ぱちぷよ

製作/TOM CREATE 発売/バンプレスト(95/05)
AM

 スーパーのゲームコーナー等に設置されていた、子供向けのメダルゲーム。絵はす〜ぱ〜系の『ぷよ1』のもの。『ぱちぷよ』の"ぱち"は「パチンコ」の"パチ"で、ビデオゲームなのだがパチンコ風になっている。主人公はアルルの模様。

 画面左下部が縦5×横6のフィールドになっており、そこでぷよを積んで連鎖していく。連鎖が大きいほど高得点になり、メダルが獲得できる。この点では普通のぷよと変わらない。ただし、ぷよを積むフィールドの上部がパチンコ風のフィールドになっており、ここをどのようにぷよ(パチンコの玉代わり)が通過していくかでぷよの色や落ちる位置が変わっていくようだ。

 ゲームを開始すると、このパチンコフィールドの種類を「スロット」「ルーレット」「ネオンバー」の三種類の中から選ぶことができる。それぞれをいかにぷよが通過するか(スロットが揃うか)で、おじゃまが降ったりぷよの色が変わったりといった変化が起こる。

以下文章/クッキー王子さん

 

 ぷよぷよスロット同様オープニングデモはありました。ストーリーはありません。

 あと、メダル1枚につき持ちぷよが何個増えるのかということがよくわからんのです。

 メダルを入れるたびに画面のメダルの絵が増えていったのですが、メダルを1枚入れるたびにメダルの絵が2つずつ、持ちぷよが20個増えていました。

 ところが、ぱちぷよを紹介しているWEB上の他サイトにはメダル1枚につき持ちぷよ10個とありました。確かにメダル1枚で画面のメダルは2枚増えるというのは変です。

 実は、同じアーケードゲームでも店によって1プレイ100円の所もあれば50円のところもあるように、ぱちぷよも店ごとに設定の変更が出来て、私が訪れた店は設定を変えていたようです。通常は100円でメダル十一枚ほど買えるのですが、その店ではメダル七枚しか買えませんでした。

 

オープニング *アルルのセリフは全てサンプリングボイスです。

 アルルが切り株に座って眠っています。そこは洞窟の前です。また、画面の左右にはぷよ1の漫才デモのように木が1本ずつあります。

 洞窟から4つの目玉が表れました。赤ぷよと黄ぷよです。2匹のぷよはアルルの頭に体当たりをし、アルルを起こしてしまいました。

「やったなー」

 怒ったアルルはぷよを洞窟へ蹴っ飛ばしました。

 再びアルルが眠りにつくと、また洞窟から4つの目玉が現われました。アルルはそれに気づいたらしく、立ち上がりました。すると、

「げげげ」

 なんと洞窟から多量のぷよが現れました。ぷよ達は一斉にアルルへ向かっていきます。

「うわあぁぁ〜!」

 アルルはぷよ諸共流されていってしまいました。

 その後アルルが下からアップで登場。そしてタイトルが表示されます。

 

音楽

 タイトル画面(オープニング)がBAROQUE OF PUYOPUYO
 スロットがTHEME OF PUYOPUYO
 ネオンバーがSTICKER OF PUYOPUYO
 ルーレットはTOY OF PUYOPUYOだったかMORNING OF PUYOPUYOだったか忘れてしまいました。

 どれも原曲より短くなっていました。

 

基本ルール

 ぷよをパチンコの要領で飛ばしてフィールドへ入れます。

 フィールドは横6列のため、フィールドへの入り口も6つあります。

 また既に5段積んである列へぷよが入ると、一番下のぷよがフィールド外に落ちていき、その列のぷよ全てが1段下がります。

 メダルを入れれば持ちぷよは最大100個まで増えます。

 

ぷよの消え方

 ぷよ通の後に登場したためか、1連鎖でアルルが「やった」と言い、ガッツポーズをします。

 2連鎖以降は魔法を放ち、その魔法の色はファイヤーは赤、アイスストームは青、ダイアキュートは白、ばよえーんは金色です。

 ただし、ぷよの消え方は連鎖しても変わりません。

 ほかにも、スロットが揃わなかったときは「ありゃー」と言い、マイナス効果であるさそりまん、スケルトンTの絵が揃ってしまったときは「やったなー」と言います。

 

ゲーム終了

 持ちぷよが無くなるとゲームは終了します。

 メダルが1枚でも戻れば「やった」、1枚も戻らないと「ばたんきゅ」です。

 

///この項目を作るにあたり、クッキー王子さんに多大なご厚意をいただきました。有り難うございました。///

す〜ぱ〜なぞぷよルルーのルー

製作/コンパイル 発売/バンプレスト(95/05/26)
SFC

す〜ぱ〜なぞぷよ ルル〜のル〜

 GG版『アルルのルー』の移植作。コンセプト・システム的には同じだが、ストーリーモードがアルル編(アルルのルー)とルルー編(ルルーのルー)に別れてステージと登場キャラも増え、キャラ配置やラスボスも変わって、物語が膨らんだ。その他のモードも充実している。やっぱりパッケージがカレールー風。

◆ストーリー

アルルのルー

 最高に美味しいカレーが食べたくなって買い物に出かけたアルルは、何故かお店の人・出会う者全てに次々となぞぷよ勝負を仕掛けられる。
 私のためのカレーだな、と勘違いして絡むサタンを倒し、やっと帰り道に就いたとき、ルルーとばったり出遭ってしまい……。

ルルーのルー

 サタンの旦那の好物はカレーだそうですぜ。ミノタウロスからこう聞いたルルーは、カレーの材料を集めに出発。タカビーに材料を巻き上げていく。やがてサタンに出会ったが、サタンは”魔導の娘”――アルルのことしか眼中にないのだった。

「というワケで、ざんねんだが……」
「きいいいぃぃぃ!!」
「ゆるせよ、ルルー」
「なによ!!! バカバカバカ! あなたなんか、だいっっっきらい!」

 めちゃめちゃに落ちこみながら帰るルルーは、ばったりとアルルに出遭ってしまった。とぼけた顔をしてサタンさまを奪った憎い女! こうなったら、勝負するしかないっ!

 

 二つの独立したストーリーがあり、しかし互いにシンクロしている。後の『ぷよSUN』や『わくぷよ』に通じるストーリー構成である。

 今までプレイしたゲームでは、サタンがアルルばかり構っても、ルルーは決してその嫉妬の矛先をサタンに向けることなく、パラノイア的にアルルを敵視するばかりだった。なので、サタンに対しての「あなたなんか、だいっっっきらい!」のセリフにはとても驚いた。うわぁ。修羅場じゃん……。といっても、ルルーが本当にサタンを嫌いになれるはずもなく。当のアルル自身も(サタンとの愛だなんて)うげげげげげげっっ! カンベンしてよ!!」と怒って去るので。ルルーは「サタンさま、いずれは、あなたをふりむかせてみせる!」と決意を新たにするのだった。

 しかし、この物語の本領は、実はエピローグにあったのである。

 

「ねえ、ミノタウロス。いっしょにカレー、たべよっか?」
「え? よよよよ… よろしいんですかい?」
「もっちろん! うでによりをかけてつくったんだぞ」
「うおおおおおおお!! わが じんせいに、カケラも くいなし!」
「くすっ…。じゃ、いただきまあす」

 

 うおお! この話、実はミノ×ルルーだったんかい!

 ミノタウロスに向かって「〜だぞ」と言ったリ「くすっ」と笑うルルーというのも、今では考えられないキャラクター像ではある。作った自分もマズいと思ったカレーを、おいしいおいしいとガツガツ食べるミノの姿を見て、エンディングの間中ニコニコしているルルーなのだった。

 ……でも私は、突然席を立って、エンディングの間中 食卓の周りをぐるぐる駆けずり回っていたミノの様子が気になった。やっぱ、あのカレーを食べたために何かが……。『わくぷよ』ではミノはカレーが苦手で食べられなくなっているのだが、もしかしてこの辺に秘密が?(^_^;)

 鉄ぷよが初登場。ストーリーモードの難易度は、GG版に比べると結構低い感じ。

す〜ぱ〜なぞぷよ通ルルーの鉄腕繁盛記

製作・発売/コンパイル(96/06/29)
SFC

す~ぱ~なぞぷよ通 ルルーの鉄腕繁盛記

 RPG要素が強化されており、マップも更に広く、物語がしっかりしてきた。レベルの概念は相変わらずだが、回復アイテムが存在している。タイトルからも判る通り、主人公はルルーである。

◆ストーリー

 前回、集めた材料で作ったカレーはむちゃくちゃマズかった。そこでルルーは思う。この世で最も重要なのはなぞぷよの腕だと。なぞぷよマスターにさえなれば全ては思いのまま。そう、愛しいサタンさまの愛でさえも……。

 こういうよく分からない結論のもと、なぞぷよ修行を開始……したはずだったのに、気がつけば山にこもって格闘技の修行をしていた。これじゃいけない! 山から下りたルルーは、教会で時の女神様のお告げを聞く。それによれば、なぞぷよマスターになれるアイテムが西の魔女の塔にあるというのだ。ところが、どうやらこのアイテムをシェゾも狙っているようで……。

 

 前作まではマップ内は自動セーブだったが、今作では自己セーブ。回復アイテムのらっきょは役に立つのか立たないのか……。

 シナリオライターが代わったこともあってか、キャラクターの性格や物語の雰囲気が前作までとはガラリと異なっている。『ぷよSUN』のすぐ前に発売されているのだが、実際『SUN』と雰囲気がとてもよく似ている。全体にキャラクターの性格が丸くなっていて、ややマヌケっぽいと言うのか。世界観はのんびり、ほのぼの。アルルの性格が激しく変化しており、ルルーに対して”友達”として接してくる。前作での争いについて言及してくるのだが、あれだけ怒っていたくせに「ボク、気にしてないよ」「これで仲直り。ね?」などと、アッケラカンと一方的に言うのである。博愛主義者と言うか白痴美的と言うか。一人称もカタカナの「ボク」になっている。続けてプレイしたこともあって、前作から大きな溝を感じた。

 ルルーの家の執事、”じぃ”が登場。かつて金庫破りだったとか忍者だったとか、いわくありげな設定で、屋敷に忍び込んだシェゾを魔導の使えない落とし穴に落としてしまうなど、底が知れない興味深いキャラだが、残念ながらこの後、他のゲームへの再登場はなかった。

 コンパイルの最盛期のソフトらしく、隠れキャラの”北出マン”が、ぷよまんだのコンパイル公式サイトの開設だのコンパイル所持のレーシングチームのことだのを得々と宣伝するのだが、今見ると痛ましい……。

す〜ぱ〜ぷよぷよびんご

製作・発売/バンプレスト(96/?)
AM

 スーパーのゲームコーナー等に設置されていた、子供向けのゲーム。

以下文章/クッキー王子さん

 

 確か料金は100円でチャンスは3回でした。9つの穴と4つのボールがありまして、ボタンを押すとボールが飛び跳ね、そして穴に収まります。

 ビンゴゲームのように、ボールが一直線上に並べば景品として飴玉が出てきます。

 確か、ボールが正方形状に並んだときも もらえたと思います。

 

 私は飴玉を2つ手に入れました。その飴玉の袋はちゃんと とってあります。

 1つの袋にはスケルトンTと彼のセリフが描かれています。

 もう1つは面クリアクイズ、つまりなぞぷよです。

 

    <ぼくは何色?
●●
◆◆▲▲
●●

 

 あと、この飴玉はロッテ製です。

 虫歯になりにくいパラチニットを使用しているそうです。

 5年以上も前の飴玉でしたが、お腹を壊したりはしませんでした。

 

以下文章/ロードさん

 

偶然手元にす〜ぱ〜ぷよぷよびんごの詳しい資料があったので投稿してみます。

役柄一覧
(”ななめ”と”いちれつ”は他のパターンもありそうですが、本体に貼ってあるシールに準拠した表示にしました)

■□■
□□□
■□■ よすみ 6個

□■□
■□■
□■□ じゅうじ 5個

□□■
□■□
■□□ ななめ 2個

□□□
■■■
□□□ いちれつ 1個

 

シール一覧(全10パターンを終えると同じ順にループします)

す〜ぱ〜
ぷよぷよ
面クリアクイズ

□□□< ぼくは何色?
●●
◆◆▲▲
●●

こたえ:きいろ


スケルトンT
きょうも元気だお茶が
うまい!おおっ、しか
も茶柱までたってる!
こんどのぷよぷよ勝負
はオレの勝ちだな!


す〜ぱ〜
ぷよぷよ
面クリアクイズ

□□< ぼくは何色?

◆◆◆
●●●

こたえ:あかいろ


アルル・ナジャ
あ〜ん、ぷよぷよ地獄
がわたしをくるしめる
〜!でも、りっぱな魔
導士になるためにも、
がんばるぞっ!!


す〜ぱ〜
ぷよぷよ
面クリアクイズ

□□□< ぼくは何色?

▼▼
◆◆◆

こたえ:むらさきいろ


すけとうだら
オレのすばらしいおど
りをジャマするヤツは
ゆるさない!!でも、ぷ
よぷよで勝てたら、ゆ
るしてやる。


す〜ぱ〜
ぷよぷよ
面クリアクイズ

□□□< ぼくは何色?
●●
▲▲

こたえ:きいろ


サタンさま
ふふふっ…わたしはサ
ンタ…いや、ちがった!
サタンだ!!ぷよぷよで
いちばん強いこのわた
しに勝てるかな?


す〜ぱ〜
ぷよぷよ
面クリアクイズ

□□< ぼくは何色?

▲▲▼▼
●●

こたえ:むらさきいろ


ぞう大魔王
俺様が怒るとコワ〜イ、
ぞう大魔王だぞう。じ
まんの怪力とスピード
でぷよぷよ地獄をおみ
まいするぞう!

 

///この項目を作るにあたり、クッキー王子さん、ロードさんに多大なご厚意をいただきました。有り難うございました。///

ぷよぷよSUN
『ぷよぷよSUN決定盤』『ぷよぷよSUN64』『ぽけっとぷよぷよSUN』

製作・発売/コンパイル(96/12〜)
AC/SS/N64/PS/WIN95/GBC/Y!ケータイ/EZweb/i-mode等

ぷよぷよSUN

 シリーズとして定着した三弾目。

 今回はそれなりにしっかりとしたストーリーが用意され、主人公も難易レベルごとに異なる。しかも互いの話が共鳴しているのがミソ。

 個人の対戦技術が進んで「上級者向け」に偏り始めていた『通』を、初心者用に振り戻す方策が取られ、初心者と上級者が対戦できるようにハンデ機能が盛り込まれた。

◆ストーリー

 ある日、突然太陽が大きくなった。冬だというのに真夏以上の暑さ。おまけに、夜も昼も無くカンカンと日が照り続ける。この異常事態に、呑気に日光浴に出かけたドラコなんかもいたが、アルルは例によって正義感に燃えて立ち上がったし、シェゾは怒りに震えて旅立った。目指すは、てっぺんから変な光が太陽に伸びている、見るからに怪しい塔。

 さて、その頃サタン様は呑気に浮かれてバカンス気分。彼は「日に焼けてギャルにモテモテ」という雑誌の記事を鵜呑みにして、日焼けするために太陽を大きくしていたのだ。

 

 ノーマルで全キャラそれぞれの連鎖ボイスが入り、連鎖すると簡易アニメのカットインが入る。フィールドの背景も各キャラのイラスト。また、うまく消すと攻撃力の高まる”太陽ぷよ”が導入された。

 大会での対戦には向かないとして、『ぷよ通』好きの人からはとにかく評判が悪いと言うか、色物扱いされているこのゲーム。でも私は大好きだ。確かにちょっと子供っぽい雰囲気だけど、明るくてカラフルで見てるだけで楽しくなる。私は鈍いしパズルもダメなので、『ぷよ』とは一生縁がないと避けていたのだが、これの体験版に触って「クリア出来なくてもいいや、見てるだけで楽しいし」と買ってしまったという過去がある。買うと、連鎖カット見たさに一生懸命練習したしね。(ごほうびに釣られるサルのよーに……)

 初心者には有利な太陽ぷよは、『通』の攻略法に慣れた上級者には「上手く使えない、かえって邪魔」という人が多くて不評だった。しかしゲームボーイ版では調整が進んで、かなり使い勝手が良くなっていたそうだ。

 

>>『ぷよぷよSUN』連鎖ボイス一覧/ダメージボイス一覧/登・退場ボイス一覧
>>『ぷよぷよSUN』漫才デモログ

 
SUN 声優一覧表
アルル・ナジャ 小沢ミナコ ラグナス・ビシャシ/
キキーモラ
さかなやさん
(コンパイル)
カーバンクル/
ドラコケンタウロス/
コドモドラゴン
姫月あやめ
(コンパイル)
すけとうだら/
ぞう大魔王
秋山泰俊SSS
(コンパイル)
ルルー さるかいかい
(コンパイル)/
浅葱のあ
(決定盤より)
のほほ ケロル
(コンパイル)
シェゾ・ウィグィィ 大塚雄史郎 ハーピー RIU
(コンパイル)
サタン Moo仁井谷
(コンパイル)
ハニービー けみ
(コンパイル)
スケルトンT ガッツ中松
(コンパイル)/
藤田圭宣
(決定盤より)
ちょっぷん セニョール河北
(コンパイル)
インキュバス 橘 黄昏
(コンパイル)/
小竜
(決定盤より)
ミノタウロス
(漫才デモのみ)
むらさき朱
(コンパイル)
ウィッチ のだすみ
(コンパイル)


このキャスティングは、これ以降から98年頃までのぷよ・魔導系ゲームで(サタンを除き)大体このまま使われ、定着していた。
なお、03年初頭に発売されたセガ版では、サタンの声優が変更され、スタッフロールも消されているそうである。

 ちなみに初めてプレイした時、私は二連鎖すら出来なかった。でも、とりあえずシルバーモードでむずいまでクリアはした。どーやってたかというと、とにかく早く落としてたのだ。方向キー下に入れっぱなし。そんなわけで、暫くは「むずい」の音楽を聴くと、条件反射的に「早くぷよを落とさなきゃ」という強迫観念に駆られていた。

ぷよぷよ〜ん
『ぷよぷよ〜んパーティー』『ぷよぷよ〜ん カーくんといっしょ』『ぽけっとぷよぷよ〜ん』

製作/コンパイル 発売/セガ・エンタープライゼス(99/03/04〜)
DC/N64/PS/GBC/Y!ケータイ/i-mode/WILLCOM

ぷよぷよ~ん

 ぷよシリーズ第4弾。各キャラクターごとの特技、ステージの属性などの新要素が加えられた。絵は一気に頭身が上がり、美麗。声優が一新され、全てプロの声に。

 頭身が上がったのは、最初の発売機種がドリームキャストであり、購買年齢層が高いと踏んでのことだったようだ。キャラコスチュームを最近作の『魔導』的イメージにリニューアル、物語もシリアスなアドベンチャー形式にして、”ドッペルアルル”が登場……と、いわば『魔導』寄りの『ぷよ』になった。

◆ストーリー

 ある春の日、アルルはサーカスを見に出かけました。サーカスを見るのは初めてなので、うきうきしています。と。突然、アルルの前にサーカスの馬車が停まりました。中から降りてきたのは仮面を着けたピエロ。彼(彼女?)はきょとんとしているアルルに深々とお辞儀をすると、素早く消え去ったのでした。

 サーカスのショーはとても楽しいものでした。その時、マスクを着けた団長が、「消える魔術」のアシスタントを観客に募りました。団長が呼んだのはカーバンクル。カーくんはいそいそとステージに上がります。そして、団長は見事にカーくんを消してみせたのでした。
 楽しい時間は終わり、観客達は帰途につき始めました。アルルも満足しつつ帰ろうとして……そうか、カーくんはステージから消えたままだったんだとようやく気が付きました。そこでカーくんを迎えに行ったのですが、団員達はロクに話を聞いてくれません。ようやく、キキーモラから団長が連れて行ったと聞き出したアルルは、カーくんを追って転送の魔法陣に飛び乗るのでした。

 途中で出会ったドラコ、セリリ、ウィッチ、そして巫女のチコを仲間(?)にして、最後にアルルが辿り着いたのは……最初のサーカス小屋でした。
 思っていたとおり、そこにはサタンがいましたが……。
 なんだか様子が変です。どこかぼんやりしているし、肩に乗っているカーバンクルは……人形です。

 サタンをばたんきゅ〜させると、彼はようやく正気を取り戻したようでした。でも、カーバンクルのことは知らないと言うのです。アルルが怒ったとき、誰かが言いました。
「そいつは本当に何も知らないよ」
 そこにはあのピエロがいました。
「カーバンクルはもう、ボクのものだよ。せっかくサタンが連れてきたんだから」
 そしてピエロは仮面を取りました。
 アルルは息を飲みました。何故なら、仮面の下のその顔は、アルル自身ににうりふたつだったのです。
「ボクに勝つというのがどういうことか……教えてあげるよ」
 アルルと対峙しながら、「彼女」はせせら笑うのでした。

 

 物語は、ドッペルアルルが何者で何のために現れたのか皆目判らない上、最後の問題をカーバンクルの不思議な力で片付けてしまうという、個人的には「マジメにシナリオ書いとんのかわりゃ」ってなものであった。いやホントに。デモそのものも「お馴染みのパターン」の繰り返しが殆どだし……。

 

 「火」「水」「大地」「天空」の四つの属性の仲間と、それに対応した四つのステージ(実際に登場するステージはその他に「サーカス(ノーマル)」「異次元」「カーバンクルステージ」の3種類、すなわち7種類ある)。そして四人対戦、と四尽くめ。

 N64版では「爆弾ぷよ」を押し付け合う「ばくだんぷよぷよ」モードが、PS版ではカレーの材料を求めて対戦し、出来たカレーをカーバンクルに食べさせて反応を楽しむ『カレーすとーりー』等が追加された。

 

 ただし、最後に発売されたゲームボーイ版の内容は、他機種版と大きく異なっている。

 まず、デモが全て違う。ストーリーの大枠自体は同じなのだが、細部やニュアンスはかなり異なっている。デモ自体も、パターンにはまりきっていた他機種版に比べ、一歩踏み出した感じ。システム上の変化ゆえなのだろうが、ドラコ、セリリ、ウィッチ、チコの四人が仲間として同行するエピソードは完全に無くなっており、アルルはあくまで一人で行動する。サタンはドッペルアルルに操られていたわけではなく自らの意思で行動しているようだし(何故協力していたのかは不明だが)、全てが曖昧なまま終わった他機種版と違い、結末も「ちょっといい話」的なオチがきちんとついてまとまっている。余談だが、シェゾに対するアルルの態度が他機種版とはまるで違い、微妙に和んでいて『SUN』に近い感じ。チコは、意外にも守銭奴的な性格を顕わにしている。

>>『アル冒』『ぽけぷよよん』における真魔導系裏設定

 ストーリーモードでは、各ステージ中に「ボス」といえるキャラがおり、このキャラを倒せば同ステージ内の別のキャラたちを倒さずとも次のステージに進めるようになっている。

 システム面に関しても、他機種版とはかなり異なる。設定で外すことは出来るがデフォルトで太陽ぷよが降る。特技システムも独自のものになっていて、他機種版の特技が各キャラの個性に合わせた「必殺技」だったのに対し、こちらではあくまで「ぷよぷよを遊ぶ上での特技」。アレイアードスペシャルや女王乱舞のような個人特技ではないので、戦って相手から奪い、自分の技にすることが出来る。この独自の特技は『ぷよぷよBOX』に受け継がれている。

 なお、今までのゲームボーイ版はモノクロとカラー両方に対応していたが、『ぽけぷよよん』ではカラー専用にする事により、画像の増加と、ゲームボーイ版シリーズでは初めてサンプリングボイスの使用を可能にした。このボイスは、他機種版『ぷよよん』のものと『SUN』のものを混ぜて使用している。音楽も同様で、他機種版『ぷよよん』のものと『SUN』のものが入り混じっている。

 

 『ぷよぷよ〜ん』は、開発当初はアーケード版も稼動する予定で、実際かなり作り込まれていたようだが、結果的に未稼動に終わっている。後にCD画集として発表されたアーケード版デモ用の画像を見る限りでは、ラグナスやミノタウロスがデモに登場していたり、ドッペルアルルが大きな宝玉を持っていたりして、独自のストーリーが展開されていたようだ。これが公開されていたら、曖昧模糊としたこの物語の真実が明かされたのだろうか?

>>『ぷよぷよ〜ん』連鎖ボイス一覧/『ぽけっと ぷよぷよ〜ん』連鎖ボイス一覧
>>ダメージボイス一覧/登・退場ボイス一覧
>>『ぷよぷよ〜ん』特技一覧/『ぽけぷよよん』特技一覧
>>『カレーすとーりー』全カレーリスト
>>『ぷよぷよ〜ん』漫才デモログ/カレーすとーりー漫才デモログ/『ぽけっと ぷよぷよ〜ん』漫才デモログ/『チコの日記』

 
よ〜ん 声優一覧表
アルル・ナジャ/
ドッペルアルル
本井えみ ドラコケンタウロス/
ラグナス・ビシャシ
三浦智子
カーバンクル/
ナレーション
間宮くるみ セリリ 川崎恵里子
ルルー/
ドラゴン
星野千寿子 すけとうだら/
ミノタウロス
長島雄一
シェゾ・ウィグィィ/
インキュバス
松本保典 ハーピー こおろぎさとみ
サタン 小野健一 パノッティ 水田わさび
ウィッチ 水谷優子 キキーモラ 引田有美
スケルトンT/
のほほ
緒方賢一 アーちゃん 五藤邑子
チコ 南杏子 ももも/
ハニービー
政野早希子

ぷよぷよDA!-featuring ELLENA System-

製作/コンパイル 発売/セガ・エンタープライゼス(99/12/16)
AC/DC

ぷよぷよDA!

 ついに『ぷよぷよ』でダンスゲーム。 94年にDSで発表されたダンスゲーム『ブロードウェイ伝説エレナ』を基にしている。よって、登場キャラの中に『ぷよ、魔導』とは関係ないエレナが混じっている。

 先行のCPUキャラの踊り(タイミング)を参考にして、楽譜上のカーソルの動きに合わせてボタンを押し、魔導キャラを踊らせる。タイミングが合うと得点が入り、高得点だと対戦相手におじゃまぷよを送れる。よいタイミングが続くと「連鎖」が表示され、より高得点になる。ダンスが終わった時、おじゃまぷよが頭上に溜まっている方が負け。

 ちなみに、あまりに失敗ばかりだと「のりのりゲージ」がダウンしてしまい、曲の途中でも終わってしまうことがある。

 なんとキャラは3D。登場キャラはアルル、ルルー、シェゾ、サタン、ミノタウロス、すけとうだら、スケルトンT。そしてエレナ。みんな今風の衣装を着ているが、何故かシェゾとすけとうだらはキワモノである。ここでのシェゾは「超絶美形ナルシスト」なのだそうだ。マラカスを両手に持って踊る姿に、闇の魔導師の面影はない。

 本人、すごく楽しそうだけどね。

 っていうか、キャラの背後で踊っている恐竜とかサボテンとか猫とか犬とかがものすごく楽しそうで、なんか気になってしまったのは私だけだろうか。

 『ぷよよん』の連鎖ボイスが入っていて、踊っている間中喋っている。ちょっとウルサイ。

 デモの類は一切入っておらず、したがってストーリーは全くない。(話の作りようがないとは思うけど。)

ぷよぷよBOX

製作・発売/コンパイル(00/12/21)
PS

ぷよぷよBOX

 旧作の復刻やら新モードやらをごちゃまぜに詰め込んだ『ぷよぷよ』。

 復刻を求める声、新しいRPGを求める声など、雑多なユーザーの希望を出来うる限り拾い上げて作られているような気がする。

 『ぷよぷよ』(『ぷよ1』はPS初登場)『ぷよぷよ通』の完全復刻版と、『1』から『4』までのぷよのルールをごちゃ混ぜにしたり、ばくだんぷよを使ったり、対戦して自分のぷよの段位を上げていったりといった、これまでのシリーズから寄せ集めてきた感じの様々な対戦モード、そしてポケステを使ったプロフィール交換などのコミュニケーションツール。更に、かつてのRPG風『なぞぷよ』の系統で、RPG仕立てでアルルが冒険し、ぷよ対戦するストーリーモード(ぷよぷよクエスト)など、沢山のモードがぎっしりと詰め込まれている。

 基本的にぷよ通の仕様であり、つまり敵キャラのサンプリングボイスを必要としない。よって敵キャラのバリエーションが素晴らしく多くなっていて、ドマイナーなキャラからさりげなく新キャラまで、実に多彩である。

 しかし、それらキャラは過去の『魔導』シリーズやDSのゲームをプレイしていなければ知り得ない者であったりして、熱心な魔導・コンパイルファンには嬉しくても、ライトなぷよファンにはさしたる意味を持たないもののような気がする。(オマケ的サービスにはなり得ても、ウリにはならない……)

 派手さはないのだが、小さなゲームを沢山寄せ集めて楽しげにパッケージする、というのはまさにDSで長年行われてきたやり方で、コンパイルの気質には合っていたのかもしれない。

 なお、『ぷよぷよ』としては、操作性の点で微妙に難があるとして、ぷよらーには評判が悪かったようだ。

 "ぷよぷよRPG"としては、最初はごく小さな規模のものを作るつもりが、予定外の力作となったという。SS版『魔導』用に用意されていたが未使用となったイベント(川でのたらとセリリ)を流用したり、アイテムにもSS版『魔導』からの流れが見られるなど、スタッフの思い入れが感じ取れる。

>>『ぷよぷよクエスト』装備アイテムパラメーター表

 

○ぷよぷよクエスト

 ある日、特製ぷよまんを買いに出かけたアルルは、商人のぬぬぬさんから「ぷよぷよメダル」をもらいました。

「こんなのいらないよ」
「なんてことを言うんナラ!! このメダルにはこんな いいつたえがあるナラ・・・」

  はるかむかし・・・
  魔王が ふしぎな指輪をつかい・・・
  せかいじゅうのしあわせを
  ひとりじめしていた・・・

  そのため せかいには魔物がはびこり
  町は ひのうみへとかわっていった・・・

  そのころ ある村から1人の
  カッコイイ魔導師が
  カッコよく あらわれた・・・

  カッコイイ魔導師は
  魔王を カッコよく たおし
  カッコイイ ワザで ふしぎな指輪を
  カッコよく こなごなにした・・・

  そして カッコいい魔導師は、
  その指輪のかけらを
  塔に カッコよく ふういんし
  塔のカギを 6つのメダルへと
  カッコよく かえて、せかいじゅうに
  カッコよく かくした・・・

  それから カッコイイ魔導師は
  おんなのこにモテモテで
  キャーキャー言われちゃったりして・・・

「キャーキャー 言われちゃったりして・・・ もう眠れないヨルが つづいたりなんか・・・ ウハハハハ・・・」
「ちょっと、ちょっと、もしも〜し!」
「・・・!! ゴホンッ
 村から見える塔があるナラ? ようするに、あの塔に行けばシアワセになれるという話ナラ」
「それがこのメダルと どうカンケイがあるの?」
「その塔に入るには 6つのメダルが ひつようということナラ
 キミにあげたメダルが その6つのうちの1つナラ
 はやく6つ全てあつめて わがきさき・・・ゴホンッ シアワセになるのだ! ・・・ナラ!」
「なんだかわからないけど、メダルを6つあつめて 塔に行けばいいんだよね!
 なんだかおもしろそうだね、カーくん!」
「ぐぐーっ」
「よーし、メダルさがしのたびに しゅっぱつだ〜!!」
「ぐっぐぐーっ!!!」

 こうしてメダル探しの旅に出発したアルルは色んな人や魔物とぷよ勝負をして、ついに”しあわせの塔”へ到着しました。ところが、塔の中にはパーティの準備がしつらえられていて、タキシードでキリッと着飾ったサタンが出てきました。これは一体……?

 

 個人的には、『ぷよクエ』はゲーム自体は別にしてストーリーはあまり感心しない……。

 つまらないわけではないし、とても頑張って作ってあることはよく伝わってくるのだが、"おなじみの掛け合い"に頼って新味に乏しく、そのうえ悪ふざけが過ぎて、シェゾのキャラクターが崩壊し、これまでになく情けなく、カッコ悪くなってしまっている。貧乏すぎてご飯も食べられず、餓死寸前(?)で道に倒れていたり、色んなキャラから食料を盗んでみみっちく食べていたり。しまいに、きのこの生えた汚い洞窟(自宅らしい)で、パンツいっちょで震えながらアルルと対決するのだ。ここまで壊してしまうと、ちょっと行き過ぎだろうと思う。

 この程度の悪ふざけは、パロディでなら大して珍しくはない。パロディとしてなら十二分に楽しめる出来である。だが、問題はこのキャラ破壊ギャグをやってしまったのが公式側だということだ。公式のキャラがここまで壊れてしまっては、もはや作品世界そのものが狭まって行き詰まり、立ち行かなくなってしまう。「面白ければ何でもよし」ではなく、公式としての節度、誇りを高く守ってほしかった……。

  

 このゲームは、コンパイルが開発した最後の『ぷよぷよ』になった。

 

>>『ぷよぷよクエスト』デモログ&攻略メモ

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