが「余のキーゼルバッハめ……」と言ってます。物知らずの私は意味を知りませんでした。鼻の正面奥の粘膜の出血しやすい部位のことだそうです。鼻血はそこから起きるものだそうで、ドイツの耳鼻科医の名前が由来だとか。
つまりギガディス、最初に「くっ……!」っと苦しそうな顔になった時点で、鼻血が出はじめてたってことなんですね。専門用語を使うとは、普段からよく鼻血を出してお医者にかかってるのかしら。


カチコチン洞窟7層。
少し休憩しようかと言っていると、今度はズッコケ勇者三人組に遭遇します。
疲労困憊で休憩したがっているウードンを、ナーンやパンナが「あの女に追いつかれたら意味ないだろ!」などと叱咤している様子。
あの女? そう、ププルのことですね。

どうやら彼らはソコイチ(そこそこ一番)のオーナー・ゴルダールに雇われていて、ププルを尾行してここまで来たらしい。そのうえで出し抜いて、魔導カレーの究極食材を先にゲットする心積もりのようです。

ウードン
でもオーナーもひどいよねー。
場所くらい教えてくれればいいのに……

ナーン
そのすっげー食材……なんだっけ?

パンナ
究極食材です

ナーン
そうそう、
それの場所がわからないから
あの女をつけて来たんじゃないか

パンナ
そうですよ、仕方ないです。
場所が書かれたレシピごと
あの子に盗まれたのですから

ウードン
でもさー……。
持ち主なんだから
少しは覚えてるでしょ?

ナーン
ショックで頭が真っ白になったって
オーナー言ってたじゃないか!
忘れたのか!?

ウードン
ご、ごめん……。
そうだったね……

パンナ
リーダー、
ウードンを怒鳴るのは筋違いですよ。
元凶はライバル店とあの子です

ナーン
そ、そうだよな、
熱くなって戦友に当たっちまった。
すまん、ウードン

ウードン
ううん、
リーダーがそういう性格だって
知ってるから大丈夫だよー

何このイチャイチャ会話。

パンナ
まったく……人様から奪った物を
自分の店の利益にしようなんて、
恥ずかしい限りですね
そこそこ一番さんのように
きちんと商売されている方を
逆恨みして妨害するなんて……
大きな店ができて
経営が苦しくなってしまったのは
同情するですけど……

ウードン
しかも知り合いの女の子に
泥棒させるなんてねー

ナーン
ひでー話だよな。
オレそういうのマジで許せねぇ

ウードン
リーダーはそういうの
嫌いだからねー

ナーン
# 笑って
違うぞ、ウードン。
オレは曲がったことが大キライなんだ。
なんたって勇者だからな!

まーたイチャイチャしてるよ〜。
ウードンのキャラデザインが美少年だったら、乙女の喜ぶ薄い本がイベントで販売されそうな勢いです。

一方、パンナは「きちんと商売されている方」と、ソコイチ(ゴルダール)を評価しています。部外者のリーリカでさえ、「あんまりいい噂を聞かないのよ 目的のためには手段を選ばないというか、汚いことを平気でやるというか……」「周りのやっかみも当然あるんだろうけど……。ちょっとね……」と言っていたのに。パーティーの知恵袋を名乗りつつ、情報収集・分析力には問題がありそうですね。


さておき。
こうした会話を聞いたププルは激昂。「ひどい! ボク達そんなことしてないよ!」と、飛び出して詰め寄りました。

ここから、展開が少しくどいです。
ただでさえ、ここまでの勇者三人組の会話が《説明台詞》のため、長くてくどかったというのに。

ナーン
# 汗タラ
げげっ!?
もう追いついたのか!

パンナ
# 汗タラ
ほら、急がないからですよ!

ウードン
# 汗タラ
ええ〜?
ごめーん

ナーン
ま、まぁ、ちょうどいい!
改めて名乗らせてもらおうか。
オレは――

ププル
そんなことより
レシピを盗んだってどういうこと!?

ナーン
そんなことだと!?
勇者の――

ププル
魔導カレーのレシピは――

ナーン
いいから聞けっ!!
人の話は最後まで聞けって
カーチャンに教わらなかったのかよ!

パンナ
そうですよ!
勇者の名乗りを邪魔するなんて、
アナタ空気読めですよ!

くぅちゃん
# 仕方ない、聞いてやろうよという感じで
……くー、くくー?

ププル
え? う、うーん……。
わかった、聞く

ウードン
ありがとねー

ナーン
オレは勇者ナーン!
悪者のお前なんかに究極食材を渡すもんか!

パンナ
アタシは勇者パンナです!
悪い人は許さないですよ。
覚悟するです!

ウードン
おいらは勇者ウードンだ!

ナーン
…………

パンナ
え、それだけでいいですか?

ウードン
あれ?
おいらもなんか一言言った方がいいの?
えっと……悪いやつは許さないぞー!

ナーン
幾多の試練と苦難を乗り越え、
運命に導かれた勇者三人組!
ここに参、上!!

ププル
で?
どうしてボク達が
悪者呼ばわりされなくちゃいけないの?

くぅちゃん
# そうそう、という感じで
くー

ナーン
ぐわっ……!
あ、ありえねぇぇぇ……
こいつ、勇者の名乗りを
『で?』で済ましやがった……!

ここは、ププルとも仲間とすら噛み合わない勇者たちの、ボケた会話の応酬を楽しむべきところなんでしょうけど。
長いよー。そしてどーでもいーよー。(^_^;)

名乗ろうとしたのをププルが遮って、そのまま本題へとか、そのくらいで充分だったなぁ、私には。


勇者たちの名乗りの場面。
音や絵に変化をつける演出は一切されていませんでした。

折角ですからBGMは『勝利のファンファーレ』辺りの景気良い奴に切り替えて、名乗りごとに、戦隊モノや歌舞伎の見得のようにドギャーンて効果音付けたりして、大げさなくらいメリハリ付けてくれてもよかったのに。で、「勇者三人組! ここに参、上!!」は三人で声合わせたり。BGMがここでジャジャン! とタイミング合わせて終わったらいいけど、ゲームは台詞をプレイヤーが任意で進めるからダメか。ともあれ、以降はまた地味なBGMに戻す。
アニメや音声ドラマなんかだと、大抵はそんな感じですよね。そうすっと、名乗り後のププルの冷めたテンションが際立っておかしみが増すはず。
…って、セオリーを求めちゃう私が古臭いのか?

こんなことが気になってしまうのは、このゲームのイベントがフルボイスだからなのかも。
昔の、声なしのテキストのみのゲームイベントだと、小説を読む時みたいに勝手に演出を脳内補完できた。でもフルボイスだとアニメや音声ドラマと変わらないから、逆に、演出の弱さ(無頓着さ?)が際立ってくるのかな。


さて。
冷めたププルは「だいたい勇者って自分で名乗るものなの? 立派な人のことを周りの人が勇者って言うんじゃないの?」と突っ込み。言葉に詰まるナーン。パンナは「ちょっと気にしてることをぐさぐさと……! もう、デリカシーのない人ですね!」と逆切れ。

この会話も、なくていいよなぁと思ってしまったり。長いよー。どーでもいいよー。

次によーやく、ププルが「魔導カレーのレシピは、拾ったの。盗んだわけじゃないよ!」と本題に入る。
でも言い方が悪いですよね。案の定「見事に盗人ぬすっとのテンプレ台詞ですわ!」と怒りだす勇者三人組。

するとププル、身の潔白を証明する方向ではなく、勇者三人組を攻める方向へ転進。

仮にも勇者が人を騙して恥ずかしくないの?

ボクを足止めして、ボク達より先に
究極食材を手に入れようとしたんだよね?
それって卑怯だよね?

勇者三人組、口々に謝罪を始める。
うへー、グダグダ展開。(^_^;)

そしてウードンが超提案をしてきます。
騙したのは悪かったけれど自分達も仕事なので究極食材を入手しなければならない、だからこれからは正々堂々と競争しようと。

……はぁ?

ごめんと言いつつ、ププルがカレーのレシピを盗んだ犯罪者だという言い分は翻してないんですよ。そのうえでこんなことを言う。
ププルが潔白なら図々しいですし、犯罪者ならゴルダールに対して不誠実です。
なに言っちゃってんのって感じですが、何故か(あれ? 悪い人達じゃないのかも?)と思うププル。キミ達には負けないんだからなんつって、明るくライバル宣言するのでした。
えぇ〜……。


で、カチコチン洞窟10層。
勇者三人組の姿はなく、どうやらププル先着。
そして、地響きをたてて二足歩行する巨大なカメ、クリスタートルを発見。
さっそく野獣のように襲いかかるププルなのでした。襲え! 殺せ! 掠奪だァァァ!

クリスタートルをぶっ殺して背中からニンジンを引っこ抜いたところで、勇者三人組が駆けこんできました。
悔しがる三人。「横取りする気なら――」とる気満々のププルでしたが、三人組は「次はオレ達が勝つ!」などと捨て台詞だけ言って、またも駆け去りました。ポカンとしつつ「やっぱり悪い人達じゃなさそうなカンジ?」と思うププルなのでした。


どう思いますか?
カチコチン洞窟は狭いフロアがたったの10層、しかも休憩フロアが2層あるので、実質は8層しかありません。そこに、ギガディスとの邂逅、勇者三人組との邂逅三回。計四回のイベントが入っています。
……。

もう一つ。
ボスフロアにはクリスタートルだけでなくザコも数体います。
クリスタートルを倒すと、その時点でイベントに突入。
で、勇者三人組が捨て台詞残して去って、くぅちゃんがお腹を鳴らして、ププルが「あはは、ボクもお腹空いちゃった。帰ろっか」と笑って、もう完璧に大団円的なオチでイベント終了します。
なのに、画面がさっきのボス戦の途中に戻るんですよ。
再びボス戦専用BGMが流れ、ザコ敵が残っていた場合、それと戦わなきゃならない。(運が悪ければ、それにばたんきゅーさせられ、攻略失敗と見なされることも。)

イベント終了とともに自動的に街へ戻さないのは、クリア報酬の宝箱回収をさせるためでしょうが、戦闘に戻るのは、なんともしまりません。
この仕様、なんとかならなかったのかなー。

『わくぷよ』でも、《ボスを倒す→イベント突入・終了→宝箱からクリア報酬回収》の流れでしたが、音楽がボス戦用に戻ることはなかったですし、ザコ敵もボスが倒れた時点で消えて、また戦うなんて事にはならなかったですね。イベント終了すると宝箱がポンと現れる仕様でしたから、宝箱を探してウロウロしなくてもよかったですし。


ボス戦BGMの流れる中、脱出の転送陣に辿り着いてやっと攻略完了。街へ帰還できます。
が。
ここからまたイベント開始。それも長〜〜いのが、例によって間断なく、強制的に始まるのです。
ええー……。


画面が切り替わると街の広場で、プニィが「おかえり」と出迎えてきます。「もしかして、ずっとボク達を待っててくれたの!?」と慄くププル。ううん、と首を横に振るプニィ。ププルのカレー電波を受信したので出迎えたそうです。「あ、そう……。それならいいんだけど」と返すププルは、ホッとしたのか落胆したのか? 私はプニィ怖いと思いました。

で、究極食材を取ってきたと報告。くぅちゃんがお腹を鳴らしププルがカレー屋さんに行こうと言う。このパターンいい加減しつこいよ…。

そこでギガディス登場。
魔王ですが、真昼の街なかに普通に現れ、子供のように駆け寄ってきます。

???
そこな娘達

ププル
あれ? キミは……

???
# 駆け寄ってくる
# 気負って言葉を詰まらせつつ

このような場所で巡り逢うとは、
奇遇だな!
う、運命を感じ――

ププル
# 笑顔
あ〜、やっぱり!
洞窟探検趣味の人だぁ!

???
ど、洞窟探検?
いや、余にそのような趣味は……

ププル
さっきはありがとう!
キミのお陰でちゃんと目的地まで行けたよ!

???
そ、そうか?
余のお陰か……余のお陰……
余のお陰……
それは良かったな

ププル
名前聞いてなかったね。
ボクはププル、こっちは――

???
いや、知っている

ププル
え、そうなの??

ギガディス
余こそは魔王、ギガディスである!
そしてくぅちゃんは余のペットであり、
心の友なのだ!

ププル
ま、魔王!?

ギガディス
そしてそなたの持つ
『伝説の魔導カレー』のレシピは、
我が家の物でもある!

ププル
ええ〜!?
くぅちゃん、ホント!?

くぅちゃん
……くー

ププル
そうだったんだぁ……
(せっかく仲良くなれたのに、
 もうくぅちゃんとお別れかぁ……。
 ちょっとさびしいけど、しょうがないよね)
(でもレシピはもう少し
 貸しててもらえないかなぁ……)
# 笑顔を繕って
くぅちゃん、おうちの人が
お迎えに来てくれて良かったね

くぅちゃん
# 不満げに
く〜、く〜!

ププル
どうしたの?
お家に帰れるんだよ?

ギガディス
く、くぅちゃん、戻ってきておくれ

くぅちゃん
……ペッ

ギガディス
# 涙目
むほおぉぉぉっ!?
く、くぅちゃんが余に向かって
反抗的な態度をとるなんてえぇぇぇぇぇ!!
くぅちゃん!
これ以上他所様に
ご迷惑かけちゃいけません!

ププル
いや、迷惑なんて……

くぅちゃん
ぐーーーーー!

ギガディス
もう!
いい加減にしてください、お父さん!

ププル
……お父さん?

プニィ
お父さん……

ププル
お父さんって?
え、くぅちゃんがお父さん?

ギガディス
……あ
い、いや、その、これは違う。
あれだ、これはたんなる言い間違いであって、
まさか余の父親がくぅちゃんだなんてそんな

プニィ
とってもあやしいかも……

ププル
……ねぇ、キミ、
ホントにくぅちゃんのおうちの人?

くぅちゃん
# 嫌そうに
ぐ〜!

ギガディス
と、ともかく!
余がペットをなんと呼ぼうと、
そなたには関係なかろう!
くぅちゃんが余のものであることは事実である!
さぁ、余のくぅちゃんを返してもらおう!

# ギガディス、くぅちゃんを引っ張る?

くぅちゃん
ぐ! くー! くぅ〜〜〜!

ププル
ちょっ、ちょっとやめてよ!
嫌がってるじゃないか!
これって動物虐待だよ!

# ププルが引き離す

くぅちゃん
# ホッとして
く〜……

ププル
くぅちゃんの飼い主なんてウソなんでしょ!?
もしかして、くぅちゃんが珍しいからって、
誘拐しようとしてるの!?

ギガディス
それは違う!
くぅちゃんは本当に余のペットだ。
ある日、お父さんが拾ってきたのだ!

ププル
例えキミの話がホントでも、
くぅちゃんをいじめるような人に
任せるわけにはいかないよ!
いじめたからくぅちゃんが
家出したんじゃないの?

ギガディス
なっ……!

ププル
(魔導カレーのレシピが
 この人のっていうのも怪しい……)
(洞窟で助けてくれた時は
 いい人だと思ったのに……。
 騙されないように気をつけなきゃ)

ギガディス
お、おのれ……。
可憐な娘――否、ププルよ!

ププル
な、なによ……!?

ギガディス
# 笑顔
その凛々しさに惚れ直したぞ!

ププル
は……
はぁぁぁぁぁ?

# 一枚絵。ひざまずいて片手を差し伸べるギガディスと、どん引いてるププルとプニィ

画像引用:『〜聖魔導物語〜』(PSVita)

ギガディス
ふふふ、余のノーブルハートを
何度射止めるつもりなのだ……

ププル
……え、え?

ギガディス
実はくぅちゃんを探している途中、
偶然にもそなたの姿を見かけてな

ププル
う、うん……?

ギガディス
その時のこの胸の高鳴り……
大義である。
後の世まで語り継がれる誉れだ。
存分に誇るが良いぞ

ププル
…………

ギガディス
嗚呼、この胸の甘く切ない疼きが
告げているのだ……。
そなたが余の運命の相手だと……

ププル
…………

プニィ
めろめろ電波……おぇ

ププル
# 困惑顔
つまり、キミはなにが言いたいの?

ギガディス
# ハート目
つ、つまりだな……。
そなたにひ、一目惚れを……

プニィ
うぇっぷ……

ギガディス
余と結婚を大前提に
お付き合いしてください!

ププル
ヤダ

ギガディス
そ、そうだな、流石に唐突過ぎたか。
では、結婚を前向きに考えながら――

ププル
イヤ

ギガディス
# 涙目
一生大切にするぞ!
そなたのご両親にも
きちんと挨拶に行く!!

ププル
無理

ギガディス
婿養子になるのは無理だが、
どうしてもと言うのなら
か、考えなくもないぞ!?

ププル
# 怒る
だーかーらー!

散々シャイな様子を見せてきたのに、昼の街なか、しかもお邪魔虫(プニィ)が横にくっついてるシチュエーションで、派手な求婚を開始するギガディス様。

そして、求婚されてるのはププルなのに、いちいち「おぇ」「うぇっぷ……」と横から毒たっぷりの茶々を入れ続けるプニィさま。コドモは無敵だな。


ここで、ギガディスがくぅちゃんを「お父さん」と呼ぶ。彼にサタンを重ねていた旧ファンが、あれ、サタンとは設定が違うのかな? と思うところですね。


間断なくクリオラが登場。やっぱり駆け寄ってきます。

???
お待ちなさいっ!!

ププル
え!? なになに!?

# クリオラが駆け込んでくる

ギガディス
げっ……!

プニィ
げ?

???
さっきから聞いていれば……
あなた一体なんなの!?
ギガディス様に失礼じゃない!
ギガディス様のお言葉なのよ!?
きちんとお聞きなさいよ!

ププル
# 怒って
キミこそ突然割り込んできてなんなのさ!?

クリオラ
わたくしはクリオラ
ギガディス様のフィ、フィアンセよ!

ププル
# 呆れてギガディスを見やる
え……
キミ、婚約者いるのに……

ギガディス
ち、違う、それは――

クリオラ
ギガディス様に
馴れ馴れしく話しかけないで!
ギガディス様はお優しい御方だから、
あなたみたいなちんちくりんでも
お声をかけてくださるのよ!

ププル
ちんちくりん!?

クリオラ
ちょっと多情だから
女性トラブルが多いけど……。
それは気の迷いなの!
そうですわよね、ギガディス様!?

ギガディス
え……あの……え……

ププル
なんか面倒なことになっちゃったなぁ……

プニィ
嫉妬のぐるぐる電波……。
女の嫉妬はこわいかも

くぅちゃん
# ぐったりして寝ている
くー……

ププル
お腹減ったなぁ……

八百屋のおじさん
なんだなんだぁ? 痴話喧嘩か?

ププル
いっ!?

マセた少年
オレ知ってる! あーゆーのを、
チジョーのモツレって言うんだぜ!

感心してる少年
サンカクカンケーだな!
すんげ〜

近所の奥さん
あらあら、若いっていいわねぇ

プニィ
好奇心のカタマリ……。
特にあの人はスピーカーかも……

ププル
だぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!
勝手に話を進めないで!
盛り上げないで!

ギガディス
で、では余との生活を――

クリオラ
ギガディス様!

ププル
ボクは『伝説の魔導カレー』を
作らなきゃいけないの!
とぉ〜〜〜っても忙しいの!
結婚なんて、で・き・ま・せ・んっ!
わかった!?

ギガディス
あ、ああ、わかった……
(と、いうことは、
 魔導カレーを作り終えたら……
 その暁には!?)

クリオラ
(『伝説の魔導カレー』ですって!?
 そんな料理があるの……!?)
(伝説がつくほどの料理なら、
 ギガディス様にこそ相応しいわ!
 それを私が作って差し上げたら……?)
(ギガディス様のハートは
 私のものに……!?)

ププル
# 怪訝に
ホントにわかってくれた?

ギガディス
ああ、そなたは多忙なのだな。
無事魔導カレーが出来るよう、
祈っているぞ

クリオラ
ふふふ……。
『伝説の魔導カレー』ね……
ギガディス様の心も胃袋も
全て私のものにしてみせるわ!
あなたには負けないわよ!

ププル
(あ、なんか勝手に解釈してそう……)

ププルに対してだけ「ギガディス様に失礼じゃない!」と怒るクリオラ。プニィの方がよっぽど失礼ワード連発してたと思うけどスルーです。
この流れを見ると、この場面は旧魔導のサタン、アルル、ルルーのやり取りの再現であって、その意味ではプニィは部外者なんだなと判ります。


間断なくゼオが登場。やっぱり駆け寄ってきます。

闇の魔導師の初登場場面。ゆっくり歩み寄ってくればいいのに、なんでこのゲームでは、大人も子供も男も女も魔王も勇者も、不死の魔導師も闇の魔導師も、みんな同じにバタバタ走ってくるんだろう。

???
『伝説の魔導カレー』、だと……?

ププル
え?

# 少し離れた場所からじっと見ているゼオ
???
…………

ププル
(あ、さっきのはあの人かな?
 こっち見てるし……)
(プロの魔導師さんかな?
 かっこいいなー)

???
# じっと見ている
…………

ププル
(でも、なんか……。
 じーっとこっち見てて……)
(怖い! 見すぎだよ!!)

???
# 駆け寄ってくる
お前達!
何故魔導カレーのことを知っている!?
教えろ!
魔導カレーの何を知っているんだ!?

ププル
え、ちょっと、怖いんだけど……!

クリオラ
ギガディス様、この人危なくないですか?

ギガディス
最近暖かいからな……。
そなたも気をつけるのだぞ

クリオラ
# ハート目
は、はい……

???
俺はお前が欲しいんだっ!
お前の全てを俺によこせっ!!

ププル
# キョトンと目を見開く
え……?

ギガディス
は?

プニィ
# 目を丸くして
……すごく、ダイタンかも

くぅちゃん
# ニヤニヤして
くー、くー!

???
ち、違う、俺が言いたかったのは、
魔導カレーの――

クリオラ
いやっ、なんなのあなた!
ちんちくりんで発展途上とはいえ、
女の子に鼻息荒く迫るなんてっ……!

ププル
# むっとして
ちんちくりん……

クリオラ
ハッ、もしやそちらの趣味が……!?

ギガディス
# 剣呑に
感心せんな!

くぅちゃん
くー

クリオラ
いや、変態……

???
ちょ、ちょっと待て!
俺は変態じゃない!
ただ、こいつの持っている
魔導カレーの情報が欲しくて……

クリオラ
言い訳なんて見苦しいわね!
ハッキリおっしゃいなさい!

???
ええい、
こんなちんちくりんに興味などないわ!

ギガディス
余の未来の妃(予定)を悪く言うな!

???
先に言ったのはそこの女だろうが!?
# ニヤッと笑って
そういえば、お前も知っているようだな?

クリオラ
な、なによ……

???
お前でもいい!
俺は誰だっていいんだ!

クリオラ
キャー!?
女なら誰でもいいって言うの!?
この、女の敵!!

# 逃げるクリオラ

???
ち、ちがっ!
情報――

ギガディス
女性ならば誰でもいいだと!?
男としてそれで
恥ずかしくはないのか!?

くぅちゃん
# 呆れたように
くー

クリオラ
バシッとおっしゃってください、
ギガディス様!

???
違う!
俺はそいつの持っている
魔導カレーの情報をだなぁ……!
くそっ、何でこんなことに……!

ギガディス
だいたいププルには
余が先に声をかけたのだ!
ププルは余の未来の妃(予定)!
未来の夫(予定)である余に
話を通すのが筋ではないのか!?

クリオラ
ギガディス様の
プロポーズを受けたのは、
私が先です!

ギガディス
い、いや、だからそれは……

ププル
…………

プニィ
……今のうちかも

ププル
ハッ!
そ、そうだね、逃げよう!

# 逃げるププルとプニィ

グダグダ会話。

一方的にクリオラ(ルルー)に口撃されるゼオ(シェゾ)という構図は、コンパイル魔導晩期によく見られたパターン。心底変態だと決めつけ気味悪がって悲鳴をあげるクリオラの様子には、漫画版『わくぷよ』が特に頭に浮かびました。

ゼオのロリコン疑惑に、「感心せんな!」と憤るギガディス。お前が言うな! と総プレイヤーが突っ込むトコロですね。

・・・
ゼオの初登場シーン。
じっと見つめるゼオに気付いたププル、最初は「かっこいいなー」と見とれていますが、「俺はお前が欲しいんだっ!」と言われてドン引き。以降、ヘンタイ扱いするようになる。
この流れは、旧魔導シリーズでのアルルとシェゾの初邂逅のオマージュです。

で。ゼオがあまりにじーっと見つめるのでププルが「怖い!」と思うエピソードが入れられています。
ここで、アレッと思いました。

旧魔導のアルルとシェゾの初邂逅は、警戒するアルルにシェゾが「お前の力が欲しいだけだ!!」と言うところから始まっています。この時アルルが何を考えていたか、どのくらいシェゾが見つめたかは、ゲーム画面では判りません。
ただ、取説のプレストーリーには、アルルがシェゾの目つきを「かっこいいけど、どこかおかしい。変態の目だ。」と思って警戒したこと、力が欲しいと言われて「ああああ、やっぱり、変態お兄さんだ!」と思ったことが書かれてあります。(PC98版以降は、ゲームデモ内で「変態だわ」と言う。)

でも、変態の目ってどんな目?
シェゾファンの私は、彼が見るからに変質者の目つきをしていたとは思いたくなかったので、以下のようにサイト内の考察コンテンツ(魔導キャラファイル)に書いたものでした。

>実際のデモ画面の映像を見ると、シェゾは完全な無表情で、ニヤついてもいないし興奮している様子もない。睨みつけてもいない。絵で見る限り、特に異常な目つきはしていない。(後のGG版『魔導U』においてのみ、悪そうなニヤリ笑いを浮かべている。)
> では、アルルは何故「変態の目」だと思ったのか。
> 思うに、シェゾがあまりにアルルを凝視していたからではないのだろうか。
> 人気の無い山道。年頃の女の子の前に立ちふさがる見知らぬ男。彼は黙ってじーーーーっと彼女を見ている。
> とくれば、アルルが貞操の危機を感じたとしても無理はないのかもしれない。……多分、この時シェゾは、アルルが想像したのとは違うことを考えていたのだろうとは思うのだが。

この、シェゾがあまりにじーっと見ていたからアルルは恐怖を感じて警戒したのだという解釈は私が勝手に考えたもので、公式にそう解説されたことは、私の知る限り一度もありません。
ですから、前述のププルとゼオの初邂逅シーンを見たとき、アレッと思ったのです。ひょっとしたら、このシナリオライターさんはウチの考察コンテンツを読んだことがあるのかなと。

…と書くと、自意識過剰だと白眼視されそうですね。(^_^;)
いやいやだって、ウチは十年以上ネットの海に浮かび続けてるファンサイトですもん。検索すればヒットするし、そういうコトだってあるかもしれないじゃないですかー。ねっ、ねっ?

などと見苦しく言い募ってみましたが。
私が知らないだけで、実は昔から一般的な解釈だったのかもしれません。あるいは、シナリオライターさんが完全独自に考えたことかもしれません。
私は比較神話伝承学系のサイトも運営していますが、そちらの視点から見れば、《偶然同じことを考える》なんて、恐らく、珍しくもないことなんですよね。

ただ、自分的にアレッと思ったというハナシです。

ちなみに四章で、ゼオが闇の魔導師に相応しくあろうと意識的に振舞っていると語られた場面でも、同じように感じました。
・・・

個人的には、ゼオがププル自身に力を感じて寄って来たのではないのが、外連みに乏しくて残念でした。せめて、魔導カレーのレシピから発される魔力を感じて…とかだったらよかったな〜。

魔導カレーの名を聞いただけで情報をよこせと迫って来たゼオは、実はこの時点のププルよりも魔導カレーの情報を持っているわけですよね。
そして、今この場にいる中で最も魔導カレーに詳しいのは、多分ギガディスなんだけど…。なにしろ魔導カレーのレシピはもともと彼のものだったというのですから。きっと古代カレー語も読めるはず。
何故、ププルもゼオも、魔導カレーについてギガディスに訊こうと思い付かないのでしょうか。マイナス的な人徳かしら(笑)。


さて、虎と狼が食い合いを始めた隙に、とっとと逃げ出したププルとプニィ。
実はまだまだ、デモは途切れずに続いています。なんなんだこの長さ。

今度は「なにやら騒がしいと思えば……お前達だったか」と言いつつエターニャが登場。たちまち仏頂面になるプニィ。
エターニャはプニィに向かい、「先日はすまなかったな、非礼を詫びよう。この通りだ」と丁寧に頭を下げ「それで、大カレー神について教えてほしいのだが……」と切り出します。オトナな態度です。しかしプニィはとことんコドモ。「おことわり」と切り捨てる。面倒なガキです。「教えてあげたら?」とププルが取り成すと、話をすり替えた屁理屈をかます。

これはビーフカレーを食べたい人に
シーフードをオススメするのと同じことかも。
とても重大な問題

なに言ってんだこいつ。
でもププルは説得されてしまい、わざとらしく話題を変える。ため息をついただけで怒らないエターニャはやっぱりオトナです。

最初の究極食材をゲットしたことで、エターニャに「よくやったな。お前は見所のある娘だな」と褒められたププルは、

(ボクよりずっと年下なのに、
 大人びてて変わった子だなぁ)
(ま、ヤなカンジじゃないけど……)

と思うのでした。

ププルの要請に応え、次の究極食材はアッチーノ火山の溶岩おまるエビのエビミソだと告げるエターニャ。
用が済んだところで、例によって《くぅちゃんがお腹を鳴らす→カレー屋さんへ行こうとププルが言う》オチパターン。シナリオライターさんは余程これが好きらしい。
そしてエターニャの前から駆け去るププルとプニィなのでした。
このゲームの人達はみんな走りまくってて、ホント元気だよね。

この後、真っ暗画面でギガディス、クリオラ、ゼオの不毛な会話がまだ続いてた様子が少し描写されます。はー。


それが終わると、よーやく街メニューが出現。セーブが出来るようになりました。
長かった……。
しかし、エターニャから次の迷宮の情報を得たというのに、まだ次へ行けるようにはなっていません。
仕方なく《カレー屋》のメニューを選択すると、またイベント開始です。うえー、まだイベント続くのね。

カレー屋で、次の究極食材はアッチーノ火山だと大声でププルが報告していると、ゴルダールがわざわざ店に入ってきて「ほう、次はアッチーノ火山へ行くのか」と言ってから立ち去ります。「なにしに来たの、あのごうつくおやじ」と毒を吐くロリ電波巫女プニィさま。得意のカレー電波は今回は受信できなかったようです。ププルも負けじと毒を吐きます。

はちゃめちゃキャラ劇の『まほうの鏡』にて、ププルは「真に心が美しい者」だと語られてるんですけど(プニィもリーリカもサフラン先生もパンナもクリオラも、真に心が美しくないそうです)、こういう場面を見ると普通の女の子だと思えるけどなぁ。
(「真に心が美しい者=究極の単純バカ」だと説明されてるんですけど、その定義にも個人的には異論があります。究極の単純バカでなければ真に心が美しいとは言えないのか? ププルに比べてリーリカやサフラン先生の心は醜いのか?
……まあ、まほうの鏡を作った古代の魔導師(?)が皮肉屋だったってだけかもですけど。)

で、ニコリがププルにタダでカレーを提供。「僕に出来ることならなんでも協力するよ」とまで言う。
ププルは店のレシピの提供を要求。迷宮内でカレーが作れる《どこでもカレー》機能がオープンになりました。


カレー屋でのイベントは終わりましたが、まだ次へ進めるようにはなっていません…。仕方なく《マイルーム》に入ると、大クーシーがププルの部屋に住みつくイベント発生。《マイルーム》での合成機能がオープンに。
なんでこいつ、勝手に居候するうえに金を取るんだろう。


で。《マイルーム》を出ると、問答無用で「第二章」のタイトルが出て、またも出立イベントが強制的に始まるのでした……。
溢れる一方的に進まされてる感。ふー。

前述したように、《ワールドマップを開いたら》出立イベントが起きるようにするか、あるいは、条件が揃ったら「次章へ進む」アイコンが発生して、それを選択したら新章が開始するとか、そういうのじゃ駄目だったのかなー。
大クーシーとかは任意イベント扱いでいいと思います。
エターニャは街メニューに「占いの館」とかを作って、それを選択すると会話できる仕様とかの方がよかったなー。何でもない時はちょっとした占いとか世間話とかできるの。たま〜にはゼオ達ライバルキャラと会えることもあるの。で、エターニャから次の迷宮の情報を得た時点で「次章へ進む」アイコンが出るみたいな。


ともあれ、第一章はここまでです。


第一章、皆さんはどう思いましたか?
私は、詰め込みすぎだと感じました。
勇者三人組、ギガディス、クリオラ、ゼオらの自己紹介、ププルとの関係性の構築まで、全部やっちゃってる。特にギガディス、クリオラ、ゼオは三人まとめてひとからげ状態です。あんなに癖のあるキャラクターたちなのに勿体ない。

彼らは旧魔導キャラの分身なので、思い入れがあるぶん残念でした。

つーか。ソコイチに妨害されながら魔導カレーを作るという本筋だけで見るなら、ギガディス、クリオラ、ゼオは要らないんですよね。むしろ邪魔。
逆に、ライバルとしてゼオらを有効に使うならば、勇者三人組(ソコイチ勢力)は要りません。邪魔です。

物語の規模に対してキャラが多く、ポジションも重なりがちで、キャラ同士が食い合っているように思います。元々知り合い同士のアルル、サタン、ルルー、シェゾらお馴染みメンバーに、ゲストキャラとしてプニィやエターニャ達が加わる『アルルの冒険』的な構成なら、まあ何とかなるんでしょうが、生憎、みんな初対面ですもんね。

無理に、一章までで全キャラを登場させて関係成立まで完了させる必要はなかったんじゃないかと思いました。
色々勿体ないです。





以下、カレー毒電波受信中……。
ゼオはシェゾと同じように、最初に登場したらよかったかも。最初の究極食材を探す(または、魔導の塔から帰還する途中の)ププルの前に、謎のお兄さんが現れ「お前のすべてが欲しいだけだ」とか言い放つ。当初は、ププルの持つ魔導カレーのレシピから発される魔力に惹かれたとかでいいかも。
その後、魔力を発してるのはレシピだと気付き、次に魔導カレーの力を知ってそれを手に入れようとするかも。最終的に、自分を何度も打ち負かすププルに興味を抱き、カレーはあきらめてやる代わりに、ププル本人(の力)が欲しいと宣言する、かも。(そしてププルにはっ倒されるといいかも。)

ギガディスは、究極食材の一つを持っているということにして、二、三章あたりで初登場とかでもよかったかも。
ププルを物陰から見て惚れる前段はなくてもよかった、かも。
迷宮「ギガディスの別荘」を攻略。寝ぼけていたギガディスを撃退。(GG版『魔導2』みたいに、ここで追いかけて来たゼオとギガディスで対立関係を成立させるのもアリかも。)
以降、妃候補として付きまとわれるようになる。ここ以降になら、物陰からドキドキとププルを覗き見るエピソードがあってもいいかも。
クリオラはここで初登場してもいいし、次以降からでもいい。

ゴルダールが魔導カレーの存在に気付くのは一章クリア後にして、勇者三人組の登場は二章以降でいいかも。最初のころはあまり台詞多くなくてもいい。「ゴルダールに騙されてる」のは追々明かしていけばいいことで、最初から全部開示しておかなくていいのかも。

ライバル達は究極食材を取りに行く途中で妨害してくるばかりでなく、「究極食材の一つを持っている。勝負に勝てば渡してやるぞ」的に呼び出してきたり、一度クリアした迷宮にもう一度行くクエストなんかがあってもよかったかも。
このゲーム、攻略できる迷宮が少ない。せめてそういう水増しでもあれば、シナリオのぎちぎち詰め状態も緩和されたのかも…。

キャラが大カレー神とかぶってるカレー神(カレーシャ)はいなくてもいいかも。
本編ラスボスの候補は、本気出したギガディスか憑依プニィで足りたかも。中ボスとかで、エターニャがププルを試すべく変装して立ち向かってきてもよかったかも。(マスクド・エターニャか? 笑)魔導カレーのレシピに最初から破けてるページがあって、エターニャを倒すとそれを渡してきて、レシピは昔自分が持っていたと明かしてくれる流れとかもベタでいいかも。
プニィに憑依したのは何者か、迷いの森で聞こえた声は誰のものかという謎は本編では置いておいて、真のラスボス・大カレー神が余章に控えているという流れ。


などという、フワッとした妄想。
ゼオ戦、クリオラ戦、ギガディス戦は複数回あってもよかったと思うのです。
できれば勇者三人組とも戦いたかったな―。三人と戦うから強敵ってのでもいいし、予想以上にへっぽこで激弱でも面白い。一人ずつと戦ってもいい。

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